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旭岳・トムラウシ縦走

大雪山・トムラウシ( 北海道)

パーティ: 1人 (Yamakage さん )

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行程・コース

天候

初日:曇り、2日目:曇り、3日目:曇り後晴れ、4日目:僅かに晴れ後曇り

登山口へのアクセス

その他
その他: 羽田空港→旭川空港:飛行機、
旭川空港→旭岳:路線バス、
山麓駅→姿見駅:ロープウェイ
トムラウシ温泉→新得駅:送迎バス
新得駅→帯広駅:JR
帯広駅→帯広空港:路線バス
帯広空港→羽田空港:飛行機

この登山記録の行程

初日:姿見駅(12:10)・・・旭岳石室(12:30)・・・旭岳(14:40)・・・裏旭キャンプ指定地(15:35)
2日目:裏旭キャンプ指定地(5:10)・・・北海岳(6:40、6:55)・・・白雲岳分岐(8:00、8:10)・・・白雲岳避難小屋(8:40、8:50)・・・高根ヶ原分岐(10:10、10:30)・・・忠別沼(12:15、12:20)・・・忠別岳(13:20、13:30)・・・忠別岳避難小屋(14:40)
3日目:忠別岳避難小屋(5:35)・・・五色岳(6:40、6:50)・・・化雲岳分岐(8:15)・・・ヒサゴのコル(8:55、9:00)・・・天沼(10:00、10:20)・・・北沼分岐(12:40)・・・トムラウシ山頂(13:20、14:20)・・・南沼キャンプ場(14:50)
4日目:南沼キャンプ場(5:20)・・・トムラウシ山頂(5:45、6:20)・・・南沼キャンプ場(6:50、7:40)・・・前トム平(9:00、9:15)・・・コマドリ沢出合(10:00、10:10)・・・短縮コース分岐(12:55)・・・トムラウシ温泉(14:15)

コース

総距離
約41.8km
累積標高差
上り約2,494m
下り約3,444m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

北海道の山は、神奈川に住む私には、天気の状況を見ながら山行を決めることが多い北アルプスのようなわけにはいかない。
連休を利用する日程で仕事の調整をし、飛行機の予約をしてしまったら、変更はほとんど不可能で、よほどの悪天でない限り決行となる。永く行きたいと思っていた北海道の山だし。
週間天気予報に一喜一憂しながら出発の日を迎え、その時点の予報は、前半の2日は雨模様で後半の2日には少し晴れ間があるかもというもの。後半に期待で出発。

朝一番のフライトで旭川空港に着いたらしっかり雨が降っていた。まあ、予定通り。
空港到着時に何組か見た登山装備の人たちは、みなレンタカーで行ったようで、旭岳温泉への路線バスでは、登山装備は私だけだった。
ロープウェイの姿見駅にいた若い登山案内の人は、私の登山計画書の日程を見て納得したらしく、「あとは天気だけですね」と送り出してくれた。
冷たく強い風の吹く中を旭岳に向けて出発。
チングルマの群落を見ながら、ひたすら旭岳へ向かって登る。
すれ違う人も多くなくて、ガスの中を旭岳山頂に到着。
まったく遠望が利かない旭岳山頂を早々に後にして、お花畑の中を裏旭側に下る。
ほどなくして雪渓の下りとなり、これが結構長かった。
雪は固くなくてアイゼンは不要だったが、気温が低くて雪渓が凍結しているような時間帯だったら、アイゼンを着けたほうがいい。
雪渓のトレースは明瞭で、どんどん下って行って傾斜が緩くなったなと思ったら、トレースが見当たらない。ガスで見通しが利かないところを何度か見渡すと、ぼんやりと何張りかのテントらしい影が見えて、その方向に進むとテント場とそこまでの夏道が目の前に現れた。
もっとガスが深かったら、かなりてこずったかもしれない。
お花畑の中にあるといっていい裏旭のテント場は、私を含めてテントは8張程度。
よりどりの中からここというところを決めて、テントを張ろうとしたら両足に痙攣が出て、痙攣と闘いながらテントを張り終えるまで30分もかかってしまった。
痙攣は、ロープウェイで一気に高度を稼いで、そのあと旭岳のかなりの登りを急いだせいだろう、体力低下と普段のトレーニング不足が主因であることは明らかだが、今の自分の体力に見合ったペース配分も考えなければいけないなと。
夕刻に西の空に見えた明るさが、明日はもっと広がればと期待したが、夜の間もガスが晴れることはなかった。

