登山記録詳細
木曽駒ヶ岳~ハイジの世界と花崗岩の白が映える山をハイキング
木曽駒ヶ岳(中央アルプス)
この登山記録の行程
千畳敷(06:06)・・・乗越浄土(07:05)[休憩 5分]・・・宝剣山荘(07:15)・・・中岳(07:38)[休憩 10分]・・・木曽駒ヶ岳(08:15)[休憩 90分]・・・中岳(10:15)[休憩 10分]・・・宝剣山荘(10:36)・・・宝剣岳手前(10:40)[休憩 10分]・・・宝剣山荘(10:55)[休憩 05分]・・・乗越浄土(11:10)[休憩 8分]・・・伊那前岳(11:32)・・・乗越浄土(11:46)[休憩 10分]・・・千畳敷(12:47)
※本当ならば、濃ヶ池まで下り、花崗岩の稜線歩きをしたかったのですが、この日ロープウェイの利用客も多く見込まれ、12:00くらいまでにもどっても岐路のロープウェイの整理券の配布となり、120分待ちなんてなっても困るため、頂上と伊那前岳手前の九合目までに急遽切り替えました。整理券は13:00すぎから配布され、私はすぐ取得でき約30分待ちでしたが、それからすぐ60~90分待ちになりました。
ここは1泊でもう一度ゆっくり来たいですね。
木曽駒ヶ岳。天候もこれ以上ないほどの晴天に恵まれ、花崗岩の織りなす白い岩と緑の草木のコントラストがみごとに調和した中央アルプスの主峰たる堂々とした木曽駒ヶ岳を歩いてきました。頂上からの景色は360°大パノラマが広がり、たくさんの百名山を見ることができます。北からまず一番驚かされるのが、御嶽山。頭を茶褐色にそめ堂々とした単独峰が目に飛び込んできます。その右には23もの峰を持つ乗鞍岳。そして、穂高岳と槍ヶ岳。北アルプスの峰々が続き、後立山連峰の白馬岳まで続く。その横に遠く火打山と妙高山。美ヶ原と霧ヶ峰が広がり、その奥に、浅間山・黒斑山・籠ノ塔山・四阿山。その右に、諏訪富士の蓼科山、北横岳・天狗岳・硫黄岳・横岳・赤岳・権現岳の八ヶ岳が大きく広がる。八ヶ岳の奥には金峰山。そして右に南アルプスが続く。甲斐駒ヶ岳、仙丈ケ岳、北岳、間ノ岳、塩見岳、悪沢岳、赤石岳。間ノ岳と塩見岳の間には、頭だけだした富士山も望めます。そして近い距離に、伊那前岳、中岳、宝剣岳、その先中央アルプスの稜線の先には空木岳。そして恵那山。もうこんなにくっきり見えてしまうなんて、なんとラッキーなことか。もう別世界。最高の景色がそこには広がっていました。
今回は、ただ単に、千畳敷から乗越浄土に登り、中岳を経て、木曽駒ヶ岳の頂上に立ち、ピストンで宝剣山荘まで戻り、宝剣岳の少しだけ登り、伊那前岳の九合目まで稜線歩きを楽しみ、千畳敷に戻るハイキングコースにしました。本当は乗越浄土から濃ヶ池までカール内を下り、稜線にでて木曽駒ヶ岳を登り返したいと思っていたのですが、なにせ登山者と観光客がかなり多い予想の日で、日帰りなので帰りのロープウエイに乗らない訳にはいかないので、早めに切り上げるコースに急遽変更しました。1:00前には千畳敷駅まで戻り、なんとその少したったところで、ロープウェイは帰りの人であふれ初め、「整理券」を配布する事態になりました。私は偶然にも近い場所にいたため、整理番号117と118番をゲットできました。約30分後の出発です。それから少し千畳敷でお花の写真を撮ったりした後、整理券の配布まで戻るともう300番台を超え、約90分待ちという状況でした。お昼前後にロープウェイの整理券配布があることは事前に知っていたので、遅くとも13:00には、もどらなければならないというのが今回の制約でした。2時間待ちはざらという噂もあって、ここは、一番のロープウェイであがり、半日登山をして、お昼には下山のような気持ちで行動しないと、3時前後は一般の観光客もたくさん来ているので、ロープウェイを待つだけでも大変です。私は3個目のロープウェイでしたが、それでも駅のそとで30分待ち、順番を呼ばれてからすぐ乗れるわけではなく、呼ばれたのは乗るための待機として、呼ばれていて、駅の中で約30分近く待つことになります。なので90分待ちとなると、120分待つことになります。ワンデイ登山のときは、帰りについてよく考えて行動した方がよいと思います。
次回は、1泊にして、濃ヶ池まで下り、木曽駒ヶ岳の花崗岩の白い稜線をぜひとも歩いてみたいです。
