【カリマー】リッジ30&40 カリマーの代表モデル「リッジ」がリニューアル - モニタープレゼント企画 Yamakei Online / 山と渓谷社
モニターレポート01
体の動きに追従し、「重くても辛さの少ないザック」。
信頼性が高いので、多い荷物、良くない気象条件、長時間の歩行などで威力を発揮。
森田 淳 さん(50代男性、登山歴15年)
登った山域:谷川岳(2泊3日山小屋泊)
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Ⅴ字になったヒップベルトが腰骨を包み込み、荷重を腰で支え、肩への負担が軽減。
荷物が多くても、表示のリッター数以上に入り、重心のバランスが良い。

 6月21日~23日、谷川岳に行きました。

 雨の中、「土合橋」を出発。途中で雨はあがりましたが、ガスが濃く、眺望は悪かったです。「トマの耳」に着くと、ガスがさらに濃くなり、湿度は完全に100%! 暑くて、汗だくに。でも、「ridge40」は旧商品より、背面の通気性が若干良くなっている様に感じました。「オキの耳」から先の尾根道は日本海側から吹き上げてくる風に晒されて一転して寒い! 予定より2時間遅れで「茂倉岳避難小屋」に着きました。大変な山行でしたが、フィット感が良好でザックとの一体感があることに助けられました。ショルダーハーネスも旧モデルに比べて柔らかく作られていて、初回の使用時から肩に馴染みました。「茂倉岳避難小屋」はトイレもあり、水場も近く、また小屋の造りもしっかりしていて実に快適。ガスもいつの間にか晴れ、遠くの山の端が黒くはっきりと見えました。

 2日目、8:00に「茂倉岳避難小屋」発、昨日とは打って変わってピーカン! 気温は20℃位と思われたのですが、無風で日差しが強かったです。しかし、歩き始めて約1時間後にわかにガスに捲かれ、さっきまでとは全くの別世界。「武能岳」に上がってしばらくすると、ガスが晴れて蓬峠が一望できました。蓬ヒュッテから「大源太山」方面へ向かいます。「七つ小屋山」に行くと、ニッコウキスゲが丁度見ごろを迎えていました。蓬ヒュッテの夕食時間に間に合うようここで引き返すことにしました。

 3日目の朝、嵐のような荒天。雨が横から降ってきます。天候が回復しない中を、8:00に出発。蓬新道を下ります。高度を下げるにつれ風は弱まるも雨はやみません。それでも、11:40に蓬新道登山口(林道終点)に到着しました。

 3日間の行程を通して、ヘルメットを荷室の一番上に入れて雨蓋をかぶせる時間帯が一番多かったです。雨蓋ポケットに小物を沢山入れましたが、ヘルメットの丸みと干渉することはありませんでした。荷室のひもを締めたり緩めたりがしやすいので、ヘルメットの出し入れもしやすいです。

 厳しい山行でしたが、Ⅴ字になったヒップベルトが腰骨を包み込む感覚になり、荷重を腰で支える割合が増え、その分肩への負担が減ったように思います。体の動きに追従するインナーバックパネルのおかげで、「重くても辛さの少ないザック」だと感じました。荷物が多くなってしまったのですが、表示のリッター数以上に入る容量と、重心のバランスの良さに助けられました。帰宅後に寝込んでもおかしくない程の悪条件での山行でしたが、おかげさまで早速次の日から元気に出勤できています。


     


チェストストラップやポールホルダーが使いやすい。
コンプレッションシステムは、ベルトを締めると全体を固めることができる。

 今回、一番感心したのがチェストストラップ。旧モデルのそれと比べるとかなり細いので使用前は少々心配でしたが、付けやすく、外しやすく、長さの調整も容易で、強度も充分です。どういった仕組みなのか未だにわかりませんが、とにかくこれはナイス! また、ザック後面のポールホルダーは、下部のループの径の調整ができるのは旧モデル同様ですが、この機能は他社製品にはなかなかなく、私はとても気に入っています。

