行程・コース
天候
初日:晴れ、2日目:一時雨のち晴れ、3日目~6日目:霧後晴れ
登山口へのアクセス
電車
その他:
大阪駅朝5時の始発で鈍行を乗り継ぎ松本駅へ。松本駅から松本電鉄で新島々へ。そこからバスに乗り換えて上高地へ。
この登山記録の行程
【1日目】
上高地バスターミナル(15:00)・・・河童橋(15:10)・・・明神(16:00)・・・徳沢(16:40)・・・横尾(17:30)
【2日目】
横尾(05:00)・・・一ノ俣(05:50)・・・槍沢ロッヂ(6:30)・・・ババ平(7:20)・・・水俣乗越分岐(8:00)・・・天狗原分岐(9:00)・・・グリーンバンド(10:20)・・・殺生分岐(11:40)・・・槍ヶ岳山荘(12:45)
【3日目】
槍ヶ岳山荘(6:00)・・・千丈沢乗越(6:40)・・・硫黄乗越(9:30)・・・双六小屋(10:30)・・・三俣峠(13:20)・・・ 三俣山荘(14:00)
【4日目】
三俣山荘(5:20)・・・鷲羽岳(6:40)・・・ワリモ岳(7:30)・・・ワリモ北分岐(8:20)・・・水晶小屋(9:00)・・・水晶岳(9:30)・・・ワリモ北分岐(10:45) ・・・岩苔乗越(11:00)・・・祖父岳(11:45)・・・祖父岳分岐(12:30)・・・雲ノ平キャンプ場(13:25)
【5日目】
雲ノ平キャンプ場(5:25)・・・木道末端(6:50)・・・薬師沢小屋(8:40)・・・太郎小屋(11:00)・・・ 薬師峠(12:00)・・・薬師岳山荘(13:00)・・・薬師岳(14:00)・・・薬師峠(16:00)
【6日目】
薬師峠(5:10)・・・三角点(7:00)・・・折立(8:10)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
1日目(2019年7月28日)
初めての北アルプスで、初めてのテントを担いでの縦走で、無事山を下りられるか不安を抱えながら午後3時に上高地を出発し、一日目の宿泊地の横尾へ向かう。すごい人でテーマパークにいるような感じのする河童橋を通り、明神へ。雨が降っていたのか、水たまりを避けながら進む。明神からはめっきり人が少なくなり、すれ違う人もほとんどいなくなり、日が暮れていく中早足になる。
2日目(2019年7月29日)
横尾を5時に出発。鬱蒼とした森の中をもくもくと進む。ほぼコースタイム通りに槍沢ロッジに到着。高校生の団体さんが準備してたので、小休止を取り、その団体さんが出発するまでのんびりする。ババ平に着いたあたりから雨が降りそうな天気となり、沢沿いの木も何にも無い所で雨が降ってきた。雨具出さなくてもいいかなー何て思ってたら、結構な降りになり慌ててザックから雨具を引っ張り出す。水俣乗越を過ぎて天狗原分岐あたりからだんだんと晴れてきて、今登ってきた槍沢がはっきり見えてきた!上部はまだ雲の中。ここから既に疲れが見え始め、足が重くなる。グリーンバンドまで登ったところで、槍ヶ岳が雲の切れ間から見えた!感動!。感動したからと言って力が出るわけでもなく、5m歩いてはちょっと休憩を繰り返す。そのうちに殺生ヒュッテが見えてきたが、歩いても歩いても近づかない。ジグザグの道を地面を見ながら必死で登る。テン場を確保できない場合、殺生ヒュッテに戻らないといけなくなったらもう地獄。上の方から声が聞こえる位になり、ようやく元気が出て、12時45分に槍ヶ岳山荘に到着。テン場は全然ガラガラで「好きなところをどうぞ」と言われた。なのですぐ崖の景色がいいところにテントを張り、食堂でカレーを食べる。めっちゃうまかった!槍ヶ岳山頂はガスが掛かってて、暫く待つと晴れてきたので、急いで登りに行く。落ちたら確実に死ぬような所を登るのだが、みんな登ってるし、意を決して登る。最後の長い梯子はかなり怖い。頂上まで行くと狭いところに人がいっぱいいて、めちゃくちゃ危ない。ビビりながらも写真を撮って、絶景を堪能する。帰りの下りはあまり怖くなかった。下りてからテントでのんびりしてると雨が降ってきた。雨が止んだ後、夕日がとても綺麗だった。
3日目(2019年7月30日)
