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行程・コース

天候

晴れ、風なし。

登山口へのアクセス

バス
その他: 【行き】池袋駅(西武池袋線)05:00〜小手指駅と飯能駅で乗り換え〜06:48西武秩父駅(徒歩)〜御花畑駅(秩父鉄道)07:18〜07:39三峰口駅(小鹿野町営バス)07:48~薬師の湯バス停で乗り換え~08:31日蔭バス停
【帰り】小倉バス停16:45ごろ(タクシー6140円)~17:15三峰口駅(秩父鉄道)17:19~御花畑駅(徒歩)~西武秩父駅18:25(ちちぶ44号)~19:10ごろ飯能駅※事故で運行ストップ~飯能駅20:30ごろ~21:45ごろ渋谷駅

この登山記録の行程

09:15~日蔭バス停スタート
10:10~林道から尾根に取りつく
10:50~850m付近の急登を右(西)から巻く
11:20~990m付近の岩
12:13~瞽女ヶ岳1208m山頂~12:34
12:58~1195m地点
13:16~山名標「大谷1195.2m」あり※実際の標高は1210m
13:35~1284m地点~13:46
14:00~山名標「大谷1195.2m」に戻り下降開始
14:30~927m地点
14:50~752m地点
15:04~大谷集落背後の畑の鹿よけネットに出合う
15:30~林道に出る
15:46~県道279号に出る
15:55~小倉バス停

コース

総距離
約12.2km
累積標高差
上り約1,392m
下り約1,282m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