 上部ループの留具はかなり進化したようで、留めやすく、締めやすく、緩めやすく、外しやすくなっています。もちろん不用意に緩んだり外れたりすることはありません。ザック後面の外ポケットは、旧モデルではサイドにファスナーが付いていましたが、新モデルではファスナーの位置は真ん中に移動。出し入れしやすく使い勝手が良くなりました。コンプレッションシステムは実に良く作られています。荷物の多い時は勿論ですが、少々少なめであってもコンプレッションベルトをしっかり締めて全体を固めることができました。

 ついでに「残念な点」も書かせて頂きます…それは色。今回選んだA.Greenは大正解でしたが、先日のモデルチェンジでレスキューオレンジがなくなってしまったのは非常に残念です。いい色だったのにな~。万が一の時を考慮してできるだけ目立つ色を選ぼうとするユーザーも少なくないのでは? 今のラインナップでそれに値するのはマゼンタだけですね。

 「ridgeシリーズ」は30ℓなり40ℓなりの容量をほぼ満たすだけの荷物の量があり、かつパッキングに気を使え、コンプレッションもきちんとできるベテランにぜひおすすめ! ただ、荷物少なめの日帰りハイキングには向かないと思います。ヤワな素人が遊びで使うようなザックではないかも。とにかく質実剛健で信頼性が高い!「荷物の多い1~2泊」、「気象条件等の良くない時」、「長時間の歩行が予想される山行」など、特に本来の威力が発揮されると思います。


     


● Check Point
  • ショルダーハーネスが柔らかく、初回の使用時から肩に馴染む。
  • 雨蓋ポケットに小物を沢山入れても、ヘルメットと干渉せず、出し入れもしやすい。
  • チェストストラップが付けやすく、外しやすく、長さの調整も容易で、強度も充分。
モニターレポート02
ザックが背中全体に密着し、多少激しい動きでもぶれない。
ザックを下しているときのことまで考えた「細部まで行き届いた細かい配慮」も秀逸。
田渕義英 さん(30代男性、登山歴5年)
登った山域:磐梯山(日帰り)
02
ウェストハーネス、ショルダーハーネス、ショルダースタビライザーと連動して、
バックパネルがパッドを身体に押し付けてくるようで、フィット感がある。

 6月21日(火)、梅雨の隙間をぬって磐梯山に登りました。予報から晴れ間は期待できないと考えていましたが、櫛ヶ峰と磐梯山のコルでは青空がひらけ、新緑の斜面を舐めるように雲が流れていく大変美しい景色を見ることができました。また、磐梯山は今ちょうど花の季節を迎えており、山腹ではウラジロヨウラクやタニウツギ、天狗岩周辺のお花畑にはミヤマキンバイや磐梯山の固有種であるバンダイクワガタ、弘法清水より上ではサラサドウダンやゴゼンタチバナなど、多くの花々を見ることができました。

 今回、「ridge30」を背負って歩いてみて一番印象的だったのはバックパネルでした。ウェストハーネス、ショルダーハーネス、ショルダースタビライザーと連動して、バックパネルがパッドを身体に押し付けてくるような感覚があります。全体に高めの重心によってザックが後方に引っ張られる感覚がなく、スタビライザーを適切に引くことで高いフィット感を得られます。最大荷重時にどうなるかはわかりませんが、少なくとも今回の山行のように10kg以下の荷重であれば、ザックが背中全体に密着し、多少激しい動きでも体感がぶれないので、山での歩きやすさをかなり向上させてくれます。

 Ⅴ字ベルトとパッドで腰骨を包み込むヒップベルトのおかげで、快適なホールド感があります。ザックは全体に軽量化されているのですが、ウェストハーネスの剛性はしっかり維持されており、荷重に対する安心感は高いです。また、ショルダーハーネスの取り付け角が素晴らしく、肩の適切な位置に荷重がかかるのもこのザックの特徴です。僕はもともと肩こりからくる緊張型頭痛があり、山行中はときどきザックを下して筋肉をほぐすように心掛けているのですが、「ridge30」のショルダーハーネスは肩のやや外側の位置に荷重してくれるため、首周りに干渉せず、胸をしっかりと開いて歩くことができます。

