行程・コース
天候
一日目:晴れ時々曇り、二日目:晴れ時々曇り、三日目:晴れのち曇り
登山口へのアクセス
バス
その他:
往路)伊那登山バス(松川インター1200→鳥倉登山口1400)、
復路)山梨交通登山バス(広河原1600→1805)、
この登山記録の行程
【1日目】
鳥倉(豊口山)登山口(14:15)・・・三伏峠(16:43)
【2日目】
三伏峠(04:45)・・・本谷山(05:51)[休憩 5分]・・・塩見小屋(07:40)[休憩 15分]・・・塩見岳(09:12)[休憩 30分]・・・北俣岳分岐(10:16)[休憩 5分]・・・北荒川岳(11:48)[休憩 10分]・・・熊ノ平小屋(15:15)
【3日目】
熊ノ平小屋(05:00)・・・三国平(05:43)[休憩 2分]・・・三峰岳(06:44)[休憩 10分]・・・間ノ岳(07:40)[休憩 10分]・・・中白峰(08:42)・・・北岳山荘(09:05)[休憩 35分]・・・北岳(11:03)[休憩 10分]・・・北岳肩ノ小屋(11:46)[休憩 5分]・・・小太郎尾根分岐(12:14)・・・白根御池小屋(13:17)[休憩 5分]・・・広河原(15:01)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
2019年の梅雨明けは昨年と違って遅れ気味。塩見岳登山を目指す伊那バス鳥倉線の運行は2019年は7/13から始まるものの、計画は先延ばしになり遅れて7/24決行となりました。バスタ新宿から中央道を飯田方面へ向かう高速バスに乗車し松川で下車。登山客も大勢乗車し座席はほぼ満席。登山客は一つ手前の駒ケ根で下車し、松川で降りたのは自分ひとりでした。ここから伊那バス鳥倉線に乗り換えます。鳥倉登山口へ向かう便は一日二便。発車時刻の12時まで時間があるので、高速バス松川バス停の裏手、駐車場にあるトイレ横のベンチで着替えなど登山の準備をしました。伊那バスの松川インターバス停までは徒歩3分程度です。バス停にはベンチも何もないので駐車場側トイレ付近で時刻を待つのが良いです。
鳥倉線登山バスは2時間かかり14時に鳥倉登山口に到着します。途中、道の駅大鹿でトイレ休憩があります。2019.7.24は水曜日ということもあってか乗客は自分を入れて4名でした。鳥倉林道を進み、「越路」というゲートを運転手が開けてくれて更に鳥倉登山口まで連れて行ってくれます。とても助かります。バスを利用しない人は越路まで自家用車で登り、そこから登山口まで50分歩かねばなりません。
2019年、南アルプスは水が豊富です。鳥倉ルートを進み唯一の水場(「仏の清水」と呼ぶらしい)は地図には細いと書いてありますが、この時はジャアジャア出てました。谷底を流れる沢の音が登山道を歩いていていつまでも聞こえていました。ところで同じ三伏峠へ登る別ルート、塩川ルートは今も通行止めです。分岐には通行止めの標示があります。鳥倉ルートは、登山口から三伏峠まで標高差約800mを登ります。
三伏峠小屋はテント山行するのに良い山小屋です。まずテント場と小屋が近接しています。山小屋の入口横に屋根付きの外ベンチがあって、空いていればそこで自炊が可能です。トイレは洋式です。小屋で缶詰などちょっとした食材(おつまみとして売っている)も購入可能です。難点は、三伏峠小屋の水場が小屋から離れているところ。テント泊の人は途中の水場で汲んで行くか、小屋で有料飲料水を購入するのが良いでしょう。
二日目は塩見岳を経て熊の平小屋までを歩きます。三伏峠小屋の人にすごいですねと脅かされたので、朝5時前の出発を目指しました。ルート上にはかつて幕営できた箇所があるのですが、現在は禁止されているので熊の平小屋まで行くしかありません。なぜ幕営禁止なのかはっきりした理由はわかりませんが、一つ言えることは安心して利用できる水場が縦走路上に無い事です。地図には雪投沢方面に水場マークがありますが、汚染されていると噂があります。とは言え、本谷山山頂やかつての幕営地には明らかにテントを張ったとみられる形跡(テントの張綱を固定するために使ったとみられる石が良い具合に配置されている跡)が見られました。
縦走路は新蛇抜山の山頂は通過しません。ですがここは立ち寄るべきです。縦走路から5分程度で、とても展望が良いです。もう一つ安部荒倉岳も山頂を巻いていますがスルーしても良いと思います。ここは這い松に囲まれた三角点の有る狭い平坦地があるだけです。
熊の平小屋は水が豊富です。テント場にも水が引き込まれていて便利です。が、それだけです。トイレは和式。テント場とトイレ・小屋は若干離れてます。標高差があるので上り下りが面倒。アルバイトの小屋番さんは新人で余裕がないのか、声をかけた時に忙しかったりすると、後にしてくれとか買い物はまとめて欲しいと言われます。
