カリマーの中・大型モデル「cougar」がアップデート - モニタープレゼント企画 Yamakei Online / 山と渓谷社
Monitor's Voice #01
20㎏以上の装備・ギアを収納してもザックの形が崩れず、背中に沿った形を保ってくれる。
体へのダメージも少なく、腰や肩の痛みが翌日以降に響くこともない。
綾野こるり さん(20代、女性)
登った山:西穂高岳(1泊2日、テント泊)、宝剣岳、木曽駒ケ岳(1泊2日、千畳敷ホテル泊)、五竜岳(1泊2日、テント泊)
登山歴:約8年
01
背中全体にうまく重さが分散し、手に持っていたときほど重さを感じないのに驚く。
ストラップを締めると少ない荷物でも揺れないので、アタックザックとしても使える。

 3月18~19日に、西穂高岳に行きました。西穂高山荘にテントを張って1泊し、翌日西穂高へアタックしテントを撤収、ロープウェイまで戻るという行程です。

「カリマー クーガー グレース50-70」に食料や防寒着などを多めに詰め、ロープウェイ駅で計量したら22kg。「カリマー クーガー グレース」を背負ってみると背中全体にうまく重さが分散し、手に持っていたほどの重さを感じなかったので驚きました。私は背中が反り気味で、ザックの背面パッド全体が背中に触れることがあまりなかったのですが、うまくフィットして、体感的には15kgくらいに感じます。晴れときどき曇りと、まずまずの天気にも助けられ、健脚メンバー4人でコースタイムの6割程で山荘に到着。

 翌朝、山頂へのピストンにも、「カリマー クーガー グレース」を使いました。サイドストラップに折り返しが入っているので、ストラップを絞ると全体が均一に圧縮され、中身が少なくても荷物が揺れるということがありません。

 3月25~26日には千畳敷ホテルを起点に、宝剣岳、木曽駒ケ岳にそれぞれ登りました。25日、不要な荷物をホテルにデポし、ギアループと重ならないよう背面の「SAバックシステム」とショルダーハーネスのストラップで背面長を調整し、腰骨の位置からウエスト近くまで変えました。快晴の中を山頂に立つと、下山は宝剣山荘から千畳敷カールへ。15時頃にホテルへ到着。山の上のホテルでお風呂に入るという贅沢を楽しみました。

 翌日は木曽駒ヶ岳へ。膝下くらいのラッセルをしながら慎重に千畳敷カールを登り、昨日とは打って変わって雪の中を山頂へ向かい、早めの下山となりました。

 4月1~2日には五竜岳へ。遠見尾根から大遠見~西遠見の間で幕営し、翌朝山頂へアタックし、同ルートでテレキャビンまで下山しました。冬季は営業小屋がないため、食料やガスを多めに持ち、25㎏近くなってしまいました。さすがにすべては荷室に入りきらなかったのですが、雨蓋やフロントポケットについているループが多いおかげで、ヘルメットやポーチなどのかさばるものを外に分けることができました。初日はガスで視界が効かない中、遠見尾根を登ります。気温は高かったので、春山と雪山の境目を感じるような天候でした。

 翌朝は雲ひとつない快晴の中、モルゲンロートに染まる五竜岳へ。登り3時間、下り2時間程で幕営地まで帰着しました。日差しが相当強かったため、シェルやジャケットも脱ぎましたが、小さく畳むとフロントポケットに2着とも入れることができたので、肌寒い時に体温調節がしやすくて助かりました。


     

分厚いショルダーハーネスが肩甲骨にフィット、肩の負担が少ない。
装備や山行計画によって背面長を変えられることがとても大きな利点。

 今回、容量いっぱいパッキングしても、フレームがしっかりしているため、ザックの形が背面を中心として型崩れせず、背中に沿った形を保ってくれていました。背中全体~腰にかけて荷重がうまく分散し、体の一部分が痛くなることもなく長時間背負い続けることができました。また、サイドがスリムなシルエットのため、木や岩場の間をすり抜けたりする際も引っかかることなく通過できます。

