本仁田山から川苔山、日向沢ノ峰、棒ノ嶺 ワンデイ・ウインターハイク
本仁田山、川苔山(川乗山)、日向沢ノ峰、長尾丸山、槙ノ尾山、棒ノ嶺(棒ノ折山)( 関東)
パーティ: 1人 (加藤キーチ(モンターニャ) さん )
本仁田山、川苔山(川乗山)、日向沢ノ峰、長尾丸山、槙ノ尾山、棒ノ嶺(棒ノ折山)( 関東)
パーティ: 1人 (加藤キーチ(モンターニャ) さん )
晴れ、午前中は風があり寒さに震えた。
電車
その他:
代々木駅05:16~05:55立川駅06:04~06:34青梅駅06:35~07:18奥多摩駅
08:05~奥多摩駅スタート
09:30~本仁田山、休憩5分
10:02~大ダワ※地理院地図に記載なし、休憩3分
11:03~川苔山(川乗山)、休憩10分
11:55~踊平※地理院地図に記載なし
12:12~日向沢ノ峰、休憩15分
12:50~送電鉄塔50号
13:35ごろ~長尾丸山を巻く
13:58~945P(槙ノ尾山)
14:10~棒ノ嶺(棒ノ折山)、休憩10分
14:27~権次入峠
15:14~白谷沢登山口
15:30~さわらびの湯バス停
ヤマノボリの格好で早朝の中央線に乗ったのに山に登る気がしない。終点の奥多摩駅で降り、地図を眺めて「本仁田山ってのが近いから登ってみるか」と渋々歩きだしたが、後半思わぬ知己を得て充実した山行になった。
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○ 概略
日陰に残った残雪が凍結し、日なたはぬかるみ、トレイルは低山テクニカルルートの状態だった。ほとんどのハイカーが必要な場所で滑り止めを装着していたが、『本日はバランストレーニングの日』と決めてチェーンアイゼンはザックにしまったまま歩き通した。
川苔山周辺は登山道が入り組んでいる。得意の道迷いを心配したが、道標がしっかりしており杞憂に終わった。
午前中、西からの風が冷たく登りでも震えながら歩いた。ファストハイクにこだわりローカットシューズ+タイツ姿で歩くのだから仕方ない。
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○ プロローグ
登山届けは惣岳山~棒ノ嶺~有間山稜で出してあったが御嶽駅で降りられない。終点の奥多摩駅の暖房の効いた待合室でぬくぬくして腰を落ち着けてしまう。駅前の飲食店が開いていたらザックを投げ出して燗酒でも飲みはじめていただろう。
先週、石尾根から雲取山へ登り下降路のなんでもないところで足を捻った。億劫な気持ちの原因のひとつは確実にコレで、痛みを気にしながら冷えこんだ山中を歩きみじめな気分を味わいたくなかった。
なんとか地図を開き、駅から直接登れる本仁田山という山にとりあえず登ることに決める。電車が2本着きバスが2台出発して閑散とした駅前を後にし、左脚を気にしながら車道を登山口へ向かった。
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○ 本仁田山まで
車道歩きのあと民家の庭先を通り登山道に入る。いきなりの急登でしかもザレているので、モチベーションが低いまま歩くにはキツかった。九十九折を休み休みの登るとウエアの調節でもしているのか、ソロハイカーがトレイル脇でザックを開けている側を通過する。やがて細身の若者二人を抜く。このさき追いつかれれば「ペース配分のわからない奴」になってしまう。やっと正気のスイッチが入った。
それにしても急な登りが延々と続く。駅の待合室で地図を眺めたときに、大休場尾根を上がるトレイルが等高線をまっすぐ突っ切るのを見逃している。標高525mの安寺沢から本仁田山頂1224mまで道中1.7kmの勾配は、41%と出るからキツいはずだ。振り返ると富士山を眺めることができるのが慰めだった。左足の爪先の上げ下ろしに支障があり左はふだんより高く持ち上げ登り続け、息も切れ切れになって山頂にたどり着く。
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○ 川苔山(川乗山)まで
標高1000mの大ダワまで降って登り返す。ここも急登である。風が強く体感温度が低く、バラクルバで口と鼻を覆いながらの登りになる。「鋸尾根」の名前のとおり途中で剣呑な地形もある。川苔山東側の十字路が近づくにつれ残雪があらわれはじめ、日陰は凍結している。斜面のトラバース道が20mほど凍結している箇所では、先行するパーティがアイゼンをつけ通過後すぐはずしていたが、これが正しいハイカーの歩きかただろう。山側に手をつきながら慎重に足を運んで通過した。山頂まで引き続き凍結しており、トレイルわきの踏まれていない部分や草の上に足を置いて歩いた。山頂からの展望はすばらしく、この眺めが人気の理由なのかと思う。カップ麺の匂いが漂っていなければ最高だった。
