行程・コース
天候
霧のち晴れ
利用した登山口
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
戸隠キャンプ場の登山者専用駐車場を利用。登山者駐車場は50台前後利用可能。キャンプ場内にトイレ複数設置、各所に水場・自動販売機あり。
この登山記録の行程
戸隠牧場(05:05)…牧場入口(05:14)[休憩 5分]…滑滝(06:11)…一不動(06:39)[休憩 7分]…五地蔵山(07:26)[休憩 6分]…八観音(08:00)[休憩 5分]…高妻山(08:53)[休憩 17分]…乙妻山(09:51)[休憩 10分]…高妻山(10:40)[休憩 33分]…八観音(11:57)…五地蔵山(12:25)[休憩 10分]…牧場入口(14:06)…戸隠牧場(14:15)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
上信越名峰巡り第三弾は、戸隠裏山の高妻山、乙妻山に登山してきました!
高妻山・乙妻山は戸隠連峰(戸隠裏山)のひとつでもあり、乙妻山は高妻山のさらに奥にある隠れた名峰です。
周りに戸隠山、西岳、飯縄山、黒姫山、妙高山の名峰に囲まれた山深いところで、その見た目通り厳しい修験道の山でもあります。
今回は修験道の一不動から五地藏山へ至て、高妻山を経由し乙妻山にある十三虚空蔵まで十三仏を巡ってきました!(-人-)
雨飾山、北アルプスにも近く森林限界からの景色はとても素晴らしいですが、ウワサ通りのハードな山でした。
戸隠山から高妻山、乙妻山の一帯は急登と岩場が険しくアップダウンと登り返しがキッツイです。
途中に一不動の避難小屋がありますが、この避難小屋は悪天候時等の緊急避難用のため、宿泊目的で利用することは出来ず日帰りが必須となります。
戸隠山や乙妻山まで足伸ばすとさらに時間を要し、キッツイアップダウンを何度も登り返す必要があります。
まさに修験道!って感じで生ぬるいハイキングとは次元が異なる山です。
難路を越え山頂に辿り着くと360度の大パノラマが出迎えてくれます。北アルプスの山々や、北信五岳、さらに天気が良ければ高妻山の山頂から富士山も見えるそうです。
また高山植物や花もたくさん咲いていて、早朝には幻想的な霧と雲海が見れます。
登山口の麓に戸隠キャンプ場があり、トイレや自動販売機、水汲み場など登山準備に最適な施設が充実しています。
乙妻山の十三虚空蔵まで巡る場合は時間を要するので、早朝からスタートすると良いと思います。キャンプ場で前泊してから行くのもオススメです。
▼アプローチ
乙妻山は高妻山の奥にあるため、まずは高妻山に登る必要があります。高妻山の登山口は戸隠牧場内にあり、牧場は戸隠キャンプ場内のさらに奥にあります。
車の場合は戸隠キャンプ場前にある登山口専用駐車場を利用できます。無料の駐車場で約50台程度利用できます。有料ですがでキャンプ場内の駐車場を利用することもできます。キャンプ利用目的のため料金高めです。
ICから20km強程度あり、七曲りのつづら道を通ったり、暗い林道を通ったりしますが道は良く整備されています。戸隠神社もあったり食事ができる施設も多いので、夜でも交通量は多いです。
なお、公共のバスで行く方法もあります。JR長野駅から出ていて便も多いです。
https://www.alpico.co.jp/access/nagano/togakushi/
