登山中の歩き方・技術
疲れず、安全に歩くためのノウハウ 登山中の歩き方
登山口での準備、重心を考えた歩行、無理のないペース配分など、歩き方のポイントを知っておきましょう。
登山口で出発準備をする
登山口に着いたら、天候と自分の体調を判断します。この時点ですでに問題があれば、登山そのものを見直しましょう。
続いて、地図や案内板で、歩くコースを確認。登山計画書(登山届)は忘れずに登山届ポストに投函しましょう。
また、靴ひもの締め加減やザックのパッキングをチェックします。ケガ予防のため、準備体操をして、体の筋肉をほぐしておくことも忘れずに。
※計画時に10~15分ほどの時間をみておきましょう。
登山中の歩行の基本
山ではゆっくり歩くことが第一です。また、足の置き方も、平地歩きと山歩きでは違います。平地との大きな違いは、着地時に靴底全体で地面をとらえるようフラットに足を下ろすことです。以下に、その違いを説明しています。
●平地歩行
整地された道、平地での歩行では、カカトから着地し、体の重心の軸は歩幅の中間(前足と後足の中間)から垂直に延びます。
●山での歩行
不整地の登山道では、靴底全体で地面をとらえるフラットな着地が基本。踏み出した前足へは、静かに重心を移します。
登山中の歩行ペース
登山開始から最初の30分程度は、体を慣らすため、意識してゆっくり歩きましょう。以降は「無理なく呼吸を続けられる」が歩行ペースの基準です。
傾斜が強くなるほど息が上がるので、ペースをゆっくりに、歩幅は平地よりも小さく保ちます。
登山中は、ある程度歩いたら休憩をとってコンディションを整えることが大切です。
最初は登山口を出発してから30分ほどで休憩を入れます。それまでは体を慣らすウォーミングアップ。以降は50分~1時間の歩行に対し、5~10分の休憩をはさむのが、山歩きでの一般的なリズムです。
休憩する際は、通行の邪魔にならない休憩適地を選び、安全で快適な登山を楽しみましょう。
急坂の登り下り
急な登りで、息が辛くなったら、立ち止まって呼吸を整えましょう。小石や砂でザラザラと滑りやすい斜面の登りでは、足を逆ハの字に置くと、ふんばりがきくようになります。
下りでは、惰性にまかせて着地すると、ひざや腰に負担が大きくかかります。速度と歩幅をセーブし、静かな重心移動とフラットな着地をより心がけて下ります。