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北岳リベンジと驚き連続の農鳥テント場(要は白根三山縦走)

北岳・間ノ岳・農鳥岳( 南アルプス)

パーティ: 1人 (勅使河原彗碧院 さん )

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行程・コース

天候

1日目:くもり、2日目:晴れ後くもり、3日目:くもり後雨(ずっと雨)

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 新東名新清水IC下車、国道52号線北上、身延町より県道37号線左折西山方面へ、奈良田温泉を過ぎ300mくらい行った左側に大駐車場あり。駐車場は300台くらい駐められそうで、多分満車になることがなさそうです。隅まで水平で平滑な環境のいい駐車場です。
奈良田駐車場よりバス(始発5:30)この日は2台のバスが出て、全員が乗れました。
駐車場の中で並ぶので、「場所取り」のち横入りがとても多いです。前に並んでいる人数が最終的には倍以上になります。
バスで50分くらい、広河原にて下車

この登山記録の行程

【1日目】
広河原(06:40)・・・大樺沢二俣(09:30)[休憩 20分]・・・八本歯のコル(13:10)[休憩 60分]・・・北岳山荘(15:00)

【2日目】
北岳山荘(05:20)・・・北岳(06:15)[休憩 30分]・・・北岳山荘(07:25)[休憩 70分]・・・中白峰(09:40)[休憩 60分]・・・間ノ岳(11:55)[休憩 20分]・・・農鳥小屋(13:20)

【3日目】
農鳥小屋(06:25)・・・西農鳥岳(07:25)[休憩 5分]・・・農鳥岳(08:20)[休憩 5分]・・・大門沢下降点(09:00)[休憩 5分]・・・大門沢小屋(11:40)[休憩 50分]・・・吊橋(森山橋)(14:20)・・・奈良田第一発電所(農鳥岳登山口)(14:40)

コース

総距離
約24.1km
累積標高差
上り約3,101m
下り約3,736m
コースタイム
標準19時間15
自己19時間10
倍率1.00

高低図

標準タイム比較グラフ

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

1日目:くもり、夕方から雨
広河原バスターミナルはたくさんの人でした。大樺沢ルートには雪が残っていますが、夏道には影響ありません。二俣までの途中、橋をわたってから少しだけ右へ戻ってから上るルートになっていますが、これを橋から左へ沢を上がっていく人が続出で間違えるところでした。二俣から上は道はキツイですが間違えそうなところはありません。夕方までずっと霧に包まれていて北岳もなにも見えませんでした。
八本歯のコルから一旦北岳に上がり、後に北岳山荘に入る予定でしたが、霧に包まれていたし又疲れていたので明日の朝の天候次第で北岳に上ることにして、そのまま北岳山荘へ向かいました。
北岳山荘には15時頃着きましたが、テント場はかなり混雑していて、平坦な場所は開いていませんでした。というより、もともと平坦地が少ないテント場です。石ころも多め。道とテントサイトの区別はありませんので、張り綱などかなり制限を受けます。下のテント場から山荘横のトイレまでの坂がとてもキツく、歩きつかれた体に堪えます。テント場内では夜中でも多くの人の往来がありますので、耳栓必携です。
山荘はうわさどおりとても頑丈でキレイでロケーションも最高、閑散時にはぜひとも泊まりたい処です。設備も万全で夏季は仮設の診療所もあり、宿泊者とテント利用者はキレイな水が無料で貰えます。山小屋泊なら1泊2日で誰でも来れそうです。トイレはバイオトイレで100円要ります。
残念ながら終始くもっていて絶景は半分しか楽しめませんでした。

