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八ヶ岳縦走(小淵沢~麦草峠)ワンデイハイク

(小淵沢~観音平)~編笠山、権現岳、赤岳、横岳、硫黄岳、根石岳~(麦草峠)( 八ヶ岳)

パーティ: 1人 (加藤キーチ(モンターニャ) さん )

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行程・コース

天候

早朝のみ低い雲は多いものの上空は晴れ、以降はほとんどガスでときおり青空がのぞく程度。下山後は雨、一時強く降る。

登山口へのアクセス

その他: 行き
バスタ新宿(前夜)22:05(岡谷行き3825便)~00:35中央道小淵沢バス停
帰り
17:20ごろ麦草ヒュッテからヒッチハイクを試みながら歩き、18:30ごろ蓼科八ヶ岳国際自然学校付近で電波が通じたのでタクシーを呼ぶ。19:15タクシーに乗車、20:05茅野駅着8000円。茅野駅20:39(あずさ36号)~22:45新宿駅

この登山記録の行程

観音平(04:39)・・・雲海・・・押手川(05:34)[休憩 10分]・・・編笠山(06:25)[休憩 8分]・・・青年小屋(06:49)・・・権現岳(07:42)[休憩 10分]・・・キレット小屋(08:35)[休憩 55分]・・・赤岳(10:33)[休憩 25分]・・・赤岳天望荘(11:15)・・・三叉峰(11:50)・・・横岳(11:59)[休憩 5分]・・・大ダルミ(12:23)・・・硫黄岳(12:37)[休憩 5分]・・・夏沢峠(13:04)・・・箕冠山(13:29)[休憩 5分]・・・根石岳(13:43)・・・東天狗(14:02)・・・中山峠(14:40)[休憩 5分]・・・にゅう分岐(14:52)・・・中山(15:00)[休憩 20分]・・・高見石(16:11)・・・丸山(16:28)[休憩 30分]・・・麦草峠(17:11)

