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紅葉を探して晩秋の笹尾根をのんびり歩く (3A)

浅間峠 槇寄山( 関東)

パーティ: 1人 (すてぱん さん )

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行程・コース

天候

曇りのち晴れ

利用した登山口

上川乗   仲ノ平  

登山口へのアクセス

バス
その他: (行き)武蔵五日市駅 7:10発 数馬行きバスで上川乗バス停

(帰り)温泉センターバス停よりバスで武蔵五日市駅

この登山記録の行程

上川乗(07:55)・・・浅間峠(08:48)[休憩 4分]・・・土俵岳(09:45)・・・笛吹峠(10:46)[休憩 33分]・・・槇寄山(12:21)[休憩 24分]・・・仲ノ平(13:39)

実際には笛吹峠ではなく数馬峠にて11:17から11:50分にかけてランチ休憩

コース

総距離
約13.9km
累積標高差
上り約1,343m
下り約1,080m
コースタイム
標準6時間25
自己4時間43
倍率0.74

高低図

標準タイム比較グラフ

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登山記録

行動記録・感想・メモ

標高1000m以下まで降りてきた紅葉を求めて、けれどもなるべく人込みを避けて、ということで奥多摩でもややマイナーな笹尾根を歩いてきました。

<笹尾根の紅葉の様子>
土曜よりも日曜日の方が天気予報はよさそうだったのですが、朝から曇りで昼前にようやく晴れ間がのぞく天気。風もなく穏やかな登山日和ではありましたが、紅葉は陽を浴びるとひときわ輝くので少し残念な天候でした。肝心な紅葉ですが、笹尾根では土俵岳(1005m)から丸山(1098m)手前あたりまでの標高1000mあたりが最もよく、1200mより上ではほとんど落葉していました。笹尾根は、おおむね山梨側が植林された針葉樹、東京都側の北東斜面は広葉樹のクヌギやミズナラなど雑木林となっており、黄色が主体ですが、時折赤く色づいたカエデが混じります。ただ、私の印象では昨年につづいて今シーズンの紅葉は、今一つです。

ちなみに今回最も鮮やかだったのは、数馬の里のモミジですが、山中で出会う紅葉の好ましさは自分にとっては別物だと思うし、だからこそ庭園の散策ではなく山に登るのだと思います。

<計画上のポイントと笹尾根について>
今回の計画上のポイントは、先週奥多摩のタワ尾根で標高1000~1300mあたりの紅葉がよかったので、それより標高の低い山歩きをのんびりできるところ、秋の行楽シーズンの人込みを避けられそうなところ、赤線つなぎ、ということで多摩川水系と相模川水系を隔てる長大な笹尾根のうち槇寄山から浅間(せんげん)峠の区間を選びました。赤線つなぎということなら生藤山まで(笹尾根はさらに陣馬、高尾につながっています)歩くことも考えたのですが、今回はたおやかな尾根をのんびり歩きたい。もう一つのポイントは、「上川乗バス停」から浅間峠を経て笹尾根を三頭山方向に「登る」のか、「仲の平バス停」から槇寄山を経て逆コースを「下る」かの選択でしたが、数馬に下れば温泉が楽しめることから、今回は笹尾根を「登る」こととしました。たおやかな尾根ですから、どちらを選んでも体力的には大きな違いではないでしょう。

コースは、笹尾根のピークである三頭山(この日も山頂は大勢の登山者で混んでいたそうです)を除けば、登山者が比較的少なく静かですが、「関東ふれあいの道」の一部なので道標などもよく整備され、危険個所はありません。また、東京都側も山梨県側もバスが通じた集落が近く、いくらでもエスケープルートが選べる点も安心です。時折麓からバイクの爆音や集落からのサイレンなども聞こえるのがご愛敬ですが、里山の親しみやすさも特徴だと思います。もっとも、落ち葉でふみ跡がわかりにくい、滑りやすい、木の根や石などが隠れていて躓くことがあるなど、秋山のお約束には注意が必要です。私は、下りで隠れていた木の根に躓いて一度盛大にすっころびました。また、一昨日の雨のせいか、槇寄山からの下りなどはえぐれて泥が露出している箇所が落ち葉で覆い隠されていて一部スリップしやすくなっていました。