情報としてもうひとつ。今度は行きのお話です。木曽駒ヶ岳に行くのは、よく前泊しないと難しいと聞いていました。上高地に行くのに、沢渡に車を停めて、バスで上高地に入る訳ですが、そんなに意識しなくても、十分楽に上高地入りできます。ところがここ木曽駒ヶ岳はそうは行かない。先ほど述べた通り、ワンデイハイクだとお昼には千畳敷に戻った方がよいとするなら、早出それも1番に行くようにしないといけない。みんなそう思いますよね。玄関口のしらび平までは、菅の台バスセンターで車を停めて、そこからバスで約30分乗車。そのあとここからロープウェイに乗って、千畳敷へ向かうわけです。私は夜中3:00に菅の台バスセンターに着きました。出発は前の日夜です(笑)。なんともうかなりの台数の車が駐車しています。もちろん山で数泊する人もここに車を停めているので、たくさんの車があって当たり前ですが、かなりです。私のあとから、バスの発車する前などはどんどん車が入ってくるので、みるみるうちに駐車場は満車になっていきます。すごい早さです。満車になれば、係の人の誘導で、離れた場所に駐車指示されるようになります。なんとしてもこのバスセンターの駐車場に停めることがまず第一歩です。3:00に着くやいなや、バス・ロープウェイのチケットの購入場所の確認とバス停の確認をしようと思って、すぐ向かったら、もう順番待ちの陣取りが始まっていました。私もすぐ陣取りを行いました。幸いそれなりに良い位置なので、これなら一番のバスには乗れるかなという位置です。一番のバスの前に臨時便が出ることに。定員は38名。なんとギリギリその中に入ることができました。バスに乗ったら、あれ、座る席がない?!そしたら係の人が補助席でいいよと言っていたので、一番前の補助席に座ることになりました。でもこれがあとでラッキーになるのです。臨時便のバスがスタートし、ほどなくすると頭上に宝剣岳が見えます。一番前の席なので、これこそシャッターチャンスでしたが、まさかの出来事で間に合いませんでした(笑)というのもつかの間、初めのヘアピンカーブ。それがめちゃめちゃ急カーブ。正直酔います!そんなカーブが幾度となく続きます。やばいな・・もたないぞ・・。途中バス停がいくつかあって、番号が振られています。15番○○とアナウンスがあるんですが、この番号いったいいくつまであるのだろう?もうついてくれーといいたくなるほど、揺れとカーブできついです。これもし一番後ろの席だともっと遠心力が働くので、完全にアウトだったかもしれません。一番前の補助席!ラッキーでした。そしたら、「22番しらび平」というアナウンス。やっと着いた!30分バスとの闘いでした。バスを降りて私は写真を1枚撮ったのですが、その間に6名の人が先に行きました。私も撮ってから、すぐ今度はロープウェイの駅に入ったのですが、なんと、私は次のロープウェイになってしまいました。写真を1枚とらなければ1番のロープウェイに乗れたのに・・・と悔しい思いになりましたが、私は次のロープウェイの先頭です。9分我慢をして、ロープウェイが来て、2本目の進行方向窓際をしっかり占領しました。ロープウェイが出発すると、意外な早い速度でどんどん動きます。中間地点で上からくるロープウェイとすれ違いますが、これは一瞬です。私は進行方向をみて乗っているので、景色は抜群。先頭の特許ですね(1番に乗れなくて悔しかったけど、ラッキーは続いています)そして、千畳敷へ降り立ちます。駅を出るや否や目の前はアルプスの少女ハイジに出てくるような、景色。あの有名な宝剣岳がきりたった、千畳敷カールの景色です。前日はライブカメラでずっとみていたのですが、ガスって真っ白で何も見えませんでした。それがそれが、なんという景色ですか!もう感動です。まるで頂上にたったような喜びです。写真をバシバシ撮りまくる。最高な日がスタートしました。そのとたん、この朝の大変な苦労はもう忘れていました。
ここからはコースにまつわる情報です。
①高度順応
ロープウェイは標高をいっきに950m上がっています。(ちなみにこれは日本最高です。さらに千畳敷は日本最高所の駅です。)速度も速く、ほんとうに一気に上がりますので、高度順応ができません。千畳敷に着いたら、まず飛び込んで来るハイジの世界を思う存分楽しんで、少し長く順応できるようにした方がよいです。ちょうど駅を出て八丁坂に向かうには、左へ行く駒ヶ岳神社のルートと右へ行く剣ヶ池のルートに分かれます。大半は神社の方にみなさん行って八丁坂へ向かっていきます。こちらのルートは最短で行けるので、みんなこちらに行くのだと思います。
