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矢岳バリエーション尾根、登らずに撤退

矢岳( 関東)

パーティ: 1人 (ガバオ さん )

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行程・コース

天候

曇り

登山口へのアクセス

電車
その他: 往)秩父鉄道、武州日野駅からスタート
復)秩父鉄道、武州日野駅

この登山記録の行程

武州日野駅出発(8:05)-そば処和味/卵水分岐(8:28)-(十二天社、夫婦杉)-林道秩父中央線分岐(8:58)-車両止めチェーン(9:15)-営林署小屋(9:45着/9:55発)-(安谷川渡渉にて負傷し撤退)-営林署小屋(10:25)-卵水分岐(11:20)-卵水往復(約40分)-そば処和味にて昼食(12:00/12:35)-武州日野駅(12:50)

コース

総距離
約14.8km
累積標高差
上り約1,126m
下り約1,126m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

矢岳のバリエーション尾根を登るつもりでしたが、尾根取付きの渡渉で足を滑らせ、右腕を負傷して這う這うの体で引き返して来ました。自分の判断の甘さと単独行の怖さを思い知った、教訓の一日でした。

≫地味ながら個性的な三角錐の山容の秩父の矢岳。 尾根に取付く前に負傷して引き返しましたので山行記録とはなりませんが、計画したルートと負傷事故について、恥を忍びつつ記録しておきます。

計画したのは、愛読のガイド本に紹介されていたバリエーション尾根のルートです。
武州日野駅から安谷川沿いの林道を歩き、営林管理署小屋の脇から安谷川を渡渉して、矢岳北西の尾根に取付きます。この尾根は上部で矢岳のもう一つのバリエーションルートである北尾根と合流して山頂に直上します。 下山には、若御子山に続く尾根ルートで武州中川駅に下る予定でした。

負傷事故を起こしたのは、尾根取付き前の、安谷川を渡渉する時のことです。
前述のガイド本には「頭上にロープを張られた所を飛び石伝いで対岸に渡る。」とあり、実際に行ってみると確かにワイヤーロープが張ってありましたが、沢の岩が動いたのか、とても飛び石伝いで渡れるようには見えず逡巡した結果、別の渡渉地点を探す事にして、少し上流の岩を伝って最後の1メートル程の幅を対岸に飛んだ着地で足を滑らせて横転し、もんどりうって右肩を岩に打ちつけてしまいました。

実は着地点の状況から「足を滑らせる可能性があるな。」と危険予知はしていたのですが、万一滑っても「水に濡れるだけ」と、都合の良い判断しかせずに軽率な行動を取ってしまった所に、根本的な危機管理能力の低さがあったと言わざるを得ません。 現実には右肩が外れ、裂傷2か所。 激痛で身動きできずその場で10分ほど蹲っていましたが、頭や足が無事だったのがせめてもの救いでした。

右腕を庇いながらジャブジャブ歩いて沢を渡り返し、何とか林道まで戻りましたが、腕が使えないと、僅かな岩の段差を一歩下りるのも一苦労で、これが深い山の中であれば間違いなく遭難騒ぎだったろうと思うと、単独行の怖さと自己責任を負う判断の重さが身に沁みました。

林道を下る途中、何かの拍子でゴキッと肩が嵌まったので大分楽になり、卵水まで足を伸ばして沢の水で傷口を洗って人心地が付くと、そば処和味で気付のお酒と寒晒し蕎麦を頂いて帰りました。

晴れの天気予報にも拘わらず、下山後も、矢岳の山頂はついぞ顔を出しませんでした。

本日の総歩数25,654歩、歩行距離18.2km、消費カロリー1,259kcal、脂肪燃焼量89g也。

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フォトギャラリー:41枚

連休の中日、秩父の天気予報は晴れ、です。

秩父鉄道の車窓から、三角錐の矢岳の山頂を見ることができました。

武州日野駅の降車客は私一人。登山届を出して出発です。

線路を渡ってたまご水方面に向かいます。

線路脇の弟富士浅間神社に入山のお参り。

安谷川沿いの道を南に進みます。

いつの間にか、矢岳の山頂は雲に隠れてしまいました。

すっかり秋めいた村道を進んでいきます。

途中、全面通行止めの道路工事現場がありましたので、平日に通る時には注意が必要です。

「明ヶ指のたまご水」への分岐道標

分岐道標の対面に、一日限定49食という「そば処、和味」が店を構えています。

近くの十二天社と夫婦杉にも立ち寄りました。

十二天社の小社

夫婦杉です。

のどかな山里の光景を振り返ります。

道は徐々に林道らしくなってきます。

矢岳の山頂は未だ雲に隠れています。

途中までタクシーを使うこともできますが、運転手さんは嫌がるでしょうね。

途中、林道秩父中央線が分岐しています。

チェーンで仕切られ、一般車両はここまで。

大岩の下の山の神も忘れずにお参り。

短いトンネルを通過します。

この付近は谷の両岸が切り立っていて、林道も経釣っています。(振り返って撮影)

林道の側面を、垂直に近い小滝が何筋も流れ落ちています。

正面の尾根が、これから上る(予定だった)バリエーション尾根です。

営林署の小屋の広場に着きました。

営林署管理小屋

小屋の脇から、沢(安谷川上流)を渡渉します。対岸には尾根への踏み跡も確認できました。

ガイド本にも載っていたワイヤーロープを発見。

こんな感じです。

ワイヤーロープ地点の最後の飛び石。とても飛べそうには見えません! ワイヤーにぶら下がれとでもいうのでしょうか!?(断念)

