監修・構成=佐々木亨

 登山の装備・服装の基本

適切な装備・服装で快適さ倍増! 登山用品の選び方の極意

 登山用具にはさまざまな種類やタイプがあります。例えばシューズひとつとってみても、目的に応じた分類があり、素材・デザイン・機能性の特徴など、いくつもの商品がラインナップされています。  その中から自分にあったものを選ぶ秘訣と言えば、どんな山歩きを楽しみたいかをイメージすることです。
 目標とする山、コース、季節、頻度など、「山を楽しむスタイル」を想像しながら、山の装備で必需品になる「基本装備」を見ていきましょう。

トレッキングシューズ、登山靴:山を歩くうえで最も大切なもの

 地形が常に変化する山道を、安定して長時間歩くため、基本となるのがシューズ(登山靴、トレッキングシューズなど)です。

 かつての登山靴と言えば重厚な皮革製が主流でしたが、現在は様々なシューズがあります。素材では、以前と変わらない重厚な皮革製のものだけではなく、ナイロンなどの化学繊維、もしくは皮革素材とのミックスが主流となっています。

 形状では、くるぶしまでのすっぽり覆うもの(ハイカット)、くるぶし程度まであるもの(ミッドカット)、ランニングシューズやスニーカーに近いくるぶしを覆わないローカットのものなどがあります。

 一般的には、ハイカットは足首をサポートするので長距離・重装備向けで、ローカットは短距離・軽装備向けとなりますが、各商品ごとに用途・性能はさまざま。ソール(靴底)の違いなどもあり、単純には分類できません。

 すべては自分の目的に沿って、ショップなどで店員に相談しながら自分の足に合う最適なシューズを選んでください。

ザック:必要な荷物を少しでもラクに運ぶ必需品

 長時間、起伏のある山道を歩く登山では、ザック(リュック・バックパック)に荷物を入れて背負い、両手は荷物を持たずに歩きます。

 手提げや、片方の肩にかけるタイプは、バランスが悪いうえに疲れやすくなるため、低山や短時間のハイキング以外では使いません。

 ザックは、カラーやデザイン、機能に違いがありますが、最も大きな分類方法は「リットル」で表す容量となります。目的や山行日数によって容量の大きさを使い分けます。

 日帰りでは20リットル前後、山小屋1泊2日で30~40リットル程度が目安です。泊数が多くなったり、テント泊になったりすることで容量が変わります。

 80、100、120リットルなどの大容量のものは、長期のテント登山や冬山用途で利用されます。目的に応じて、自分の体にフィットするザックを選びましょう。

レインウェア(雨具):雨に備える山の必須装備

 山の天気は変わりやすく、山を歩いているうちに、雨に降られる経験は珍しくありません。また強い風にさらされることもあります。

 雨風に当たれば、体が冷え、体温を奪われることで、真夏でも低体温症が起きるため、雨風を防ぐ手立てとしてレインウェアは登山では必ず携行すべき登山用具となります。

 理想的には、完全に防水をしながら身体が発する汗(湿気)を逃がす、ゴアテックスに代表される防水透湿素材を使用した上下セパレートの雨具が標準的です。

 コンビニエンスストアなどで売っているビニール製の雨ガッパでは、登山ではまったく役に立ちませんので注意しましょう。

 晴れた穏やかな天気のときには使用しないアイテムなので、軽量でコンパクトになることも選択の基準として、登山用品店などで試着をして買い求めよう。

 概ねジャケットのみで15,000円くらい、上下で30,000円前後となります。

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