2日目:一時晴れ、のち曇り
耳栓をしていましたが夜中から普通に会話している人も居て、また光がピカピカまぶしくて寝ていられず、4時過ぎには起きる事にしました。
朝の天気がよさそうだったのでテントはそのままに、水・カメラ・双眼鏡などだけ持ってサブザックにて5:20北岳に向かいます。この時点で、今日中に大門沢小屋まで降りることが行程的に困難となる為、本日の宿泊地は農鳥小屋に確定です。
ローカスギアのドローコードリュックサックというのを使っていますが、通常は中分け袋として小物を入れておき、必要な時アタックザックとして使える、大変お気に入りの道具です。これを使うと登山もハイペースな人に早変わり。高低差300mくらい、休憩無しで楽勝です。6:15山頂到着。
北岳山頂ではちょうど晴れていて、遠くまで見渡せました。富士山もキッチリ見えました!富士山が目的で来た訳じゃないけれど、やっぱりアルプスから見る富士山は大感動です!外国人の団体も来ていて狭い山頂は大賑わいでした。国旗を持って記念撮影しており、帰って調べてみたらフィリピンの方達でした。喜んで貰えると、流石の南アルプスの盟主が誇りに思えます。
山頂を堪能した後北岳山荘に戻り、すぐテントや荷物を撤収して8:35に出発。テントはちょうど良く乾いていましたが、やっぱり荷物がとても重たく感じられました・・・。さっきまで軽かったのに。
中白峰から間ノ岳と登って来ましたが、どうも曇りで景色はほとんど見えません。ただ地道に行程をこなします・・・。間ノ岳の山頂から、途端に道のマーキングが増えます。「ノウトリ→」と書かれています。このあたりからがノウトリテリトリーです。兎に角すごい数のマーキングで、夏の時期には間違いようがないくらい親切です。違う方向には×がつけられていてとても分かりやすいんです。
少しだけ霧が晴れ、農鳥小屋が見えてきました。遠くから見るとかなりの絶景です。「コヤ スグソコ」の印があったらいよいよ農鳥小屋到着です。小屋は鞍部の少し盛りあがった部分のくぼ地にあります。鞍部などは風の通り道になる為、台風の時などまともに風を受けない為の工夫です。
13:20に農鳥小屋到着、夏の繁忙期のためか手伝いの学生が居ました。受付小屋には名物オヤジと例の犬が居ました。犬は4匹居るようです。時間が早かった為か、オヤジも機嫌よく「はい、こんにちは」と返してくれました。
テント場はかなり広く、ひとつひとつのテントサイトが水平で石ころも少なく、大変よく整備されています。通り道とテントサイトの間に仕切りがあるため、テントサイト内なら自由に張り綱も張れます。各テントサイトはなるべく山の陰に入る様設計されており、これも風を防ぐ為の工夫です。そのうち農鳥オヤジが犬を連れて散歩に出てきました。散歩の帰り、向こうの方のテント場の気になる部分をなにやら見ていました。実はこのオヤジ、犬の散歩がてら場内を何度も見て廻り、常に異常がないか管理している様です。(その途中で暴言を吐くかも知れません)
うわさに高い農鳥トイレ、これも言わば名物でしょうか。古くて朽ちかけたトイレ小屋の隣に同じ作りのトイレ小屋が並んでいます。ガケのような斜面に建てつけてあり、落ちないよう鎖で固定されています。トイレの穴からはトタンのスロープが見え、スロープには汚物が山になっています。つまり、汚物の上に建物が浮いている様な構造です。高所恐怖症の人にはどうなんでしょうか、スリル満点です。これに耐えられる人しかここには泊まれません・・・。
さりとて、ロケーションも北岳山荘に引けをとらず最高で、3,190mの間ノ岳に見守られて、晴れていればきっと絶景のはずです。場内は整備が行き届いており、キャンプ地としてはまさに最高レベルです。水は自分の足で水場まで行かなければいけません。少し登山になりますがキレイな良い水が出ていました。いろいろな意見もあるでしょうがきっとろ過されてキレイです・・・・。
この日は結局雨は降らず、夜はご飯を炊いて酒を飲んで過ごしました。とてもいい時間でした。

