Tweet |
登山道では、岩石や木の根、丸太組みの階段などにで段差が生じている場所があります。段差が大きいとき、連続するときは、正面向きではなく、足を斜めに上げ下げし、なおかつ歩幅を小さく刻むと負担がかかりにくくなります。
伸縮式で長さ調節できる登山用ストック(トレッキングポール)は、バランス保持や歩行のリズムづくりに有効なアイテムです。
グリップを握り垂直に地面を突いた状態で、ヒジが直角か、直角よりわずかに開きぎみになるよう調節します。そのうえで、登りでは短めに、下りでは長めにと、状況に応じて使いやすい長さに調節しましょう。
両手に持ち、積極的な歩行の推進手段にしていく活用法と、1本を杖として使い、要所でのバランス保持に役立てる使い方があります。
なお、ストックで登山道以外をむやみに突いてしまうと、植物の生育環境にダメージを与えかねません。ストックを活用するときは、自然をいたわるマナーも大切です。
山では、汗や呼吸によって多くの水分が失われます。休憩時には、失った水分を補う必要があります。運動生理学に基づいた理論値では「体重×歩行時間×5ml」などの基準がありますが、5~6時間までのコースなら1リットル前後を用意し、のどの渇きを潤す程度に、こまめに水分を補給します。
また、1日に歩く行程が長いほど、昼食以外にもエネルギー源を補給して体調を維持します。そのための食料を「行動食」と呼びます。
個人の好みもありますが、パン類やチョコレート、クッキー、ナッツ、ゼリーなどの「栄養価の高いもの」を選ぶとよいでしょう。
疲れた体を休ませ、水分やエネルギー源を補給するとともに、つぎの行程への準備をします。
こまめに地図を開き、現在地やこれからの進路を確認しましょう。現在地と到達時刻、天候やコース状況などを記録しておくと、ガイドブックのコースタイムと比較したり、同じ山に再度赴く際の参考にでき、今後の山歩きに役立つ貴重な資料となります。
登山中に困るのがトイレ。主要な登山道や整備されたハイキングコースには、公衆トイレが設けられていたり、山小屋でもトイレを借りることができたりします。しかし公衆トイレや山小屋の全く存在しないコースは、決して珍しくありません。
となると、仕方なく茂みなどで用を済ますこともありますが、これは特に最初は抵抗があるものです(特に女性は)。
トイレを気にして水分の補給を控えると、疲れやすくなるばかりか、夏は脱水症状を招くこともありますので、水分補給などはしっかりと行い、「我慢」しないで、「我慢」して茂みで行うしかありません。
なお、用を足すときは登山道をはずれることになるので、危険な場所ではないかどうか、安全を確認することが大切です。また、なるべく痕跡を残さず、使用した紙などは、できるだけ持ち帰るようにしましょう。
なお、山小屋や登山コース中のトイレ設備は、維持管理に多額の費用がかかるため、100円程度の有料かチップ制の場合がほとんどです。その点は理解して利用しましょう。
Step4 登山の基本装備 | Step6 山で泊まる |
登山中は、さまざまに変化する地形の中で、荷物の入ったザックを背負って歩くことになります。したがって、いかに疲れにくく、バランスよく歩くかが大切となります。
登山口での準備、重心を考えた歩行、無理のないペース配分など、歩き方のポイントを知っておきましょう。