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中禅寺湖に浮かぶ男体山を見たくて社山・半月山を縦走

社山、半月山( 関東)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

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行程・コース

天候

快晴

登山口へのアクセス

マイカー
その他: カーナビに「歌ヶ浜第一駐車場(日光市中宮祠)」をセット。その他目印は「イタリア・英国両大使館別荘記念公園」。大型の無料駐車場でトイレもあり、奥日光の散策、登山などで車中泊をしたい時に便利。社山への道は冬季通行止めになるので、駐車場からは中禅寺湖畔の歩道を歩く。通止めのゲートの手前にも駐車場があるが、小さいので前者がお勧め。ちなみに隣接する歌ヶ浜第二駐車場は除雪されていなかった。

この登山記録の行程

歌ヶ浜第一駐車場(06:26)・・・阿世潟・社山登山口(07:18)・・・尾根とりつき(07:30)・・・P1557(07:51)・・・P1633(08:42)・・・黒檜岳分岐(08:57)・・・社山(09:21)(休憩~09:40)・・・阿世潟峠(10:27)・・・半月峠(11:18)・・・半月山(11:37)(休憩~12:02)・・・半月峠・・・狸窪(12:46)・・・歌ヶ浜第一駐車場(13:22)

コース

総距離
約14.5km
累積標高差
上り約1,458m
下り約1,458m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

