• このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

辺見尾根偵察その3(出原BS~辺見尾根~清滝小屋)ワンデイ スクランブリング

辺見岳、エビヅルの頭、三笠山( 関東)

パーティ: 1人 (加藤キーチ(モンターニャ) さん )

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

行程・コース

天候

うす曇り、正午あたりから好天、無風であたたか

登山口へのアクセス

その他
その他: 【行き】池袋駅(西武池袋線)05:00〜小手指駅と飯能駅で乗り換え〜06:48西武秩父駅(徒歩)〜御花畑駅(秩父鉄道)07:18〜07:39三峰口駅(小鹿野町営バス)07:48~薬師の湯バス停で乗り換え~08:39出原バス停
【帰り】小倉バス停(小鹿野町営バス)17:28~17:55薬師の湯バス停18:15~19:04西武秩父駅19:25(西武池袋線、特急ラビュー)~20:46池袋駅

この登山記録の行程

08:40~出原バス停
09:00~林道大谷線から尾根に取りつく
09:45~752m地点
10:20~927m地点
10:52~辺見尾根1210m付近のピーク(山名標「大谷1195.2」あり)
11:14~1284m地点
12:59~1313m地点
14:14~辺見岳1378m(辺見岳南峰、逸見ヶ岳ヘンミガタケ、双子山とも)※地理院地図に記載なし
14:59~1351m地点
15:28~エビヅルの頭※地理院地図に記載なし
15:49~1418m地点(三笠山)
15:59~一位ヶタワ※鞍部、地理院地図に記載なし
16:15~清滝小屋
16:55~会所※七滝沢コースとの合流点
17:14~日向大谷
17:26~小倉バス停

コース

総距離
約10.1km
累積標高差
上り約1,302m
下り約1,248m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

