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春の神峰山 大煙突と大島桜を巡る

鞍掛山、羽黒山、神峰山( 関東)

パーティ: 5人 (Yamakaeru さん 、ほか4名)

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: カーナビには「かみね公園」をセット。かみね公園頂上駐車場(無料)。大型の駐車場があるが、観光で直ぐにいっぱいになるので早めの到着をお勧めする。綺麗なトイレあり。

この登山記録の行程

かみね公園頂上駐車場(08:00)・・・かみね公園展望台(08:18)・・・新田次郎文学碑(08:31)・・・鞍掛山(08:47)・・・大煙突展望台(09:43)・・・大煙突大接近(10:10)(休憩~10:30)・・・羽黒山(11:16)・・・神峰山(12:05)(昼食~12:55)・・・日鉱記念館(13:43)(休憩~14:05)・・・赤澤不動尊(14:27)・・・JX金属株式会社前(14:56)・・・かみね公園頂上駐車場(15:55)

コース

総距離
約19.6km
累積標高差
上り約1,121m
下り約1,118m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

日立市のシンボル「大煙突」。
日立製作所や日産自動車の母体となった日立鉱山と地域住民が環境破壊を乗り越えたシンボルで、新田次郎の小説『ある町の高い煙突』の舞台でもある。完成当時は世界で最も高い煙突であったが、残念ながら1993年(平成5年)2月19日に約3分の1を残して倒壊。しかし、今もなお日立の象徴的な存在であり続けている。
大煙突の大ファンでもあるMさんから見学ツアーを企画欲しいとの依頼。大島桜には少し早いが、春の神峰山「大煙突と大島桜」と銘打ってツアーを決行することにした。
参加者は、Mさん、Tさん、Kさん、そして大先輩のIさん。Kさんは熊本出身で登山初心者。折角なので茨城で山の魅力を感じてもらえればと思う。Tさんは、昨今の新型コロナウイルスの関係でナーバスになり引き篭もり気味だったため、今日は思う存分発散したいとのこと。いい汗をかけば、きっと元気も出る。
そして、到着するやいなや、やらかしたのはI先輩。よりによって「登山靴を忘れた!」の一言。絶句する全員を前に、慣れた手つきでサンダルにひもを通して、草鞋のように足に固定する。「これで大丈夫!」と得意げな笑顔。ま、プロなので心配は無用か。
「大煙突」の第1スポットとして、出発前にかみね公園の展望台に登る。春の霞でぼんやりしていたが、遊園地の観覧車越しに大煙突と神峰山が見えた。きっと、登山初心者のKさんには遥か彼方に見えていることだろう。
新田次郎の文学碑に立ち寄り最初の山「鞍掛山」に向かう。
鞍掛山の山頂では綺麗な桜が出迎えてくれた。眺望は決して良い方ではないが、ここから北茨城方面へと延びている海岸線と街並みの風景はお気に入りだ。
三角点のすぐ脇に「鞍掛山」の標識があり、そこには「鞍掛山を愛する会 石川県小松市」とある。「なぜ小松の団体がここに標識をわざわざ立てているのだろうか?」と以前からとても不思議だった。「きっと石川にも同じ名前の山があるんじゃないか。姉妹都市的な感じで。」とI先輩。確かに石川にも鞍掛山があった記憶がある。そもそも鞍掛山は、福井県にもあったし、権現山や愛宕山といったようにあちこちに存在する名前だ。その繋がりだろうかと、気になったので帰宅後に調べてみたら、はやりビンゴ。正式には「滝ヶ原町鞍掛山を愛する会」の方々で、小松と加賀の境界に位置する滝ヶ原町鞍掛山を中心に、全国21ヶ所点在する「鞍掛山」を巡られているとのこと。山を通じて縁を感じることができるなんて、なんて心温まる素敵な活動ではないか。
https://kurakakeyama9.jimdofree.com/
鞍掛山から大島桜が立ち並ぶ登山道を通って、一旦、生活道路を横切ってから、神峰山へと続く縦走路に入る。道路を横切ってからの最初の階段が、正直、日立アルプスと呼ばれる全工程の中で一番シンドイ場所だと思う。大島桜は、かみね公園のソメイヨシノなどに比べれば、まだ満開前だったが、緑の葉に対照的な白い花びらがとても綺麗に映えていた。
地獄の階段後は天国のような歩きやすい登山道が続く。茨城の縦走路はこのような道が多く、トレイルランナーには最高の場所だ。
本日、第2スポットとして、大煙突展望台に立ち寄る。展望台と言ってもちょっとした小高い丘があるだけで特に建物がある訳ではないが、ここから眺める大煙突は日立アルプスのルート上では一番よく見えるお勧めの場所だ。しかし、今日はもっと大接近するのが目的。羽黒山に向かう途中、とある場所で道を外れる。笹で覆われているため、気をつけていないと通り過ぎてしまうが、道が隠れているのは最初だけで、直ぐにはっきりとした登山道が現れる。多少荒れているものの迷うような箇所はない。そのまま真っすぐに進むと、目の前に大きな煙突が見えてきた。一等最初に来た時は、木が多い茂っていたので、煙突に気付かず尾根を降りかけてしまったが、今のシーズンはまだ裸の木が多く、はっきりと見ることができた。煙突の手前まで進むとフェンスが張り巡らされている。ここが今日の第3スポットでもっとも大接近できる場所となる。大煙突を間近に眺めることができると、大はしゃぎのMさん。そこまで喜んでもらえると案内した甲斐がるというもの。