 「SAバックシステム」は、背面長の調節の段階がフリーのため、微妙な長さの調整もでき、常に背中全体にフィットするようなサイジングが可能でした。山頂アタックの際も、いらない装備をデポして、ハーネスを装着、ギアループに干渉しないよう背面を短めにする、ということも可能でした。身長の違いによる調整のほか、装備や山行計画によって背面長を変えられることはとても大きな利点だと思います。

 ショルダーハーネスは肩の上部に当たる部分が広く、両サイドのクッションが厚いため重いザックを長時間背負っても肩に食い込んで痛くなることがありません。また、ショルダーハーネスから背面につながる部分のパッドが肩甲骨部分にぴったりフィットすることで、肩にかかる負担がかなり少なくなります。以前はハーネスがずれてくることがあったのですが、幅とパッドのおかげか、気になりませんでした。

 「3Dヒップベルト」は厚みを持たせて腰骨全体を包み込むように設計されており、体との一体感が増しています。お腹部分に当たる面が広いことで、段差の大きいステップを乗り越えるとき、屈むときなどに食い込みが少なく、より安定感がありました。ストラップがV字に出ている分、調節する際に他のI字のものより多少強く引く必要がありましたが、慣れれば歩きながらでも引くことは可能です。今回は重い荷物を背負った山行でしたが、体へのダメージも少なく、腰や肩の痛みが翌日以降に響くこともありませんでした。

 ヘルメットも使用しましたが、雨蓋との干渉はありませんでした。試しにベルトを伸ばしてみたところ、フロントポケットの上辺りまで伸びたので、メインコンパートメントを一杯まで詰めない限り、調節はしやすいと思います。

 今回、縦走用の厚手のグローブを常につけていたのですが、オーバーグローブを外さなくても紐を引くだけで一気に開口部が開くため、大きい荷物を出し入れする際も時間を掛けずに手早く済ませることができました。

 「カリマー クーガー グレース」は、メインコンパートメントはもちろん、ポケット類に全てマチが付き、見た目以上にたくさんの装備が入ります。サイドのベルトを最大限に伸ばすことでマチがさらに広がり、ヘルメット・保温ボトルなど、立体的な物でもしっかり入れることが可能です。逆に、装備をテントにデポした際は、サイドベルトを引き締めるとマチが折りたたまれ、開口部が狭く深いポケットになるので予備のグローブ、脱いだウェアなど薄いものでもしっかり押さえておくことができます。また、雨蓋には4つのループ、フロントポケットにはデイジーチェーンのようなギアラックがつき、ヘルメットやソーラーライトなど、すぐ使うギアや外に出しておきたいギアも困りませんでした。容量いっぱいまでパッキングしましたが、歩いている最中に荷物の重みで振られることはありません。サイドのストラップを絞って調節することで、背中側に重心が来るようコンプレッションがかかり、中身の多い少ないにかかわらず安定して背負うことができました。

 ワンドポケットは広く幅を取ってあり、深さもあるので、持ち手部分を付けたままのシャベルと、ピッケル、テントポールを同時に1つのポケットに入れることができます。また、フロントポケットのマチ部分とワンドポケットの端がつながっているため、ワンドポケットからある程度はみ出てしまっても、その部分とベルトで挟み込んで留めることも可能でした。500mlのペットボトルくらいなら余裕で入りました。両サイドのポケットは内側に折りたたまれたマチがかなり大きいため、メインコンパートメント部分をいっぱいに詰めた状態でも外側へ広がり、2人用のツェルトやペグ、携帯トイレ、ボトル、インナージャケットなどかさばるものでも入りました。ツェルトやエマージェンシーセットなども、ポケット内部がメイン部分とつながっていないため、独立して保管しておくことができるのもポイントだと思います。ただ、今回はワンドポケットにシャベル、ピッケル、ポールなどいろいろ入れてしまったため、サイドで干渉しあってサイドポケットに十分な容量を入れることができませんでしたが。


     