 「ridge30」の特徴のひとつであるコンプレッションも優れています。特に、下部のV字コンプレッションは、1本で締めるタイプと異なり全体的にザックを圧縮し、ザック幅を抑えて体軸付近にまとめることができるので、歩行時の身体のブレを低減できます。


     


最小限の開口部で必要な道具へアクセスすることができる。
小物や道具などを落とさず、確実に保持するための工夫が随所に。

 「ridge30」の印象は、一言で言って「細部まで行き届いた細かい配慮」に尽きます。背負って歩くという基本的な機能はもちろんすばらしいのですが、それ以上に、ザックを下しているときのことまで考えた心憎いばかりの工夫が随所に凝らされているのです。ポケットの配置や小物の脱落防止のためのループやフックなど、細かい配慮が光るザック。山行中は常にザックを背負っているわけではなく、ザックを下して作業している時間も多いです。こうした時間のストレスが少ないことは、このザックの最大の魅力だと思います。

 特筆すべきなのは、雨蓋表のポケットから裏のメッシュポケットへ、ジッパーによるアクセスが可能になっている点です。雨蓋を開けずに裏のポケットへアクセスでき、大変便利で、また、物を落としたりするリスクを低減させてくれます。背面の大型ポケットには、タオルと薄手の化繊パーカーかレインの上着くらいならば十分に収納できる容量があり、休憩のたびにすぐに取り出せて、体を冷やさない行動パターンを容易にしてくれます。行動中はほとんどメインコンパートメントへアクセスする必要を感じません。

 水分はハイドレーションで補給し、行動食や防寒着、その他の小物などは、リッドインナーアクセスポケットや背面の大型ポケット、そして他社の同サイズのザックよりも大きくつくられているウェストハーネスのポケットなどによって、最小限の開口部で必要な道具へアクセスすることができるのです。

 また、山行中に荷物を頻繁に出し入れしますが、「ridge30」には、小物や道具などを落とさず、確実に保持するための工夫が随所にあります。たとえば、雨蓋の根元にはヘルメット脱落防止のためのループが取り付けられていますが、荷物を取り出す際に邪魔にならない位置にあるので、荷物の出し入れを阻害せずにヘルメットを固定しておくことができます。また、雨蓋裏のメッシュポケットにも小物用のフックが取り付けられており、キーや財布などの脱落防止に使用できます。スタビライザーの末端がショルダーハーネス上部でループ状に固定されており、そこにカラビナなどをかけられるようになっています。

 「ridge30」のザックカバーは、ザックのボトムに収納されており、そこにザックの外側からアクセスする構造になっています。しかし、ザックカバーを必要とする状況ではザックのボトムは汚れている可能性が高いので、ザックカバーを取り出す際に、泥などが手やグローブに付着するかと思います。この収納位置はぜひ再考していただきたいですね。

 「ridge30」「ridge40」は日帰り山行にちょうど良いサイズに、多彩な機能と細やかな配慮が詰め込まれており、とにかく使い勝手が良いです。すべての機能が高いレベルでまとめられており、山行中のストレスが少ないことが素晴らしいと思いました。今回は「ridge30」を使用しましたが、30リットルは日帰り山行から小屋泊まで対応できるサイズ感になっています。よほど特殊な登攀などでもないかぎり、ほとんどの山行形態に適していると思いますが、バランスの良さからとりわけ最初のザックとして購入を検討している人には、確実にお勧めできると思います。


     


