行程・コース
天候
雨のち晴れ
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
カーナビには「JR岩瀬駅」をセット。駅の裏側に回ると「岩瀬休憩所駐車場」がある。綺麗な駐車場で20台強は停められる。無料。
この登山記録の行程
岩瀬休憩所駐車場(05:23)・・・御嶽山(05:50)・・・雨引山(06:22)・・・燕山(08:34)・・・加波山(08:02)・・・つくばウインドパワー風力発電所(08:21)・・・丸山(08:26)・・・一本杉峠(08:38)・・・足尾山(09:34)・・・きのこ山・・・上曽峠(10:54)・・・湯袋峠(11:40)・・・裏筑波登山口(11:46)・・・キャンプ場・・・筑波山・女体山(13:22)・・・筑波山・男体山(13:58)・・・筑波山神社(15:29)・・・筑波山口バスターミナル(16:08)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
2時ごろ、ものすごい雨風で目が覚める。うつらうつらしながら待つこと1時間。なんとか雨も上がったようなので行動開始。歯磨きをしながら今日の行き先を考える。最近、身体がどうも重く鈍っている。先だっての那須岳縦走でも酷暑だったとは言え、途中でバテ気味だったのは否めない。
ということで、今日の目的地は「筑波連山縦走」。ミッションは「失速せずに歩ききる!」。
と勇んで書いたものの、結果から先に言うとミッションは完全なる大失敗だった。しかも、屈辱的な程の惨敗。が、夏山に向けてよい課題ができたと前向きに捉えておこう。
5:00に岩瀬休憩所駐車場に到着。先客の車が1台停まっていたので、1つ空けて停める。だいぶ明るくなってきたが、朝から晴れに向かうはずの天気予報に反して、頭の上は曇天。しかも、ぶ厚く黒い雲に覆われていた。
駐車場から直接登山口へもアクセスできるが、まずは岩瀬駅正面に回り、スタートの記念写真を撮ってから最初の山「御嶽山」を目指す。登山口までは1km程度。線路を横切り林道に入った付近で、パラパラと雨が降り始めてきた。「なんだよー」と空を睨みケチをつけてみるが、雨の登山も嫌いではない。幸い強い雨ではなかったので、ザックカバーのみ装着して歩き出す。
御嶽山は標高230.9m。あっという間に登れることもあってか、確か山頂に木製の看板があったような気もしたがぼーっとしているうちに通過してしまった。
雨引山に入る。一瞬、雨引観音を見に立ち寄ろうかとも思ったが、雨でだいぶ登山道がぬかるんでいたので躊躇してしまった。後で聞いたが、雨引観音のあじさいがちょうど見ごろだったとか。しっとり雨に濡れて鮮やかなあじさいが目に浮かぶ。やはり行こうと思った瞬間に直感で判断しないとダメだということだ。
ここまでは緩やかなアップダウンがであったが、燕山に向かい急な坂が増えてくる。燕山(「つばめさん」または「つばくろさん」と呼ぶ)は、大好きな燕岳に名前が似ていると、以前、藪漕ぎで登ったことがあるが、途中、名所の一枚岩を流れる沢が実に見ごたえがあったのを覚えている。
筑波連山で一番お気に入りの加波山へ到着。独特の雰囲気を持った神社があり、大きな天狗が出迎えてくれる。京都の鞍馬駅前にある天狗よりひょうきんな感じが気に入っている。また、神社脇から山頂へ向けて真っすぐに延びている石畳の階段が、これまたたまらなくよい。山頂には、全国でも珍しい葉煙草耕作の「守り神」とされる「たばこ神社」もある。初めて名前を聞いた時には、いつまでも健康にタバコを吸いたい人のための神社かと思ったものだ。笑。
丸山を越え一本杉峠を目指す。途中、「ブォーン、ブォーン」と低重音が空気を震わせながら聞こえてきた。濃い霧に覆われていたため気が付かなかったが、白い巨大な建造物の上に大型のブレードがついていて、それがものすごい速度で回転している。近づくと低重音に加え、「シュ、シュ」と羽が回転する度に空気を切り裂く鋭い音も聞こえてきた。つくばウインドパワーの風力発電所だ。正体が分かっても、濃い霧に浮かび上がる物体は、かなりSFチックで不気味でもある。
勢いよく坂道を下ってきて、一本杉峠へ到着。そのままの勢いで舗装道路を横切り、なんの疑問もなく目の前にあった登山道へと飛び込む。暫く水平移動が続くが、急に斜度がついて大きく降っていく。粘土質な登山道で、雨によって表面がテカテカになっていて、危険な程滑りやすくなっていた。足を置いただけで、自重でずるずると落ちていく。こんなところで転んだらシャレにならないと、両脇の木を支えにしながら慎重に降りていく。だいぶ降り切ったところで違和感。「あれ?こんなに高度を下げるのか?!」。整った登山道だったので露ほども疑わなかったが、地図を確認すると案の定コースを外れている。どうも一本杉峠で道を誤ったようだ。「このツルツル&テカテカを登り返すのかぁ?!」と愕然。
自分の失敗とは言え、「看板がないのが悪い」と誰とはなく悪態を垂れる。その罰が当たったのか、踏ん張っていた足が「ズルッ」と自重で滑り落ちた。慌ててバランスを取るも、不自然な形でリカバリーしたせいか、足に妙な痛みが走った。
