行程・コース
天候
雪のち小雨
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
金剛山は登山コースがとにかく豊富。今回は基本の金剛山千早本道をスタート地点とするため「さわやかトイレの駐車場」を選択。600円/1日。20台程度は駐車可。トイレもあって使いやすい。その上にも駐車場有り。この二つが登山口にもっとも近い駐車場。
この登山記録の行程
さわやかトイレの駐車場(06:48)・・・千早本道コース・・・ウルトラマンとバルタンの像(07:20)・・・売店・社務所(07:53)・・・転法輪寺(07:55)・・・福石(08:01)・・・葛木神社(08:04)・・・仁王杉(08:19)・・・一の鳥居(08:23)・・・出迎え不動さん(08:48)・・・金剛山駅(09:09)・・・御廟所(09:31)・・・売店(09:35)・・・夫婦杉(09:42)・・・転法輪寺(09:53)・・・国見城跡(09:58)・・・タカハタ谷コース・・・黒栂谷道・千早谷(10:43)・・・ツツジオ谷方面への分岐(10:53)・・・二の滝(11:21)・・・国見城跡(11:50)・・・売店・社務所(12:00)・・・文殊尾根コース・・・林道との合流点(12:41)・・・ロープウエーバス停前(12:48)・・・千早城跡登口(13:14)・・・千早城跡(13:35)・・・さわやかトイレの駐車場(13:50)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
今回、氷をテーマに関西方面に遠征。その1日目は金剛山。金剛山(こんごうさん)は、奈良と大阪(千早赤阪村)との境目にある山。標高は1,125m。最高地点は葛木岳となる。ただし、計測上の最高地点は、葛木神社の本殿裏で一般人は立ち入り不可のため、国見城跡の広場(ライブカメラ設置場所)が山頂とされている。都市圏に近く、ロープウエイがあって誰しも手軽に登れる山として、関東の高尾山に対し関西の金剛山と連想するのは、きっと自分だけではないはず。また、ダイヤモンドトレイルのルートとしても有名。
さて、突然ですが、シモバシラって知っていますか?
霜柱ではなく、シモバシラ。
氷がテーマという事で、金剛山での最初のミッションとして、シモバシラという植物が冬にだけ見せる自然の造形「氷華」探しを設定しました。
シモバシラという植物は冬になると茎が枯れてしまいますが、水を吸い上げる機能だけはしっかりと働き続けているため、気温が下がった日には、えんやこら吸い上げた水が茎の割れ目から染み出して、花びらのような氷細工を作ります。それが「氷華」です。漢字のごとく氷でできた美しい花です。という事で、氷を求めて冬の金剛山をグルグルと楽しみます。
凍った路面に注意しながら車を走らせ、「さわやかトイレの駐車場」に着いたのがちょうど深夜の1時。車は1台も停まっていなかった。管理事務所も閉まっていたので、とりあえず端の方に駐車して仮眠をとる。外はマイナス2度。エンジンを停めた瞬間、車中の温度も一気に下がる。が、自分の部屋もいつも似たようなものなので寝袋にすっぽりで十分。
6時に起きて、行動開始。夜の間に車が5,6台増えていた。いつの間にか管理事務所にも明かりがついていたので、駐車料金600円を支払ってしまう。領収書はなし。一抹の不安を感じるが、ナンバープレートで管理しているらしい。
おにぎりを食べて、7時に出発。今日の日出は7:05頃。明るくなってきたものの空はあいにくの曇天。なんとか晴れてくれればよいが。
まだ薄暗い林道を進むとすぐに階段となる。千早本道は山頂まで階段の道が整備されているため、家族向けには登りやすいが、登山者にとっては逆にシンドイ。昨日の雪のためか、登り口から薄っすらと雪が付いていた。今日は登山目的ではないため、雪景色を楽しみながらゆっくりと登る。