日の出を見るのに早く起き、寒い中、岩の上に登って日の出を待つ。槍ヶ岳の頂上目指して登る人たちの光の線が一列に繋がっている!暗いほうが怖くないのか?。山の稜線と空の色とのコントラストがとても綺麗で、震えながらその素晴らしい景色の変化に感動する。出発が6時になったが、今日は三俣までだし焦りはない。槍ヶ岳に別れを告げて、千丈沢乗越へジグザグに下っていく。下っていくほどに霧が立ち込め、誰もいないので不安になる。千丈沢乗越から西鎌尾根に折れ、双六方面へ。西側から湿った風が吹き付け、霧で視界がきかなくひたすら尾根道を歩く。尾根の東側に行くとさっきとは別世界で、薄い霧の向こうに谷底が見えた。硫黄ノ頭を過ぎた所で硫黄の匂いがした。相変わらず霧であまり景色を見られなかったが、樅沢岳を過ぎた辺りから少し天気が良くなってきた。双六小屋に10時半に到着し、早いが昼飯のカレーを食べる。昨日もカレーだったが、腹が減るとカレーが食べたくなる。双六岳は霧で見えず、景色が見えないのだったら意味が無いので、巻道コースを進む。朝からほとんど人とすれ違わない。なんでだろうと思いながらのんびり歩く。三俣峠への上りになるところで、登山道横の小さな起伏の下に黒い影が見える。「は?熊?」これからそっちに登るのに、ここから引き返す事など考えもなく、じっとしてどうするか考える。けど、こんな荷物を持って100%逃げられない。歩くのもやっとなのにどうしよう…。暫くすると登山道を上から一人こっちに来た。熊の進路とその登山者の進路がぶつかりそうなので、「熊がそっちに来てますよー!」って叫んだら、熊が反転したので「今大丈夫ですから早く下りてきてください」と言って、その登山者は慌てて下ってきた。暫くすると熊は登山道を横切って何もなかったかのようにハイマツの中に消えていった。5分位そこにいて、意を決して一気に駆け上る。「リアルアドベンチャーワールド…」とか呟きながら、早足でハイマツ帯を抜ける。熊なんて出会わないと思ってたけど、次からは熊鈴絶対持ってこようと思った。三俣峠を過ぎてから天気が良くなり、鷲羽岳が綺麗に見える。三俣山荘が見えてきて、テントがたくさん張られてる。ガレ場を下り、テン場を抜け、三俣山荘に2時に到着。受付をして引き返し、鷲羽岳がドーンと見えるところにテントを張る。天気がいいので、シュラフを干して少し寝る。夕方、昨日と一緒で1時間ほど雨が降る。雨が止んだ時には辺りは既に暗く、夕焼けも見れなかった。
4日目(2019年7月31日)
5時20分に三俣山荘テン場を出発。霧で視界が効かない中、前の人について鷲羽岳へ進む。朝からいきなり登りだし、霧の中だしテンションが上がらない。もくもくと登ってるうちに鷲羽岳の頂上に着いた。霧で何にも見えないので、さっさとワリモ岳へ進む。するとだんだんと霧が流れていき、雲の平がボヤッと見えてきた!ワリモ岳に着いて天気も良くなってきたから休憩する。そうこうするうちに霧が無くなり快晴になる。ワリモ北分岐からは右に水晶岳、左奥に薬師岳が聳え、テンションが上がる。ワリモ北分岐にザックをデポし、ハイキング気分で水晶岳を目指す。稜線の上まで登ると、昨日は全く見えなかった槍ヶ岳が遠くに見える。「あんな所から歩いて来たんだ」とちょっと感動。今までの天気の良くなかった分を取り返すような快晴の下、荷物もないしスキップしてるかのように水晶岳を目指す。途中、水晶小屋から野口五郎岳、烏帽子岳方面の景色は、いつか歩いてみたいと思わせる雄大な景色が広がっていた。小屋の横で初めて雷鳥を見られた。ここからしばらくは平坦な尾根道を進み、山頂近くになるとガレ場の急登に梯子か続き、谷に落ちたら死ぬようなところが多数あり、慎重に登っていく。9時半に水晶岳山頂に着く。山頂は落ちそうなくらい狭く、結構人もいてのんびりしてられない。ここから読売新道を見ると険しい山並みが続き身震いする。しかしここからの眺めが絶景だった。昼飯は雲ノ平山荘で食べようと思っていたし、雲も出てきたから急いで元来た道を下る。ワリモ北分岐に戻り、荷物を整理して祖父岳へ。もうすでに疲れ始めていて、祖父岳の上りがキツイ!