辺見尾根(あるいは行者尾根)の偵察山行2回目。前回のアツモノに懲りてナマスを吹きながら歩いたが、難所と呼ぶような場所がなく拍子抜けした。とくに下降路で選んだ「山名標・大谷1195.2m」地点から出原集落に下る尾根が一般登山道のように歩きやすく、辺見尾根と交通機関を結ぶ簡便なルートを見つけたのは収穫だった。
※1回目の偵察記録はこちら
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=181484
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※全行程オフトレイル、一般登山道ではありませんから道標や明瞭な登山道はありません。
※「地理院地図」にすると標高が確認しやすいです。
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【アプローチ】
3週間前は日蔭までの運行だった小鹿野町営バスは、終点の日向大谷のひとつ手前の小倉コグラまで行くという。福岡からやってきた登山者と乗客はふたり、ポツポツとおしゃべりしながら山道をゆく。トイレのある日蔭で降ります、と運転手さんに伝えると「どこに登るんですか」という話になる。藤指から登ってあの尾根を、両神山のほうへ適当に歩くんですよ、と答えれば運転手さんは「ああ、マニアのかたなんですね。ときどきいますね」。かつては畏敬のニュアンスも多少はこめられていたはずの「マニア」も、いまや揶揄と軽蔑の混ざり物になりきって「オタク」と同義語である。ただのハイカーから一段昇ったなんて喜んでいる場合ではない。マニア呼ばわりされて早起きの眠気が吹き飛んだ。
地名のとおり、空は青々とした好天なのに陽が射さない日蔭の観光トイレを借り、寒さに震えながら登り支度を整える。GPSの動きがおかしく、調整に時間を費やす(再起動で復活した)。さらに「八幡神社の鉄砲祭りってどこでやるのかご存知ですか?」と道をたずねるご夫婦あらわる。周囲に人影がないとはいえ山登りの格好をしたよそ者に聞かれても困る。おつきあいしてずいぶん時間を費やした。
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【登り~瞽女ヶ岳まで】
県道279号の大神楽から林道藤指線に入る※写真2。地図上の大きなカーブの四つ目、標高620m付近で林道の隣の尾根にすんなり取りつく。投棄された洗濯機がよい目印になってくれる※写真3。
標高850m付近で尾根の幅はあるが傾斜のキツい登りに出合ったので、右(西)から巻いた。ただし尾根筋に戻ってみると東側に下るピンクテープと明瞭な踏み跡があったので、ルートをミスしたかもしれない。あるいは林道に下りる仕事道かもしれず、歩いていないので明確なことは言えない。990m付近では岩に突き当たる※写真6が、下部やや左から右上にルンゼ状を登ることができた。1030m付近のピークへ上がり直進したが、東側の林道に下ってしまう尾根であることに気づき右へトラバースして戻る。ここまで踏み跡は明瞭で各種の境界標などもある。尾根の進行方向左(東)が植林、右(西)が自然林であることが多かった。
1150m付近から頂上までのあと数十メートルが急傾斜になる※写真9。指を木の根にひっかけ、吟味して石の頭に爪先を乗せ、木にしがみつき根元に上がる。四つ足の登りで瞽女ヶ岳ゴゼガタケ1208mに立った※写真10。ピークはヤセ気味の尾根のひとつの頭といった風情だ。ごく狭い山頂でザックやヘルメットの置き場に気をつけておにぎりを食べた。
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【辺見尾根、瞽女ヶ岳~1284m地点まで】
瞽女ヶ岳から辺見尾根を西に向かって下る。距離は短いがザレて石が抜ける急斜面なので慎重に脚を運ぶ。以降は緊張することのない楽しい尾根歩きとなる。北面が自然林、南面は植林であることが多く、鞍部でピンクや黄色のテープをずいぶん見かけたので、南の両神小森方向へ降る仕事道がきっとあることだろう。1195.4m地点(大谷山か?三角点は見落とした)から鞍部へ下り登り返すと岩があらわれるが※写真11、割れ目を問題なく通過できたと記憶する。1284m地点の手前、尾根の中央が窪んだ地形があり幕営適地かと思う。13:35、1284m峰に着く※写真12。山名標などは見当たらなかった。
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【大谷集落への下降】
1284m地点から戻り、計画通り1195.4m地点と1284m地点の中間あたり、標高1210m付近のピークから下降を開始する。行きは気づかなかったが、ここに「大谷 1195.2」の標識が取り付けられているのはナゼだろう※写真13。
さて、前回の辺見尾根からの降りでは死ぬ思いをしたのでずいぶん身構えて下り始めたが、この尾根は易しかった。岩や急斜面などの難所はまったくなく、おなじ尾根からおなじような標高差を下るとはとても思えない。927m地点と752m地点の中間に祠がある※写真15。752m地点からは尾根をはずれて右折し、大谷オオヤの集落を目指す。昔は信仰の人が上り下りしたのだろう、道の型が残っている※写真16。集落の屋根を眼下に眺め、発電機らしい音を耳にしてから、この日最初で最後の悪場に出合うことになった。
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【エピローグ】
国土地理院の地図は大谷集落の背後に、律儀にも「畑」マークをふたつ入れている。寄り添って何軒かの家がかたまるごく小さな里の畑が、小学校の校庭くらいのスペースで斜面に開かれている。ザレた斜面を下って行き着いたのはこの畑地で、そこには鹿よけのネットが張られていた。ネットにダメージを与えてまで畑に入るのは憚られた。南の尾根のむこうには、登山者から「環境整備費」を徴収する登山道(私道)があるという情報が、オレンジ色のネットをずいぶん高いものにしている。
しかたなくネット沿いに林道を目指して降りてゆくが、そこは文字通り崖っぷちだった。集落の北から東をぐるっと周回し、南にまわりこんだときにもうダメだと思った。林道まで数十メートルのこんな場所で墜ちてしまっては、まさに「マニア」の行為ではないか。正気を取り戻せ。ハイカーに戻ろう。はいつくばり潅木をひっつかんで戻り、ちょっとした岩と木を利用してネットをなるべく揺らさないようにして畑の敷地内に飛び降りた。
畑では老人が三人、手入れの最中だった。発電機に聞こえたのは古めかしい耕運機のエンジン音だったのだ。ヘルメットをとり、腰をかがめて近づいてゆく。ずみません、お邪魔しております。ご主人は?あちらのかたですか。
瞽女ヶ岳に登り背後の尾根から降りてきたこと、集落敷地に入らないようにしたかったが周囲が崖でやむを得ずネットを越えてしまったこと、お詫びしながら事情を説明した。
瞽女ヶ岳かい。なーんも。入口から入ってくればよかったのに。(そのような場所は見かけませんでしたが。。。)左卜全に似た老人は耕運機を押す手を止め、地元言葉でそういってくれた。内心大いにほっとしながら尾根をなんと呼ぶのか聞いてみたが、とくに名前はないという。深くお辞儀をしてから集落のなかの小道を下り、林道へ出た。
出原イデワラで県道279号に出てから下らずに、逆の上流方向に向かったのは計算が働いたからで、小倉のバス停には16時前に着く。次のバスまで1時間半待ち。しかし20分ほどすると、はたして福岡からの登山者が降りてきた。多少の議論はあったものの説得してタクシーを呼ぶことになり、三峰口駅で秩父鉄道に飛び乗れたあたりでは彼も選択に納得してくれた様子だった。明日は甲武信ヶ岳に登るという彼と握手で別れ、いつもどおり味噌ポテトフライとハイボールを口に運びながら、マニアとハイカーを分かつオレンジ色の境界のことを考えた。

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装備・携行品

【その他】 サロモンのX Ultra 3。テスラのタイツ、ユニクロのショートパンツ。全行程マウンテンハードウェアの長袖にモンベルのヤッケ、ブラックダイヤモンドのハーフフィンガーグローブ、モンベルのヘルメット。ザックはロウアルパインの25リッターに、雨具・ヤッケ・ロールペーパー・ヘッドランプ・スマホ・バッテリー充電器と予備電池・ココヘリ発信機・地図、カロリーメイト2パック・コンビニおにぎり3個、ユニクロのライトダウン、下山後の着替え一式。キャメルバックのハイドレーションに水2リッター(残量1.2L)。スタート時重量7kg。

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