行程・コース
天候
雨
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
あだたら高原スキー場の駐車場を目指す。1,500台大規模。第1駐車場がトイレのあるレストハウスの近くで便利だが、紅葉シーズンの土日祝日は第1駐車場のみ有料で1000円が必要となるので注意。少し下ったところの駐車場も広い。駐車場は夜間も開放されている。トイレはレストハウス奥のロープウェイ乗り場にあり、24時間使用可。
この登山記録の行程
あだたら高原スキー場・駐車場(05:19)・・・くろがね小屋(06:51)・・・峰ノ辻(07:24)・・・牛ノ背(07:42)・・・矢筈森(07:52)・・・鉄山(08:12)・・・牛ノ背・・・安達太良山(08:49)・・・山頂(08:53)・・・薬師岳・展望台(10:34)・・・五葉松平(10:47)・・・あだたら高原スキー場・駐車場(11:52)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
【前日(1日目続き)】
登山と五色沼で裏磐梯を堪能したのち、2日目の目的地、安達太良山へと移動してきた。二本松のスーパー「ヨークベニマル」で夕食と翌日の食材を買い込み、あだたら高原スキー場を目指す。磐梯山では霧の世界だったが下界は綺麗に晴れている。このまま天気で明日を迎えてくれればよいが、予報では明日の明け方は雨マークになっている。
第一駐車場の一番レストハウスに近い場所に車を停める。20台程度の車が停まっていた。
野営の準備をしているうちに徐々に暗くなってきた。食事の前にさっぱりしようと着替えを持って温泉へ向かう。有難いことにレスオハウスから直ぐのところに日帰り温泉施設「あだたら山 奥岳の湯」がある。しかも、スキー客や登山客を対象にしているためか、山奥にも関わらず20時まで営業しているのでゆっくりと入ることができる。
立派な外観と立地からそれなりの値段を想定していたが、大人600円とお手頃価格。しかも入口で「JAF等割引カードはお持ちじゃないですか?」と聞かれた。わざわざ聞いてくれるのも親切だが、安いうえに更に値引きがあるか。唯一持っていたモンベルカードは、残念ながら対象外だったので正規の600円を支払って入る。もっと頑張れモンベル!!
お風呂自体はそれほど大きくなかったが、お湯の温度とお湯質は最高。なにより超お勧めなのが、露天風呂。斜面にせり出すように作られた露天風呂で、目の前には山。寝そべるように空を見上げると星空が見える。なんて贅沢な露天風呂だろうか。あまりの気持ちよさに1時間以上ゆっくりしてしまった。こんな素敵な温泉付き野宿なら何泊でもできそうだ。
【当日(遠征2日目)】
4時に起床。グッスリ眠れた。良い方向に動いているのか、雨は降っていない。出発準備をしていると警備の人がやって来た。なんでも、今日は休日だから、第一駐車場は有料になるとの事。一晩お世話になったので1,000円くらい払っても良かったが、つい反射的に「下の駐車場に移動します」と答えてしまった。我ながらケチンボだ!と思いながら下の駐車場へと移動する。しかし、後にこの判断が正解となる。
下の駐車場と言ってもそんなに遠くはないので、歩いても苦にはならない。
レストハウスの所に「安達太良山登山口」と書かれた標識が立っていたので、その奥に登山道があるのかと地図を見ながら悩んだが、正しくは未舗装の林道をそのまま真っすぐに登っていく。
霧が立ち込めていて幻想的な森の中。昨日に続き今日も眺望は無理なようだ。林道には「馬車道」と書かれた看板があった。昔は馬で荷物を轢きながらこの道を登っていったのだろうか。馬が登れるように斜度を合わせているのか、九十九折で何度も曲がりながら登っていく。旧道と書かれた登山道もクロスするように延びていたが、ショートカットするより情緒を味わいたかったのでそのまま林道をいくととする。
ある程度高度を稼ぐと水平移動に移る。ここで、ついに「ポツリ、ポツリ」。「レインウェアの上だけにするか?」と悩んでいるうちに雨足が早まって来たので、仕方なくズボンも履く。
植生が変わって来たのか、色鮮やかな紅葉が目につくようになって来た。昨日の磐梯山では色づいた葉っぱはあったが、山全体が色づいている場所はなかった。それこそ植生の違いだと思うが、それほど距離も離れていないのに、2つの山の違いに驚きだ。
紅葉に積まれた中に山小屋が見えた。くろがね小屋。硫黄の匂いが漂っている。くろがね小屋 には素敵な温泉があると言う。紅葉と温泉、いつか体験したみたいものだ。