天気がいいので水がどんどんなくなり、祖父岳の山頂で水が無くなった。ここは平たい山頂で、何人かがここでお昼ご飯を食べていて、羨ましかった。昼飯とビールにありつくため急ぐが、疲れと空腹、水も無いしで足が重い。木道もあるのだが、登ったり下りたりでヘトヘト。雲ノ平のテン場に着いて、水場に直行。めちゃくちゃうまかった。テン場はもう既に多くのテントが張られていたが、奥の方の一張しか張れないスペースが運よく空いていた。すぐに雲ノ平山荘に昼飯を食べに行く。途中の木道はとても整備されていて気持ちがいい。よく手入れされた庭を散歩するような感覚。そよ風が吹き抜け、風の音しか聞こえない。だがしかし、雲ノ平山荘に着くと人、人、人!。昼飯の時間はもう終わっていて、ビールを買って外のベンチで飲む。胃に染みわたってうまい!携帯の充電をする為に一時間ほどいた。テン場に戻り、夕飯を食べ、夕日を見ようと待つが、次第に霧が立ち込めてきて、そのうち暗くなった。今日は雨が降らない。
5日目(2019年8月1日)
4時に起きると外は快晴。黒部五郎岳が静かに佇んでいる。5時半にテン場を出発、誰もいない木道を自分の足音だけ響いていた。まるで別の星を歩いてるような感覚。空は透き通ていて、宇宙と繋がってるような感じ。そんなボーッと歩いてたら分岐で標識を見落とし、雲ノ平山荘へ行ってしまった。でもちゃんと裏に道があった。こんな清々しい所を急ぐのはもったいないとのんびり歩き、途中祖母岳に寄る。で、いよいよ木道も終わり、薬師沢に下りる急坂に入る。いつ終わるの分からないくらい下り、うんざりする頃にようやく川の音がしてきた。これ登るのはしんどいなー。薬師沢小屋で少し休憩し、いざ出発。快晴でめちゃくちゃ暑い。湿地帯に木道が掛かっていていい所なのだが、日影が無い。沢の水でタオルを濡らしながら徐々に登っていく。しっかりした橋を三つ渡った後から急な登りになる。日影が無いし、ずーっと登りで、倒れそうになる。途中休んでた人に「後どのくらいですか?」って聞かれたけど分かるはずもなく(俺も知りたい)、人に聞きたいくらいの状況だった。こんな所でのんびりしてられないので(12時までに着いたら薬師岳に登ろうと考えてた)どんどん登る。木の階段が現れてから元気になる。何とか太郎平小屋に11時に着き、またカレーを食べる。ここは何かラーメンが有名らしいけど、次来たら食べよう。12時にテン場に着いたが、もう既にテントが一杯で奥の方に張る。薬師岳山頂は雲の中だが、とりあえず登りに行く。いきなり岩登りだが荷物が無いので飛ぶように登っていく。薬師平を過ぎると雲の中に入り寒くなる。雨具を着用してジグザグの道を登っていく。薬師岳山荘も雲の中で、小休止してから先に進む。避難小屋跡まで来ると次第に雲が薄くなってきた。尾根伝いの緩やかな道になり、西側は雲が厚くて何も見えないが、東側は中央カールと長く伸びる東南稜見る事が出来た。もうすぐ山頂に着く所で、登山道に雷鳥の親子がいた。近くにいても全く逃げない。何をしてるのか道に穴を掘っている。2時に薬師岳山頂に到着。まず祠にお参りする。ここまで来たらもう登りは無い。何か空虚感に包まれた。北の方は北薬師岳と間山ぐらいまでしか見えなかったが、金作谷カールとその向こうに黒部川が見えた。その後、のんびりテン場まで帰る。ここのテン場は水が豊富に使える。
6日目(2019年8月2日)
今日は大阪まで帰る日。「家に帰るまでが遠足です」って遠足の度に言われてたからか、特に注意して身支度をし、テン場を出発。バスに乗り遅れるわけにはいかないので、黙々と歩く。上空には雲が掛かってたが、山並みの向こうに町が見える!あー今日何食べようかと考えると涎が出てきた。ダラダラと下りが続き、樹林帯に入ると登り下りがあり、いつまで下っても着かないなーと思ってたらヘリコプターの爆音がして、そのうちに広場に出た。自動販売機もあり、トイレもある。やっと下界に戻った。コースタイム通りの3時間だった。定刻通りバスは出発。乗客は20人ほど。全然余裕で乗れる。予約もしなくていいなこれなら。何人かがこのバスの後の便を予約してたが、これに乗っていた。富山駅に着いて色々考えたら、金沢経由の方が2時間も早く着くことが分かったので、金沢まで別途切符を買い、鈍行、快速を乗り継いで暗くなる前に自宅に着いた。今日の朝はまだ山の中にいたのに不思議な気分だった。しかし、よくケガもなく無事に帰ってこれたなー。次はどこ行こう。
フォトギャラリー:14枚
装備・携行品
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