1946年、イギリスのランカシャーで、パーソン夫妻によって起業された「カリマー」。ブランド名の「karrimor」の由来は「carry more＝もっと運べる」だ。創業当初は小さな自転車店で、サイクルバッグなどを提供していたが、機能的で耐久性に優れるオリジナルのバッグは、すぐにクライマーの間でも評判に。1957年、バッグの製造技術を活かし、リュックサックの提供を開始する。

　その後は、世界的クライマーや遠征隊が信頼を寄せる画期的なリュックサックを次々に開発し、登山史に残る数々の偉業をサポートしてきた。

　そんな老舗カリマーの定番の中・大型モデル「クーガー（couger）」がアップデートされた。

　2015年のイントレピッドやジャガー、16年のリッジやランクス、デールのモデルチェンジに続き、ついにカリマーの中・大型リュックサックの定番モデル「クーガー」がリニューアルされた。新しいクーガーには、ジャガーやリッジで培った技術や、それらから得たノウハウがすべて反映されている。さらに今モデルより、女性用の「クーガー グレース」がラインナップされた。

　大きな改良点は、フィット感の向上だ。フレームは、これまでの縦に2本走るアルミバーに加え、背面パッド内に横方向にアルミバーを追加。さらにバックパネルの外周にアルミチューブを配して、高い剛性を実現している。また、背負ったままでも、無段階で背面長が調整できる独自の「SAバックシステム」も進化。本体の高い剛性と、各パーツの精度を高めたことで、さらにブレのない安定感のある歩行が可能となった。背面のパッド部分は、ステッチの配置を工夫することで肩甲骨の動きに合うよう改善され、フィット感向上に一役買っている。

　フィッティングという点では、新開発のハーネスも特筆すべき点だ。ショルダーハーネスのパッド形状を一から見直し、チェストストラップを強く引かなくてもフィットさせやすくなるとともに、肩や胸への当たりに違和感がなくなり、背負いやすさに磨きがかかった。ヒップベルトは、立体的に腰骨を包み込むようステッチが刻まれ、さらに2本のストラップでＶ字に絞めることにより、ザックの重心をしっかり腰に“乗せる”ことが可能となっている。

　細部ばかりでなく、全体のフォルムも見直されている。パッキングしたザックの重心がさらに身体の中心線に近づくことで、バランスが取りやすく、より安定して、より疲れにくくザックを背負い続けることができるようになった。

　これまでにない安心感とフィット感を手に入れた中・大型モデル「クーガー」と「クーガー グレース」。クーガーは75-95、55-75、45-60の3サイズ、クーガー グレースは55-70、45-60の2サイズがラインナップされている。

カリマー／クーガー 55-75
価格：34,020円（本体31,500円＋税）
容量：55〜75L
バックレングス：43〜54cm
重量：2,680g
カラー：3色

カリマー／クーガー グレース 55-70
価格：34,020円（本体31,500円＋税）
容量：55〜70L
バックレングス：38〜50cm
重量：2,550g
カラー：3色