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8月11日、12日に高尾山で開催された「TAKAO 山モリ!フェス 2016」。アウトドア製品の展示ブースや即売会が行なわれるなど、登山者でにぎわう会場で、注目を集めていたのが魔法びんのパイオニア、サーモスの展示ブースだ。「山専ボトル」のすべてのラインナップがそろい、実際に手で触れられ、スタッフから説明が聞けるとあって、多くの登山者が足を止めていた。
「山専ボトル」という名前は開発時についた通称で、本来の製品名はステンレスボトル「FFXー500/900」だ。雪山や極地などの厳しい条件下での使用を考慮したスペシャルモデルとして2007年に発売され、現在は2代目モデルとなる。軽量かつ堅牢で、手袋着用でも扱いやすいなど、登山ギアとしての完成度が高いのが特長。何よりすごいのは、高い保温能力だ。熱々のお湯を入れ、6時間後で80℃以上、24時間後でも60℃以上をキープする(FFXー900の場合)。
これがあればバーナーなしの日帰り山行が可能で、FFXー900なら、カップ麺2食とコーヒー2杯分のお湯をまかなえる。装備軽量化に加え、調理時間短縮というメリットもある。
「山専ボトル」の名に恥じない保温力と機能性の高さゆえ、山岳ガイドなどプロフェッショナルの愛用者も多い。山モリ!フェスのトークショーに登場した山岳ライター小林千穂さんもそのひとり。長年愛用しているという「山専ボトル」について語ってもらった。
こばやし・ちほ
山岳ライター。里山ハイキングから雪山、海外登山まで、年間約120日の山行をする。6月に山と溪谷社から『DVD登山ガイド穂高』を出版。
「初めて使ったのは初代の800mlです。それまでは早朝入れたお湯がお昼にはぬるくなっていたのですが、山専ボトルは熱い状態で、その違いに驚きました。アイスクライミング後に温かいミルクティーを飲んで、ホッとしたのをよく覚えています。山専ボトルの魅力はやはり、バーナーを携行しなくても熱々のお湯が使える点ですね。大きめの蓋がコップになるのも便利。軽量化と調理時間節約ができます。秋から冬は温かいものが休憩のたびに飲めていいし、雪山などでは安心材料にもなります。私は気に入った道具はとことん使います。ほんとうに頼れる山専ボトルは、これからもさまざまな山でのパートナーとなるでしょう」
山専用ボトル FFX-500、FFX-900
FFX-500 容量=500ml 保温効力=77℃以上(6時間)、50℃以上(24時間) 保冷効力=10℃以下(6時間)サイズ=約7×7×23.5㎝ 重量=280g/260g(シリコンなし) カラー=3色 価格=5940円(税込)
FFX-900 容量=900ml 保温効力=80℃以上(6時間)、60℃以上(24時間) 保冷効力=9℃以下(6時間) サイズ=約8×8×30㎝ 重量=390g/360g(シリコンなし) カラー=3色 価格=7020円(税込)