距離的には大したことはなかったが、とにかく滑る斜面だったので、結果的に大きく時間をロスしてしまった。一本杉峠に戻り、どこで間違えたのかと慎重に辺りを見回す。すると自分が間違え道の10mほど右脇にもう一つ整備された登山道があった。「これだ!」。その後も何か所か見受けられたが、筑波連山の縦走路は、基本、道が整備されているので危険個所はないが、幾つもの登山道が交差しているので、そういう意味では迷いやすい。人気もあるコースなので縦走路専用の看板があってもいいものだ。
気を取り直して次の山「足尾山」へと向かう。山頂に向けて徐々に斜度がきつくなる。それに合わせて先ほど痛めた足が気になりだした。あの程度でまさかと思った時、膝に激痛が走る。痛みが半端ない。見る見るうちに失速して、しまいには両脚の筋肉が痙攣をはじめてストップしてしまった。自転車時代のケガで膝に爆弾を抱えてはいたが、ここまで痛みを感じるようなことは今までもなかった。昨年の秋、山中で足の筋肉を「ぶちっ」という音ともに切断して以来、どうも完全に復活していないのも原因か。また、ここ最近のライフスタイル(食生活)の変化で、筋肉が圧倒的に落ちているのも大きいのだろう。
いつもなら大好物の急登なのに、今はその一歩一歩がしんどい。水と食料があればどこまでも歩けると豪語していたのに、なんと情けない話か。
いつの間にか雨も止んでいて、美しい木漏れ日が登山道にも差し込んでいた。登りきると山頂には祠が設置されていて、ちょっとした展望台のようになっている。今朝方の曇天がまるで嘘のように澄んだ青空が広がっていた。目前には双耳峰の整った筑波山が見える。あまりの堂々たる姿に「おおーっ」とため息が漏れる。さすがは百名山だ。その百名山に向けて足元から惚れ惚れするような緑に包まれた緩やかな稜線が延びている。これはもう、足が痛かろうが、もげようが歩くしかない。(筋肉が切れた時もそうやって一山歩いて悪化したが、、、)
筑波連山縦走路で、もっとも眺望がよい場所がこの足尾山の山頂。もう暫く眺望を楽しんでいたかったが、工程が遅れ気味だったので先を急ぐことにする。
降っていくと、足尾神社に出る。境内の中では、使い古された登山靴等様々な靴が山積みになって奉納されていた。ここは名前に「足」が着く通り、足病消除に効験があるらしい。縦走後半を考えてちゃんとお参りしておくべきだったか。
ここから先は、筑波山の登山口までと長い舗装道路歩きとなる。この手のご当地アルプスにはありがちだが、ちょっと縦走としては舗装道路が長すぎて残念だ。
峠を2つ超えて筑波山の登山口へ取り付く。途中で会った方に湯袋峠から登るルートは荒れているので、少し下がったところから登った方がよいと勧められた。行ってみると、確かに沢沿いに延びるとても歩きやすい道だった。全体的に緩やかな感じで、初心者にもおすすめの登山道だと思う。
ついに筑波山の上に到着。最初にレディーファーストとして双耳峰の一つ女体山へとご挨拶。階段を登りせり出した岩の上に立つと、関東平野全体が見渡せるのではと思えるほどの素晴らしい眺望が広がる。まさに圧巻だ。筑波山は遠くから眺めてもよい山だが、山頂からの景色も申し分ない。これが877mの低山ながら百名山に選ばれている筑波山の実力か。「西の富士、東の筑波」と称される所以でもある。
男体山は女体山ほどの華やかさはないが、ある意味セット。両方登って初めて筑波山登頂なので下山前に立ち寄ってみる。男の名前がつくだけあって、こちらは岩がゴロゴロした箇所が多い。男体山の山頂に立ち、今日最後の眺望を楽しむ。
ケーブルカーの筑波山頂駅まで戻り、これまでのご褒美に190円のコカ・コーラを飲み干す。降りはケーブルカーのルートに沿って降る御幸ヶ原コースを利用することとする。
もう降りだけと油断していたら、降りの道が泥まみれになっていて、とんでもないことになっていた。ただでさえ踏ん張れないというのに、滑らないよう終始気を張りながら降りるのは大変だった。
その苦痛だった泥坂もついには終点を迎え、見慣れた筑波神社が目に入ってきた。縦走もこれでゴールだ。ただし、帰るには出発地点の岩瀬駅までなんとか戻らなくてはいけない。とりあえず筑波山神社入口バスターミナルまで移動し、観光案内所で聞いてみると、一区間乗ったのち沼田で下車して、暫し歩き筑波山口バスターミナルまで行ったのち乗り換える必要があるとのこと。なんだかややこしかったので、最初っからそこまで歩くことにした。時刻表をもらい、歩きながら確認すると、あんまり悠長には歩いていられないことが分かった。足の痛みはとりあえず忘れたことにして、最後のひと踏ん張りでバスターミナルまでの坂道を一気に掛け降りる。最後のスパートで完全に足が死んだが、おかげでバスには余裕で間に合った。
目的のバスはピンク色の車体が目印の桜バス。3番乗り場。200円と格安で有難かった。ローカル線の雰囲気満載で、約1時間かけてゆっくりいろんな場所を巡りながら岩瀬駅へと向かう。車内のクーラーがあまりにも気持ちよかったのでつい爆睡してしまった。
筑波連山縦走。足の不調で不本意な歩きだったが、足尾山から眺めた筑波山の雄姿や、山頂へと続く緩やかな沢沿いの登山道。そして女山頂から見た雄大な景色と、記憶に残る良い一日だった。
最後に、今回、道中で一人の縦走者とお会いし、筑波山頂をご一緒させて頂いた。思わず楽しい山談義もできて、これまた良い思い出となったことを深く感謝します。
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