● Check Point
  • ショルダーハーネスが首周りへ干渉しないので、肩こりが起こらない。
  • Ⅴ字ベルトとパッドで腰骨を包み込むヒップベルトのおかげで、ホールド感が快適。
  • 雨蓋表のポケットから裏のメッシュポケットへ、ジッパーによるアクセスが可能。
モニターレポート03
全体的に重みが分散され、長時間背負っていても疲れを感じにくい。
背面や腰パッドのクッション性が良くなり、安定感がよくなった。
藤田七菜子 さん(30代女性、登山歴21年)
登った山域:関八州見晴台(日帰り)、蝶ヶ岳(1泊2日山小屋泊)
03
荷物が少なくてもぐらつかず、多いときも歩いている時のバランスがとりやすい。
旧モデルよりも、生地が薄く軟らかくなり、収納も使い勝手が良くなる。

 6月15日に関八州見晴台、21日~22日に蝶ヶ岳に行ってきました。

 関八州見晴台では、西吾野駅に到着したときから弱い雨が降っており、最初からレインカバーを装着しての登山となりました。午後から晴れる予報を信じて行きましたが、結局1日中霧雨で、半袖でいると少し肌寒いと感じる気温でした。荷物が少なかったのですが、サイドのコンプレッションがⅤ字になったことで、荷物が少ないときも中身がぐらぐら移動することはありません。見た目もすっきりしたと思います。荷物が多いときも歩いている時のバランスはとりやすく、何も背負っていない時の感覚により近づいたと思います。

 蝶ヶ岳に登った際は、三股登山口から蝶が岳、蝶が岳ヒュッテに泊まり、長塀山経由で上高地に降りました。梅雨の時期の天気予報は全くアテにならず、コロコロ変わる天気予報の中雨にも降られず、夕方には槍ヶ岳、穂高連峰まで見え最高の山行となりました。花盛りでたくさんの写真を撮りつつ、ゆっくりと登って行きましたが、稜線に出るまでは風がほとんどなかったのでとても暑く感じました。「ridge30」のインナーバックパネルは全体的に重みが分散され、一部分に負荷がかかるようなことがないので長時間背負っていても重みは気になりません。

 ザックが腰でしっかり支えられ、肩や背中にも自然に馴染むので力が分散され、ザックを下さず立ったままで休憩していても疲れを感じにくかったです。下側がスリムになっているので、下山時急な木の階段梯子を下るときや大きな段差でもザックを擦ることなく通過できました。体の一部のような感じで、快適に登山を楽しむことができました。

  以前の「ridge30」を最高のモデルだと思って愛用していましたが、リニューアルした「ridge30」は更なる進化を遂げていました。プラスチック部品が減り、生地が薄く軟らかくなり、荷物の出し入れがスムーズになりました。軽くなったことで縦走登山をする時も楽になると思います。以前より背中のポケットが大きくなり、使い勝手がよくなりました。携帯トイレや救急セット、エマージェンシーシート、地図や虫よけスプレーなどたくさん入りました! 側面のポケットもダブルファスナーとなり、取り出しやすいです。雨蓋も内側ポケット部へのアクセスが可能となり、荷物の仕分け・取り出しもしやすくなりました。女性は何かと細かい荷物が多くなりがちなので、ポケット機能の充実はありがたいです。


     


ショルダーハーネスは長時間背負っていても、肩こりしない。
軽量化され、長時間歩いてもより疲れにくい設計に見直され、使いやすい。

 背負ってみると、背面のクッションが良くなったと思います。反り腰なので浮いてしまう部分もあるのですが、クッションが少し厚くなった分フィット感が増した気がします。ショルダーハーネスは長時間背負っていても、肩こりしません。もともと腰で支えるタイプのザックなので肩への負担は少ないと思うのですが、より疲れにくくなったと感じます。ショルダーハーネスの厚みが少し薄くなった分、肩周りに感じるゴワゴワ感が減りました。