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○ 日向沢ノ峰まで
踊平までは引き続き残雪や凍結路の歩きにくいトレイルが続く。残雪が消えればぬかるみになる。泥で靴底を重たくしながら足を運ぶ。刈り払われた防火帯の尾根道は見晴らしが利き気分よく歩けるが、川苔山以降は人気が途絶えている。急な登りを二箇所こなし、静かな山頂で富士山の眺望を楽しみながらのんびりした。
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○ 棒ノ嶺まで
日向沢ノ峰から長尾丸山~棒ノ嶺への都県境の稜線は降りはじめが足場の良くない急降下となる。再び残雪と凍結があらわれる。左足の置き場や角度に注意しながら降っていると、チェーンアイゼンをつけた軽装のトレイルランナーが上がってきた。滑り止めなしのこちらの足元を見て息を切らしながら「まだ、しばらく、、、雪がありますよ、」と教えてくれた。左足の爪先を伸ばして爪先着地ができない。軸足の役目をぜんぶ左脚に負わせ右を先発隊にして、そろそろと降る。送電線鉄塔を過ぎても巡視路を含めた急坂が続く。ここで背後に人の気配を感じ振り返ると登山者が距離をつめてくる。ガチのトレイルランナーは別にして、ハイカーに抜かれるのは珍しいので道を譲って懐かしく眺め、どこからですか、と声をかけた。「川苔山から。すれ違いましたよ」とのことで、山頂から凍結路を降っているときに行きあったらしい。
棒ノ嶺までは危険箇所のほとんどない単調な稜線だから、10m~20mあとについて引っ張ってもらう。降りで離される、登り基調で追いつく、といった繰り返しの中でぽつぽつと会話をした。百軒茶屋から沢をつめて川苔山に上がった。もっぱら奥多摩を歩いている。 本仁田山までが厳しくてびっくりしたと話したら、「そうでしょう。奥多摩でいちばんキツいんじゃないかなあ、あの登りは」とのことだった。奥多摩を代表する急登に「ヤル気も湧かないし近いからとりあえず」取りかかったのだから笑える。ヘルメットはいつもかぶってるんですかと聞かれて、帽子がわりですよと答えた。
長尾丸山手前の短いがザレてやっかいな急斜面をこなしピークへの登りにかかったところで、彼はピークを目指しこちらは巻道に入る。そのまま棒ノ嶺山頂に先着した。
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○ 下降
写真撮影時に落とした手袋の片方を探すのに手間取り2〜3分遅れて下山にかかる。白谷沢上部の崩落地点を大きく迂回するあたりで姿をみかけたが、それ以降は沢水の飛沫が凍ってスリッピーな石の頭や倒木の、沢筋のトレイルをピッチを上げて追いかけたのに捉えることができなかった。降りが早い。さわらびの湯バス停でやっとほぼ同着した。
着替える時間もなく15時36分のバスを待つ。3時台のバスで帰れるとは思わなかったと言っていたが、歩いた距離とトレイルの状況と脚の具合を考えればこちらも同感だった。競争はしないにしてもお互いに意識してピッチが上がっていたのだろう。脚の合うハイカーがいないから一人で歩いているけれど、脚が合う仲間がいれば山行のレベルを上げ可能性が広がるかもしれないことに気づかされた。
後ろを歩いて勉強させてもらい、おかげで充実した山行になりましたよ。またどこかでお会いしましょう。
【その他】 サロモンのX Ultra3とモンベルのストレッチゲイター。テスラの冬用起毛タイツにユニクロのショートパンツ。テスラの冬用起毛インナーにロングシャツ・マムートのソフトシェル、モンベルの薄手のバラクルバ・モンベルのヘルメット・ノーブランドのロンググローブ。ザックはロウアルパインの25リッターにモンベルのギアホルダーを外付け、雨具・チェーンアイゼン・ユニクロのライトダウン・ロールペーパー・ヘッドランプ・スマホ・バッテリー充電器と予備電池・ボイスレコーダー・ココヘリ発信機・地図、カロリーメイト4パック、菓子パン、下山後の着替え一式。キャメルバックのハイドレーションに薄めのスポーツドリンク1.5リッター(残量0.6L)。スタート時重量6.5kg |
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