行程・コース
この登山記録の行程
八方池山荘(09:40)・・・第三ケルン(10:00)・・・丸山(12:00)・・・唐松岳頂上山荘(13:00)・・・唐松岳(13:15)・・・唐松岳頂上山荘(13:40)・・・丸山(14:30)・・・第三ケルン(15:30)・・・八方池山荘(16:02)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
遭難すれすれ・・反省の山行記録です。。
唐松岳は曇りの予想。天候が悪ければ無理せず戻ればいいや、と思っておりました。
夏は2時間足らずで山頂まで行っているので少し舐めていたかもしれません。
ゴンドラ、リフトを乗り継ぎ八方山荘からスタート。
はじめはBCの人も多く、アイゼン装着の上バリバリと登っていきます。
第三ケルン、丸山を通過。なんてことなし。膝までのラッセルも軽々こなせています。
丸山から降りる登山者に話を聞いたところ上はホワイトアウトで途中下山とのこと。
まあ、いけるところまでと思い、さらに登っていきます。夏山では富山県側に巻くところまできてルートに迷ったので、周りに誰もいなくなったし降りようかなと思いましたが、直登すると尾根にでられました。ここで下山者とすれちがい、山荘までもう15分くらいですよ~、と言われ進むことに。稜線にでると風がだんだん強くなてきます。山頂山荘付近は吹雪激しくホワイトアウト。視界もどんどん厳しくなってきます。山頂まで進むもののリフト時間を考えるとのリミットが近いこと、視野がなく危険を感じたので山頂まであと少しのところで降りることにしました。途中二人組の登山者とすれ違いました。ちょっと危なそうなので降ります、と伝えました。
山荘付近でも変わらずの強風、ホワイトアウトで中道をロストし山荘付近をグルグルさまよいます。
五竜方面に行きそうになったりしましたが、GPSを頼りに下山方向を確認するうちに往路に無事でます。強風のためトレースも消え、視界もない。さらにゴーグル、眼鏡も凍ってしまっています。
ただ降りる方向を間違えなかったのでほっとしました。山荘から少し進むとカチカチのアイス。いやらしい場所だな、アイゼンささらないなー、と思いつつ歩いていると、左足が滑りそのまま長野県側に滑落。こりゃとまらんわ。どこまで落ちるかな、死ぬかな、やっちまったなー、とか思っていると新雪の雪だまりにはまりストップ。GPSでみると15mほど落ちた様子。この際ストックが損傷しましたが自分は全くの無傷。下手すればこれは死ぬな、と思いながら気合で登り返します。遭難という言葉がチラつきます。真っ白な中GPSをみながら来た道を必死におります。そのあとも一回5mほど滑落。視野がないので地面がみえない。ただ雪が多いのですぐに止まってくれます。
丸山ケルンまで到着し、こりゃ助かるな、さすがGPS!と気合いでラッセル。ストックが壊れたのが深いラッセルでは地味に苦しい。3段式のストック下の金具が左右ともはずればらばらになってしまっています。一人のつらさが身に沁みます。ただ、GPS通りに進めば大丈夫、とホワイトアウトの中淡々と進みます。
林道をすぎるかすぎないかのうちにまた富山県側の尾根を5mほど落ちます。地面が見えない!
この際なんと頼みのGPSをダメにしてしまいました。がっかりしましたがあとは尾根道を行けばいいし方位磁石だけでなんとかいけるかな、と自分を励まします。八方池手前までもどっているはずなのであと少しだしな、と登り返します。ただ雪が深くて登り返すのも大変です。
そうこうしていると山頂ですれ違った二人組が丁度おりてきており、声をかけてくれました。なんというラッキー。ここで離れるとやばいな、と思い全力で登り返して合流を目指します。八方ケルンで合流。同様にGPS頼みでおりてきたとのこと。ホワイトアウトで帰路もルートに苦戦。ただ先行する二人のトレースで幾分か楽になりました。
最後の力を振り絞り八方山荘まで一緒に同行させていただきました。
命からがら薄氷の下山でした。16時。リフトに間に合わなかったものの生還。
天気が悪くなるといつもは容易な登山道も一気に難易度があがります。天気が悪ければおりようと思っていたにもかかわらずいつのまにか適切な下山の時期を逸していました。ゴーグルを凍らせてしまったりとホワイトアウトの中視野の確保に苦しみ、見えない中おりることで何度か滑落してしまうなど失態を繰り返してしまいました。運よく合流してくれた二人組には感謝感謝です。
冬の唐松は初心者向けとされていますが、それは好天時のみです。悪天候の際は何人も遭難者をだしており、厳しい北アルプスにかわりはありません。死ねばそれまでですが、生還したので非常に良い経験になった山行でした。
フォトギャラリー:1枚
装備・携行品
シャツ | アンダーウェア | ダウン・化繊綿ウェア | ロングパンツ | 靴下 | 登山靴 |
バックパック | スタッフバック | スパッツ・ゲイター | 水筒・テルモス | ヘッドランプ | タオル |
帽子 | グローブ | サングラス | 着替え | コンパス | 腕時計 |
カメラ | 登山計画書(控え) | トレッキングポール | GPS機器 | アウターウェア | オーバーパンツ |
雪山用登山靴 | アイゼン | ピッケル | ワカン | ゴーグル | エイト環・ATC |
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