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ピッケルは、杖としてバランス保持に使うほか、耐風姿勢、滑落停止、雪ダンゴを落とす、雪を削ってホールドを掘り出すなど、雪山登山に欠かせないギアです。
ピッケルには、ピック前、ブレード前、クロスボディと3つの基本的な持ち方があります。簡単に説明すると、ピック前は手のひらにフィットする持ち方。登りの際はピック前で、スリップしてバランスを崩したら瞬時にピックを雪面に突き刺して止めます。
ブレード前は下り斜面や稜線歩き、トラバースなど、滑落が起きそうな場面に備えた持ち方です。素早い制動と滑落停止を行うのに適しています。
クロスボディはブレード前のバリエーションで、急斜面でのトラバース時に敵しており、滑落停止のポジション。ブレード前よりもさらに素早い初期制動がとれます。
厳冬期は、樹林帯や沢筋、稜線の風下側などでよくラッセルを強いられます。残雪期のラッセルは厳冬期ほどではありませんが、雪質がさまざまに変化し、ひとくくりにできない難しさがあります。
残雪期は、日中は雪がグサグサになってもぐりやすいですが、朝夕は表面が凍ってその上を歩けることもあります。
しかし表面の凍結が薄く、下はグサグサというブレーカブルクラスト(もなか雪)になると非常に歩きづらくなります。一方、ザラメ雪とよばれる雪質になると、土の登山道と同じようにスイスイ歩けます。
ラッセルの基本は登山靴のまま歩く「ツボ足」です。ひざ下までしかもぐらない場合はツボ足でOKです。ひざ上になると、体力や時間を浪費しないためにスノーシューやワカンの出番となります。腰以上になると歩く動作は無理で、ピッケルやストックで前の雪を足元へかき落とし、ひざで踏み固めながら前進します。
Step7 山で遭難しないために |