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鳥首峠と上郷道、山頂を踏まない山歩き

鳥首峠、上郷道( 関東)

パーティ: 1人 (ガバオ さん )

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行程・コース

天候

曇り

登山口へのアクセス

バス
その他: 往)飯能駅北口 7:10発、湯の沢行きバスにて名郷下車
復)県道73号線、後台トンネル南側にて秩父市営バスぬくもり号に自由乗車、西武秩父前下車。

この登山記録の行程

名郷バス停(8:03着/8:10出発)-白岩林道終点・登山道入口(JFEミネラル工場敷地前)(8:50着/9:00出発)-廃民家(9:20)-鳥首峠(10:00着/10:10出発)-青石塔婆(10:40)-県道合流(10:57)-浦山大日バス停(11:10)-大神楽林道分岐(11:35)-(大神楽集落、薬師堂)-稲荷社(12:07)-(武士平)-タワ尾根道標(12:26)-(有坂/道迷い)-石道標(13:10)-十二天社(13:30)-大谷バス停(13:50)-後台トンネル入口(14:10)-バス乗車(自由乗降区間)

コース

総距離
約17.0km
累積標高差
上り約1,323m
下り約1,226m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

名郷から鳥首峠を越えて浦山に抜け、小持山西面に点在する山間集落を結ぶ中腹道を歩いてみました。杉の植林帯ばかりで山頂も踏まず、これという見所も有りませんので、好き嫌いは分かれると思います。以前から歩きたかったコースでしたが、歩いた満足感よりも、寂寥感ばかりが残る山行となりました。

≫雨の日用に温存していた今回のコースには打ってつけの空模様の下、名郷バス停に降り立ちましたが、各地を襲う豪雨災害のニュースに今ひとつ乗り切れません。 景気付けに三十三尋の滝に立ち寄ってみようかとも思いましたが、取付きが不明瞭なので、早々に諦めて鳥首峠に向います。

名郷と浦山を結ぶ鳥首峠のことは様々な紀行文に書かれていて、訪れるのが楽しみだった峠の一つです。

「若い頃、峠を越えて名郷に出掛ける用事があって、向うで西瓜やら何やらを沢山ご馳走になった~。」という昔話を、去年お茶をご馳走になった浦山のお婆ちゃんが話していたのを思い出します。その頃は未だ賑やかだったに違いない白岩や冠岩の集落は無人となって久しく、今は登山者が通るだけとなった鳥首峠には、石の祠がぽつりと佇んでいました。

峠から浦山に下って、県道で秩父駅行きのメロディバスを見送ると、再び山の中に入って行きます。

かつて日本の三大秘郷とも言われた浦山郷の小持山西面には、大神楽、武士平、有坂、茶平、嶽、日向、大谷といった山間集落が点在していて、それらを上郷(うわごう)道という中腹道が繋いでいるのですが、人の気配の無さに於いては、二週間前に歩いた上野原の西原古道の比ではありません。

紀行文で読んでいたので覚悟はしていましたが、進む程に朽ちかけた廃民家ばかりが現れるので、足取りも次第に重くなります。  峠に立って古の旅人に思いを馳せるのとは大違いで、廃屋だけが残された集落跡に立っても何の感慨も生まれず、ただ寂寥感が募るばかりです。 住人こそ見かけませんでしたが、武士平で犬に吠えられたり、廃屋に囲まれた十二天神社の境内が掃き清められたりしたのが、せめてもの救いだった様に思われます。

犬、鹿、野兎、猿としか遭遇しないまま上郷道を通り抜け、県道の自由乗降区間でメロディバスに拾ってもらうと、西武秩父の祭の湯にドボーン。 リフレッシュ!という気分にはなれませんでしたが、お久し振りの『駅前』のお通しセットで、今週も何とか締まりました~。
(豪雨災害に遭われた地域の皆様に、心よりお見舞い申し上げます。)