キャンプ場の受付にトイレや自動販売機があります。飲料できる水や自動販売機はキャンプ場施設内にも複数あり、トイレもキャンプ場・戸隠牧場内に複数あり登山準備としては十分すぎるほど施設は充実しています。キャンプ場をベースに高妻山や戸隠連峰、周辺の北信五岳に登ってみるプランも良いと思います。
高妻山の登山道は一不動側から周って五地蔵に出るルートと、弥勒新道があります。一不動側のコースは、沢を何度も渡渉したり急坂、滑りやすい岩場、鎖場、トラバースする箇所があり危険度が高いため登り推奨となっています。もしくは弥勒新道のピストンコースが推奨されています。一不動側から下山するのは危険度が高いためオススメできません。
▼~一不動
登山口は戸隠牧場内にあります。登山口前にゲートがあり登山口の道標があります。この道標のところが一不動と弥勒新道の分岐になっています。一不動は分岐を真っすぐ進みます。
時間によって大量の牛が放牧されています。牧場の牛は人間慣れしていると思いますが、脅かしたりすると噛みつかれたり襲われたりするこもあるので、近づき過ぎないように注意しましょう。
樹林帯の穏やかな登りをどんどん進んでいくと沢沿いの道に出ます。この先何度か沢を渡渉します。橋はないので増水時は気を付けて渡りましょう。
先に進むにつれどんどん急坂になってきます。何度も何度も沢を渡渉して登っていくと「滑滝」に出ます。滑滝は岩を伝うナメ滝で滝のすぐ隣の鎖を登ります。かなり滑りやすくなっているので注意して登ります。
滑滝の鎖場を登りさらに先に進むと「帯岩」と呼ばれる大きな一枚岩のポイントに着きます。帯岩の隣に不動滝があります。帯岩も鎖場になっていて、とても滑りやすい岩をトラバースして進んでいきます。
帯岩の鎖場地帯を抜けると「氷清水」の水場です。氷清水は冷たくて透き通っていてとても美味しかったです。さらに少し進むと一不動避難小屋に到着します。
一不動避難小屋は緊急避難用のため、休憩や宿泊目的では利用できません。小屋の前にベンチがあり、やっとここで腰を下ろして休憩できます。小屋の隣にトイレが設置されています。
避難小屋向かって左が戸隠山、右が高妻山に繋がる五地蔵山側です。この辺りは野生の猿が多く、道中何度か見かけました。猿は脅かしたり睨めっこしたり、無理に写真撮ろうとしたりすると襲ってくるので逃げるのを待ちましょう。
▼~五地蔵山
一不動から五地蔵山まで小ピークを登ったり降りたりしながら稜線を進んでいきます。ここからは十三仏の修験道で一不動から五地蔵がある五地蔵山を経て、高妻山まで六弥勒から十阿弥陀と続いていきます。なお、十一から先は乙妻山の山頂まで行く必要があります。
平日で人気が無く、ちょうど朝方霧が晴れ始めた時間でとても神秘的でした。あれ?もしかして自分死んでない?wとか思ったり、浄土の道とはこういうものなのかなーと思ったりしました。
遠くの空は霧が晴れ雲海が出てきました。北信五岳の飯縄山がキレイに見えてきました。
一不動(不動明王)を経て、二釈迦(釈迦如来)、三文殊(文殊菩薩)、四普賢(普賢菩薩)、五地蔵(地蔵菩薩)と続いていきます。各ポイントに仏像は祀られていませんが小さな祠があったりします。ひとつひとつの仏様に手を合わせ無事を祈願します。
五地蔵まで辿り着くと視界が開け展望が良くなります。すぐ近くに五地蔵山の山頂があるので、山頂まで行って景色眺めながら休憩するのが良いと思います。五地蔵の山頂からは黒姫山や妙高山が見えます。
▼~高妻山山頂
五地蔵山から高妻山までは一本道の登山道しかないので、重い荷物持ってるときはここで荷物軽くしてから登るのも良いかと思います。何度かピークを登ったり下ったりしして、高妻山山頂手前にキッツイ急坂も待っています。
