• このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

果てしなく遠い聖岳

聖岳( 南アルプス)

パーティ: 1人 (勅使河原彗碧院 さん )

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

行程・コース

天候

1日目晴れ(夕立あり)、2日目晴れ、3日目晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 新東名島田金谷IC下車、沼平ゲートそば駐車場まで2間40分

この登山記録の行程

【1日目】
沼平(10:40)・・・畑薙大吊橋(11:00)・・・ヤレヤレ峠(11:40)・・・ウソッコ沢小屋(12:50)[休憩 10分]・・・横窪沢小屋(15:00)

【2日目】
横窪沢小屋(05:50)・・・樺段(07:45)[休憩 10分]・・・茶臼小屋(08:50)[休憩 50分]・・・横窪沢分岐点(09:05)・・・上河内岳(12:00)[休憩 15分]・・・南岳(12:45)[休憩 5分]・・・聖平小屋(14:00)

【3日目】
聖平小屋(03:15)・・・薊畑分岐(03:35)・・・小聖岳(04:25)・・・聖岳(05:35)[休憩 20分]・・・小聖岳(06:30)・・・薊畑分岐(07:00)・・・聖平小屋(07:15)[休憩 100分]・・・滝見台(10:40)・・・聖沢吊橋(12:10)・・・聖岳登山口(13:40)・・・畑薙大吊橋(17:45)・・・沼平(18:00)

コース

総距離
約40.4km
累積標高差
上り約4,185m
下り約4,180m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

2泊3日の行程で聖岳を目指したのでした。
時は平成30年7月の14日、件の西日本豪雨から1週間、山は崩れていないだろうかと心配をしていましたが、この山域は全く無事だったようで、拍子抜けした有様でした。

1日目

3日しか休みが無いのに山行を2泊3日取るのですから、そりゃあかなりキツイところがありました。まずもって起床が2時20分、いつもならまだ「起きている」時刻ですよ。そこから凡そ7時間30分運転してようやく駐車スペースへ到着。

この山域で一番困るところ。それはずばりバスが不便ということでしょう。しかも分かりにくい。その上2種類のバスはそれぞれ停まるところが違い、時刻も連動していません。
ひらったく言えば、
⓵「テント泊の人はバスを諦めて下さい」という事と、
⓶「バスは最終の時刻がとても早い」、
⓷「小屋泊のみでも自分で好きにコースを組むのは難しい」そんなとこです。

⓵バスに乗れるのは小屋泊をした人のみです。テント泊だと井川観光・東海フォレスト供にバスは利用出来ません。
⓶井川・東海供に昼一までに下山しないと最終バスに間に合いません。
⓷バス利用を前提に計画すると、日程やコース取りが自由に組めません。

そこで救いの一手となるのが自転車です。ここの東俣林道は自転車は自由に立ち入り出来ます。ただし未舗装なのでオフロード対応自転車が条件です。
今回僕は畑薙大吊橋までを自転車で行きました。

畑薙大吊橋に到着し、いざ茶臼小屋を目指し出発したのが昼前でしたが、この暑さ・・・。暑くてバテる、といった経験が無かったつもりでしたが、これは多分バテました。タバコをやめたせいで体重が3キロ増えており、これがなかなか苦戦の種となったのではないでしょうか。横窪沢小屋着が15時頃、ここから更に茶臼小屋を目指すなんて絶対あり得ません。そもそも7時間30分運転した後に7時間の山行というのがもうムリでした。1段下(800m下)の横窪沢小屋でテントを張ることにしました。
後で判ったのですが、実はここで泊まったのが大正解というか、みんな無理して茶臼小屋へあがった為、横窪はガラガラなのでした。一番いいところへテントを張り、別荘の様な感じの場所で泊まり。1泊目メインディッシュのハンバーグを忘れた為、急遽カレーに。しかもご飯は大失敗し、なかなかツライ晩メシでした。