2日目もガスの中を出発。
赤い土と石の路を行くと、間宮岳の手前あたりから周りは一面のお花畑に。白雲岳分岐あたりまで延々と続くお花畑は、天気が良かったならどんなに素晴らしいだろうと。
もちろんガスの中の花々も素敵で、涙を流すコマクサの群落は北アルプスのそれにも負けない。
これ以上の天気は望めないと白雲岳避難小屋から引き返してきたグループ、白雲岳避難小屋で1日停滞したという関西から来た女性グループとすれ違って言葉を交わし、それでも計画通りにひたすら南へ。
一時姿が見えた白雲岳も白雲分岐についたときはガスの中で、山頂には寄らずに先に進む。
白雲岳避難小屋で、小屋の人からヒサゴ沼避難小屋が使用可能なことを聞く。改装工事とのことで計画から外していたが、万一の時は逃げ込めると思うと心強い。
東側に切れ落ちたアップダウンの少ない高根ヶ原のお花畑の路をさらに南下して、かなり強い風が吹く忠別岳山頂に到着。
わずかに現れた西隣の稜線を眺めてから、2日目の宿の忠別岳避難小屋へ。建てられてからけっこう経つと思われる小屋だが、まだまだしっかりしていて、雨風に対する安心感はテントの比ではない。
今夜の小屋泊りは、奈良から来た若い人と私の二人だけ。

3日目は、曇り空だが昨日までより明るい。天気が回復方向であることを願いつつ、トムラウシに向かって出発。
小屋から間もなくの五色岳山頂からは、雲海の上に東大雪らしいピークが見えた。さらに化雲岳に向かって進むと、前方に初めてトムラウシが姿を現わした!
そこからヒサゴのコル手前までは、トムラウシを眺めながらチングルマのお花畑の中を歩く至福の路で、いやぁ素晴らしい、来てよかったと何度も独り言を。
ヒサゴのコルを過ぎてから延々と続くガラガラの岩場歩きにうんざりしながら、10年前のこの地・この時期の大量遭難を考える。
ロックガーデンの終わりに近くなっって待ちに待った青空が見え始め、北沼分岐についたときは大きく広がった。
その日射しの強さにそれまで不要だった日焼け止めを慌てて取り出した。
大きな岩々の上を跳び、捩り、這い上がって、ようやくトムラウシの山頂に。
雲海が広がるばかりで、遠望があるわけではないものの、だからと言って感激が薄まるわけでもない。
あとは今夜の幕営地の南沼へ下るだけなので、山頂でゆっくり過ごす。同じルートを来て明日は十勝岳へ向かうという奈良の若者、トムラウシが100名山の98座目というトムラウシ温泉から日帰りできた同年代の人、同じくトムラウシ温泉から登って十勝岳へ行くという人との、山頂での会話が楽しい。
南沼キャンプ場は、お花畑の真ん中にあって、水量豊富な水場が真ん中を流れる素晴らしいテント場だった。
その広いテント場でこれはという場所にテントを張ってのんびりしていると、私と世代の近い7人のパーティがやってきて、私の隣にテントを設営した。
今ではめったに目にしない8人用テントを張ったお隣は、東京の「品川 山の会 さんかくてん」の人たちだという。
テント設営後の歓談に私も入れていただき、ビールまで御馳走になった。
雪解け水で冷やしたビールの美味しかったこと!!

夜、満月と星々が煌々と輝き明日の天気を期待させたが、朝はやはりガスの中だった。
4日目はトムラウシ温泉に下山するだけで時間があるので、晴れ間を期待してもう一度トムラウシ山頂へ。
先行した「さんかくてん」の人たちと一緒に、ブロッケンやつかの間の晴れ間と山頂からの景色を楽しんでから、南沼に戻ってテントを撤収。
トムラウシ温泉までの長い下山路のほとんどを、「さんかくてん」パーティに着かず離れずでずっと一緒に。年代が近いからか、私にとってもちょうどいいペースだったので。
それにしても「さんかくてん」のパーティの、緩やかに統率のとれた行動が印象的だった。20:00時の消灯後のおしゃべりが全くないこと、テントの見事な撤収ぶり、歩行中のおしゃべりのなさ、かといって硬さのようなものは微塵もなく和気あいあいで、いい雰囲気に感じられた。

直前の予報とどんぴしゃりで、絶好といえる天気ではなかったものの、お花畑、トムラウシでの景色、南沼と下山路の時間と、大変楽しく満足の縦走だった。
大雪・トムラウシの山々と、「さんかくてん」の皆さん他、途中で行き会ったすべての方々に感謝。

(写真に付した花の名前は、厳密な検証をしたものではないので、誤りがあったらご指摘いただきたく)

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登った山

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