五地蔵の先にある途中の六弥勒は、弥勒新道の分岐点になっています。ヤマケイの地図でみると五地蔵山に分岐があるように見えますが、分岐は六弥勒にあるので弥勒新道から下山する場合は注意してください。
ここから高妻山までアップダウンの稜線を伝っていきます。六弥勒(弥勒菩薩)、七薬師(薬師如来)、八観音(観音菩薩)と続き、九勢至(勢至菩薩)を過ぎた辺りから急激な登り返しが始まります。
ヤマケイの地図では八観音がチェックポイントのように見えますが特に何もなく休憩できるポイントではないので、その先の九勢至で腰下ろして休憩しておくと良いと思います。目の前に厳つい高妻山が見え、高妻山山頂までの厳しい急登が待っています。
九勢至を下り、山頂部直下の八丁ダルミから約300mの最後の急登エリアに入ります。直角みたいな登りも厳しいですが、浮石とガレ場で滑りやすく落石にも注意が必要です。どこまでいっても急登、急登、急登で精神的に一番キツイところだと思いますが、景色はとても良く振り返ると五地蔵山、戸隠山、飯縄山、黒姫山が良く見えます。北アルプスも見えるところがあります。高妻山の先に見える妙高山は山頂まで我慢です。乙妻山にいたっては影すら見えませんw どんだけ奥にあるんだよ…と気が滅入りそうになりました。
頑張ってガレた急登を登りきると、険しい岩場に出ます。ここでやって高妻山の山頂部が見えます。岩のペンキ頼りに慎重に進みます。山頂手前に十阿弥陀(阿弥陀如来)があり、ここまで怪我と傷一つなく来れたことに感謝し、手を合わせました。
高妻山の山頂は360度のパノラマです!戸隠山や戸隠連峰の山々、北信五岳が見え、高妻山の標高の高さに驚かされます。戸隠の先は雲海になっていて幻想的でした。開けた側には手前に雨飾山、その奥に雪渓が美しい北アルプスが見えます。山頂部の一番高い岩まで登ると乙妻山と妙高山も見えます。
平日の早い時間に山頂に到着したので大パノラマを独り占め状態でした! 厳しい急登を登り切った甲斐がありました^^
高妻山から見える乙妻山はやたら遠く感じます…キレイな△の形していて登り返しがキツそうだなーと…乙妻山まで頑張って登ったとしても、またこの高妻山まで戻ってくる必要があり、さらに下山は登ってきた厳しい急登を下って、五地蔵山まで何度か登り返し、さらにながーい距離のある弥勒新道を下っていかないといけません。乙妻山まで登るのを躊躇しそうになりました。
何度か考えなおしましたが、今回逃したらいつ行くんだ!と思い、また、かなり早い時間に高妻山山頂に到着したのもあって、意を決して当初の目的通り乙妻山を目指すことにしました!
▼~乙妻山山頂(十三虚空蔵)
高妻山から乙妻山は行きと帰りで約2時間掛かるコースで高妻山までピストンで戻ってくる必要があります。仏教に熱心な修験者か一部のマニアくらいしか登らない山です。登山道は狭く草木が生い茂って不明瞭です。しかも全くハイカーの姿はないので、かなりビクビクしながら進みました。
十一阿しゅく(阿しゅく如来)は高妻山山頂から少し下ったところにあります。十二大日(大日如来)がある湿原?平原みたいなところまで急坂を下り、平原に出て十二大日から登り返しします。急坂を下りながら「帰りはこの長い下りを登り返すのか…orz」と憂鬱な思いでした。
1時間くらい掛かるかなーと思ってましたが意外と早く山頂に着きました。十三虚空蔵(虚空蔵菩薩)は乙妻山の山頂にあります。これで祈願の十三仏巡り達成です!