途中、出会った方に道を尋ねたついでに世間話をしてみると、なんとこの方、25年をかけて8,000回登山を目指しているとか。それもあと僅かとのこと。世の中にはすごい豪傑がいるものだ。そういえば、金剛山は、登山記念バッチが販売されていて、登った回数によってバッチがグレードアップされると聞いたことがある。そう何度も来れる場所じゃないが、山頂に着いたら自分も早速購入してみよう。
8合付近からシモバシラを本格的に探そうと、地面に注意しながら登るが、山頂付近は雪の量も増えていて見つけるのが難しい。また、雪が降ったという事は気温的には0度付近で安定していると考えられるので、そもそも氷華も出来にくいのかも知れない。
そうこうしているうちに山頂に着いた。転法輪寺にお参りして、散策を兼ねてロープウエイの金剛山駅の方へ歩いてみる。雪はくるぶしより少し上くらい。まだ、登山者も少ないため、踏み跡のない新雪の上を気持ちよく歩く。山全体が公園のようで、やっぱり高尾山に雰囲気がよく似ている。
ふと、笹の間にシモバシラっぽい植物を見つけた。近寄るとまさしくシモバシラが群生していた。果たして、腰をかがみながら探すこと数分。「あった!」。小さすぎて綺麗と言うほどではないが、それでも幾つかの氷華を見つけることが出来た。寒さを忘れて、写真に収める。まずは今日のミッション・クリアー。本当はもっと大きくて綺麗な造形を形成することもあるが、今日はこれで十分満足だ。
雪の中に隠れていて知らなければ見落としてしまう氷の華。でも、そこに植物の神秘が隠されていて、まったく自然界のいたずら心のある粋なアートと言える。
雪の中に「ダイヤモンドトレイル」の標識を見つける。そう、ここはダイヤモンドトレイルのコースの一部。トレイルと聞くと旅をイメージしてワクワクしてくる。いつかゆっくり歩いてみたいものだ。
金剛山駅では、何人かの登山者がロープウエイで登ってきたばかりか、スパイクを装備していた。雪が舞っていて真っ白な世界。今日は眺望は無理のようだ。
金剛山は山全体が公園のようと表現したが、舗装された道に加え、遊歩道、そして登山道が縦横無尽に交差していて、いろんな楽しみ方ができる。今度は来た道とは別な遊歩道を通って山頂へ戻ることにした。途中のブナ林の枝に雪が付着してとても綺麗に輝いていた。霧氷が綺麗だと聞いていたが、きっとこの辺がポイントだろうか。
山頂の売店で、登山記念バッチを購入。バッチと登山記念のスタンプカードをもらう。
登山者がだいぶ増えてきた。国見城跡に向かうと、ライブカメラの前で多くの登山者がポーズをとっていた。定期的にインターネット公開されるので、そのタイミングを待っているようだ。止まると体温が急激に下がるが、自分もその中に入って今か今かとシャッターが切れるのを待つ。シャッター音かランプがつくのかと思っていたが、どこかのおじさんの「はい、終わったよー」の一言でみんなも散開。どうやら時間であたりをつけているようだ。
ふと「シャッターを押してもらえませんか?」と声を掛けられる。おじいさんに息子さん、そしてお孫さんと思われる3人。「いいですよ」と答え、仲良く並んだ笑顔の3人をパシャリ。3人の手には登頂1,000回記念と書かれた手作りの横断幕がある。今日がまさしく、おじいさんの1,000回登山記念とのこと。話の勢いで自分もその家族と横断幕を持って写真を撮ってもらう。感動のおすそ分けだ。金剛山には毎日登っている方も多いと聞いていたが、登りはじめに出会った方と言い、毎日継続する努力の積み重ねには感服だ。
下山するにはまだ時間も早いため、金剛山をもっと堪能するため、もう一つのミッションを設定し、今度は登山道を選んで自由気ままに歩てみる。もう一つのミッションは、氷のテーマから「氷華」に続き、「氷瀑」。氷の滝だ。
黒栂谷道(くろとがどう)方面へ向かって降る。本当はセト方面を目指す予定だったが、道を誤ったようで、気が付いたらタカハタ谷コースを歩いていた。今までは整った道ばかりを歩いていたが、いきなりの本格登山とになる。結構な急斜面で、気を抜くと滑り落ちそう。注意しながら延々続く下り道を進む。眺望はない。どちらかというと辛いだけ。
