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超尖峰・冠岳と大冠岳

冠岳、大冠岳(久万高原町)( 中国・四国)

パーティ: 1人 (マローズ さん )

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行程・コース

天候

曇り時々小雨

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 久万高原町上黒岩の国道33号の御三戸交差点から県道212号、県道12号、国道494号、再度県道12号を通り、石鎚スカイライン(夜間から早朝までは通行禁止)に入る。
スカイラインに入って四つ目のトンネル「冠岳隧道」手前東側の路肩に駐車する。

この登山記録の行程

登山口9:56・・・岩屋風岩場北から北東の斜面へ10:18・・・高度計高度1310m地点のガレ場で休止10:56~11:16・・・1381m峰と大冠岳の間のコル11:31・・・1381m独標点11:41・・・冠岳山頂とその西の広場で休止11:58~12:15・・・途中の岩場で8分ほど苦闘・・・大冠岳山頂13:17・・・途中で13分休止後、大冠岳南のコルから引き返す・・・大冠岳山頂14:16・・・1381m独標点と大冠岳との間のコル14:35・・・岩屋風岩場北15:11・・・高度計高度1110m地点で休止15:17~15:39・・・登山口15:47

コース

総距離
約3.0km
累積標高差
上り約453m
下り約449m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

[断崖尖峰の二座]
石鎚スカイラインを走行中や、面河渓沿いの亀腹展望所に立ったことがある方なら、視界に入る究極に尖った鋭鋒に少なからず興味を抱くはずである。それが1381m独標点南西の岩峰、冠岳(1380m)である。更に1381m峰東のコルを挟んで対峙する1476m峰も、そのコルから木の間越しに望むと、山容は峨々たる岩壁峰となっている。この峰を一部の登山者間では「大冠岳」と呼称している。

冠岳の最短登山ルートは、南の面河川支流沿いから1381m峰東のコルに登り、岩尾根を伝っていくもの。但し踏み跡は途中までしかない。
大冠岳のかつての最短登山ルートは、保土迫林道終点から大冠岳南のコルに登り、そこから尾根を伝うものだったが、これは廃道化して久しいので、1381m峰東のコルから急勾配の尾根を上るしかない。
冠岳の前述のルートは、支尾根から離れて斜面をトラバースするようになると踏み跡がかなり薄くなるので、ルートファインディングに自信がない方は、頻繁に赤テープをつけながら登行するしかない。尤も、有名峰しか登ったことがない者が登れるような山ではない。

[コース]
冠岳隧道手前の沢が面河川の支流の一つだが、それと交差する道路沿いの側溝が深く、幅もあるため、その側溝に列車のレールのような簡易鉄製橋が架けられている。この橋は滑り易いので、しゃがんだ体勢で進み、対岸の支流南の登山口へと渡った。意外にも最初の内はしっかりした登山道だが、この道は森林管理署の施業図に記載されてないことから、昭和中期以降に開かれたものかも知れない。

道は二つの沢に挟まれた尾根を上がっているが、途中、不明瞭な所があり、本来北東に進まないといけない所を直進して東に進んでしまった(コース図は分かり易いように正規コースを記している)。しかしそのせいで、南の沢側の紅葉樹林帯を通ることができた。嬉しい誤算というところか。が、このままでは目指す冠岳からは遠ざかるような気がしたため、適当に藪をかき分け、北に斜面をトラバースして行った。

するとほどなくして正規コースに出ることができた。登山道から踏み跡に変わっており、幅広の尾根を大きくジグザグを繰り返しながら上がっているが、倒木のある所では一瞬、ルートを見失いそうになる。
しばらく登ると前方右上に下部が岩屋風になった岩盤が現れる。この横でルートは尾根を離れ、北東にトラバースするようになる。最初、ここでも踏み跡がしっかりしているが、その内非常に薄くなり、コースサイン・テープが頼りになる。ガレ場の箇所が多いため、よけいに踏み跡が不明瞭になっている。

踏み跡は涸れ沢に達するとその左岸を上がり、更に不明瞭になる。どうも、植林の木々に巻いてあるピンクのテープはコースサインではなく、造林作業に於けるマーキングのようである。
そこで涸れ沢を北に渡ると、斜面がガレ場になっていた。それも稜線に向けて一直線に続いている。幅は十数メートルから20メートル位だろうか。ガレ場は足場は悪いが藪はないので、これを上ることにした。

ガレ場が終わった先はスズタケの藪と植林帯の境になっていた。かなりの急勾配だが、目指すコルは間近なため、適当に植林帯をジグザグに上り、頭上の明るい方へ進んで行った。
コルは藪っぽいものの、峠の広場という趣で、東には木の間越しに大冠岳の岩峰が見えている。ここからまず、1381m峰に登頂する。この峰も岩峰で、山頂も岩場の上方にあるが、展望はない。

地形図をおおまかに見ると、1381m峰と冠岳は一直線に尾根で結ばれているように思えるが、仔細に見ると、尾根は一旦、北にカーブして1381m峰に達した後、南西に向きを変えている。1381m峰直下から南西を見ると、幹が途中から折れた檜の大木から尾根が南西に伸びているのが分かる。
この尾根も岩尾根で二つに割れた岩の間を通る箇所や、落差のある岩場もある。その岩場は飛び降りたが、復路に於いて少々手こずることになる。
岩尾根故に所々シャクナゲも自生している。

薄っぺらい傾いた巨石は、迂回が難しそうだったので、這いつくばる形で庇の部分を掴み、横這いで滑らないように進んで行った。コケが生えて且つ、小雨も時折降っているから特に慎重になる。滑落したら骨折は免れない。落命の可能性もある。
斜めに生えた杉の大木群を過ぎるとすぐ山頂だが、絶壁の岩峰故、強風でこのような形状になっているのだろう。

この冠岳山頂も岩の上に長い年月を経て土が堆積している。もし晴れていたなら、木の間越しに石鎚山周辺の山々が望めるはずである。
山頂から先を見下ろすと明るい尾根が続いていたので辿ってみると、こちらに山頂のような雰囲気の小広場があった。弁当を食べるならこちらの方がいいだろう。

ここからはコルまで引き返し、大冠岳の上りにかかるが、前述の「復路、手こずる」と記した岩場は、岩の下が狭いものの、巻けるようになっていた。
大冠岳の尾根は登るに連れ、傾斜がきつくなり、ルート上に岩場も次々と現れる。しかし冠岳の岩場のように緊張するような箇所はなく、殆ど直下を巻けるようになっている。

大冠岳の山上は東西に長いため、山頂を比定し辛いが、根元付近が曲がった檜が生えている所ではないかと思われる。
ここからは南のコルに下り、保土迫林道からの道と繋がっていた、南西に下る峠道を下ろうと思っていたのだが、山頂の東方からスズタケが藪化してきて、コル付近は猛烈な藪漕ぎを強いられるはめになった。コルから下を見ても同様の藪の密林で、踏み跡の痕跡はなかった。
雨で身体も冷えてきたため、ここからは大冠岳西のコルまで引き返し、元来た道を下山した。

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