• このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

大朝日岳(中ツル尾根の急登/時間切れで途中撤退)2019晩夏

大朝日岳( 東北)

パーティ: 1人 (ブナ太郎 さん )

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 寒河江方面から行くならば、朝日鉱泉分岐点までかなり狭い道を行きます。舗装はしてあるので普通乗用車でも大丈夫です。大江方面から行くならば、朝日鉱泉分岐点まで広い舗装道路を行きます。そこから先が結構長く、山の中の一軒家が朝日鉱泉ナチュラリスト山の家です。駐車場には5、6台止められます。宿泊者には宿に近い別の駐車図ペースがあります。

この登山記録の行程

朝日鉱泉登山口(6:06)・・・第二の吊り橋(6:41)・・・第三の吊り橋(7:26)・・・【休憩7分】・・・出合(8:11)・・・第四の吊り橋(8:16)・・・【休憩10分】・・・4合目(9:33)【休憩10分】・・・【休憩10分】・・・6合目(10:45)・・・1400m付近【休憩・昼食22分】・・・6合目(11:45)・・・4合目(12:20)・・・第四の吊り橋(13:05)・・・【休憩5分】・・・第三の吊り橋(13:55)・・・【休憩5分】・・・第二の吊り橋(14:29)・・・弘法水(14:53)【休憩10分】・・・朝日鉱泉登山口(15:11)

コース

総距離
約12.7km
累積標高差
上り約1,378m
下り約1,378m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

 これまで大朝日岳には6回登っている。古寺鉱泉から5回、日暮沢から1回である。朝日鉱泉から中ツル尾根を登ったことがなかったので、今回、挑戦することにした。
 朝日鉱泉へは、寒河江から左沢経由で行く。この道は途中からかなり狭くなり、すれ違いにも苦労するほどだったが、幸いにして対向車両はなかった。山深くの朝日鉱泉は思ったよりも遠く、5時半過ぎに到着した。駐車場のスペースは5、6台ほどで、朝日鉱泉に宿泊する人は、朝日鉱泉近くに車を止めることができる。

 6時過ぎに歩き始める。台風15号接近のためか、気温と湿度が異様に高い。最高気温は山形でも35度を超える予想で、その上湿度が凄い。
 今日のルートは、中ツル尾根を直登し、山頂を踏んで、小朝日岳、鳥原山と周回する。周回に要する標準時間は12時間を超えるロングコースなので、もし時間が足りないと判断した場合は、途中でも引き返すつもりである。

 朝日鉱泉ナチュラリスト山の家を抜けて、杉の木に掛けられた登山道入り口の札を見ながら朝日川に下る。川には取水口のダムがあり、その脇の吊り橋を歩いて対岸に渡る。ここからなだらかで穏やかな歩きが始まる。

 数分後、弘法水という水場に着き、ここで水を補給する。ここからは杉の植林に入り、すぐにブナとミズナラの森に変わる。道は平坦で歩きやすく、このような道をずっと行くのではないかと思っていたら、それは誤りだったとのちに知るようになる。

 右手の鳥原山への分岐点へは進まず、左に直進し、30分ほどで「出合」という看板を見る。その先に第二の吊り橋がある。そこを渡ると平坦な道は終わり、登山道はアップダウンのある山道になっていく。左手から聞こえる沢の音は心地よいが、尋常ではない湿度に汗が吹き出る。

 ブナとミズナラの森の雰囲気は、大東岳の裏磐司コースを思い起こさせる。林床から立ち上がる木々はさらに格調があり、さすがに朝日連峰である。沢の色も緑に澄み、美しい。山腹を横切って行く道なので、支沢を何度も横切る。水が豊かな山だ。

 沢を高巻いたり、沢を横切ったりしているうちに、滝に出会う。いったん降って、水量豊富な沢を渡る。十数メートル先に滝が見える。ここからまた登って、太いブナの森を進んでいくと、7時26分に第三の吊り橋に出会う。緑の支柱の橋を渡ると、沢が左手に変わった。

 アップダウンを繰り返し、沢に降りる。砂地の川原があり、ここで小休止とした。このコースは変化があって面白いが、標高はほとんど変わっていないような気がする。小休止後、沢の右手を石伝いに歩き、また登山道に入って30分ほどで朽ちた木橋に出会う。橋を渡らずに渡渉し、土手を登ると標識があった。「大朝日岳4km 朝日鉱泉4km」とある。ここが中間点である。ここまで2時間以上歩いてきたが、標高は100mも稼いでいないようだ。

 5分ほど歩くと第四の吊り橋が見えてきた。これを渡ると、ようやく登りが始まる。橋のたもとには「2合目」という札が朽ちていたが、それに気づいたのは下山の時である。この辺りの標高は600mくらいではないかと思う。