コース

総距離
約19.9km
累積標高差
上り約2,810m
下り約2,256m
コースタイム
標準17時間50
自己9時間34
倍率0.54

高低図

標準タイム比較グラフ

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

観音平から北八ヶ岳ロープウェイまで1日で歩けるか、が思いつきのはじまりだった。しかしどうコースタイムを計算しなおしても時間が足りない。麦草峠15時48分発のバスをゴールにしてこのプランを実行した。近眼+老眼で視力の衰えがひどく、夜になれば街中でも路面の凹凸を拾いにくい。山中を「ヘッドランプの灯りを頼り」に歩くなんてもはや無理で、投光器でも背負ってゆく必要がある。日の出前の行動開始は当初から考えになかった。
■岡谷行きの高速バス(バスタ新宿を前夜22:05発)は定刻より数分遅れて00:39に小淵沢のバス停に着く。標高900mは涼しい。観音平の登山口に移動する途中にある、バス停近くのセブンイレブンで食料と飲み物を購入。軒先を借りて早い朝ごはんにする。02:00に歩きはじめ、04:05観音平着。すでに10台ほどの車が停まっている。空の様子を眺め最終の準備をして歩き始める。
■編笠山への登りは、はじめ八ヶ岳らしいゆったりした尾根をゆるゆると上がって行く。しかしバス停から標高1500mの観音平まですでに8km歩き600m上っており、スタートから脚が重い。押手川あたりから傾斜がきつくなり最後はハシゴまで登場し、とっつきのはじっこの山を舐めてかかったしっぺ返しをくう。すでに1日ぶん歩き終えたような疲労感とともに山頂に立つ。
■山頂は石だらけだが青年小屋付近はそのサイズも大きくなり、岩から岩へてっぺんを踏み跳んで移動する。権現岳への登りでは岩場感が強くなる。数名ずつに分かれたパーティを抜いたが、みなヘルメットを着けていた。権現岳からの下り、下り坂に対応する体のキレや柔らかさの感覚がなかなか戻ってこない。夜行でやってきて早朝から歩きはじめる歳ではないということなんだろう。キレット小屋(開いていなかった)で小一時間、食事と水分を摂り、目をつむって休む。
■キレット小屋から赤岳にかけて、450mの登り返しは今回の山行のハイライトともいえる。岩に梯子に鎖、登っても登ってもまだ上がある。GPSのトラックによれば1時間ちょっとなのだが、岩稜の緊張感と登りのキツさの多重攻撃に、泣きながら帰ろうかと思ったくらいだ。そんなルートをソロの山女子やテント装備の大きなザックを背負ったパーティとすれ違う。みんなすごいなあ。やがて真教寺尾根や阿弥陀岳から上がってきた道が合わさり、人が多くなり場所によっては渋滞が発生する。みっともないから泣くのは止そう。
■ガスで展望のない赤岳山頂には10時半に着く。観音平から6時間、キレット小屋で休みすぎたなあ、麦草峠のバスに乗り遅れるぞ、などど思いながらも赤岳頂上山荘のたたずまいに惹かれてフラフラと入ってしまう。この山荘の接客がすばらしかった。コーヒー1杯の注文にも「中で飲むか」と聞いてくれ、食堂になるらしい広間へ案内してくれる。ホコリと汗を運んでくる登山者を相手にしているのにすべて清潔で、カジュアルだけれどきちんとしている。いつか泊まりに来たいなと思った。
■赤岳を発ち、赤岳展望荘~三叉峰~横岳の縦走路は引き続き岩稜ルートだが、ここにきてとつぜん調子があがる。骨盤がフレックスに3Dに動くので重心の移動が楽になり、着地にまったく躊躇や迷いが生じないのだ。先行するパーティがしがみついて降りていった鎖場を前を向いたままハンズフリーでとんとんと下り、狭い岩棚のトラバースを鎖に触りながら(=つかまらない)速いピッチで通り抜ける。このときは向こう側で待ってくれていた若者に「ゆっくりでだいじょうぶですよ!」と声をかけてもらったが、速度を落としたらかえってバランスが悪くなる。そのくらい脚がまわり、山歩きを気分よく愉しむことができた。
■硫黄岳への登りで風景が変わる。赤っぽかった地面が白くなり、岩稜のペンキマークだらけのルートがなだらかな丘を行くようなトレイルになる。夏沢峠への長いガレ場はつま先着地と骨盤3Dでリズムを保ちながら下ってゆく。
■夏沢峠には13時に着く。ここで、これまで考えないようにしてきた麦草峠のバスの時間(15時48分)と残りの距離からコースタイムの予測をしなおす。結論は「かなりまずい。これから先のルートが奥多摩の尾根のようにたおやかならすっ飛んで下ってゆけるが、そうはならないだろう」。1分も無駄にはできない状況になった。人気エリアをはずれて人影がなくなったガスに包まれた山の中を、路面に集中しながら足を動かす。時間通りに下山するのも大事だが、事故をおこさない事はもっと大事だ。しかし横岳以降、比較すれば簡単だろうと考えていたパートで思いのほか時間をくっているので気は急く。
■ふたたび岩稜になる東天狗岳への登りをこなし、中山峠への下りへ。ずっとガレ場なので「スピードを上げて」降りることができない。ニュウへの道を右に分け、中山へ。変わらずガレ場であり、濡れた岩が多くなる。登山道の窪みに木を投げ込んであるのは木道のつもりだろうか。かえって滑りやすく、手入れされていない様子の道は歩きにくい。
■中山に15時着。ギブアップ。道が悪すぎてどうしようもない。一気にモチベーションが下がって植林の中のガレた道で立ったまま食べ物を口にし、一服する。のろのろと歩き、丸山山頂では石に腰掛けてうとうとしてしまった。麦草峠には17時をまわってたどり着いたが、休憩を差し引いたコースタイムは中山から麦草峠までの間もそんなに落ちていない。ほとんど無意識に、それまでのピッチで歩いてきたのだろうか。
■さて、どうやって家に帰るか、だ。バスに乗り損ねた登山者とシェアしてタクシーを茅野から呼ぶ、マイカーでやってきた人と交渉して交通機関のあるところまで連れていってもらう、なんてことをシミュレーションしていた。ところが峠には人影がまったくない。駐車場にも車がない。電波は圏外。仕方がないので携帯がつながるところまで歩くことにする。10分に1台くらいでやってくる車にヒッチハイクを試みるが、もちろん止まってなぞくれず、やがて雨が落ち始める。雨具をつけたところで本降りになり、時おり激しく吹きつける。
■6kmほど下った蓼科八ヶ岳国際自然学校あたりで電波が入るのを確認、軒先を借りてアルピコ交通に配車の依頼をする。19時15分、やってきたタクシーは雨の山道を飛ばし、「駅前にはなんにもないですから」と街中のコンビニに立ち寄ってくれた。20時過ぎに茅野駅着。多目的トイレで下着から靴下まで全部着替え、ヘルメットを脱ぎキャップを被り、缶ビールと弁当をぶら下げて「あずさ」の乗客になった。
(追記)
GPSのログをとらなかった、
(行き)小淵沢バス停~観音平
(帰り)麦草ヒュッテ~蓼科八ヶ岳国際自然学校
の距離と高度を足すと、総距離は33.9km、累積標高差の上りは3460m、下りは2578m。

