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室堂から剱沢雪渓・仙人池を経て阿曽原温泉へ

剱沢雪渓、池ノ平、仙人池、水平歩道( 北アルプス・御嶽山)

パーティ: 2人 (しげ さん 、ほか1名)

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行程・コース

天候

(1日目)曇り時々雨、(2日目)晴れ時々曇りのち雨、(3日目)晴れ時々曇りのち雨、(4日目)雨時々曇り、

利用した登山口

室堂ターミナル   欅平  

登山口へのアクセス

バス
その他: 往路)長野から扇沢、アルペンルートで室堂、
復路)欅平からトロッコで宇奈月温泉、

この登山記録の行程

【1日目】
室堂ターミナル(09:00)・・・ミクリガ池(09:13)・・・エンマ台・・・雷鳥平(09:51)[休憩 120分]・・・別山乗越(13:23)[休憩 40分]・・・剱澤小屋(14:30)

【2日目】
剱澤小屋(05:06)・・・平蔵谷出合(06:20)・・・長次郎谷出合(06:35)[休憩 20分]・・・真砂沢ロッジ(07:19)[休憩 10分]・・・二股(09:07)[休憩 10分]・・・仙人峠(11:08)・・・池の平小屋(11:48)

【3日目】
池の平小屋(06:10)・・・仙人峠(07:00)・・・仙人池ヒュッテ(07:20)[休憩 30分]・・・仙人温泉(09:57)[休憩 20分]・・・仙人谷ダム(13:40)[休憩 20分]・・・阿曽原温泉小屋(15:09)

【4日目】
阿曽原温泉小屋(06:20)・・・欅平(11:46)