剣ヶ池は、いったん下るので、八丁坂のとりつきまで登り返し、さらに距離も長いので敬遠されるんですね。ほんとんど人がいきません。でも順応という点では、剣ヶ池まで足を伸ばすと、十分な時間も確保できて、高山病のリスクはさがるし、剣ヶ池から見る宝剣岳は千畳敷の駅からみるよりも真正面から見れるので、一段と景色が絶景になります。そしてそしてお花がたくさん見えれます。意識しなくても時間がかかってしまいます(笑)千畳敷カールのほぼ中央を歩いて、八丁坂に差し掛かるので、歩く景色も神社からよりより雄大です。ぜひ、剣ヶ池まで足を伸ばすことがいろんな意味でよいですね。
②宝剣岳
高所恐怖症なので最初から登るつもりはないのですが、どんな感じなのかなと興味はあります。
漫画家の鈴木ともこさんの「山登りはじめました」でこの宝剣岳を読んで、ここは絶対自分はむりだなあと信じ込んでいます(笑)で、せっかくきたので、ルートの見えるところまで行ってみたくて、見てきました。北面斜面の岩場がルートになっていて、鎖が張り巡らされています。登っている人をみていると童心に戻ってジャングルジムでも登っているように楽しそうみ見えます。コースを遠めにみたイメージでは、赤岳とか横岳とか登っているのと同じで、足場もあるし、鎖はしっかりしているので、なんか行けそう?!って思えました。ヘルメットは持参していないので最初から登るつもりはなかったですが、次回は宿泊して、余計な荷物を置いて、挑戦してみたくなりました。人1人が立てるだけの頂上には登れないけど、タッチくらいはしてみたいものです。意外だったのは、ヘルメットをしないで登っている人がとても多いと思いました・・・
③雷鳥
中央アルプスでは絶滅したとされていた二ホンライチョウ。それが復活したとどこかで聞いていました。なんと木曽駒ヶ岳を下りて中岳へ向かう途中です。雷鳥と遭遇!それも親鳥1、子供が4~5羽岩と木の間に見え隠れしています。うれしかったです。中央アルプスで雷鳥!心温まる一瞬でした。
④花崗岩の山
好きな山といわれると、常念岳と黒部五郎岳といつも応えます。どちらも花崗岩の山なんですね。いろんな山があるけど、自分の好きな山は花崗岩でできている山がそのほとんどです。ほかにも甲斐駒ヶ岳、燕岳もそうですね。見た目に緑の絨毯にところどころ白い岩が露出していてとてもすがすがしくみえる。花崗岩の山を歩くとほんとうに気持ちがいい。花崗岩の稜線があるならそこをずっと歩いてみたいと思います。木曽駒ヶ岳は、その稜線歩きができる山です。伊那前岳から伸びる稜線と馬の背の稜線。とても美しい登山道です。今回は乗越浄土から木曽駒ヶ岳と王道を歩き、伊那前岳の九合目までの稜線を少し歩きましたが、濃ヶ池まで下り馬の背に至る稜線を花崗岩に戯れながら今度は歩いてみたいです。
ということで、1日晴天が続き、絶景を360°見ながらのハイキング。こんな気持ちの良いものはありません。おまけに大好きな花崗岩の山。伊那前岳に続く稜線から千畳敷の駅=ホテルを観て、ほんとにここはアルプスの少女ハイジの景色だなと、そういう景観になるようにホテルもつくらているのかなとふと思いました。自然と人工物の調和も山の景観からするととっても大切です。距離は短かったですが、ものすごく凝縮されたよい山旅になりました。ここはぜひまた来たい山のひとつです。
- この山行での装備
-
Tシャツ・アンダーウェア、パンツ、靴下、雨具・レインウェア、登山靴・トレッキングシューズ、ザック、水筒・テルモス、ヘッドライト(+予備電池)、タオル、防寒着、帽子、グローブ、手袋、軍手、サングラス、着替え、地図(地形図・ルート図)、コンパス、メモ帳・筆記用具、腕時計、カメラ、登山計画書(控え)、ナイフ、健康保険証、ホイッスル、ファーストエイド・医療品、虫除け・防虫薬品類、熊鈴・熊除けスプレー、ロールペーパー、非常食、行動食、テーピングテープ、トレッキングポール、マット(個人用) |
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