本日の総歩数33,093歩、歩行距離22.5km、消費カロリー1,420kcal、脂肪燃焼量101g也。

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フォトギャラリー:67枚

「山のススメ」のラッピングバスで名郷バス停へ。他のハイカーお二人は、夫々蕨山方面に向かわれたようです。

バス停の先を左折して、白岩林道に向かいます。

途中、妻坂峠への林道を右に分けます。

山頂を踏まない山歩きには、打ってつけの天気です。

ガイドブックに出てくる石灰岩採石工場は既に操業を停止していて、事務所やサイロは撤去されていました。

峠への入り口はすぐに分かります。

白岩集落についての説明書きによると、昭和25年頃には上白岩、下白岩の2集落に、23軒の家があったそうですが、昭和60年には無人となったとあります。

工場跡の敷地の縁を通っていきます。

20分ほど登ると、白岩集落跡の廃民家が現れ始めます。

山の神の祠が取り残されていました。

こんな山の中の集落に、消火栓まであったことに驚きます。

廃屋に書かれた落書きが、如何にも不似合いです。

道脇の樹々だけが、集落の変遷を知っているのでしょう。

杉の植林帯の道を進みます。

鳥首峠には、石の祠が佇んでいました。

峠から30m程南の小ピークに送電鉄塔が立っていて、東西の展望が開けます。

西側に見えるのは矢岳でしょうか。

晴れていれば、東側の展望もいいでしょうね。

峠から西へ下ります。

良い色ですね~。

峠から30分ほどで、浦山郷の冠岩集落跡です。

落ち武者伝説と共に伝えられる青色塔婆です。

比較的新しくも見えますが、、、廃屋です。

林道を歩いて、浦山の県道73号線に下りて来ました。

林道入口の標識。冠岩は道路工事で取り除かれたそうで、今はもうありません。

有間峠は、しばらくの間通行止めとなるようです。

市営メロディバスが新車になっていました。「午後便に乗せてもらうかもしれません~」と運転手さんに挨拶して、先に進みます。

集落沿いの旧道をトコトコと。「釣れましたか~?」「私、山なんですよ~」

今年のあじさいも見納めですね。

大神楽沢橋のバス停。大神楽は「おかぐら」と読ませるようです。

先程のメロディバスがやってきました。

運転手さんに手を振って、バスを見送ってから、細い大神楽林道に入っていきます。

林道沿いの、昼も点灯したままの街灯が、却って物悲しく見えてきます。

立派な民家ですが、無人です。

大神楽集落のごみ収集所。犬が吠えていましたので、まだ人が住んでいるのだと思います。

林道を少しそれた薬師堂への道はきれいに草が刈られていました。

林道の終点です。この上に武士平集落があります。

荒れてしまった稲荷社には、狐像が。

武士平に唯一残っているお宅です。

住人の方は見かけませんでしたが、犬に吠えられただけでも好しとしましょう。

民家の脇の、「たわ尾根」を示す標識に従って進みます。

たわ尾根の峠には、道標と道祖神が佇んでいます。

ここから先は、小持山の中腹道です。

有坂の集落跡の付近は下草が茂って、踏み跡が薄くなります。

けもの道に迷い込んで、しばし彷徨。

二軒の廃民家を見つけて、上郷道に合流しました。

石道標の「正面、嶽、日向、大谷に至る」を見て、嶽集落に向かいます。

嶽集落の入り口には、小さな六地蔵が。

「行方知れずとなったお地蔵さん、帰ってきてください」とあります。25年8月に嶽集落が大火事になったのは、お地蔵さんを動かした「さわり」だったのかもしれませんと・・・。

崩れた土蔵や、、、

焼け落ちた?廃屋。

十二天神社の境内だけは、きれいに掃き清められていました。

練馬区の少年キャンプ場があって、少しホッとしました。

日向集落。

五つの祭神を祀る、五社神社に下山のご挨拶。

流木が稲荷社の狐像に見立てられていました。

フェンスからこちらを見つめるボス猿。

県道に戻ってきました。

県道に面した大谷集落は、人里らしい雰囲気です。

大谷バス停。「おおがい」と読むようです。

県道をトコトコ歩いて、自由乗降区間で、メロディバスに拾ってもらいました。

お久しぶりの『駅前』お通しセットで、やや重めの山行も、何とか締まりました~。

「駅前」で相席した方が、「52席の至福」のプロデューサーだったのには驚きです!