笹尾根はあまり展望に恵まれていませんが、土俵岳では北東方向の御前山や大岳山が、数馬(かずま)峠と槇寄山山頂では南西方向が開けていて権現山など山梨側の山や丹沢の峰々が望めます。数馬峠と槇寄山はベンチもあって休憩やランチに好適です。私は数馬峠で丹沢などの山並みを眺めながら、ストーブを取り出してカップ麺とパンのランチとしましたが、ここは冬の陽だまりを楽しむのにも良さそう。数馬へ下る「西原(さいばら)峠」から少し登り返した槇寄山山頂は、展望では数馬峠にやや譲りますが、立派なテーブルもある気持ちの良いところで、のどかな笹尾根を満喫できます。寝転んでしばし、ようやく広がってきた晴れ間を見上げました。両方とも富士山の絶景が望めるそうなのですが、この日は雲に隠れて全く姿をうかがえなかったので、次回の楽しみとしましょう。立ち去りがたいものを感じながら、西原峠を経て数馬へ下ります。

<山里を垣間見る>
今回は、笹尾根が里山なのだということを感じさせることが二つありました。一つは槇寄山から「仲の平バス停」へ下る途中でライフルを携帯した猟師さんに出会ったこと。東京都の依頼で「有害鳥獣駆除」にあたっていて、この日は犬をけしかけ逃げてくるクマやシカなどを仲間と分散して待ち構える「巻き狩り」の最中とのこと。残念ながら写真撮影はやんわり断られてしまいましたが、山中で猟に出会ったのは初めての経験でした。ツキノワグマは大岳山から御前山や三頭山に囲まれた秋川源流域を行き来し、大きなものになると2m、音もたてずに逃げるのだそうです。だから出合い頭の遭遇事故も起こるのだとか。私は念のため小さな熊鈴を鳴らして歩いていたのですが、こんなものでも不意の遭遇を避ける役には立つそうです。あ、だとすれば猟の邪魔になったのではと慌てたのですが、なあに大丈夫ですよとの返事でした(じゃあ、クマよけの効果もあまりない?)。ほら、すぐそこの窪地がイノシシのヌタ場(泥浴びをするところ)ですよ、などと教えてもらいましたが、私にはどこがどこやら要領を得ません。黒澤明の映画に、「デルス・ウザーラ」というシベリア沿海部の猟師とロシアの探検隊の交流を描いたものがありましたが、そこに描かれていた先住民の猟師は実に多くのメッセージを自然から読み取っていました。こうした感性は、週末だけ山歩きに来た私などには全く持ち合わせがないものです。

もう一つは、数馬の里に入ったところで、伐採した木を運び出すためのワイヤー設置作業をしている方々に出会ったこと。以前、枝打ち作業に出会ったことはありましたが、常々、登山道よりはるかに急な斜面での営林作業、なかでも切り出しはどうやってやるのだろうと考えていたものですから、興味津々でした。作業の最中でお忙しそうでしたから、根掘り葉掘り聞けなかったのが残念です。

<下山後の温泉>
「仲の平バス停」に下山後の温泉は、わずかに登り返す兜造りの「蛇の湯温泉たから荘(1000円)」か、となりの「温泉センターバス停」まで徒歩数分だけ下る「数馬の湯(820円)」が選べますが、今回はまだ行ったことがなかった「数馬の湯」につかってきました。茅葺で趣のある「たから荘」に比べて近代的で規模も大きく、食堂も併設されています。アルカリ泉のさっぱりしたお湯で、うたせ湯や露天風呂もあります。

コース定数30、主観的な山のグレーディングA

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フォトギャラリー:45枚

上川乗バス停からしばらく車道を歩き、途中左手から浅間峠への登山口に入る

しばらく植林されたスギ木立の中を急登

途中にあったお社に無事登山を祈願。どうやらこのあたりで林業を営んでいる会社が寄進されたもののようです。

リンドウの蕾?