 ただ、ショルダーハーネスの下側(ベルトに近い側)が下着と当たり、痛くなってしまうのが気になるところです。背面と同様、腰のパッドもクッション性が良くなりました。ベルトもⅤ字になり、安定感が増しました。腰パッドとポケットが独立したのでポケットのものを出し入れするのも楽になりました。ポケット自体大きくなったので、行動食やコンパスなどすぐに取り出したいものがたくさん入ります。コンデジも入りました。

 チェストストラップは今までにない形でとても新鮮に感じました。特に外すときは楽になりました。三つ編みをしていたり、ハイドレーションやハットの紐、虫よけネットなどをして胸元に色々ある状態ですと、つけるときにストラップを探してしまうのですが、ゴロゴロしないので女性も胸元を気にせずつけられるかな? と思います。

 今回、レインカバーも内蔵で底辺に収納できるので着脱がスピーディになりました。ただフックがすぐに外れてしまうので、必要があったのかな? もう少し違う形にすればいいのにな、というのは感じました。(背中側でザックに留めるので、フックが外れても問題はありません)

 一気室で上からしか物を取り出せないので下に入れた物を取り出したいときは少し面倒かもしれませんが、「ridge30」は他の30リットルと比べてびっくりするほどたくさんの荷物が入ります。軽量化され、長時間歩いてもより疲れにくい設計に見直され、使いやすくなったリッジシリーズ、ぜひ色々な方にお勧めしたいです。

 「ridge30」は荷物が少ないときでもストレスなく使用できることがわかりました。小容量にも大容量にもできるところが良かったです。試しにシュラフとマットを入れてみたのですが、避難小屋1泊もできそうです。岩場に干渉しないボトム部分、ヘルメット収納などがあるので、小屋泊まり2泊くらいの岩場のある山をオススメしたいです。今までも愛用者でしたが、ニューモデルはより使いやすくなったのでこれからも良き相棒となると思います。


     


● Check Point
  • 下側がスリムなので、体の一部のような感じでザックを擦ることなく通過できる。
  • 背面のクッション、腰のパッドが良くなり、疲れにくくなった。
  • チェストストラップは今までにない形で、楽にはずせる。
モニターレポート04
ハーネスやパッドがしっかりとしたザックなのに、驚きの軽さ。
1日中、各ハーネスをしっかりと締めザックを背負っても、痛む箇所がない。
野崎昭寿 さん(40代男性、登山歴1〜2年)
登った山域:長崎七高山(日帰り)
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汗でザックが背中にぺたりと張り付く不快さがない。
小走りになっても、背中にピッタリとフィットしてグラグラせず、快適な背負い心地。

 最近では、ウルトラライト系(UL系)のザックで歩く山行が増えていましたが、今年1月、1泊2日で50kmほどを縦走したとき、ULザックの薄いショルダーハーネスが肩に食い込んでヒリヒリと痛み、辛い思いをしました。それ以来、肩と腰でしっかり荷物を背負えるザックの購入を検討していたところに、モニター当選のお話! 登山を始めた頃から山で見かける青いカリマーは憧れの存在でした。6月29日に、テント泊を想定し、約10kgの荷物を詰めた「ridge40」を背負って、長崎七高山巡り17km、8時間を歩き、性能をモニターしてきました。

 出発したときこそ雨はやんでいたのですが、長崎は連日、警報が出るほどの大雨が続いていました。この日も天気予報では降水確率90%。雷も予想され心配な天気です。スタート地点では水、食料が満タンなので11kgほどの重さなのですが、その背負い心地の良さにニヤニヤしてしまいました。UL系ザックに8~9kgの荷物を詰めて背負ったときより肩にかかる重量は軽く感じます。歩き出す頃になると、雨が降って来ました。さっそくザックを背負ったままボトムからレインカバーを取り出します。ザックとお揃いK.Blueのレインカバーです。やはり専用のレインカバーがあるのは便利です。