● Check Point
  • 背面長の調節の段階がフリーなので、微妙な長さの調整ができ、フィット感も高まる。
  • ポケットのまちが大きく、見た目以上に大量に入る。
  • 雨蓋の4つのループ、フロントポケットのギアラックなどで、収納力アップ。

Monitor's Voice #02
長いこと背負っていても肩や背中の痛みがなく、局所的に荷重がかかることもない。
腰・肩・背中の全体で持っている感じで、ザックと体の一体感がある。
木下亮平 さん(20代、男性)
登った山:幕山(日帰り)、高川山(日帰り)
登山歴:15年
02
どの部分も開けやすいので、雨具や上着なども躊躇せずに出し入れできる。
二気室の扉部分が本体よりも少し強い生地で、安心して使える。

 3月28日、大学のサークルでのハイキングで幕山に登りました。少しでも荷物を増やしたかったので共同装備の救急箱とツェルトを担いだとはいえ、「カリマー クーガー45-60」には申し訳ないくらいの少ない荷物でした。それでもあまり不細工にならずにまとめることができて、かなり広く使えるザックだと思いました。背負って歩いても心地よい身体との一体感があって疲れにくいし、列車内でも取回しのよいサイズで、立てかけておいて倒れることもなく、網棚に上げるのも容易でした。所々咲いている梅の花が綺麗で、そのたびに立ち止まって写真を撮りましたが、腰ベルトにカメラをしまえるのが便利でした。

 しとどの窟あたりで雨が降り始め、椿台まで登ったところで少し強まったので登山は終了。日差しがなくなり、止まっていると寒かったのでダウンジャケットを出しました。大きなザックですがどの部分も開けやすいので、雨具や上着なども躊躇せずに出し入れできると思います。

 4月2日は、大学の山岳サークルの3人で高川山に登りました。荷物を増やして「カリマー クーガー」の使い勝手を試してみようと思い、救急箱・ツェルト・軽アイゼンに加えて、ガスストーブ・小鍋・3人前のカップラーメンなどをつめてみました。ある程度重く大きくなっても、背負ってしまえば全く負担感がありません。

 登りはじめからどんよりとした曇りで、雪は降っていなかったものの、前日までの雪が木の上から頻繁に落ちてきます。道の上にはうっすらと雪が残っていました。山頂では、低い位置に雲がかかっていたので展望はあまりよくなかったのですが、開放的で気持ちがよかったです。ザックは口ががばっと開くので見通しよく鍋などを出し入れできたし、サイドポケットも余裕があるので軍手などをスムーズに取り出せました。フロントポケットはカップ麺のごみくらいなら簡単に入るので、何泊か縦走する山行でも便利だと思います。

 天神峠への途中、田野倉へ下る道を分けるあたりは土の急な坂が溶けた雪でドロドロつるつるで、滑って尻もちをつくこともありました。でも、「カリマー クーガー」は二気室の扉部分が本体よりも少し強い生地でできているようで、心強かったです。荷物パンパンで岩稜帯を歩くような山行だと、ザックを下ろした時にこの部分は底部と同じくらい傷つくので、これは信頼できます。下っていくと雪がなくなるとともに日差しが出てきて、暑いくらいでしたが、容量に余裕があるから脱いだ上着をしまうのも簡単でした。


     

「SAバックシステム」は微調整がしやすく、歩きながらでも調整できる。
ちょうどよいところにちょうどよい大きさのポケットがあって、収納が便利。

 新設計のアルミチューブ&バーフレームシステムで、背中全体にザックがうまく乗っかる気がしました。「SAバックシステム」は、自在を介したベルトで引き締めるようになっているので、スムーズで、微調整もしやすく、ズレにくいです。勝手に動いてしまうこともなさそうだし、背負って歩いてみて休憩のときに調節するとか、歩きながら少し動かすということも容易でした。