4時半に起床。日光運動公園の駐車場を拝借しての野宿だったので、警察に怒られないかびくびくしていたが、お陰様で無事一夜を明かすことができた。前日の野宿より標高を下げたこともあって寒さもそれほどではなかった。
外には星が出ている。今日は天気も期待できそうだ。
まだ暗いうちから中禅寺湖へと車を走らせる。
歌ヶ浜第一駐車場に到着。ちょうど登山者らしいもう一台の車と同時だった。
栃木県と言えば、登りたい山は幾つもあるが、その中でもどうしても登ってみたい山があった。栃木百名山には名前を連ねているものの一般的(特に北陸出身の自分にとっては)には無名に近い山。しかし、ある時、男体山を登ろうと調べているうちに、男体山がとても綺麗に映っている写真を見つけた。中禅寺湖と雲海に浮かぶように聳える男体山。一瞬で惹かれ、撮影場所を確認してみて社山という名前を初めて知った。「必ず登るリスト」上位の男体山だが、そこに登る前にこれは是非行かねばと心に決めた瞬間だった。
駐車場からは朝日を浴びてモルゲンロートの男体山が際立って美しく見えた。湖越しには三角形に整った社山も見える。早く、あの山頂から写真で見た風景を見てみたいと心が躍った。
湖畔沿いにゆっくり歩いていく。昨日の戦場ヶ原と同じく、道が完全に凍っていてかなり危険な状態だった。アイゼンを着用しようかとも思ったが、我慢して転ばないようペンギン足で歩く。
湖畔沿いを歩いて改めて中禅寺湖の美しさを知った。冬の早朝に散策コースとしては最高の場所だ。いつもなら登山前後の長い林道歩きに「ぶーぶー」文句を垂れるが、この日ばかりは楽しくて仕方がなかった。
長い道のりを経て阿世潟の社山登山口へ到着。さて、いよいよ登山開始と歩きかけたものの、このまま登ってピストンというのも面白くないと思い直し、もう少し社山を巻いてから登ることにした。
林を抜け小さい橋を渡る手前に「冬と春は積雪が多く非常に危険です。通行はご遠慮ください。」との看板があった。本来であれば、すっぽり埋まるくらい雪深い場所なのだろうか。「十分気をつけますよ」と頭を下げ先に進ませてもらう。
上の方までまっすぐに延びている尾根があったので、そこからアプローチを開始とする。
結構な登り斜面で、久しぶりに息を切らせ汗をにじませながら斜面と向き合う。これぞ登山って感じでたまらない。ただ、積雪が中途半端なため、気を許すとズルズルとずり落ちてしまう。
振り返ると、中禅寺湖に朝日が反射していた。
左側を見ると、社山の登山コースが見えた。2つほどピークがあって山頂に延びている。きっとガシガシ登っていくと、偽ピークに騙されるパターンだ。
取り付いた尾根のピークに到着。今まで隠れていた男体山も樹々の間から顔を覗かせていた。頭には雲をかぶっている。早くその雲を吹き飛ばしてくれ!!
ここから社山に向けて縦走に入る。それなりにアップダウンはありそうだが、峰伝いに問題なく歩いて行けそうだ。積雪は相変わらず少ないが、それでもところどころで吹き溜まりがある。昨日の雪か、膝まで埋まる場所もあったので、ザックを下ろしてワカンを装着。正直、必要性は全くなかったが、今年は一回もワカンが使えていなかったので、今日こそはワカン星人になる!と心に決めていた。ちなみに、ワカン星人とは、仲間内でワカンを装着して山歩きする人を言う。ワカン星人に変身。笑。
ここまで雪が少ないと、斜面ではむしろ邪魔になるが、それでもワカンが雪をかむ感触が楽しくて、つい自然と顔が緩む。やはり雪山は楽しい。
黒檜岳と社山の分岐手前のところで、視界が開けた場所があった。今まで見えなかった中禅寺湖の奥側が眼下にあり、その向こうに昨日歩いた戦場ヶ原が見える。更に奥には日光白根方面の山々が見渡せる。日光白根の前白根から眺めた戦場ヶ原も素晴らしかったが、ここからも戦場ヶ原が近くに見渡せて良い感じだ。予定外のコースを歩いた時に、偶然に絶景と出会うととても得した気分になれる。幸先の良いスタートだ。
近くで警戒を示す鹿の甲高い鳴き声が響いた。「人間が来たぞー!」っと叫んでいるに違いない。斜面を急いで移動している数頭の鹿を見かけた。
社山の最後の斜面を登る。急なうえ密度の濃い樹林帯で、進むたびに枝に引っ掛かって歩き辛くて仕方がない。最後の枝を払い、樹林帯を抜けた時はホッとした。
抜け切るとそこはもう山頂。
「社山」と書かれた小さな標識の向こうに、待ちにまった中禅寺湖と男体山が見えた。思わず「おぉーっ」と声が漏れる。そう、この風景が見たかった。
標高1,827m。大変失礼ながらこの時点で「社山」の読み方をまだ知らなかったが、憧れていた通りの風景を目の前にして、忘れがたい山となった。ちなみに読み方は、この先の看板で「しゃざん」と知った。変わった名前でこれもきっと忘れない要素の一つになるだろう。
ゆっくり男体山の絶景を楽しんだのち、正面のルートで降る。
降りに入って更に社山の素晴らしさを知る。まるで中禅寺湖に向かって空を滑走しているかのようなルートで、大パノラマが目の前に広がっている。一旦仕舞ったカメラを取り出して、パシャパシャ。同じような構図なのにシャッターが止まらない。
降っている最中に、もう一つ気になるものがあった。目の前にもう一つ高い山がある。しかも、気持ちよさそうな峰が足元からその山まで続いている。目測からさほど距離もなさそうと、ちょっと足を延ばしてみる。
阿世潟峠まで降って再び登りに入る。山を一つ越えて半月峠へ。歩く人も少ないのか、阿世潟峠からはノートレースだった。
これまた失礼ながら、半月峠で目指していた山が「半月山」という名前であることを知る。月が名前についているなんて、それだけで素敵だ。
峠から山頂までは距離はないが、とにかく斜面が凍っていて危なかった。転げ落ちないように注意深く登っていく。
山頂の周辺は樹林帯になっていたので、眺望はあるのかな?と心配になっていたらウッドデッキが目に入った。山頂の狭い場所に無理やりではあるが、立派な展望台が設置されていた。中央には長椅子も設置されている。展望台に立ってみると社山とはまた違った感動がそこにあった。
眼下の中禅寺湖がとにかくでかい。手前には半島のように八丁出島が延びている。左側には小さく可愛らしい上野島(こうずけしま)も見える。そしてその中禅寺湖に浮かぶように真正面に男体山が聳えている。社山からの景色も素晴らしかったが、スケール感ではこちらも負けてはいない。ちょっと動いただけなのに、こんなにも景色がドラマティックに変化するなんて山は面白い。やって来た社山の方に目をやると、さっきまで雲に隠れていた日光白根山が見えた。真っ白な山塊。日光白根の名がまさに相応しい。社山の左側にも高く特徴的な山が見えた。こちらは皇海山。近いうちにクラシックルートを攻めたいと思っている。
昨日とうって変わっての最高の青空。暫し展望台の手すりに腰を掛け、軽食をとりながらぼーっと一人の時間を楽しむ。エネルギー120%充填完了だ。
男体山の眺望を楽しんで、さて、これで登る準備ができたというもの。
待ってってよ、男体山!!。次は、男体山からこちらを眺める番だ。。。
地図によるとそのまま中禅寺湖スカイラインに沿いながら周遊できる遊歩道もあるようだったが、帰路の時間もあったので、 半月峠まで戻り狸窪へと下山する。狸窪へのルートも凍っていて危なかったが、九十九折の道だったため斜度はゆくる歩きやすかった。
狸窪の登山口から再び湖畔沿いに歩き、駐車場へと戻る。道中、社山や男体山を眺めながら今日一日の登山を振り返る。一枚の写真との出会いがなければ、存在すら知らなかった。出会いに感謝。また、今日の快晴に感謝。山との出会いも一期一会だ。

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • 白と青、やっぱり綺麗ですね。

  • ガシガシとラッセルしたかったー。今年の雪はもうないのかなぁ。

  • 男体山と中禅寺湖のコラボ絶景ですね。コロナか落ち着いたら行きたい場所が増えました。今週末楽しみにしています(^.^)

  • この時、雪は少なかったのですが、でも、景色は最高でした。男体山がカッコ良すぎます。今週末はスノーシューを持ち帰ります。ご一緒できると嬉しいです。^_^

登った山

社山

社山

1,827m

よく似たコース

社山 栃木県

男体山と対峙し、中禅寺湖や奥日光を一望

最適日数
日帰り
コースタイプ
往復
歩行時間
5時間20分
難易度
★★
コース定数
23
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