上流で、別の渡渉地点を探します。その後の顛末はレコの通りです。

撤収1時間後、肩が嵌って痛みが薄れたので、明ヶ指の卵水に向かいました。

卵水は安谷川の河岸にありました。

桶の水の中には卵の白身のような浮遊物が浮いていて、水を嘗めると微かに硫黄の味がします。

傷口を止血すると、ようやく人心地が付いて、そば処 和味で気付け薬とお蕎麦を頂きました。

結局、矢岳は最後まで姿を見せてくれませんでした・・・。

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装備・携行品

シャツ アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア
登山靴 バックパック スタッフバック スパッツ・ゲイター 水筒・テルモス ヘッドランプ
タオル 帽子 グローブ 着替え 地図
コンパス ノート・筆記用具 腕時計 カメラ 登山計画書(控え) ナイフ
修理用具 ツエルト 健康保険証 ホイッスル 医療品 虫除け
ロールペーパー 非常食 行動食 テーピングテープ

みんなのコメント

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  • ガバオさん、こんばんは~

     矢岳バリエーション尾根アタック、ご苦労様でした。いつもの軽妙な語り口でのレコを期待して読み始めたのですが、「右腕を負傷」との文字がいきなり飛び込んできて驚きました。大事にいたらず、よかったですね~、安堵いたしました。師匠とおなじく単独行の多い私、他人事とは思えず、改めて危険と隣り合わせであることを認識させられたました。

     それにしても、下山後にしっかりと「気付け薬」を頂くとは!さすが師匠、ただものではありませんね~。ちなみに、気付け薬をつけて帰ったあとのご家族の反応はいかがだったでしょう。私の場合、間違いなく一月は謹慎を命じられそうで・・、後学のために(汗)。余計なことをお聞きしてすみません。

       ぼっけもん拝

  • ガバオさん、これでしたか。

    なんとも痛ましい。ぼっけもんさんもおっしゃるように、とても他人事とは思えないレコでした。あとから振り返ると、なんであんな事やっちゃったんだろうと思うことがあります。大事(だったのでしょうけれども)にならずに良かったと思います。その後の傷の経過はいかがでしょうか?順調な回復を祈念いたします。

    レコは楽しかったり、誇らしかったりするものが大半でしょうけれども、こうした失敗談(失礼)こそ熟読し、そこから自分も何か学ぶべきものだと信じます。貴重な記録を、ありがとうございます。

  •  大変でしたね。でも自力下山できて本当に良かったです。一晩山中にいたら、どうなっていたでしょうか?電波はおそらくつながらないだろうし、一般車ははいれないだろうし、熊もいるだろうしで。。。
      7~8数年前、渓流釣りで上流で入渓したことがありました。深く下降して険しくも楽しい釣りをし、そのうち遡行が困難になり、反対の崖に登ってみたら、写真の小屋がありました。下降地点をさがしてウロウロしましたが、どうしても見つからず、結局、懸垂下降で何とか元の所におり、
    入渓地点に戻ったことがありました。
     ロープがあるという話は聞いていましたが、我らはそこまで行けませんでした。その後 安谷川の釣りは卵水のちょっと奥までしか行きません。というか行けませんが正しいかな。

  • ぼっけもん、こんにちは~。

    コメント、有難うございます。
    肝心のバリエーション尾根には、アタックどころか、一歩も踏み入れていませんので頭を掻くしかありません。(汗)

    矢岳は熟達者向きの山といわれ、過去に事故も起こっているようですが、今回の私の負傷は、矢岳や登ろうとした尾根の難易度とは関係のない単なる自爆事故ですので、矢岳の名前を出すのは如何なものかとも思ったのですが、渡渉地点のワイヤーロープの状況は記録しておく意味があると思い、レコUPした次第です。
    次回チャレンジするときは、躊躇わずに水の中をジャブジャブ歩こうと思います。(笑)

    ところで家人の反応ですが、努めてさりげなく振舞ったことと、たまたま前日から飼い始めた新しいワンコのお陰で「話題性が薄れた」のが幸いし、外出禁止措置は何とか避けられそうです。(笑)

  • すてぱんさん、こんにちは~。

    ハイ、これだったんです・・・、何とも締まらない話で、貴重な記録、などとはお恥ずかしい限りです。(汗)

    ↑ぼっけもんさんのコメントにもお返しした通り、今回の事故は完全な「自爆」ですので、矢岳も呆れて、最後まで顔を出さなかったのかとではないかと思ったりもします。 

    ヤバいかな?と薄々感じながら「なんで飛んじゃったんだろう・・・」と思いますが、実はこのところ、バイオリズムが下降中であるという自覚がありまして、判断力も雑になっていたような気がします。こんな時は尚更慎重になるべきだったと反省しております・・・。

    お陰様で痛みは大分引いて来ましたが、シーズンを控えた「芝刈り業務」には、多大な影響が出そうです!(困)

  • ママさん、初めまして。コメントいただき有難うございます。

    負傷した渡渉地点が林道のすぐ脇でしたので、ご指摘の通り、自力で下山出来て本当に助かりました。あれが山奥の沢だったらと思うとぞっとします。

    ママさんは更に上流で入渓されたのですね。
    管理小屋の周辺だけは沢にすぐ下りられる地形でしたが、上流の右岸側はかなり切り立っていたように思います。谷が深い程魅力も益すというものですが、いずれにしても油断大敵、安全第一、ですね。

  • ガバオさん
     あまり無理をしないでくださいね。今年は雨が多いので、川も増水していたのだと思います。
    お大事になさってください。健康あっての山ですからね。

  • ママさん、
    その通りですね~。お言葉ありがたく頂きます。

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