 ショルダーハーネスのためか、長いこと背負っていても肩や背中の痛みがなかったです。局所的に荷重がかかることもありませんでした。腰全体をしっかりとホールドできる感じ。「3Dヒップベルト」が分厚く幅広いので、腰骨の一部が締められて痛いということもありません。腰と肩の骨の出ているところだけで支えるのではなく、腰・肩・背中の全体で持っている感じがします。腰と肩とで身体の外側に荷物を固定しているのではなく、身体が後ろに膨らんで荷物を収めているというようなザックとの一体感がありました。

 クイックアクセスオープニングは、そのひと工夫で手間が半減しました。よく使う物も雨蓋ポケットなどに頼らないで本体にしまえるのがよいですね。首の部分が長すぎないのも、開閉しやすさに貢献していると思います。

 大容量のフロントポケットは、ごみ袋やトイレットペーパーなどを入れるのに便利でした。サイドポケットには文庫本、ヘッドランプ、軍手など、本体に押し込みたくないものがおおかた入ります。ファスナーが上下についているので、適当な位置に合わせておけば、雨蓋やサイドのベルトに邪魔されずに開閉できます。腰ベルトのポケットはコンパクトデジカメにちょうどよい大きさ。もう一方には、行動食やティッシュ、コンパスなども入りそうです。雨蓋上側には地図やサングラスなど、雨蓋裏にはティッシュペーパと貴重品。いずれもちょうどよいところにちょうどよい大きさのポケットがあって、しかもそれなりに物を入れて膨らませても全体の見た目が不細工にならないのがとてもよいです。ただ、ポケットを腰ベルトに繋いでいるストラップが、ベルトの自在に引掛かってしまって、これを引っ張って外さないとベルトの調節ができないということがたまにありました。

 「カリマー クーガー」はテントと寝袋を持つ夏山の縦走によいと思います。55-75か75-95を背負って、3泊から1週間くらいの山に行ってみたいと思います。荷物が少なくても見た目が不細工にならずにまとめられるので、これでたいていの山行は間に合うとも言えます。1泊など短めの宿泊山行でもどんどん使っていきます。


     


● Check Point
  • クイックアクセスオープニングで手間が半減。よく使う物も本体にしまえる。
  • 「3Dヒップベルト」が分厚く幅広いので、腰骨の一部が締められて痛くならない。
  • 荷物が少なくてもまとめられるので、夏山縦走から1泊の山行まで広く使えそう。

Monitor's Voice #03
腰ベルトと肩ベルトが秀逸で、肩と腰でザックの重量が分散して疲労も軽減している。
「山行中にいかに快適に過ごせるか?」がテーマの登山には最適のザック。
あめ さん(30代、男性)
登った山域:長野県・坊主岳(日帰り)、福井県・荒島岳(日帰り)
登山歴:25年
03
ベルトの配置が大型ザックにありがちなザックの振れを抑えるのに有効。
背面パッドに剛性があり、背中付近に重くて固い物を入れても問題ない。

 3月12日に長野県の坊主岳、3月19日に福井県の荒島岳に行きました。坊主岳は晴天の中、4時間半の山行、荒島岳は曇り&強風の中、6時間の山行でした。

 「カリマー クーガー 75-95」を一見したとき、ベルトが多くて使いにくいのかな?と思いましたが、大型ザックにありがちなザックの振れを抑えることにとても有効なベルトの配置になっていました。アルミチューブ&バーフレームシステムのため、荷物を入れてもザック全体の剛性が高いのか、型崩れすることなく振られることもありませんでした。背面パッドも剛性があるため、背中付近に重くて固い物を入れても問題ありませんでした。

 なおかつ季節に関係なく使える拡張性の高さがとても魅力的です。冬山にも十分対応できる収納力と生地の剛性は本当にありがたい基本性能だと思います。腰ベルトと肩ベルトが秀逸で、肩と腰でザックの重量が分散していることが実感できます。背面長の調整幅が大きいことや背面パッドの通気性なども非常に良好で、長時間背負っていても疲労の軽減につながる配慮がされています。