2日目

4時30分に起床し、カロリーメイトを喰ってすぐ撤収、それでも出発したのは5時45分でした。まずは茶臼小屋を目指すのですがこれがまた遠いこと遠いこと・・・なんせ800m上げるんですからそりゃ並大抵というか半日仕事ですよ。ついたらもう昼飯時の腹具合でして、8時50分に茶臼小屋に到着して昼飯のカップヌードルリフィルを喰いました。
当初の予定では、この後茶臼岳へあがり、上河内岳へ寄って、聖平小屋でテントを設営、その後聖岳へ往復する、という日程でしたが、一日目でもうずれていたので「茶臼岳ナシ、上河内岳ナシで聖岳往復」という予定に変更していました。だから横窪沢分岐点では茶臼岳へは見向きもせずにすぐ聖方面へ。
しかし、行っても行っても上河内岳には着かず、おまけに稜線上なのでお日様バッチリ。なんとか上河内岳の入り口に着いたのがもう11時50分。「こりゃ、もう今日は聖岳往復はムリだぁ」と決定し、せっかくなので上河内岳へ空荷で往復。写真のとおりガスガス状態で記念写真を撮ってすぐ下山。南岳へ向かいますが、いったん下ってまた登りがあります。12時43分、南岳に到着。この後下ってまた登りとかもう想像できません。ひたすら下るのみです。
500m下ってようやく聖平小屋に到着したのが14時頃でした。今回の山行の目的はあくまでも聖岳登頂なので、もう明日早朝に決行する他ありません。明日早朝に聖岳に往復した後、この南岳の500mの登りを登行できるでしょうか?そのあとまたもや上河内岳へ上り返しそこから千数百m下ってヤレヤレ峠を超えて・・・・絶対ムリ!
なので、この時点で3日目は「聖岳往復、のち聖沢を下り聖岳登山口へ、東俣林道を徒歩で南下し吊り橋まで、そこから自転車」という予定に変更していました。この時すでに3日目の地獄の山行は覚悟していました。いや、覚悟していたつもりでした・・・・。

まあ、明日の事は明日思えばいいじゃないか。今日は冷たい物でも飲もうじゃないか!この山小屋には冷たいチューハイが売ってるのですよ!しかも400円と安い!いや高くない!持参した日本酒とチューハイを交互に呑みながら缶詰を2個開け、おつまみに舌鼓を打ち。このために山に来たんですから!なんという至福!周りのテント客もみなそりゃあ楽しそうでしたよ。みんなが幸せになれる空間がこの山小屋(テント場)なんだなあ、としみじみ感じました。ちなみにこの山小屋のビールとチューハイは売り切れ知らずで(?)17時30分でもまだ残っていました。これだけの客にこの供給力はスゴイ!!この日はテント60張ほどでした。ほぼ定数な感じ。
ちなみに敷地内に川が流れており、これがまた死ぬほど冷たい!ここでビールでもなんでも冷やせばいい!
この日の晩御飯はジャンバラヤ(炊き込み)でしたがこれがまた大失敗。もう諦めました・・・・。就寝は19時頃。


3日目

2時50分起床。寝袋だけ畳み、他は色々そのままで出発。ドローコードリュックサックには飲料水・カロリーメイト・チョコレート・双眼鏡ぐらい。真夜中だというのに噴き出す汗。テントにポールを1本使っている為、今日は1本杖です。
1時間30分くらいで山頂へ着けばご来光、と思っていたのが小聖でもうご来光に。それでも富士山は神々しく。
聖岳山頂はもうすぐそこに見えるのですが、数値からするとまだ400mほど登らなけりゃなりません。そうなんです。行けども行けども着かないのが聖なる山、聖岳なんですねえ・・・。
5時35分ようやく聖岳山頂に到着。此処へ来て初めて「寒い」体験をしました。風が強いため寒く感じました。しかしここへ来る道のりの長かった事、きつかった事・・・。暑かった為に苦労した部分もある筈です。
もう二度とこの季節には来るまい、と誓ったのでした。
聖平小屋へ戻ったのが7時18分。早速昼飯にカップヌードルを購入、そして冷たいジュースと缶チューハイを購入。3点合わせて丁度1000円でした。これは安いですよ。朝からチューハイ・・・ではありません。もう昼ごはんなんですから。チューハイぐらい呑んだっていいんです。
昼ごはんとチューハイと撤収で小屋を出たのが8時55分。しかし暑い!さりとて残りは下りのみ・・・とタカをくくっていたらこれが大誤算!聖沢の下りは、下っては登り、下ってはまた登り、の繰り返し。これがまた相当しんどい。下りで膝を使い登りで体力を削り。汗もかくのでまた体力を消耗し。何度標高チェックしてみても2300mくらいでちっとも下っていない。そんなことを繰り返してなんとか聖岳登山口に着いたのが13時40分。予想はしていたが地獄はここからでした。これまでも結構地獄なのに、更に地獄の手を緩めません。ここから林道は平坦地ですが距離は11キロ弱、登りが443m、下りが619mあります。テント泊なのでバスには乗せてもらえません。なんという不遇!なんという不平等!
凡そ4時間歩いてなんとか自転車まで辿り着き。帰路に着きました。
今日1日で14時間30分歩いた後、7時間運転して還りました・・・。