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装備・携行品

シャツ アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア
トレランシューズ バックパック スタッフバック スパッツ・ゲイター 水筒・テルモス ヘッドランプ
タオル 帽子 グローブ サングラス 着替え
地図 コンパス ノート・筆記用具 腕時計 カメラ 登山計画書(控え)
ナイフ 修理用具 健康保険証 ホイッスル 医療品 虫除け
ロールペーパー 行動食 テーピングテープ

みんなのコメント

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  • ガバオさん、こんにちは。

    このレコそのものが、失われた集落の幽けき面影をたどる紀行のように感じられました。
    山が、木材や石灰、あるいは生糸などの産物で経済的価値を多く産んでいた頃、人はそこに住み着いたのでしょうし、それが失われれば一人また一人と去っていったのでしょう。かつての里山の、打ち捨てられた集落跡を見るとき、私もまた名もなき歴史に立ち会っているのかもしれません。
    日原の急斜面に張り付くように立っていた家の前で、今日は息子が壊れた水道の様子を見にきてくれるんだと、嬉しげに話していたおばあちゃんの姿は、次に前を通ったときには在りませんでした。
    裏山のおばあちゃんの若かりし頃の思い出話が、胸に沁みますが、これを言語化するすべが私にはありません。

    渡辺京二の「逝きし世の面影」という本を唐突に思い出しました。

  • すてぱんさん、こんばんは。

    ちょっと重苦しいレコになってしまいましたが、早速のコメント有難うございます。

    山間の昔道を歩いてみたいと、前々から楽しみにしていた今回のコースなのですが、少し甘く考えていたようです。次々現れる廃屋は、歴史というには余りにも生々し過ぎて、今でも胃が重い感じです。。。

    実は、再開を楽しみにしていた浦山のお婆ちゃんの家の玄関が締まったままだったのも気掛りです・・・。

    最近、地味目の山行が続いたので、そろそろ、スカッと富士山でも見たいところです!。

  • ガバオさん、こんばんは!

     西原に続く昔道歩き、お疲れ様でした。歴史というにはあまりにも生々しいという師匠の言葉が、レコのすべてを物語っているように感じます。

     改めて、師匠の歩かれたルートを拝見しながら、道路ネットワークという点から見れば、鳥首峠が名郷と浦山のミッシングリンクになっているのですね。歴史では「たられば」は禁句とよくいわれますが、仮にここが繋がっていたら、この地域はどのようになっていたのでしょう・・、それでもこうなるのは必然だったかもしれません。あれこれ思いを巡らしても、突きつけれられているのは日本の重たい現実ですね。

     ところで、駅前で「52席の至福」のプロデューサーと相席とは。さすがは師匠、持ってますね~。こうなると、次は「52席の至福」で湯上りセットでしょうか
    (笑)。

     「スカッと富士山でも見たい」とくれば、やはりあそこでしょうか(笑)?

       ぼっけもん拝

  • ぼっけもんさん、こんにちは。

    なるほど~、もしここに車道が通っていたら・・・? それでもやはり厳しそうですね。。。

    実は、浦山を度々訪れるようになってから、ふと考えるのが、「もし、浦山ダムが無かったら?」という「たられば」です。もしかしたらメロディバスなども無くて、仙元尾根など迂闊に歩けないかもしれませんね。

    相席したプロデューサーさんですが、まだ30代の若さで、最初は地元の兄ちゃんかと思っていたのですが、よくよく聞けばびっくりです。 色々面白い話を聞かせてくれましたが、企業秘密もあるでしょうから、ここでは止めておきましょう。(笑) 

    因みに企画は大当たりで、大体3ヶ月待ちだそうです。

    富士山は・・・、あそこも含めて、考え中です。(笑)

  • ガバオさん、こんばんは~!土曜日は曇天の中、名郷から歩かれていたのですね。
    お疲れ様でした。

    うーん、レコを読んで私も重くなりました・・・私なら山行途中で耐え切れず引き返して
    しまいそうです。

    時代とともに便の悪いところはだんだん人もいなくなってさびれてしまうのは致し方ない気も
    しますが、そこで営まれていた生活や習慣なども忘れ去られてしまいそうでなんとも寂しい気持ちになりますね。

    浦山のおばあちゃんの家が閉まったままというのも気がかり・・・お元気だといいですね。

    次回は気を取り直してスカッと富士山ですね!レコ、楽しみにしております。

  • すーさん、おはようございます。

    重いレコになってしまって恐縮です。。。

    当日の天気のせいもあって余計に重い雰囲気でしたが、人の気配がない中でも、薬師堂の道が草刈りされていたり、十二天神社が掃き清められたりしていて、逆に、残っている方々の、当たり前の生活の力強さ、みたいなものも感じることもできたような気がします。 お婆ちゃんも、たまたまお留守だったのでしょう!

    さてさて、当面芝刈り業務などもあって、余り自由な時間がないのですが、次はスカッと行きたいものです~(笑)

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