なお、十三仏巡りについてはこちらのサイトで解りやすく紹介されています。ご参考に。
https://matome.naver.jp/odai/2144694433654456901
乙妻山の山頂も見晴らしの良い360度のパノラマで大展望になっています。間近で高妻山と戸隠山がセットで見えるのは乙妻山ぐらいだと思います。北アルプスや妙高も良く見えます。
そもそも団体で行くようなところではないですが、山頂部はさほど広くはありません。十三虚空蔵の周りにちょっと座れそうな平らなところがある程度で広さはないです。ずっと長居しててもしょうがないので、再び意を決して高妻山まで戻ります。
予想通り登り返しが厳しかったですが、何とか戻ってこれました。高妻山山頂には複数のハイカーが到着していて、乙妻山から帰ってきたことにみなさんびっくりされてましたw
妙高側は雲が張ってちょっとガスぽくなってきましたが、戸隠方面はずっと晴れていました。他のハイカーと談話し、景色を楽しみながら十分休憩を取って下山準備します。
▼~下山(弥勒新道)
高妻山山頂手前の急登は下りもキツかったです。浮石やガレで滑りやすく距離も長いので緊張が途切れないよう注意して下ります。慎重に下って九勢至でちょっと休憩して八観音と五地蔵山を登り返します。
下りは弥勒新道から下山予定でしたが、分岐点がよく解りませんでした。ヤマケイ地図で見ると五地蔵山になってますが、実際はその手前の六弥勒に分岐があります。解りにくいので見逃さないように注意が必要です。
弥勒新道は往路の一不動経由とは違い、鎖場などの危険箇所がありませんが、急坂が続くので雨の時は滑らないよう注意が必要です。弥勒新道の急坂もえげつないです。途中に休憩できるポイントはなく、戸隠牧場まで長くて長くて長い樹林帯を下って下って下りまくります。ここから登るのも結構しんどいと思います。自分の足で1時間半だったので、2時間くらい掛かると思った方が良いです。途中に「牧場まであと90分」って案内ありましたが、さすがにサバ読み過ぎですw
沢の音が聞こえ始めたら長い長い樹林帯の下りは終盤となります。透き通ったキレイな沢で汗を拭って牧場の分岐まで戻ります。キャンプ場は子供の夏休みなのか平日でしたが多くの家族連れで賑わっていました。今度来るときはここでゆっくりキャンプ楽しみたいです。
戸隠連峰は名峰が多く、日本アルプス、八ヶ岳と並んでお気に入りの山域でもあります。連山の山中に有名な戸隠神社があり、周辺に宿泊・食事施設が充実しています。
遠くからみても厳つい高妻山ですが登山も相応に厳しく、隣の戸隠山にいたっては両側が切れ落ちたナイフリッジもあり難易度が高い山です。その隣の西岳はグレーティング最高の「E」で上級者向けです。
戸隠は山深いところにあり、空気が澄んでいて涼しく沢の水がとてもキレイです。手打ちそばが名産でもあります。観光では自然に囲まれた戸隠神社もあり、神秘的なところでもあります。都心から行くとかなり遠いですが山登り以外でもオススメのスポットです!
次回行く機会あれば、戸隠キャンプ場でベースキャンプして戸隠山や高妻山周辺の戸隠連峰・北信五岳を巡ってみたいと思います!
写真はこちらからもご覧ください。
https://photos.app.goo.gl/aNoDeZzK7raphQXN7
フォトギャラリー:114枚
装備・携行品
シャツ | アンダーウェア | ロングパンツ | 靴下 | レインウェア | トレランシューズ |
バックパック | ヘッドランプ | タオル | 帽子 | グローブ | サングラス |
地図 | コンパス | 腕時計 | カメラ | 登山計画書(控え) | 健康保険証 |
ホイッスル | 医療品 | 虫除け | 熊鈴・ベアスプレー | 非常食 | 行動食 |
テーピングテープ | トレッキングポール | GPS機器 | |||
【その他】
水 2.0ℓ+ペットボトル550m 昼食、アミノバイタルゼリーx1、ウィダーインゼリーx1(非常用)、プロテインゼリーx1(下山後用) ※地図、コンパス、時計、GPS、カメラはスマフォアプリ ※トレッキングポールは折り畳み式非常用(未使用) |
みんなのコメント