ようやく林道に出た。黒栂谷道。ここで一人の登山者と出会う。よく登られている方のようで、黒栂谷道について解説をしてもらった。本来であれば、黒栂谷道は、金剛山でしか見ることができない貴重な花が群生しているポイントとのこと。それが昨年の台風で土砂崩れが起き今は見る影もなくなっているとか。北陸方面の山でも多くの台風被害を目にしてきたが、貴重な植生を守るためにも早く回復してほしいものだ。
林道を少し降る。ここまで来るとスタート地点の駐車場ももはや目前ではあるが、途中の分岐からツツジオ谷方面へと沢沿いのコースを再び登っていく。
今度は沢の音を聞きながらの登山。足取りも軽くなる。ここの沢は一風変わっていて、燕山(茨城県)の一枚岩を思い出すが、岩でできた滑り台のようなところを水が勢いよく流れている。途中、いくつかの小さな滝を楽しみつつ登ってく。
先行していた登山者が「おーっ」と歓声を上げている。ひと際大きな滝が見える。二の滝だ。自称滝ハンターとして一度はここの氷瀑を見てみたいと思っていたが、ようやくたどり着いた。残念なことに完全に凍るには条件が整っていなかったようで、一部が凍ったのみで、まだまだ流れ落ちる水の勢いが勝っていた。写真で見ていた風景とは違っていたが、凍りと水が競い合っているような様子も、これはこれで趣があって綺麗な風景だ。二つ目のミッション完了。
二の滝を過ぎると急登になる。登り切った尾根のところで、もう一度先ほど降りに使ったタカハタ谷コースに合流する。そうなると山頂までまもなく。
国見城跡まで戻ってくると、雪の中でラーメンを作っている人がいた。雪が舞う中、湯気と美味しそうなにおい。雪景色に似合う光景だ。
もう一度、ライブカメラの前に立って、売店に向かう。何か買おうかとも思ったが、特にお腹は空いていないのでそのまま周遊しながら降ることにした。しかし、今日はこの売店の前を何度行き来したことか。こんな登山者も珍しいのではないかと我ながら思う。
降りに選んだのは文殊尾根コース。尾根続きで比較的、登りやすいコースと思えた。しかし、そこそこ距離は長い。そろそろお腹が空いてきたと思った頃にようやく林道に出た。林道は沢沿いに降り、車道にぶつかるところで終点。目の前には大きなロープウエーバス停のロータリーがあった。ここは金剛山でも南ルート呼ばれる登山道の起点で、多くの登山者が訪れる場所になっている。
ここから先は、舗装された車道を歩いてスタート地点の千早赤阪村へと戻る。
てくてく。車道を歩くのはいつもながらシンドイ。千早赤阪村の集落が見えてきたころ、一つの看板を見つける。「千早城跡」。また、看板の横に挑戦を誘うかのような急な石畳の階段が延びている。「日本100名城に選定」と書かれた文字を読んだからには素通りするわけにはいかない。ゴール目前で何度登るのやら。少し雨がぱらついてきたので急ぎ足で石畳の階段を登る。長い階段が終わったところに本丸跡があり、今はお城に代わって千早神社が建っている。これはこれで趣があったが、でも、城跡なのになんで日本100名城なんだろう?の疑問が残った。誰か解説してほしいものだ。
城跡の手前に千早本道への分岐があったが、せっかくなのでもう少し登ってみることにした。実は、朝のスタート時に、道を間違えて入り込んだところに「千早城跡方面」の看板を見つけた。おそらくそこにつながっているのだろう。
果たして、見覚えのある道に合流し駐車場に戻ってきた。最後には雨も混じったが、氷華と氷瀑のミッションをクリアーしつつ金剛山を遊びつくした一日だった。
追伸:次の日の目的地に向かうため奈良方面の日帰り温泉として「かもきみの湯」に立ち寄った。これが思った以上に当たりの温泉。600円の低料金ながら充実したお風呂の種類。しかも、休憩所が浴場のすぐ隣にあり、何度でも繰り返し入浴ができる。車中泊のため、夜になるまで何度も温泉で疲れを癒しゆっくり休憩できたのは大変ありがたかった。超お気に入り。
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