辺見尾根(あるいは行者尾根)の偵察山行3回目。出原の集落から尾根に上がり、1284m地点~辺見岳~一位ヶタワと核心部を歩いてきた。
※1回目の偵察記録
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=181484
※2回目の偵察記録
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=182652
.
※清滝小屋以降をのぞく全行程オフトレイル、一般登山道ではありませんから道標や明瞭な登山道はありません。危険箇所も多い尾根です。
※本文中の地点や標高は「地理院地図」に基づきます。
※GPSの設定に失敗したため、ログが粗くなってしまいました。
※「スクランブリング」の意味についてはこちら。
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=167616
.
【概略】
登山記録にロープの使用が散見される辺見尾根のもっとも難しいパートのようなので警戒したが、実際には「ルートを誤らなければロープなしでも安全に歩きとおせる」。林業の方々が入って難易度が下がっている印象だ。この尾根を歩く条件としてオフトレイルを歩き慣れていること、コースタイムの7割以下で歩けるスピード、GPSアプリを使いこなせるか、を挙げておきたい。
.
【アプローチ】
親知らずの抜歯後二日目、左のほほをヒマワリの種でいっぱいにしたハムスターみたいな有り様で井原イデワラバス停で降り、林道大谷線に入る。尾根にもっとも近いと思われる林道のカーブ地点から取り付いたが、谷をトラバースすることになり手間取った。時間的に最短距離とは思えず、10分ほどロスしたと思う。左が植林、右が自然林で各種境界標識がある尾根を問題なく登る。10:52、標高1210m付近の辺見尾根の小ピークに上がった。
.
【1284m地点~1313m地点】
辺見尾根を西へ向かい歩き出す。11:04、幕営適地を通り過ぎる※写真7。11:12、1284m地点に到着、前回歩いたここまではなんの問題もない。ここからが正念場だ。鹿除けのネットが尾根の進行方向左側(南)にあらわれ、以降かなりの距離をネットに沿って歩くことになる※写真8。
11:24、鞍部に降りる※写真9。写真では険しそうだが、記録を残していないので特に問題はなかったはずだ。登り返して最初の大岩はネットに沿って左(南)から越えた※写真10。ふたつめ、おなじくネット沿いに進むと崖の上に出る11:39。踏み跡があるようにも見え下降を試みるが悪く、引き返すと北(進行方向右側)の下方にピンクテープを見つける。木につかまりながら下り、崖を巻き終えると左上方にピンテがあり※写真11、このルンゼを登って尾根に復帰する。林業関係者がつけたテープだと推測するが、まず安全なルートだった。
地理院地図では1284m地点から1313m地点に向かう途中の、尾根が90度左に曲がる小ピークへは根っこに指をかけ、木にしがみつき根元に上がる動作を繰り返す。この山域らしい急傾斜だったが、ピークは崖の上にありどちらへも降りることができない。戻って南面の落ち葉のバンドをトラバースし、右上にあらわれるピンテをたどって問題なく巻くことができた12:16。
この後も1313m地点まで岩峰がふたつあったと記憶するが、どちらも北=右側を巻くことができた。みっつめを無理して直進したところ、再びあらわれたネットの反対側に出てしまい、ネットを越えるのに苦労した。
12:59、1313m地点到着。ここまで「難しい場所では北面に進路の可能性があった」ことを記録しておく。
.
【辺見岳を越える】
一連の「巻き」を終え、尾根はひとときのんびりした雰囲気になるがこれで終わりのはずもない。辺見岳は二段構えになっていた。13:20、まず辺見岳基部の岩場に当たる※写真14と15。大きな岩で巻くにも困難を感じる。ところが基部左(南)の傾斜をくだって偵察すると右上に上がるガリーがある。斜度はあるが岩がしっかりしておりホールドも十分、上部で最短距離を行こうとして難しくするルートミスをやらかしたが、この南まわりは安全だった。頂上近くでもういちど岩に出合う※写真17。右上に向かって落ち葉のバンドがついているが※写真18、傾斜して落ち葉が積もっているうえに手がかりがなく、下は数メートルの崖になっている。安全を優先してもう一段下から巻いた。
14:14、辺見岳(南峰)1378m着※写真19。ピークからわずかに戻り、南側の急傾斜を降る。ルートは辺見岳山頂を構成する大岩の基部を巻いて尾根に復帰する※写真20。次の1351m地点との鞍部にむかう途中にある岩は、南面を岩から離れずに巻いた※写真21。
.
【一位ヶタワまで】
1351m地点をこえて進むと崖の上に出る※写真23。尾根筋と地形図上の崖地マークが接するあたりだ。一見して降りることはかなわないのであたふたしたが、疲労のなかで周囲を見回すと北側に吊り尾根状態で稜線が続いているのを発見、ほっとする。奇跡のような地形だった15:06。
15:22、三笠山へのルート上では屈曲点にあたるピーク(=エビヅルの頭)の基部でも岩にあたる。巻こうかと考えたが倒木がとおせんぼをしていたのでまっすぐ登り、途中で木にしがみつきながら右(北)に逃げたつもりが、最後にコケの急斜面にあたった。問題はなかったがルートをミスしたようだ。這い上がると逸見大四郎の像が両神山を向いて立っている※写真24。さらに進むと天狗が三人ならんで立つ※写真27エビヅルの頭に達した。
三笠山基部でも岩にあたるが、ホールドのしっかりした3mほどを登れば右側の潅木帯に逃げることができる※写真28。15:49、ここにも三体の石像が立つ三笠山1418mに立った※写真30。一位ヶタワへの下りはあっという間で、15:59着※写真33から35。
.
【エピローグ】
本来なら日向大谷まで来るはずの町営バスは台風の災禍でひとつ手前の小倉コグラで折り返して運行している。次のバスは17時28分、それを逃すと18時45分の終バスまで待たねばならない。
持ち時間は1時間半を切っていたから、走れるところは走って降った。幸い、一位ヶタワから清滝小屋までの廃道は道型がはっきりしている※写真36ので迷わずにすむ。16時15分清滝小屋※写真37、一般登山道になる。30分には日が没した。ヘッドランプの明かりをたよりに沢の渡渉を繰り返し、沢にむかって急斜面の上につけられたトレイルを駆け降る。辺見尾根での体験が感覚を麻痺させたのだろう、危ないとは思わないし危なっかしいステップもまったくなかった。17時14分日向大谷、舗装路をかなりの強度で走り続ける。途中でやはりランプを灯したペアを追い抜き、思ったより遠い「バス停ひとつぶん先」の小倉には発車2分前、26分にたどり着いた。
ハイカーたちのなかにおだやかなソロ男子がいて、日向大谷から両神山を往復するあいだに皆と会話を交わし知り合いになっているらしい。ヘルメットをかぶっていたからだろう、八丁峠からですか、辺見尾根?どこですそれは。からはじまって西武秩父駅までの車中ずっとおしゃべりをした。しゃべりながら山中で抜歯後の痛みを全然感じなかったことに気づき、3回に渡って偵察山行を繰り返した長く険しい尾根をデイ・ハイクで歩きとおすプランがだんだんとリアルになっていった。

続きを読む

フォトギャラリー:38枚

すべての写真を見る

装備・携行品

【その他】 サロモンのX Ultra 3。テスラの冬用起毛タイツ、ユニクロのショートパンツ。テスラの冬用起毛インナーにマウンテンハードウェアの長袖(途中で脱ぐ)にモンベルのヤッケ、ブラックダイヤモンドのハーフフィンガーグローブ、モンベルの薄手のバラクルバとヘルメット。ザックはロウアルパインの25リッターに、雨具・ユニクロのライトダウン・ロールペーパー・ヘッドランプ・スマホ・バッテリー充電器と予備電池・ココヘリ発信機・地図、カロリーメイト3パック・コンビニおにぎり3個、下山後の着替え一式。キャメルバックのハイドレーションに薄めのスポーツドリンク2リッター(残量1L)。スタート時重量6.5kg。

みんなのコメント

ログインして登山記録にコメントや質問を残しましょう

登山計画を立てる