コース

総距離
約31.0km
累積標高差
上り約3,819m
下り約5,655m
コースタイム
標準21時間20
自己22時間7
倍率1.04

高低図

標準タイム比較グラフ

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登山記録

行動記録・感想・メモ

黒部ダムの湖畔、ロッジくろよんに前泊し朝一番のケーブルで立山、剣沢雪渓を経て、裏劔、阿曽原温泉・水平歩道へと縦走する山旅です。全行程4泊5日でオプションで祖母谷温泉に最終日に立ち寄ることを念頭に5泊分の食料を二人で背負って歩きました。雨が多く、結局、立山と祖母谷温泉はスキップすることになりました。
初日のロッジくろよん。テントは9張り程度で大学の登山グループが半数以上を占めてました。黒部ダムのレストハウスで食事をとろうと計画しましたが、観光客が多く食券を買うだけで40分待ち。断念してフードコートの焼きそばたこ焼きで軽く済ませました。食事をするなら扇沢のレストハウスが良いです。
翌日は7:10のケーブルカーで室堂を目指しました。雨でほとんど景色は見えず。室堂は多くの観光客で朝から混雑。天気が悪いので立山はスキップして雷鳥坂を経て剱沢キャンプ場へ向かうことにしました。途中雨宿りを兼ねて雷鳥沢ヒュッテの立山温泉(一人700円)に浸かりました。雷鳥沢ヒュッテは雷鳥沢キャンプ場のすぐ隣にあって室堂BTから離れているせいか空いてます。下山した登山客の多くはらいちょう温泉やみくりが池温泉に入る人が多いようです。
雨の中13時過ぎに剱御前小屋に到着。入口すぐ横に自炊室があって、一応カップラーメン買いましたが持ち込みOKなのでとても助かりました。剱沢キャンプ場は広いですが圏谷の中にあるので僅かに傾斜のある立地です。トイレは清掃が行き届き綺麗ですが和式のみ。売店は無く、剱沢小屋まで約50m程の高低差を行き来しないと飲み物等手に入りません。このところの悪天候でヘリが飛んでいないらしく、この日はテント泊向けの販売が無く残念な思いで50mを登り返しました。
3日目は剱沢雪渓、仙人新道を経て池の平小屋のテント場へ向かいます。剱沢雪渓は長次郎出合までは雪渓を歩けました。アイゼンは必須です。雪渓がテカって見える所がありますが、これは氷なので近づかない方が賢明です。長次郎出合いの先にあるナムの滝が露出していて、雪渓はぱっくり割れています。出合のところで夏道に上がります。ナムの滝を越えて真砂沢ロッジまで、1か所再び雪渓を歩くところがありました。やっぱり夏道より雪渓の方が歩きやすかったです。真砂沢ロッジは7時過ぎに到着。テント6張りで半分は大学山岳部と思しき大きなテントでした。
ハシゴ谷橋の分岐は少し先です。以前の登山道マークが残っていたり劔沢の右岸に夏道が見えたりするのでつい渡渉したくなりますが、焦らず分岐の道標が現れるまで左岸を歩きます。今は綺麗な橋が架かっていました。
二股の吊り橋は問題なく通行できました。
仙人新道は峠まで約500m以上の登りです。特に登り始めはうっそうとした茂みの中の急登なのでかなり暑く、大汗かきました。熱中症要注意です。なお数日前に仙人新道ベンチ付近で蜂に刺された人がショック症状でヘリ搬送されたらしいです。蜂は巣ごと駆除され、自分が通行するときに支障はありませんでした。
池の平小屋のテント場は自分含めて3張りのみ。日蔭は無く、日中は日差しがあるとテント内にはいられません。小屋には自炊室は無く、自由に使えるのは外のベンチとテーブルのみ。暑くて休めませんでした。午後は仕方がないので旧鉱山道を少し歩いてみました。小窓雪渓と対岸の岸壁が見える所まで行き、日蔭を見つけて大休止。テント場に戻って夕方からは再び雨。今度は21時頃まで降り続きました。
翌日は仙人池ヒュッテに立ち寄って仙人池に写る裏劔の写真を撮りました。風が無くバッチリ池に写る八つ峰の岩峰を捉えることができました。仙人温泉小屋までは仙人谷の沢沿いを歩きます。途中、左岸壁をへつるように通行する箇所がありますが、高度感はなくスリップに気を付ければ問題ありません。大きなデブリがいまだ残っている箇所があって、そこは大きく高巻きます。小屋の方がジャングルのような箇所を草刈りして高巻道を作ってくれていて、とても助かります。ちなみに仙人温泉小屋は今年(2018)は営業していません。温泉小屋を出て仙人谷の雪渓をトラバースするところは、雪渓が融けて地面との間にかなり大きな隙間ができていました。アイゼンつけてジャンプする人も居たようです。自分は上流側で地面に接触している箇所まで登り、斜面を高巻きして源泉につながる登山道まで藪漕ぎしました。先行者がいたおかげでかろうじて道がついていて、助かりました。後で阿曽原温泉小屋で聞いたら仙人池ヒュッテのスタッフが道をメンテしに向かったとのことで、今は難なく通行できると思います。
雲切新道は仙人温泉方面からくると、ひたすら急な下りです。阿曽原温泉小屋までは距離のわりには時間がかかります。仙人ダムに到着した後、人見平から阿曽原温泉小屋まで再び120mを登り返すので、体力の見極めと時間の見積もりが肝要です。自分たちはほぼコースタイムでしたが、途中P1629で追い越したグループは倍の時間かかって阿曽原温泉小屋に到着してました。
この日は仙人ダムで休憩しているときには晴れていたのに、高熱隧道で有名な関電の施設を通って人見平の宿舎前に出たときには雨が降りだしていました。阿曽原までの登り返しで汗が噴き出たこともあってレインウエアのズボンは着ませんでした。雨がどんどん強くなり全身ずぶぬれ状態となり、もはやレインパンツを着るには遅すぎると思ってそのまま歩き続けました。が、これが失敗でした。靴の中が水浸しとなり、結局、帰宅するまでグショグショになった登山靴を履いて歩き続ける羽目に。多少濡れてからでも雨が強い時はレインパンツはちゃんと着た方が良いです。
なお夜から翌日にかけて雨が強くなる予報だったので、この日は阿曽原温泉小屋泊まりに切り替えました。宿泊客は自分たちを入れても10名に届かず、悠々と大の字で寝ることができました。ご飯もおいしかったです。但し、降雨のため温泉は1回しか浸かりませんでした。
最終日は水平歩道です。阿曽原温泉小屋を出てすぐに140m程の登り。ここで早くも汗だく。オリオ谷の手前に道が崩落して高巻く箇所があります。雨が降っている時は丸太で足を滑らせないよう注意して歩けば危険はありません。欅平上部から欅平駅までは250mほど下ります。これ、欅平が出発だったら心折れますね。土砂降りの雨の中、ようやく山旅の終着点に到達しました。祖母谷温泉5泊目のオプションはもはや微塵も頭をよぎることなく、即座にトロッコのチケットを購入して帰途につきました。おまけですが、トロッコは雨が降ると客車(一般)の中にまで雨が入ってきます。せっかく着替えたのに、最後にまたレインウエアを着ることになりました。とてもウェットな山旅の締めくくりを象徴するエピソードでした。

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フォトギャラリー:19枚

黒部ダムと観光放水

剱沢キャンプ場

剱沢雪渓

剱沢雪渓・平蔵谷出合(大岩が目印)

剱沢雪渓・ナムの滝手前(夏道への取り付き付近)

真砂沢ロッジ周辺の山岳情報(真砂沢ロッジにて2018.8.13撮影)

ハシゴ谷橋への分岐道標

ハシゴ谷橋

二股吊橋

池の平小屋の水源

池の平小屋のテント場

仙人池ヒュッテから雲切新道までの山岳情報(仙人池ヒュッテにて2018.8.11時点)

仙人池ヒュッテから雲切新道までの山岳情報・一部拡大(仙人池ヒュッテにて2018.8.11時点)

仙人池に写る裏劔

仙人温泉小屋近く、仙人谷の雪渓トラバース遠景

仙人ダム構内の入口

阿曽原温泉小屋

水平歩道・大太鼓

水平歩道・志合谷に残る雪渓

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • 雨天の中の縦走決行、完遂お疲れ様です。剣沢、池の平、仙人谷のようすが、小屋の看板情報を含めて立体的でよく分かりました。真夏でもかなりのハードコースですね。初心者は避けた方がいいことが一目瞭然でよい。

  • kプロジェクトさん、コメント有り難うございます。この方面はこれからシーズンたけなわ。何度でも訪れたいところの一つです。

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