充分、大煙突を堪能したのち、元の登山道へ復帰して先へと進む。当初は、この時点で全員の疲労度から、このまま進むか、かみね公園に折り返すかを判断しようと思っていたが、登山初心者のKさんも「まだまだ大丈夫ですよ」と明るい返事だったので、安心してそのまま続行することにした。きっと、あとでKさんは激しく後悔したかも知れない。可哀そうに。笑。
羽黒山に到着。昼食場所に予定していたが、時間的にも折角なので一気に神峰山まで目指してから昼食をとることにする。羽黒山から神峰山までの縦走路もなだらかでとても歩きやすい。ただ、若さパワーで頑張ってきたKさんも、さすがに疲れが出てきたのか、足取りが重くなってきた。あと少し!頑張れ!!
神峰山に12時に到着。できるだけゆっくり歩いていたので、もう少しかかるかと思っていたが、団体行動としてはまあまあだ。
神峰山の山頂が第4のスポット。ここからの大煙突の眺望はとてもしびれる。眺めとしては一番、煙突を遠くに見る形になるが、その奥には日立の市街地と海がよく見渡せ、鉱山によって発展してきた街とその歴史の移り変わりを感じることができる。
腰を下ろして待ちにまった昼食タイム。I先輩がカップラーメンやスープ物をいっぱい持ってきてくれた。あの小さいザックによく入っていたものだと感心する。
食事を終えて、下山開始。向陽台・御岩山方面へと進み途中から分岐して、日鉱記念館前へと下山する。分岐以降の道は、細く多少荒れている。
日鉱記念館前からはバスで戻る計画。予め時刻表で調べていたが、念のためバス停の時刻表を確認する。15:22発。
予定よりも1時間半近く余裕ができたので、日鉱記念館の見学をしようということになった。日鉱記念館へは、何度か足を運んだことがあるが、無料のPR館としては設備も整っていて、内容もとても充実しているのでかなりの穴場だと思う。でも、なぜか人が入っているのを見たことがない。笑。勿体ない。
ゲートを抜けて入ろうとしたら張り紙があった。「新型コロナのため休館」とある。ここにもコロナの影響か。。。幸いロビーが開いていたので、トイレだけお借りする。
バスが来るまでにはまだまだ時間がある。天気が良いのでこのまま歩けるところまで歩こうかと声が上がった。むろん、個人的には大賛成。車道の脇を、春の遠足のように一列になって歩く。黄色いタンポポや山吹も咲いている。普段だと林道歩きは大っ嫌いと散々文句を言うが、今日は歩いているだけで楽しい。
バスの時刻を気にしながら、時々、時計を確認しながら進む。
JX金属株式会社(かつての日立鉱山大雄院製錬所)前までやってくると、ローアングルからの大煙突とその全景を真正面に捉えることができる。ここが第5のスポット。日頃は車で通り過ぎるだけなので、気が付かなかったが山全体が要塞のようになっていて、かつての日立鉱山大雄院製錬所の大きさを感じることができる。
周囲の山々が、大島さくらで白く染まりつつある。煙突の建造前は煙害で枯山だったらしいが、煙突を建てたあとに植樹をして今や環境改善の証として、大島桜は春の風物となっている。花が咲き誇ると山全体が薄いピンクに染まるという。なんとも粋な話だ。
結局、バスは使わずに、かみね公園まで歩きとおした。工程の半分は舗装道路とは言え、初心者のKさんを連れて20km越えはやり過ぎたか?と少し反省したが、全員一様に達成感を味わい笑顔が明るかったので安心した。新型コロナの憂鬱も吹き飛ばして、また仕事も頑張れそうだ!!

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • 日本は広いですね。

  • 日立の大煙突、圧巻です。倒壊前の煙突を見たかったです。
    今週末は自粛しようと思うけど我慢できるかな…(^.^)

  • Shouさん、そう日本は広いんです。登りたい山も文字通り山のように。^_^

  • と言うことで、レオさん、立ち止まっている暇はありません。とは言いつつも外出自粛なので、誰もも会わないよう、本当に山の中に篭るしかないですか?ね。

登った山

神峰山

神峰山

587m

羽黒山

羽黒山

491m

鞍掛山

鞍掛山

248m

よく似たコース

神峰山 茨城県

日立市民に親しまれる神峰山縦走コース 日帰り

最適日数
日帰り
コースタイプ
縦走
歩行時間
3時間38分
難易度
★★
コース定数
16
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