行程・コース
この登山記録の行程
東日原(07:54)・・・小川谷橋(08:13)・・・八丁橋(08:38)[休憩 7分]・・・天神神社(09:49)・・・天祖山(11:48)[休憩 42分]・・・天神神社(13:21)・・・八丁橋(13:57)・・・小川谷橋(14:20)・・・東日原(14:36)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
久しぶりの好天に、以前から気になっていた奥多摩の天祖山に紅葉を訪ねてきた。標高1000〜1300mあたりは紅葉の見頃、1500mより上では落葉していた。
週末ごとの台風で奥多摩や丹沢の紅葉シーズンを逃してしまうのではないかと気を揉んでいたのだが、久しぶりの好天予想。となりのタワ尾根と天祖山のどちらに登るか少し悩んだ。タワ尾根は豊かな自然林が残っているそうで魅力的だけど、バリエーションルート扱い。秋の低山には道迷いなど注意点があるので、経験の浅い私は一般道扱いの天祖山コースでまず様子を見るべきだと判断。
天祖山に興味を持っていたもう一つの理由は、山頂に天祖神社を祀る信仰の山であるにも関わらず、長沢背稜を歩いているときに石灰岩採掘のために大きく山肌を削られていることを目にしたこと、そこから奥多摩駅まで10Kmを超える地下の運搬経路が伸びていることを知ったためである。ただ、今回のコースを歩いている限りは、アプローチの日原川沿いに採掘作業用のケーブルが貼られているのを目にした程度だった。
さて、出戻り登山者は、岩稜歩きなどはしているけれども、低山には道迷いなど低山なりの難しさがあると思う。奥多摩は作業道なども多く、例えば丹沢と比べてもルートファインディングには注意を払うべきだと感じる。特に秋の落ち葉が積もる時期は、踏み跡が不明瞭になりやすい。今回も、唐松平などの広やかな場所は、落葉が進んでいたこともあって正しい踏み跡の判断に迷う箇所がいくつもあった。この山域は歩いている人も稀なので(下りでは3人とすれ違った)、判断に迷った時は慎重に位置や方向の確認を重ねたい。周囲には誰もいなかったので、地図とGPSを併用し、ピンクテープ(これも随分前のものらしく色が褪せている)や切り株につけられたマークなどで答え合せをしながら登った。コースタイムを振り返っても、天神神社ー天祖山間のタイムがやたら長く、正しい道筋を探してモタモタしていた自分の姿が見えるようで笑える。
この日は、どうやら私が足を踏み入れた最初の登山者だったらしく、標高1500m程度の唐松平(名前と違ってカラマツは見当たらなかった)など尾根が広がっている場所では落ち葉は綺麗に敷き詰められ、踏み跡がよくわからない状態だった。例えていえば新雪が降り積もっている状態。私が進んだ後を振り返ると、それなりに踏み跡が判然として後続の人の役に少しはたったかもしれない。これを戯れに「落ち葉ラッセル」と呼びたい。落ち葉ラッセルは、雪のそれと違って体力は消耗しないが、相応の注意力を必要とする。この尾根を下るのは、なおのこと注意しなければなと考えていたのだが、意外にも下りは苦労しなかった。おそらく、下りのルートファインディングの困難を考えて迷いそうなところを何度も振り返って記憶するように努めていたこと、後続の人が同じ踏み跡をラッセルしてくれたことが踏み跡を明瞭にしてくれたのだろう。ややマイナーとはいえ一般ルートでこれなのだから、私のような経験の浅いものがバリエーションのタワ尾根を落ち葉の時期に登るのはまだ早いなと、少し苦く思った次第。あるいは連休なら後半に登り、トレースを期待するか・・・。
人も少ないので静かな山歩きを楽しめるが、くまさんを道連れにする度胸はないので、熊鈴を下げていった。尾根の取付きからしばらくは、短いながらも急傾斜の岩場のトラバース(トラロープが張ってある)もあるので、注意。
さて、肝心の紅葉であるが、雲取山荘などの事前情報通り標高1500m以上は落葉している。私の歩いた範囲では1000〜1300mあたりは見頃。様子は写真をご覧いただきたい。写真は綺麗なところを選んで撮るのだが、全般的な印象としては色が褪せていて(おそらく)例年よりも鮮やかさが今ひとつなのではないだろうか。長雨のせいか、台風で葉が散ってしまったのか・・・紅葉する前に茶色く焼けてしまったものも目立ったように思う。けれどもこのコースはブナ、ナラ、カエデなどの広葉樹が豊かで新緑の時期も美しいのだろうなということは容易に想像がついた。山頂手前の会所で富士山や石尾根、(落葉していれば)北側に長沢背稜が望めるが、展望が特別優れているというほどでもない。人が少ないのも推して知るべしだが、自然林が豊かで、静かな山歩きを好む人には味わい深いコースだと思う。
タワ尾根、来年の紅葉シーズンには行きたいな。
コース定数31.2、主観的なグレーディングB
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