「3Dヒップベルト」で、腰に乗る感じがよく、肩ベルトにかかる重さが気にならない。
ポケットの場所などがちょうどよく、重量のバランスが取りやすい配置。

 ショルダーハーネスのパッドの厚みや幅がちょうどよい具合で、長時間背負っても不快な感じはないと思います。「3Dヒップベルト」で、腰に乗る感じが抜群にイイです。しっかり乗せると肩ベルトに荷重が掛かっている気がしないほど軽く感じます。ポケットの場所なども重量バランスに対してちょうどよい場所に配置されており、特に深く考えなくても重量のバランスが取りやすい配置になっていると感じました。

 ヘルメットの必要はなかったのですが、実験として「ヘッドクリアランス」を使用してみました。ザックに余白があるとき、雨蓋は自然と下がるので気になりませんでしたが、余白がないくらいまで荷物を入れた状態だと、頭部の後方の雨蓋が気になりました。雨蓋の位置が移動できることで「ヘッドクリアランス」の確保ができるのはありがたい機能だと思いました。

 クイックアクセスオープニングは、片手で操作できるので非常に楽です。また、フロントポケットにはヒップソリを2人分とアイゼンを入れました。正直ここまで大きいものがスッポリとザック内に収納できることに驚きました。それに、ヒップソリとアイゼンを入れても型崩れしないことにも驚きました。サイドポケットには、座布団・行動食・予備の飲料など、頻繁に出し入れする物を中心に収納。「ワンドポケット」には携帯電話・携帯灰皿・たばこなど、ヒップベルトのポケットには気分転換用のミントタブレットを入れていました。

 個人的には、今流行りの無駄を限界まで省くようなウルトラライトは好きではありません。「山行中にいかに快適に過ごせるか?」がテーマなので、「カリマー クーガー」のようなザックは最適だと思いました。また、「カリマー クーガー」は、夏季・冬季を問わずにテン泊縦走するような方に勧めたいですね。生地がしっかりしていてザック全体の剛性が高いことと、ザックの外側にマットなどを括るベルトが豊富にあり、十分な装備で山行できることから、自分も今後はテン泊縦走時の主力として活躍してもらう予定です。




● Check Point
  • クイックアクセスオープニングは、片手で操作できるので非常に楽。
  • 雨蓋の位置が移動できることでヘッドクリアランスの確保ができるのはありがたい。
  • フロントポケットにはヒップソリを2人分とアイゼンが入り、型崩れもない。

Monitor's Voice #04
アルミフレーム配置や「3Dヒップベルト」で、ザックの安定感がある。
長時間背負っても、ショルダーハーネスは肩の凝りや痛みを感じさせない。
三毛裕明 さん(50代、男性)
登った山:宮崎県・韓国岳(日帰り)
登山歴:20年
04
ザックが重くても、身体へのフィットがよく、重さをあまり感じない。
脱いだ衣服をフロントポケットへそのまま押し込んでも簡単にしまえる容量の大きさ。

 3月18日に宮崎県えびの市韓国岳へ登山して来ました。今回のコースはえびの高原、えびのビジターセンター~韓国岳避難小屋~山頂の往復約4時間のコースです。

 えびの高原、ビジターセンターを8:30に出発したとき、天気はうす曇り程度。「カリマー クーガー55-75」には、趣味のカメラ(一眼レフ)三脚も余裕で入りました。ザック重量はありましたが、身体へのフィットがよく、重さをあまり感じませんでした。韓国岳避難小屋までは小さな登り下りを繰り返しながら標高を上げていきます。春とは言え、えびの高原はまだ冬の気温。登山道で木立は強い風に煽られ、ゴーゴーと音を立てて左右になびいていますが、風を感じることはありませんでした。避難小屋は板張りの床で仕切りも何もないワンフロア、ちょっと腰を下ろし一息入れます。