3日目:雨
5時過ぎ、起きた時にはまだ雨は降っていませんでした。トイレに行くと、昨日のスロープの汚物の山はちゃんと流されていました。山の斜面へ・・・。
まずレギュラーコーヒーを淹れ、タバコを吸ってゆっくりしているとあっちの方で、「もたもたしてないで早く行かないとダメだろう!」向こうの方で、「この雲見たら早くいかなきゃって思わなきゃダメだぞ!」と暴言を吐いている農鳥オヤジ・・・場内のテント客を追い出して廻っていました。これも安全を願う気持ちの現われでしょう(?)。「俺、こんなカンジで何言われるんだろう」と思ってそそくさとタバコをにじり消し、片付けながら待っていると、テントの影に入って見えなかったのか、何も言われませんでした・・・。
テントの撤収とパッキングを5分以内に済ませ、6:25にテント場をあとにした瞬間、雨が降ってきたのでカッパを出して着ます。まず最初に向かう西農鳥岳は霧で全く見えません。が、そこはノウトリテリトリー。幾千と描かれたマーキングのおかげで迷うことがありません。雨と霧で何もする事が無い為、7:25西農鳥岳、8:20農鳥岳、9:00大門沢下降点ともくもくと山行をこなします。ここまでがノウトリテリトリーで数千のマーキングが施してありました。本当に親切です。大門沢下降点には黄色い鉄塔が建っており、鐘が吊り下がっています。ここで遭難した人の両親が、みんなのためにこさえた目印・モニュメントだそうです。今まさにここを目指している人の為に、盛大に鐘を鳴らしましょう。
下降点から小屋までは登ることを考えるのが恐ろしいほどの急な下りで、1メートルくらいの段差を無数に下ります。しかもビックリするほどマーキングがありません。基本的には道というよりも沢や土石流を下ります。雨1日目ならもつでしょうが、雨2日目には危険が予想されます。1日目でも雨の登りは自殺行為です。
マーキングが無い上急いで降りていた為、途中で沢へ降りてしまいしばし河原を下るハメに。山際に歩く人影を見つけ、何とか道へ復帰、下降点からコースタイム通り2:40でようやく大門沢小屋に到着。「カップヌードル」を期待して来たのですが残念ながら置いておらず、ラーメンを戴く事に。出てきたのはもちが入った・・・・即席メンでした。これなら農鳥小屋でカップヌードルを買っておけば良かった・・・。
奈良田発電所からのバスは14:49にあり、これを逃すと最終17:19までありません。なんとしてもバスに間に合いたいのですが、時すでに12:20、下りの標準コースタイムが3:00なので、バスに間に合うには2:25で下りなければなりません。もう間に合わないので取り敢えずタバコを一本・・・。12:30に突然ヒラメキが走り、「なんとか間に合わせてやる」との思いで出発、吊り橋を過ぎ発電所まで2:10で下り、バスに乗って駐車場まで戻れました。吊り橋からのアスファルト道が長くて、足が痛くてとても大変でした。
そのあとは奈良田温泉で体を洗って帰りました。入泉料550円。

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フォトギャラリー:16枚

広河原山荘

最初に渡る橋です

大樺沢には雪が残っていますが関係ありません

八本歯のコル 休憩場所としては手狭です

憧れの北岳山荘が見えて来ました!今日はあそこでキャンプします

北岳山荘テント場の様子 かなりぎゅうぎゅう詰めです

この日は炊き込みごはんでした

北岳山頂の賑わい

富士山とルナーソロLE

さらば北岳

中白峰を過ぎた小ピークにて休憩

間ノ岳山頂

見えてきました! 農鳥小屋

農鳥小屋到着 ウケケケ!

農鳥小屋キャンプサイト とても良く整備されています

3日目唯一の写真。雷鳥に出会いました。

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装備・携行品

シャツ ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア 登山靴
バックパック スタッフバック スパッツ・ゲイター ヘッドランプ タオル
帽子 グローブ サングラス 着替え 地図 ノート・筆記用具
腕時計 カメラ ナイフ 修理用具 ホイッスル 医療品
虫除け 熊鈴・ベアスプレー 非常食 行動食 テーピングテープ トレッキングポール
GPS機器 ストーブ 燃料 ライター カップ クッカー
【その他】 イス、テーブル、ゴミ袋、浄水器、カメラ三脚、双眼鏡、

登った山

北岳

北岳

3,193m

間ノ岳

間ノ岳

3,190m

西農鳥岳

西農鳥岳

3,051m

農鳥岳

農鳥岳

3,026m

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