• このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

憧れの黒戸尾根 テントを担いで甲斐駒ヶ岳(一日目)

甲斐駒ヶ岳( 南アルプス)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

行程・コース

天候

快晴

登山口へのアクセス

その他: 黒戸尾根コースの起点は二つ。そのうち今回は尾白川渓谷登山口を選択。尾白川渓谷の無料駐車場を目指す。カーナビは「竹宇駒ケ岳神社」とすると分かりやすい。駐車場は砂利、アスファルトの2種類があり、相当の台数が収容可。しかし、渓谷のキャンプ場もあり登山者以外でも賑わうため、早めの到着が必要。綺麗なトイレも完備。お店もあり下山後の飲み物や軽食にも便利。

この登山記録の行程

尾白川渓谷駐車場(05:18)・・・竹宇駒ケ岳神社(05.27)・・・笹ノ平(07:14)・・・刃渡り(09:01)・・・刀利天狗(09:29)・・・五合目・・・屏風岩(10:20)・・・七丈第一小屋(11:20)(テント場受付)・・・七丈第二小屋(11:30)・・・七丈小屋テント場(11:48)

コース

総距離
約7.6km
累積標高差
上り約1,913m
下り約275m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

8月2日(木)。金曜日に無理くり夏休みをとり、一人夏の強化合宿の計画を立てる。やる気満々で5時とともに仕事を終えて帰宅しようと怒涛のように働いたが、結局、終わらず残業に突入。それでも、出発までに少しでも仮眠しようと更に怒涛のように働きようやく帰宅。かと思ったが、帰りつく直前で携帯が鳴り、再び会社に逆戻り。なんてこった。。。結局、今回も一睡もできない登山となった。登山よりも道中の運転が一番の心配だ。
腰のリハビリ登山の最後のメニューとして、夏の強化合宿を計画した。計画と言っても金曜日からに日曜日にかけてただ自由気ままに山を歩くだけの予定で、とりあえず黒戸尾根経由で甲斐駒ケ岳に登ること以外はなにも決めていない現地任せの旅だ。夜の11時に車にザック2つ、テント装備、期間中の荷物を放り込み、高速をひた走る。時間がなかったので無造作に詰め込んだザックが不細工に膨らんでいた。
道中はひたすら眠気との闘い。なんとか打ち勝ちながら夜明け前に無事到着した。しかし、直前で道を間違えてしまい、おかしいと思いつつも林道を延々走り突き当りまで行ったら、お隣の日向山登山口「矢立石登山口」に着いてしまった。いつかは登りたいと思っていた山、日向山。しかし、今日ではない。折角、早めの到着を目指し休憩も我慢しながらやってきたというのに。明るくなってくる空を見て、ただ気が焦る。
尾白川渓谷駐車場に到着。金曜日ということもあってか、意外に車は少なかった。
5時18分にスタート。駒ケ岳神社に立ち寄って挨拶。旅の安全を祈願する。尾白川渓谷駐車場から少し進むと登山道が二つに分かる。右へ進むと、先ほど道を間違えた日向山へ向かう道となる。分岐を左に折れて、いよいよ憧れの黒戸尾根コースに踏み入る。
甲斐駒ケ岳は想い出の大好きな山の一つだ。北沢峠からのルートがお気に入りで、いつかまった、峠の静かで綺麗な森にテントを張ってゆっくり山を楽しみたいと思っている。一方で、日本三大急登と呼ばれる黒戸尾根にも強く憧れていた。ただ急登なだけではなく、梯子や鎖場の連続でアスレチックなところに男心がくすぐられる。当初、日帰りピストンも頭を過ったが、山頂でゆっくりしようとテントを担いで挑むことにした。炎天下のピストンか、重装備での急登挑戦か、果たしてどちらがシンドイだろうか。 :)
黒戸尾根コースは、吊り橋を渡るとつづら折りの登山道から始まる。長野の山は一歩踏み込むと、森の深さに独特の雰囲気を感じ、帰ってきたと言う安心感が湧いてくる。
U字溝のような窪んでできた登山道を登っていく。朝の優しい光が木漏れ日となって森を照らす。
笹ノ平まで順調に歩を進める。笹ノ平は名前の通り笹一面の草原のような場所。ここからは長く延びた尾根に沿うように登っていくが、尾根の上を歩くというよりかは、少し下の斜面をトラバースするように歩いていく。始まりは尾根もまだ緩やかなのか、登っては水平移動を繰り返す。笹の森を歩いているようで、なんだか楽しい。