小屋で林道は終わり、ここから先は登山道歩きとなる。少し登ると直ぐにガレた道になる。霧でよく見えないが、周囲の紅葉もかなり進んでいるようだ。
ついに稜線らしいラインが見えて来た。最後の最後で道を見失ってしまったが、気にせずガレた中を登り稜線に出る。
牛ノ背だ。さっきまであんなにガレていたのに不思議なことに稜線は赤茶けた土の道が延びている。
本来ならここで安達太良山の名物「沼ノ平」が見えるはずなのに、、、と恨めしく真っ白な空を見上げる。すると、薄っすらと丸い影が雲の間に見えていた。さっきまでなかったのに太陽が見えている。「よしっ、頑張れ!霧を散らしてくれー!」と心の声。その願いが届いたのか、暫くして霧が大きく動いていく。火山特有の荒涼としたお鉢の壁に、黄色や白の絵具でアートを書き込んだようでそのグラデーションがとても美しい、
残念ながらマジックアワーは短かく、すぐに真っ白の世界に戻ってしまったが、それでも諦めていた景色を見ることができ超ラッキーだった。しかも、雨もいつしか上がっている。
このまま安達太良山のおっぱいを目指しても芸がないので、一旦、反対側の鉄山を目指すことにする。
小刻みにアップダウンを繰り返しながら牛ノ背を歩いていく。時折薄っすらと見せるお鉢に沿いながら霧の中を歩いていると、なんだか地球外の惑星に来たような気分になる。
目の前に大きく聳える岩の山が見えてくる。黒っぽい岩の集合体のよで鉄山の名前にふさわしい。山頂までは程なく。景色はなにも見えなかったので、単なるピークハントになってしまったが、とりあえず今日一つ目の頂。
牛ノ背を戻り安達太良山のおっぱいを目指す。おっぱい、おっぱいと繰り返しているが、安達太良山は市内から見た山容から地元の人からは昔よりおっぱい山と親しまれていて、その山頂は別名「乳首山」と呼ばれている。
先ほどの鉄山よりは低い岩山のシルエットが見えてくる。登山道は回り込んでいて反対側に出ると安達太良山の標識が設置されていた。
記念撮影をしてから、乳首山に登ってみる。わずか数分のアスレチック的なルート。上には祠があった。
眼下にあるであろう二本松の町に向かって大きく手を振る。安達太良山登頂。^_^
今日は下山次第、家に帰らなければいけないが、まだ時間も早いと言うことで和尚山に足を伸ばしてみることにする。しかし、どこを探しても標識がない。地図を基にグルグル歩きながら探ってみると、ハイマツの間に色落ちた赤のテープをかろうじて見つけた。よく見ればハイマツの間に道が見える。かき分けて行けば進めるか?おそらくすぐに抜けてしまうと想像するが、雨でぐっしょり濡れたハイマツをかき分けて進むのもどうかと思い、珍しく弱気になる。片道1時間。天気がいい訳じゃあるまいし、無理しても意味はないかと自分を納得させ和尚山を諦めて下山することにする。
下山ルートは別なルートを使いたかったので薬師岳パノラマパーク方面を通って周遊することにした。安達太良の緩やかな斜面が見渡せるコースで、霧の合間から斜面全体が紅葉しているのがわかる。ただ、今年は1週間ほど遅れているようで、鮮やかにはまだ遠かった。
晴れていればきっとウキウキのルートに違いない。展望台をすぎると勾配が次第にキツくなっていく。雨に濡れた岩が滑りやすく、転ばないように細心の注意で降りていく。歩きにくいと心の中で文句を言いながら降っていたが、降るにつれ粘土質の道へと変わっていく。「濡れた岩に戻してください」と文句をつけた詫びを入れたくなるくらいこれがまた最悪にヌルヌルの泥だらけ。
「早く終わってくれ!」と願いながら、後は作業のように無心で降っていく。ゲレンデが見えて来た時には本当にホッとした。登りの時に使った林道に合流して下山。
真っ先に昨日お世話になった「奥岳の湯」に行く。本当に親切づくめの温泉で、入口に靴の洗い場が用意されているので、汚れた靴とレインウェアをブラシでゴシゴシと洗わせてもらう。
いつしか雨が激しく降り出していた。和尚山を止めたのは正解だったようだ。最低限の泥を落として、お風呂に向かう。
冷え切った体にちょうどいいお湯。「奥岳の湯」が、自分の中の温泉ランキングで上位に入ったのは言うまでもない。
お湯につかりながら今回の山旅を振り返る。裏磐梯山に安達太良山。いずれも福島を代表する山だけあって悪天候でも最高な山だった。
かくして、連休を利用した遠征はこれで終わり。ちなみに、朝、駐車場を移動して正解だったと書いたのは、帰り際に駐車場係の人に聞いたところ、大雨が降ってきたのですぐに有料を解除したとの事。支払った人は一体どうなったのだろうか??
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