 休憩後の登山道は一気に急勾配となり、木製の階段が続いていく、急な所は斜度20度を超えるような場所、中々キツイ!! ヒップベルトポケットから飴を出して舐めながら登っていきます(容量の大きなポケットへは何でも入っちゃう…と言うと大袈裟だが、使い方は工夫次第)。避難小屋から山頂までの1時間のコースは、半分を過ぎた辺りから後ろに大浪池を望むことができます。この辺りからは立木が少なく風当たりが強くなり、寒さを感じたので、フリースからジャケットに着替えます。脱いだフリースをフロントポケットへそのまま押し込みましたが、容量が大きいので簡単にしまい込むことができました。山頂付近はガスに包まれ視界不良、そして強風で寒い。山頂の看板から3mも進むとそこは大きな噴火口(数百m、深さ数十m)が口を開けていました。



肩の痛み、凝りを全く感じず山行ができるショルダーハーネス。
「3Dヒップベルト」はズレにくく安定感がある。

 ザック全体(背負い面上下左右)を囲むようなアルミフレーム配置によりザックの安定感を強く感じます。また「SAバックシステム」のフレームもバーフレームと連結されるような(直接はついていないが)構造なため、安定感を感じるのかな? 「SAバックシステム」の調整はいたって簡単にでき、身体にフィットしました。背負ったまま調整できないこともないですが、自分は下ろして位置調整した方がやりやすかったです。

 私は肩凝りしやすく、また肩に内出血をよく起こします。なので、これまでは低反発スポンジでショルダーパットを作ってザックのショルダーパットに巻き付けて使用していました。今回は日帰りで短時間でしたが、12Kg程度の重量を特製パットを使用しない状態で背負ってみました。普段なら途中でザックを肩から持ち上げるようにして肩の凝りや痛みを防ぐようにするのですが、「カリマー クーガー」は肩の痛み、凝りを全く感じず山行ができました。また、通常どんなザックも、背負う時に腰骨のところでしっかりホールドさせて背負っても、山行中にズレてしまうものですが、「3Dヒップベルト」はズレにくく安定感を感じました。これはアルミチューブ&バーシステムでザック自体の剛性が高いことも影響しているのかも知れませんね。

 ザックの重量バランスはパッキング状態で変わってしまう部分ですが、形状として体の重心に来るように作られています。ただし背負った感じでザック形状によるバランスというのは感じられませんでした。ヘルメットは使用していませんが、「ヘッドクリアランス」を空けることで、立木の枝など登山道にある引っかかり部分にザックの頭が引っかかるのを防ぐことができました。 クイックアクセスオープニングは簡単に引き開けることができてよかったです。左右のサイドポケットには一眼レフ用三脚とトレッキングポールを、ヒップベルトのポケットには、デジカメ、スマートフォン、地図と手帳、飴、梅干しを入れました。

 「カリマー クーガー55-75」は、容量的には山小屋・テント泊1~2泊の行程がいいですね。とにかく安定的に背負えて、楽に感じます。個人的に宮之浦岳縦走をしてみたいと思っているので、そんな山行にお勧めしたいです。




● Check Point
  • 重量バランスが体の重心に来るようにつくられている。
  • 「ヘッドクリアランス」を空けることで、登山道にザックの頭が引っかからない。
  • クイックアクセスオープニングは簡単に引き開ける事ができてよい。

Monitor's Voice #05
荷物を背負っても、調整ができる「SAバックシステム」「ヘッドクリアランス」が便利。
重さが一部分にかかることがなく、ショルダーハーネスの食い込みもない。
CO さん(30代、女性)
登った山:長野県・霧訪山(日帰り)
登山歴:5年
05
「SAバックシステム」「ヘッドクリアランス」は調整作業が簡単。
急登でも、ザックの重さやバランスが気にならず、一部分に重量を感じることもない。

 3月25日、長野県の霧訪山に行きました。標高1,305mの決して高くはない山ですが、山頂からは北・中央・南アルプスのほか周辺の町まで見渡せ、県内外から登山者が訪れる人気の里山です。また、春にはオキナグサやカタクリなどが楽しめます。日帰りの里山山行になってしまいましたが、「カリマー クーガー グレース45-60」に夏のテント泊装備を収め、使用感を試すことにしました。天候は晴れ、気温は12~13℃程度。ほぼ風もなく、小春日和。遠くの山々は少し霞んでいましたが、北アルプスまで眺めることができました。

