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白と赤の競演 晩秋の日光白根山

前白根山、日光白根山( 関東)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 湯元本通り北湖畔駐車場を利用。日光湯元温泉街の中心部で、日光湯元温泉街のバスターミナルに隣接しているる無料駐車場。24時間開放されていてトイレもある。その他、日光湯元ビジターセンター前に湯元本通り南駐車場もある。ちなみに、すぐ近くの湯本温泉スキー場のゲレンデには、テント場(キャンプ場)があるので前泊される方は便利。

この登山記録の行程

湯元温泉・湯元本通り北湖畔駐車場(05:40)・・・前白根山(07:49)・・・五色沼避難小屋(08:19)・・・日光白根山(09:22)(休憩~09:54)・・・分岐・・・弥陀ヶ池(10:56)・・・五色沼(11:18)(昼食~11:52)・・・分岐・・・前白根山(12:51)・・・湯元温泉・湯元本通り北湖畔駐車場(14:28)

コース

総距離
約13.0km
累積標高差
上り約1,574m
下り約1,574m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

遠方より遊びに来ていた先輩を駅に送った後、3連休はまだ明日1日あると、そのままの足で日光を目指す。できれば紅葉の真っ最中に行きたかったが、念願の日光白根山を狙うことにする。
3連休なので、相当混んでいるだろうと予想していたが、到着時間が遅かったため中禅寺湖付近は既に閑散としていた。中禅寺湖から大好きな戦場ヶ原を過ぎ湯ノ湖へと向かう。日光白根山へのルートは幾つかあるが、今回は湯元温泉を起点とする。
湯元本通り北湖畔駐車場に到着。端の方に寄せて泊りの準備をする。
急いで出てきたので、準備までしてあったのにヘッドライトと手袋をザックに入れ忘れたことに気が付く。痛恨のミス。4:30出発を考えていたが、日の出より若干早めの5:30を出発時刻とする。
4:30、起床。トイレで顔を洗ってシャキッとする。外に出て空を見上げると満天の星空があった。一つひとつの星がキラキラと輝いていて、今年一番の密度の濃い満天の星空だった。登山日和の嬉しい予感がする。
5:40を少し過ぎて出発。日の出には早いが予想通り足元はもう十分見えている。湯本温泉スキー場の脇からゲレンデを抜けて登っていく。スキー場のキャンプ場には、幾つものテントが並んでいた。
林道を使ってゲレンデを登っていく。途中、振り返ると湯ノ湖が見えた。どことなく裏磐梯山登山口の風景を思い出す。
ゲレンデ奥のところで左に折れて、いよいよ本格的な登山道が始まる。斜面から2,100m付近の稜線までを一気に登るため、そこそこの急登が楽しめる。急登ハンターとしては申し分ないコースだ。ただし、ガレていて浮石があったり、木の根っこが張り巡らされているので、特に降りは相当注意が必要だ。
登っている途中、今年最初の霜柱を見つける。肌寒いと思っていたが、高い山ではもう冬支度が始まっているようだ。更に登っていくと、そのうち顔に冷たいものが当たるようになってきた。小さいながら雪が舞っている。上に行けば行くほど吹雪のように強く吹き付けてくるため、指先が凍えて痛い。つくづく手袋をしまい忘れた迂闊さを呪う。
稜線にでると右に折れ、暫く水平移動となる。登りの重力から解放された後の縦走感が楽しい。暫くして天狗平に到着。名前からそこそこ広い平地を想像していたが、意外に小さかった。本来であればこの付近から白根山が見えるはずなのに、山頂付近のぶ厚い雲に隠れていて何も見えない。
再び斜面と向き合いながら登っていくと前白根山に到着。雲の中に突入したのか、周囲は霧の中で何も見えない。ただ、前白根を降る際に一瞬霧が動いて、沼の一部が見えた。五色沼だ。風が一層強くなってきた。吹き付ける小雪から防寒するためにレインウエアを着こむ。
前白根山から白根山へは一旦、五色沼避難小屋まで降った後、登っていくコースとなる。五色沼避難小屋を過ぎると稙層が変化しダケカンバが増えてくる。ただ、それもそう長くなく、すぐに森林限界となりガレた登山道となる。
登っている最中、霧が大きく動いて周囲がよく見渡せるようになった。振り返ると眼下に大きな五色沼がある。今度は全体がはっきりと見えていて、美しいエネラルドグリーンの五色沼の湖畔が見えた。角度的に場所がよかったのか、少々いびつながらハート型に見えた。このまま山頂の雲も動いてくれるとよいが。