熊の平小屋から間ノ岳へ北上するルートは、標高差約600mと3日目にしてはかなりキツイ登りです。それでも南に振り返れば、テントを張った熊の平小屋の小さな屋根、辿ってきた縦走路とその向こうにそびえる塩見岳が朝日に映えて素晴らしい光景です。正面やや西寄りを見れば仙丈ケ岳の重量感のある山塊があり、東を見れば西農鳥岳の雄姿が目に飛び込みます。北上ルートの最大の見どころではないでしょうか。この日、7時くらいまでの2時間は好天に恵まれました。その後、南寄りの強い風に乗ってガスが湧いて、あっという間に展望は無くなりました。間ノ岳は2回目ですが、今回も展望なしでした。
間ノ岳からは北岳方面は、北岳山荘・肩ノ小屋から間ノ岳をピストンする登山者もいるのでコース上を行き交う登山客の数もぐっと増えます。中国・韓国・マレーシアの登山者と声を交わしました。最近は山の上も国際色豊かです。文化や習慣が違うので山小屋経営も大変でしょうね。
ところで北岳山荘でカレーライスを食べてた時に、広河原-甲府間の登山バスが明日以降運休する恐れがあると言われました。実はこの日、熱帯低気圧(のちに台風6号)が関東東海地方へ接近する予報が出ていました。林道が通行止めになるためで、一度通行止めになるといつ解除になるかは不明だそうです。バスが運休すると下山後に帰れなくなるので大問題です。当初予定では、肩ノ小屋か白根御池小屋でもう一泊する計画でしたが、急きょ予定を変えて当日中に広河原まで下山することにしました。南アルプス林道が通行止めになるというのは念頭になかったので、北岳山荘で情報を聞けて本当に良かったです。
さて北岳山荘から広河原へのルート。八本歯のコルから左俣コースはほとんど夏道が出ていると山荘の人は言っていました。あるいは北岳山頂を経て肩ノ小屋から草すべり・白根御池を降るか。迷った末に私は北岳山頂を経るコースを選択しました。理由は、10時までに北岳山荘を出発でき広河原16:00又は16:40のバスまでに時間に余裕があったから。北岳山頂へ向かってハアハア歩いていると、北岳山荘に駐在していた昭和医大の一行に追い抜かれました。広河原直前に一行に追いついたので、結果的に彼らも同じルートで下山したのだということが分かりました。
15時ちょっと前に広河原山荘に到着。生姜焼き定食が食べたいと山荘の人に尋ねたら、ランチは14時までと断られ、仕方なく野呂川の吊り橋を渡りインフォーメーションセンターへ向かいました。16時広河原発のバスはガラガラで、以前も会ったことのある年配のバスガイドさんが何かと登山客にお節介を焼いてくれます。都会には無い人懐っこさが印象のバスガイドさん。いつまでも元気で続けて欲しいものです。
今回の山旅。コースは計画通りに歩き通すことができましたが、最終日はかなり慌ただしくなりました。天気さえ良ければもう一泊して山上の空気と展望をのんびり楽しみたいものです。南アルプスの山は大きいとよく聞きます。山が高く、谷が深いのでそう感じるのかもしれません。また緑も濃いです。今年は水量が多く、各所の登山道も荒れている箇所があります。特に広河原から白根御池間の道は木の根っこ地獄です。滑るのでくれぐれもご注意ください。
フォトギャラリー:10枚
高速バス松川バス停裏のトイレ。
伊那登山バス鳥倉線松川インターバス停は待合施設がないため、ここで待つと良い。
鳥倉ルート唯一の水場。2019.7.24時点は豊富な水量でした。
三伏峠小屋の入口付近。写真中央、茅のすだれで仕切られた区画は、屋根付きの外ベンチ。その奥にはすすぎ専用の水道もありって何かと便利。
三伏峠小屋テント場から星空を眺める。
塩見岳山頂(西峰)
塩見岳山頂から間ノ岳方面。どこまでも続く稜線。
北荒川岳南方のキャンプ場跡に建つ番小屋
新蛇抜山の山名標識。登山道はここを通らないのですが、眺望抜群です。
山腹に見える熊ノ平小屋と遠く稜線の先に塩見岳。
北岳山荘とその向こう、ガスの掛かる北岳の雄姿。
装備・携行品
アンダーウェア | ダウン・化繊綿ウェア | ロングパンツ | 靴下 | レインウェア | 登山靴 |
バックパック | スタッフバック | ヘッドランプ | 傘 | タオル | 帽子 |
グローブ | サングラス | 着替え | 地図 | コンパス | ノート・筆記用具 |
腕時計 | カメラ | 登山計画書(控え) | ナイフ | 健康保険証 | ホイッスル |
医療品 | 虫除け | ロールペーパー | 非常食 | 行動食 | トレッキングポール |
ストーブ | 燃料 | ライター | カップ | クッカー | カトラリー |
みんなのコメント