 登りはじめるとすぐに暑くなったため、レインジャケットを脱いでレインカバーに突っ込みます。急登で前屈姿勢になると、背面下部の腰パッドが、うまい具合に腰骨にのり、腰と肩で重量を分配します。僕はショルダーハーネスを少し強めに締めるのが好みなのですが、他のザックでは脇の下付近がハーネスの捻れで痛くなることがあります。「ridge40」では、そういった不快に感じる部分もなくハーネス全体で均等に締め付けてくれています。

 一つ目の飯盛山を経て二つ目の英彦山からからいったん長崎の街に下りて、三つ目の愛宕山を目指します。街中を歩いているときに、汗でザックが背中にぺたりと張り付く不快さを感じないことに気がつきました。愛宕山を越え、風頭公園で一休みしましたが、ピップベルトがしっかりした作りの「ridge40」はザックを降ろしたとき、きちんと自立するので転がって汚す心配がありません。ここで気がついたのですが、サイドポケットに水筒を入れた状態だとレインカバーのハーネスの長さが足りずに、マジックテープを留めることができませんでした。ここは改良してもらいたいポイントです。

 雨で人通りも少ない諏訪神社を抜け、金比羅山、七面山、烽火山、秋葉山と雨の山行は続きます。ゴールが近づき、残す行程が下りだけになると、小走りになりましたが、荷物をコンプレッションベルトで締め上げ、背中にピッタリとフィットした「ridge40」はグラグラすることなく、最後までとても快適な背負い心地でした。ゴールしてザックを降ろし、身体をチェックしてみます。一日中、各ハーネスをしっかりと締めザックを背負っていた肩、脇、腰、どこも痛む箇所はありませんでした。


     


重心が高く、コンプレッションでザックを引き寄せるので、後ろに引っ張られない。
荷物が少ない状態でもピッタリ背中に密着して担げる。

 「ridge40」は、考え抜かれた本体デザインと、ボトムを引き上げるように締め付けることができるコンプレッションベルトで型崩れが少なく、荷物が少ない状態でも安定して背負うことができます。今回のテント泊装備10kgの荷物を入れての山行でも、ザックの重さで後ろに引っ張られてふらつきヒヤリとする、という事は一度もありませんでした。重心が高くなるデザインと、コンプレッションベルトで背中側にザックを引き寄せることで、身体とザックが一体に近くなるためだと思います。そして手にとってみると、意外と軽い! ハーネスやパッドがしっかりとしたザックで、この軽さは驚きです。

 背中の当たる部分には、通気性を確保するセンターチムニーや効率的なパッド配置など、フィット感とベンチレーションが考え抜かれた作りとなっています。ショルダーハーネスの付け根から腰のパッドまで、背中にしっかりと密着して違和感はありません。背負ってヒップベルトを締めてみると、背中の腰パッドと、立体的なカーブを持たせている左右ヒップベルトのパッドと、V字のベルトがひとつの輪になって腰周りを均等に締め付けてくれます。ベルトを強めに締めても腰骨の出っ張りに痛みを感じることもなく、しっかりと肩にかかる荷重を分散して引き受けてくれました。「ridge40」は荷物が軽ければチェストハーネスを締めなくてもいい程のフィット感です。

 ベルトループがなくなり、スッキリとしたデザインになった雨蓋は、ヘルメットを収納した状態でも、そこにヘルメットが入っていると気がつかないほどです。雨蓋の収納ポケットは外側と内側にあり、内部の仕切りジッパーで内側のポケットにアクセスできるのもプラスポイント。雨蓋を開けることなく内ポケットの収納物を取り出すことができます。

 荷物が少ない状態でもピッタリ背中に密着して担げる「ridge40」は、登山を始めたばかりで、将来はテント泊もしてみたい! と考えている人の最初のザックとしても自信を持ってオススメできます。特にヘルメットを収納できる雨蓋やストックやピッケルを固定するホルダーがあるので雪山や岩場ルートがある山行にステップアップしても長く使えると思います。低山のバリエーションルートを歩き、ヤブ漕ぎにも頻繁に出くわすことが多い僕の山行では、丈夫な素材を使ったザックが最適です。テント泊からヤブ漕ぎバリエーションルートまで、これから「ridge40」と沢山の山行を共にさせていただきます!