だいぶ高度を上げたなと感じる頃、急に視界が開け、両側が切れ落ちた狭い岩場が目に飛び込んで来た。刃渡りだ。いよいよアスレチックワールドに突入か、と思ったが、刃渡り自体は意外にあっさりしていた。少し進むと、刀利天狗の社に出る。なかなか趣があってよい感じだ。水分補給をして、再び森の中に入っていく。徐々に、鎖場と梯子が増え、また、同じ森でも先ほどまでの笹の草原から、こちらはは苔の緑に覆われた森へと装いが変化している。
途中、休憩をしていると、一人の山ガールが通り過ぎて行った。とてもしっかりした足運びで、安定したリズム。再び抜き返した時に「相当、(登山に)慣れた方ですね」と声をかけると「そんなことないですよー」と笑顔が爽やかだった。
ずっと登りで来た道が、急に降りになると、五合目も近い。鞍部にある屏風岩では十分、休憩をとった方が良い。屏風岩には特に看板は出ていないが、その風格で一見して分かる。屏風岩から七丈小屋までは、明らかに急登と危険のレベルが1UPする。 屏風岩の取り付きにはいきなり垂直の長い梯子がお出迎え。以降、七丈小屋まで、数え切れないほどの梯子が連続で出現する。テント装備が重く身体がふらつくが、スリルがあって逆に楽しく疲れを感じさせない。
とは言え、肩に食い込むザックがそろそろシンドイと感じ始めた頃、ようやく待ちに待った七丈小屋の屋根が見えてきた。ここまで丁度、6時間。テント装備としては、まあまあか。
テントの受付をしていると、先ほど声をかけた山ガールがやって来た。山小屋の人と親しそうに挨拶を交わしているので聞いてみると、交代のため登って来た山小屋のスタッフとのこと。やっぱり只者の歩きではないと思っていたが、正解だった。
七丈小屋は狭い尾根の上に、細長い形状の小屋が2棟建っている。手前から第一、第二。水場は、テントを含め宿泊者は自由に使っていいという事なので、さっそく手に汲んで飲んでみる。暑いので喉が潤せればいいな程度で飲んだが、冷たくて驚く程甘く美味しい。水場の脇にはクーラーボックスの中でジュースやビールが冷やされていた。ビールに手を伸ばしたくなるが、一応、ノンアルコールで我慢する。ここまでのご褒美だ。
テント場は小屋から更に300m程の先に2か所あると説明を受ける。微妙な距離だ。しかも、単純な水平移動の300mではなく、梯子や結構な岩場があり水場やトイレのたびにこを通るのかと思うと、七丈小屋のテント場は少し大変だと思った。
テント場には一番乗りだったので、好きな場所を選び放題だった。少し悩んで、あえて遠い方のテント場の更に奥に場所を決めた。理由は鳳凰三山が綺麗に見えたことと木陰が涼しかったことだ。
テントを設営し、お昼ご飯を食べる。休憩を入れた後、山頂を目指そうかとも思ったが、頂の方には雲が競り上がっていたので、この調子ではせっかく登っても眺望は無理だろう。そう思ったら一気に眠気が襲って来た。ここまで一睡も無しなのだで、ここは無理をせず休むことにした。仮眠のつもりでテントに入ったが、次に気が付いたのは夕方の4時過ぎだった。はやり身体は正直だ。
軽く夕飯を済ませ、しばらく夕暮れていく山の雰囲気を楽しむ。どこか大学の山岳部だろうか、手前のキャンプ場には多くの学生さんで賑わっていた。グループで夕食を作っているのだろうか。ワイワイと楽しそうな声と美味しそうな香りが漂っていた。
明日は、山頂で朝日を迎えようと、早めの就寝とした。


(「憧れの黒戸尾根 テントを担いで甲斐駒ヶ岳(二日目)」へ続く)
https://www.yamakei-online.com/cl_record/my_detail.php?id=137149

続きを読む

フォトギャラリー:10枚

装備・携行品

みんなのコメント

ログインして登山記録にコメントや質問を残しましょう

  • 夏合宿、かっちょいいネーミングですね。可愛くないと思ってた花がクジャクになる構図があるんですね。

  • 鬼の特訓?夏合宿。いつもながら、山ではなく道中の運転が一番しんどいですね。(^-^)

  • 刃渡り、刀利天狗いいですね。黒戸尾根は憧れなのでいつか登りたいです。

  • レオさんとまたテント担いで縦走したいですね。

関連する山岳最新情報

登山計画を立てる