 沢沿いの道から登りに変わり、やがて道は傾斜を増す。汗が吹き出る。まだ標高も低いためだろう、気温も湿度も高く、風もない。山に囲まれた尾根道の急登を黙々と登る。展望はほとんでなく、苦行のようだ。ブナやミズナラの大木に慰められ、息も絶え絶えになって標高を稼いでいく。シャツもズボンも汗でびっしょりである。

 休みを入れながら急登をゆっくりと登る。ゆっくりとしか登れないのである。中ツル尾根の手強さを、もう十分に感じてしまった。三大急登の谷川岳・西黒尾根もこんな感じなのだろうか。
 
 9時33分に4合目に着く。ここは標高1060mだ。休憩を除くと約3時間でここまできた。標準タイムとほぼ同じである。ここから2分下ったところに長命水という水場があるらしいので、下りてみたら水はすっかり枯れていた。

 ここからも急登は続く。いや、ここからが本番といった感じだが、ブナやコメツガの道を30分ほど登ると、所々に緩やかな登りが混じるようになる。右手には鳥原山から小朝日岳に続く稜線がはっきりと見えるようになってきた。小朝日岳の山襞の迫力が凄い。晴れているので、谷筋や岩肌がくっきりとして、これを見ただけでも登ってきた甲斐があった。

 しかし、高温と湿度で疲労が濃い。ペースは著しく落ち、10時45分に6合目に着いた。ここからようやく大朝日岳の姿を正面に見る。大分遠い。標高は1369mで、まだ残り標高500mを稼がなければならない。ここで当初の予定を変更し、11時まで登れるところまで登って休憩を取り、11時30分には下山することに決めた。

 もう少し登って、標高1400mほどまで行っただろうか。この辺りから見る大朝日岳は、山腹に深い襞を刻んではおらず、先月登った飯豊連峰の朳差岳を思い起こさせる。たおやかな山頂部へは急な稜線を登るのだが、ここから眺めると、1600m付近の肩まで行けば、あとは比較的緩やかな歩きとなるようだ。
 この場所にもようやく涼しい風が吹いてきて、あの山頂付近の稜線まで上がったら、快適だろうと思ったりもした。対岸に見える小朝日岳や銀玉水への稜線も、この角度からは初めて見る。

 昼食後、重い腰を上げて下山を開始する。下りは息を切らすこともなく、順調に下っていく。11時45分に6合目を過ぎ、振り返って大朝日岳に別れを告げる。樹林帯に入り、35分ほどで4合目に着く。長命水の水場である。休まずに下って、12時40分に3合目を通過した。3合目の標示は、登りの時には見逃していたが、標高850mと書いてある。1時間10分で550m下ったことになる。登山道は相当な急傾斜である。
  
 そういえば、下りの登山者とは5名ほどすれ違ったが、登りの登山者とは全く会っていない。この急登は、日帰りの登りに使うには過酷すぎるのかもしれない。他の人の登山記録を読むと、大朝日小屋に一泊する人たちが、主にこのコースを使うようだ。
 今日、このコースを登ったのは私一人でだったのだろうかと考えながら、13時5分に第四の吊り橋を渡った。ここは二俣というらしい。橋からすぐのところに2合目の標示がある。標高は書いていない。熊に削り取られてしまったようだ。

 13時10分に中間点の出合を過ぎ、第三の吊り橋を13時55分に渡る。途中、2度ほど小休止を入れる。標高が低くなり、猛烈な暑さが戻ってきて、濡らしたタオルで顔を拭きながらの歩行となった。

 14時29分に第二の吊り橋に着く。この辺りで水が底を尽きそうになった。弘法水まで行けば、冷たい水が飲めるのだが、念のために沢水を詰めた。14時33分に出合を過ぎる。朝日鉱泉までは約30分である。登山道も平坦になり、歩きは楽になった。しかし、暑さは一段と厳しい。14時53分にようやく弘法水に着き、水分をたっぷりと補給した。
 朝日鉱泉までは、もう残りわずかである。
 
 今回は中ツル尾根から大朝日岳、小朝日岳、鳥原山の周回を目指したが、時間切れだった。このコースを日帰りするならば、もう少し気温の低い日を選ぶべきだったし、出発は5時前の涼しい時間帯が必須条件で、まず鳥原山を目指して稜線に出るのが良い。そこからはアップダウンがあるが、小朝日岳まで行って熊越まで下れば、あとは緩やかな稜線歩きが続く。途中に銀玉水という水場もある。中ツル尾根は下りで使う。こうすれば、17時30分くらいに朝日鉱泉に戻れるだろう。
 今度、また機会を見て挑戦しよう。

続きを読む

フォトギャラリー:69枚

すべての写真を見る

装備・携行品

みんなのコメント

ログインして登山記録にコメントや質問を残しましょう

関連する山岳最新情報

登山計画を立てる