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装備・携行品

【その他】 ●その他の装備・携行品
サレワのトレランシューズ。テスラのタイツ、モンベルのショートパンツ。行動中は全行程マウンテンハードウェアの長袖、モンベルのグローブ、新調したペツルのヘルメット。ザックはロウアルパインの22リッターに、雨具・ロールペーパー・バッテリー充電器・ヘッドランプ・カロリーメイト2パックおにぎり2個・トレイルミックス・ココヘリ発信機。キャメルバックのハイドレーションに薄めのアクエリアス2リッター(残量ゼロ)・冷却スプレー(使用せず)など。スタート時重量7kg。

みんなのコメント

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  • お疲れ様でした。この夏、完全縦走を計画しているので、大変参考になりました。
    それにしてもものすごい脚力ですね、驚きます。モンターニャさんの登山記録はどれも半端なく、いつも尊敬しています。これからも気を付けて楽しんでください。

  • 〉たかぴょん0819さん
    コメントありがとうございます。完全縦走というと、どこからどこまでの計画なんでしょうか。まとまった休みをとれず日帰り山行ばかりなので、羨ましいです。
    「しばらく遠ざかっていた山に戻ってきた、自分ではそこそこやれるつもりの50代」はご存知のとおり事故る割合がとても高いようですから、人に迷惑をかけずに山行を終えることを第一にしています。山登りのスタイルや愉しみはそれぞれでしょうが、今のところはクタクタになって麓に降りてくるのが面白いのですよ。お互いに道中気をつけて楽しみましょう!

  • モンターニャさん
    富士見高原花の里から蓼科山登山口まで、テント二泊三日の計画です。モンターニャさんとほぼ同じルートですが、二泊目は白駒池にしようと考えています。ほぼ毎週長距離トレイルに挑んでおられるモンターニャさんにいつも勇気づけられます。クタクタになって麓に降りてくるのが面白いというのに全く同感です。64歳直前の老体ですが、人に迷惑をかけないよう、気を付けて、楽しんできたいと思います。

  • たかぴょん0819さん
    しばらく重いザックを背負っていませんから、テント装備でキレット小屋から赤岳へ登るのを考えるだけで恐ろしいです(笑 
    思い出の多い山旅になりますように!

登った山

横岳

横岳

2,830m

赤岳

赤岳

2,899m

権現岳

権現岳

2,715m

編笠山

編笠山

2,524m

高見石

高見石

2,225m

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