果たして、山頂には着いたものの望みかなわずで真っ白な世界だった。ただ見上げると、時折、薄くなった雲の合間から太陽のシルエットが見える。ひょっとしてたら一瞬の晴れ間があるかもしれない。コーヒーを淹れて、身体を温めながらその時を待つ。それにしても凍える寒さで指先がもうプチ凍傷でジンジンしている。周囲には、同じように晴れ間を待つ人が大勢いたが、徐々に諦めて去っていく。寒さに強い自分もさすがに身体の芯まで冷え切ってきたので、帰路の時間も考えて下山することにする。ここ最近、山頂からの眺望では惨敗続きだが、それも再チャレンジする良い理由になるというものだ。
降りは弥陀ヶ池方面へルートをとる。崖のような斜面で、下からも多くの方が登ってくるが、この斜面を登りに使うのは結構大変だと思った。
降っていくと、弥陀ヶ池が見えてきた。五色沼よりは一回りも二回りも小さい。
弥陀ヶ池がよく見下ろせるところまで降りてくると、周囲の樹々が白く輝いていた。まさか、と思ったが、斜面の位置が好条件を作り出しているのか、その一帯だけ樹氷の世界が広がっていた。正確には霧氷なのか。いずれにしても一足早くこの時期にこんな風景を見ることができるなんて。思わず感嘆の声がもれる。
樹氷の世界を抜け、弥陀ヶ池へと降りてきた。
静かな湖畔で、想像よりも透明度の高いどこまでも透き通った綺麗な水だった。ここで休憩する人も多いようだが、時間的に五色沼まで移動してから昼食をとることにしたる。
遊歩道のような道で森の中を抜けていくと、視界が開けたところで五色沼が見えてきた。
白根山頂の雲もついに動いたようで、ゴツゴツした岩肌の男らしい頂が、憎らしいほどの青い空に聳えていた。あまりのカッコよさにもう一度、登りたくなった。
五色沼の湖畔に腰を下ろし、お昼ご飯とする。日差しが温かく、座って湖畔に映りこむ樹々や空の風景を眺めているだけで心地よくて癒される。いつも弾丸登山ばかりだが、こんな時間も大切だ。
当初、登りとは別なルートで周遊して湯元までへ戻ろうと考えていたが、笹が酷く歩きやすい道ではないとのことだったので、五色沼から前白根山へ戻り元来たルートで帰ることにする。五色沼はすり鉢状の底に位置しているので、まずは鉢の斜面を登って前白根山と白根山を結ぶルートに合流する。
朝の段階では霧と強い風が吹き荒れていたが、今は、温かい日差しで遠くまで見渡せる。
白根山の眺望はは叶わなかったが、その分、前白根山の眺望は楽しめそうだ。
振り返るとよく写真でも目にする白根山と五色沼の贅沢な景色。いつか必ず、季節を変えてまた戻って来よう。。。日光白根山は噂たがわぬ本当に晴らしい山だと総括に入ろうとしたが、前白根の山頂にたどり着くなり目に飛び込んできた景色を見てもう一度驚く。ピークは過ぎているものの、どこまでも広がる赤の絨毯。雄大な奥日光の紅葉が広がっていた。
右手側には奥日光のシンボルとして大きな男体山が聳えていた。こちらも赤を纏っている。
赤い絨毯の向こう側には幾重もの山が連なっていて、更に奥には尾瀬も見える。シーズン遅しと諦めていたが、こんなに一面に染まった素敵な紅葉を見ることが出来るなんて思わなかった。くすんでいてこの感動ならば、ドンピシャだったら、感動で涙を流すに違いない。日光のポテンシャルの高さにただただ感服。これは絶対に来年も狙うしかない。
それにしても、白銀の樹氷と深紅の紅葉の絨毯、本来、季節を異にする白と赤の競演を同時に見ることができるとは、今日は本当にラッキーな一日だった。間違いなく思い出に残る登山となった。
湯元までの急な斜面を降って、駐車場へと戻る。折角、日光に来たので日帰り温泉で汗を流すことにする。選んだのは、駐車場のすぐ脇にある日光山温泉寺。500円。お風呂は小さいが、良質なお湯でとても気持ちが良かった。

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • 五色沼は見る人によって、色が違うのでしょうか?

  • 春には春色。夏には夏色。秋には秋色。冬には冬色を見せてくれるんだと思うよ。でも、近づいてみると、とてつもなく透き通っていて無色透明。
    と言う五色かな。

登った山

日光白根山

日光白根山

2,578m

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