行程・コース
天候
初日)晴れ、二日目)雪のち霧、三日目)雨
登山口へのアクセス
バス
その他:
往路)(山梨交通)塩山駅南口8:30→白沢橋9:30、
復路)(西東京バス)鴨沢9:49臨時→奥多摩駅10:30、
この登山記録の行程
[1日目]
白沢橋(930)…白沢峠(11:23)[休憩15分]…鳥小屋分岐(13:20)…笠取小屋(14:20)[休憩40分]…雁峠分岐(15:08)…笠取山(15:30)[休憩20分]…笠取山三角点(16:10)…水干(16:30)…笠取小屋(17:00)、
[2日目]
笠取小屋(6:00)…唐松尾山(8:40)…西御殿岩(9:30)…山の神土(10:10)…将監峠(10:27)…禿岩(13:10)…飛龍権現(13:20)…北天のタル(14:00)[休憩15分]…三条の湯(16:25)、
[3日目]
三条の湯(6:30)…林道終点(6:57)…蔦久保橋(7:31)…塩沢橋(7:47)…片倉橋(8:20)…お祭りバス停(8:50)…鴨沢バス停(9:20)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
春の大型連休を利用して2泊3日で奥多摩源流のみちを歩いてきました。
塩山駅南口から山梨交通の8:30発西沢渓谷行きバスに乗車。バス待ちの行列は1番バス乗り場からJR駅階段降り口付近まで連なるくらいの混雑で、私は出発の40分くらい前から並んでいたので難なく座ることができました。この日は増発便が計3台出ました。多くの人は乾徳山登山口か西沢渓谷入口で下車しますが、私は白沢橋で途中下車。このバス停は自由乗降区間の中にあり、運転手に告げておかないと停車しません。白沢橋からは白沢沿いの林道を東へ進みます。この林道はすでに砂防工事は終了して入口がチェーンでふさがれています。沢を渡る箇所がいくつか出てきますが、水量が多いと渡渉に難儀するかもしれません。堰堤をいくつかやり過ごして進むと最後に大きな堰堤が現れ林道は末端に達します。白沢峠へはここから沢の右岸をトラバースしながら登る登山道となりますが、斜面が崩れて道は荒廃気味です。直ぐに堰堤を見下ろす高い位置に木橋が現れるので、林道どん突きで道が分からなくなったら上を見てください。登山道はつづら折りの急登となり、息が上がります。ここを歩く人はあまりいないのか踏み跡は薄く、時々、道を見失います。そんな時は斜面の高い位置を見上げれば、踏み跡が見つかります。白沢峠が近づくと周囲が広々としてきて傾斜が緩くなります。堰堤を見下ろす木橋から白沢峠までは45分程度。
さて白沢峠には左ハンドルの廃トラックが残置してあって、荷台を突き破るように樹木が成長しています。いつ、どこをどうやって走ってきたことやら。いまはもう自然に還るに任せてあります。白沢峠から笠取小屋へ向かって北へ歩きます。おそらくここはかつての林道。道には倒木や、水流で道が抉れた箇所が多数ありますが、トラックが走った往時をしのばせる平坦地も多く残っています。展望はあまりなく一般の人がハイキングで訪れることはあまりなさそうです。ここはいわゆる廃道マニア向けかもしれません。斉木峠付近にはもう一つ廃トラックが朽ち果てるのを待っています。どんな成り行きでここに残置してあるのか興味をそそります。
鳥小屋分岐点で、ようやく現在も使用されている林道と合流します。ここから笠取小屋まではこの林道を歩きます。そしてヤブ沢峠では作場平から登ってきたハイカーが合流します。白沢橋から白沢峠を経て、ここヤブ沢峠までは全く人に会うことはありませんでしたが、そのギャップに改めて自分の辿ったコースがマニア志向であったと気づかされます。