出発前に18.1だった体脂肪率が、帰ってきたら12.1まで減っていました・・・・つまり3分の2に減った事になりますが・・・。
壊れてんじゃねえの?
それほど過酷な山行でありました。
因みにコース定数は101です。
全備重量14.651kg。(ポール、手袋、帽子、熊鈴除く)

聖岳は南なので(?)暑いです。是非涼しい時期に行って下さい。


続きを読む

フォトギャラリー:20枚

まずはこの吊り橋からです。西日本豪雨から1週間ですが、ここまで奥に来ると流石に水は澄んでいました。

ヤレヤレ峠で一服

ウソッコ沢小屋に到着。中を見れば良かった、

ようやく見えたのが横窪沢小屋。横窪峠からの眺めです。

今回が初のクフです。つまりクフデビュー。

1943mベンチ。

やっと着いたぜ茶臼小屋。本当は昨日着くはずだった。

メシを喰った後茶臼小屋を去る

何も見えない上河内岳

途中の景色

聖平小屋そばでは植生をどうにかしているところでした

聖平小屋テント場にて

小聖岳です。もう夜明け

小聖岳から見上げる聖岳。まだまだ遠いのです。

聖岳山頂から神々しい富士山

山頂にて。奥が赤石岳

北アルプス方面

穂高連峰・槍ヶ岳も見えました

またまた富士山。やっぱりここでは富士山No.1です。

ようやく帰ってきた吊り橋たもとの自転車。

すべての写真を見る

装備・携行品

シャツ アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア
登山靴 バックパック スタッフバック ヘッドランプ タオル
帽子 グローブ サングラス 着替え 地図 ノート・筆記用具
腕時計 カメラ 登山計画書(控え) ナイフ 修理用具 ホイッスル
医療品 虫除け 熊鈴・ベアスプレー 非常食 行動食 テーピングテープ
トレッキングポール GPS機器 ストーブ 燃料 ライター カップ
クッカー
【その他】 ラジオ、椅子、テーブル、カメラ三脚、双眼鏡、バチヅル、タープ、ガイライン9本、酒5合

みんなのコメント

ログインして登山記録にコメントや質問を残しましょう

登った山

聖岳

聖岳

3,013m

上河内岳

上河内岳

2,803m

関連する山岳最新情報

よく似たコース

聖岳 長野県 静岡県

南アルプス最南端の3000m峰に登る

最適日数
1泊2日
コースタイプ
往復
歩行時間
14時間35分
難易度
★★★
コース定数
59
聖岳 長野県 静岡県

南アルプスの魅力を堪能するロングコース

最適日数
2泊3日
コースタイプ
縦走
歩行時間
20時間30分
難易度
★★★★
コース定数
84
聖岳 長野県 静岡県

赤石岳・聖岳を周回する3泊4日

最適日数
3泊4日
コースタイプ
周回
歩行時間
23時間45分
難易度
★★★★
コース定数
94

勅使河原彗碧院さんの登山記録

登山計画を立てる