 中型・大型ザックの場合、安定性や重量バランスを最適化する構造などは必須だと思います。「カリマークーガー グレース」は、その点が改良されたうえで、さらに使用感をよくするために、細かな部分の改良がたくさんちりばめられていると思います。私はとくに「SAバックシステム」と「ヘッドクリアランス」の機能が気に入りました。長い山行中には、状況に応じて途中で調整を変更したくなる時もあります。「SAバックシステム」も「ヘッドクリアランス」も調整作業が簡単で、山行中に作業すること自体が苦にならないことがわかり、今後の山行の強い味方になると思いました。

 霧訪山は里山でも急登があります。また雪が少し残っている状態で足元に注意しながらの登山でしたが、ザックの重さやバランスを気にせず登ることができました。また、一部分に重量を感じるようなこともありませんでした。ただ、色がネットで見るよりもだいぶ地味で、その点は少し残念でした。



背負って調整をしても、スムーズで体にフィットすることができる。
荷物を背負っても、ショルダーハーネスの食い込みはなく、肩だけに重さがかかる感じもない。

 中型・大型のザックの場合は、荷物をザックの奥まで詰め込んだり出したりする作業で手間取ることがあるため、アルミチューブでザック自体の形状が安定していると作業がしやすいと感じました。初めて使用する際、背面長を調整せずに荷物を詰めてしまったのですが、約17㎏の重さを背負った状態で調整をしましたが、スムーズに調整することができました。また、体にもフィットしました。

 夏場のテント泊を想定して約17㎏の荷物を背負いましたが、ショルダーハーネスの食い込みは感じず、かつ肩だけに重さがかかるような感じもありませんでした。ただ、「3Dヒップベルト」のサイドの部分は厚く、形がしっかりしていて安定感はありますが、いささか硬く違和感がありました。使用しているうちに体になじんでくるとは思いますが。バックのお尻の真上にくる部分、パットが縦長の形状の部分がありますが、そこが少し硬く、ベルトを強く締めると腰に当たって痛かったです。強く締め付ける部分に小さなパーツがあると違和感や圧迫感を感じやすいと思いました。

 「ヘッドクリアランス」は、このザックに最も期待していた機能です。髪の毛を結んだり、帽子をかぶった時に雨蓋部分と干渉するのがいつも気になっていました。ザックいっぱい、雨蓋にも荷物を積み込んで急登を登りましたが、従来のザックよりも干渉が軽減され、使用感はとてもよかったです。雨蓋のストラップが斜めに取り付けられており、難しい作業もなく雨蓋を移動できました。

 また、今回はフロントポケットに軽アイゼンを入れましたが、出し入れも問題なく収納できました。わかんが入らないか試してみましたが、わかんは爪の部分が引っ掛かりうまく収納できませんでした。また、入口が広くポケットが深いため、雪や水が入りやすく溜まりやすそうな点が気になりました。

 ワンドポケットへはペットボトル500ml、テントポール。ヒップベルトへは行動食(アメ、チョコなど)、日焼け止め、スマホ(iPhone7)。スマホで写真を撮っているため、ヒップベルトのポケットに入るとすぐに取り出せてよいです。

 夏のテント泊の場合、これまでのザックでは、容量が大きすぎてバランスが悪くなったり余計なものを入れがちでした。「カリマー クーガー グレース45-60L」なら、持ち物を吟味して、より無駄のない山行ができると思いました。夏のテント泊縦走、アイゼンや防寒着など持ち物が増える冬の日帰り山行、ロープや登攀具などの持ち物が増えるバリエーション山行にお勧めのザックです。日帰りや泊まり、さまざまな使用場面に対応できるちょうどよいサイズなので、今後も使っていきます。


     


● Check Point
  • 「ヘッドクリアランス」は雨蓋にいっぱい荷物を入れても、移動が簡単で使用感がよい。
  • 軽アイゼンも入るフロントポケット。
  • ヒップベルトのポケットにスマホも入り、すぐに取り出せるのでよい。

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