     


● Check Point
  • ハーネスを強めに締めても、痛くなることがない。
  • ピップベルトがしっかりしているので、ザックを降ろしたとき、きちんと自立する。
  • ショルダーハーネスの付け根から腰のパッドまで、背中にしっかりと密着する。
モニターレポート05
沢登りで大きく動いても、ザックが背中にフィットしている。
重さが肩と腰に分散され、重い荷物も負担が少ない。
西 加容子 さん(40代女性、登山歴約7~8年)
登った山域:徳島県・雨乞いの滝(日帰り)
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ハーネスをつけてザイルを使っても、動きを妨げない。
シャワークライムで水圧がかかっても、荷物が安定している。

 梅雨時期のため集中豪雨等で山行が難しかったので、どうせ濡れるのならと、6月25日、徳島県神山町の雨乞いの滝に、沢登りに行って来ました。朝8時の登りはじめは曇り、気温20℃くらいで、約5時間の山行でした。

 長年使っていたザックはポケットの縫い目がほつれてきていたり、バックルの部品を交換したりしていましたが、お気に入りだったので買い替える気もしませんでした。今回、「ridge30」を使ってみて、「新しいザックってこんなにも軽く背負いやすくなっていたのか」とビックリしました。前のザックより5リットル大きいだけですが、収納量もかなり多いし、フィット感が良くって、重い荷物でも肩や腰に負担が少なく感じます。

 沢登りに使用ということで、内部に防水のパッキングをして細々と詰め込んだのですが、雨よけのカバーを使わなかったせいで、水をかぶるのはもちろん、岩にこすれたりで少々汚れてしまいました。しかし、ハーネスをつけてザイルを使った場合にも動きを妨げることなく邪魔にならず、シャワークライムで水圧がかかっても、荷物が安定していてとても良かったです。

 ウエストのポケットも、コンパスや日焼け止め、リップクリーム、スマホ、そして大事な行動食等、すぐに出したい物を入れておくのにちょうど良い大きさで使いやすかったです。ちょっと使いにくいなと思ったのは荷物の出し入れをするのが、上の開口部しかないこと。考えてパッキングしないと、途中で面倒だったりすることがあるかもと思いました。


     


ヒップベルトは安定していてガッチリ固定されているけど、違和感がない。
大きな動きをしても引っ張られる感じがなく、安定感がある。

 今回沢登りで使用しても、ザックが背中にフィットして動きやすくて良かったです。ショルダーハーネスの具合が良く、背負った感じの肩にかかる力が分散されるのか、軽く感じました。行動中、ザックの重さも特に気にならなかったです。ヒップベルトは安定していてガッチリ固定されているけど、違和感がなくって良かったです。

 コンプレッションシステムのおかげで、大きな動きをしても引っ張られる感じもなく、ザックが安定していました。ヘルメット対応の雨蓋は、ヘルメットの出し入れをしやすかったです。便利だなと思いました。クリップ式のチェストストラップは、慣れてないせいか、ちゃんと固定出来ているか何度も確認してしまいますが。

 今回、沢登りで使用しましたが、身体を大きく動かすことが多くても荷物が安定していて良かったです。「ridge30」は、動きやすいし、本体も軽いので長時間歩く場合に良いと思いました。使いやすかったので、今度は泊りに使おうと思っています。


     


● Check Point
  • 前のザックより5リットル大きいだけで収納量がかなり多く、肩や腰の負担も少ない。
  • ウエストのポケットは、すぐに出したい物を入れるにちょうど良い大きさで使いやすい。
  • ヘルメット対応の雨蓋は、ヘルメットの出し入れをしやすくて便利。
モニター募集商品

リッジ30とリッジ40の
モニターを、男女合計5名
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