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二万三千年前の神殿跡・葦嶽山

葦嶽山・鬼叫山(庄原市)( 中国・四国)

パーティ: 1人 (マローズ さん )

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行程・コース

天候

晴れのち曇り

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 中国自動車道東城ICを降り、県道23号を西進後、県道422号に左折し、灰原越まで行く。

この登山記録の行程

灰原越から葦嶽山頂まで50分ほど(鈩原山は経由しない)。下山は30分少々。

コース

総距離
約4.2km
累積標高差
上り約242m
下り約242m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

[日本ピラミッド第一号比定の山]
葦嶽山の登山道が整備されたのは昭和9年5月のこと。それはその一ヶ月前、ユダヤ研究家で牧師の酒井勝軍が葦嶽山と鬼叫山(800m)が「日本ピラミッド」であると発表したからである。
「日本ピラミッド」とは神社の原始の姿で、円錐形の山容をした拝殿山と本殿山の二座がセットになった神殿。山頂部を加工し、祭祀や天体観測等を行う石造物を築いていた。それは2万年以上前の超古代のもの。これは全国的規模のもので、昭和59年、サンデー毎日編集部が京都芸術大学の教授や地質コンサルタントを伴って葦嶽山(本殿山)と鬼叫山(拝殿山)を再調査したことがきっかけで、全国各地に新たに日本ピラミッドに比定される山が相次いだ。我が高知県では土佐清水市の足摺半島の白皇山と三ツ石山が比定されている。
尚、葦嶽山と鬼叫山は旧版の分県登山ガイドには収録されていたが、新版には掲載されていないようである。それは林道が延長され、短時間で登頂できる山になっている点と、荒唐無稽に思える伝説が影響しているのかも知れない。

コースの記録を取っておらず、地形図も持参せずに登山した(岳洋社の登山ガイドブックと道路地図のコピーのみ持参)ため、うっすらとした記憶と当時の写真を頼りに記述するしかない。
灰原越登山口には案内板が建っていたが、登山道は最初、藪に覆われ気味だった。それは岳洋社の登山ガイドブック(ワンデルングガイド・シリーズ)が出版されて以降、林道が東に延び、東方の登山口から登るハイカーが多くなったせいだろう。
最初は砂利道だが、やがて北側は雑木、南側はアカマツ等が生える笹原のきれいな道になる。この標高での笹原の道はやや意外。

途中、鈩戸山経由の尾根道と山腹を巻く道とに分かれるが、案内図に後者の道しか記載されてなかったようで、且つ楽なその道を進んだ。
山頂手前の丸木階段沿いには、鷹が大きく翼を広げ、今まさに飛び立とうとしている姿そっくりの鷹岩がある。庄原市発行の葦嶽山のパンフレットには、「エジプトの鷹神を思わせる」と記述されている。

葦嶽山山頂は如何にも何らかの遺構があったように、雑草のない地肌がむき出しの平地となっている。それ故展望は良く、道後山、比婆山等、備北の山々を望見することができる。酒井が登頂した昭和9年時はここに、御神体とされる花崗岩の直径3.6mの太陽石やそれを囲む方形磐境(列石)、その外周を囲む円形磐境があったようだが、酒井の「日本ピラミッド論」は邪教の類として、官憲に破壊・撤去されたため、何も残っていない。
酒井の論と、日本ピラミッドが記述された古文書「竹内文献」(武内宿祢の子孫が記したとされる)では、神武天皇以前の古事記に登場する神も皆、本当は天皇であり、天皇が世界の統治者であったとしているため、伊勢神宮と皇統の歴史を歪めたとして不敬罪に問われたのである(但し昭和19年に無罪判決が下った)。

葦嶽山と鬼叫山とのコルは休憩所になっている。鬼叫山山頂にかけては奇岩怪石や日本ピラミッド遺構が次々と現れる。
長さ1mほどのドルメン(卓状石)は供物台として利用されていたものだという。その上方には方位石と獅子岩がある。酒井は十字の人工的な切れ目を方位を表したもの、としていたが、前述の京都芸術大学教授の調査で、これは東西南北を表したものではなく、東西の切れ目は夏至線で、南北の切れ目は冬至線に一致していることが判明した。
獅子岩は横から見ると、獅子というよりも犬のように見える。

更に鏡岩と神武岩が現れる。前者は高さ3m、幅7m、推定重量100トン超の巨大なもので、昔は表面が鏡のようにつるつるしていたという。
神武岩も高さ6mもある巨大な石柱。数本あるが、立っているものは一本のみ。これは大正時代、この下に神武天皇が東征時に埋めた財宝があるという噂が立ち、村人が倒して掘ったため。
その立っている一本の天辺には、直径15cmほどの半球形の窪みがあるが、ここにはかつて夜光玉という球がはめられており、陽が昇ると太陽の光がこの球に当り、鏡岩に反射して、岩全体が光り輝いていたという。

鬼叫山山頂の記憶は残念ながらない。
機会があれば、足摺半島の日本ピラミッドの登山記録も投稿したい。

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