杉の幹に、先ほどの業者さんの印と社名が

浅間峠に杉の巨木がありますが、これが檜原村で一番大きい杉でしょうか?

浅間峠には東屋もあって、いかにも峠という風情

石の道標もありました

紫式部って、こういう実でしたっけ?

日原峠の石仏。銘は読み取れませんでした

真新しい倒木を切断した跡。今シーズンの台風で倒れたものでしょうか?

土俵岳から御前山や大岳山が見えました。こちらは御前山

土俵岳から丸山の手前あたり標高1000m付近の紅葉が一番良かったように思います

丸山山頂の手前。その名の通り林床には笹が生い茂っています。

こちらは唐松でしょうが、少し禿げています

数馬峠から山梨側の権現山。富士山も見えるはずなのですが・・・

同じく丹沢の山並み

槇寄山の山頂は、小広く、数馬峠同様に晴れていれば丹沢から富士山まで展望できるそうです。立派なテーブルもあってランチなどに好適

大岳山を遠望

へー、国定忠治がねえ

数馬の里にて。やはり人里のモミジは美しく彩られる品種が植えられているのでしょうかね

これはジュウガツザクラでしょうか

伐採した木を運び出すためのケーブル敷設作業中

今回は数馬の湯で温泉に浸かってから帰ります

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • すてぱんさん、おはようございます。

    笹尾根を歩かれたのですね。お疲れさまでした!
    先週のタワ尾根とは打って変わって、里山感が溢れていていますね~。

    この山域は勝手にホームと決め込んでおりますが、実は上川乗りから浅間峠への道は未だ登らずにいます。すてぱんさんに一足先を越されてしまいましたが、いずれ歩くことになると思いますので、レコはしっかり参考にさせて頂きます。

    数馬の湯にも暫く(とはいっても4ヶ月程ですが、、、)行っていないので、そろそろ行きたくなってしまいました。

    ところで、次回のオフ会企画が楽しみです!。やはり秩父方面が有力そうですね、、、

  • ガバオさん、コメントありがとうございます。

    今回は何も考えずに気楽にのんびりがコンセプト。でした。都内の小学校に通った私にとって、名前こそ知りませんでしたが笹尾根や長沢背稜を歩くのは、白地図を塗るような感覚があるのかもしれません。

    12月に奥多摩をお考えでしたら、山麓酒場共々ご提案いただけば!!

  • すてぱんさん おはようございます。プックルファザーです。オフ会の件です。
    コメント頂き、恐縮です。ありがとうございます。見るのが遅くなり大変失礼致しました。
    まだ、間に合いましたら、是非出席させて頂きます。
    当日は、秩父夜祭の宵宵宮となります。通常は宵宮だけなのですが、今年は特別の様です。
    少し、混雑する可能性がありますので、ご参考までに。
    ところで、ご参加の皆様は、どちらの方面の山行をお考えですか? 

  • プックルファザー さん、ご返信ありがとうございます。

    ご参加いただけるとのこと、ありがとうございます。
    以下で予定しておりますので、ご参集くださいますようお願いいたします。

    12月1日(土)午後4時、西武秩父駅そばの居酒屋「駅前」(雑居ビルの2階です)に集合です。

    12月2日の宵宮の他に、1日に宵宵宮が行われるのですか?一応、「駅前」には営業を確認してありますが、当日改めて連絡するようにとも言われております。スムーズにいくといいのですが。

    ご参加は、プックルファザー さんを含め5名の予定ですが、皆さん集まってから、今日はどこに登ったのか種明かしする趣向になっております(笑)。

    それでは、当日お目にかかれることを楽しみにしております。

  • すてぱんさん
    こんばんは。ありがとう御座います。了解いたしました。
    1日は、本町屋台の引き回しが特別にあるようです。
    ご興味のある方は、ラッキーだと思います。

登った山

槇寄山

槇寄山

1,188m

土俵岳

土俵岳

1,005m

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