笠取小屋にテントを張って、空身で笠取山へ登りました。雁峠分岐付近は広々とした笹原で、小さな分水嶺を辿る小道もあって、気持ちの良いハイキングが楽しめます。笠取山直下は標高差約100m強の急登。この日、高校山岳部の生徒がこの斜面をよーいドンで走って登っていました。青春ですなぁ…。山頂は西から南東方面への展望が開けています。この笠取山山頂、実は東峰があってそこには三角点が設置されています。但し東峰は展望があまりありません。登山道はさらに東に続き、縦走路へと合流します。近くに多摩川源流の水干があります。沢を上り詰めて水が涸れるところという意味だそうです。この水干の上部。岩が張り出している崖の上に石の扁額が埋め込まれています。保護色なのでぱっと見気づきにくいのですが、水神社と読めます。この日は多摩川の分水嶺をちょうど西から北に時計回りに歩いてきた格好になりました。二日目は北の分水嶺に沿って飛龍山方面へ向かいます。
5月とはいえこの地は標高1800~2000mの地。夜半からみぞれ交じりの雪となり、二日目の朝はテントに積もった雪を払ってから撤収となりました。ガスガスで展望は無く、笹に積もった雪が足元を濡らします。唐松尾山方面へ稜線をトラバースするように道は続きます。標高差約200mを登り、唐松尾山2109m付近は木枝に着いた霧氷が綺麗でした。ここから山の神土までいったん標高を下げます。降りるのがやだなぁと思って歩いていたら、西御殿岩に辿り着いてしまいました。ガスって展望なく、行くつもりなかったのですが、足元にあった手製の道標を見落としたようです。水を吸ったテントが肩に食い込みつらい中を往復約40分程度のロスでした。山の神土から将監峠にかけては広い笹原の中を歩きます。どこにでもテントが張れそうです。将監峠から禿岩(飛龍権現近く)まで、稜線の南斜面をトラバースする道は今回の山旅で最もつらかった路程です。標高差は100m程度ですが、登降を繰り返し、ただでさえガスガスで展望なく、約2時間半ほどかかりました。危険個所は無かったと思いますが、正直あまり記憶に残っていません。なお今回の山行で、唐松尾山周辺と飛龍権現から北天のタルにかけては軽アイゼンを装着して歩きました。すれ違うハイカーの多くの方がチェーンスパイクか軽アイゼンを付けていたと思います。
二日目の夜は、三条ダルミ手前の狼平辺りでビバークし翌日雲取山を目指すはずでした。が、天気は下り坂だし、この時の疲労も手伝って気持ちが萎えました。飛龍山もスルーして北天のタルから三条の湯へ降りる判断となりました。奥秩父主脈縦走路に別れを告げ一路三条の湯へ。途中カンバ谷周辺の道は崩落個所がいくつかありました。斜面を上巻くように通過しましたが、足元が崩れたら谷底まで約50m程は滑落するでしょう。要注意です。
三条の湯まで下り基調で歩くこと2時間余り。前年の秋にテント泊して以来、半年ぶりの訪問。今回は天候悪化が分かっているので小屋泊まりです。鉱泉は疲れた体を、また小屋の薪ストーブは心を癒してくれます。この山奥にあって三条の湯の立地の良さがしみじみと判ってきます。
3日目はもう下山と決めていました。朝4時にトイレに起きるとすでに雨がザアザア降っていて、もう一度布団にもぐりこみます。こんな時はテントにしなくて本当に良かったと思います。三条の湯は、外にあるかまどでいつもお湯を沸かしていて、自由に使えるのでありがたいです。朝食は、背負ってきた食材を消費しました。
レインウエアを着込んで6時半に小屋を出発。後山林道は現役の林道で今でも三条の湯のバンが通行しますが、雨の日は落石が起こりやすいので要注意です。この日も2度。1回目はザックを降ろして休憩中に50m程離れたところで音を立ててこぶし二つ大の落石。2度目は歩行中に目の前をこぶし大の落石。登山道でも同じですが、休憩するときはせめて落石の形跡の無い箇所を選んでザックを降ろすのが肝要と思います。雨の日は特に慎重に。
後山林道を歩くこと約2時間20分。お祭りバス停到着。バス時刻までまだ50分ほどあるため、屋根付きベンチの有る鴨沢まで更に30分歩きます。この日は鴨沢まで歩いたことで幸運にも臨時バスに乗車できました。ただ奥多摩駅に10時半に到着してしまい飲食店がどこも開いておらず、結局立川駅で遅めの山行打ち上げとなりました。
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