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編笠山 憧れの「遠い飲み屋」へ

編笠山( 八ヶ岳)

パーティ: 2人 (カピトラ さん 、ほか1名)

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行程・コース

天候

初日:晴れのち雨(一時強く)のち晴れ、2日目:曇り一時晴れのち雨

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 観音平駐車場6時前に到着で、まだ余裕(無料)
トイレ(ユニット)3基あり

この登山記録の行程

【1日目】
観音平(06:10)・・・雲海(07:05)[休憩 5分]・・・押手川(07:55)[休憩 15分]・・・青年小屋(09:25)

【2日目】
青年小屋(05:10)・・・編笠山(05:50)[休憩 20分]・・・押手川(07:30)[休憩 10分]・・・雲海(08:20)・・・観音平(09:10)

コース

総距離
約7.5km
累積標高差
上り約991m
下り約991m
コースタイム
標準6時間
自己6時間25
倍率1.07

高低図

標準タイム比較グラフ

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登山記録

行動記録・感想・メモ

登ったお山は、編笠山。 
目的地は、青年小屋「遠い飲み屋」。

現在の状況では仕方のないことではありますが…、飲み屋さんに賑わいはありませんでした。
雨の予報のためキャンセルも多かったとのことで、9月12日(土)の宿泊客は十数名。
魅力的な赤提灯揺れる、味わい深い佇まいの青年小屋も、この夜はとても静かでした。
……何故、2019年のうちに来なかったのか?と、今となっては悔やまれます。

休前日の観音平は、やはり午前4時頃までに到着できなければ「確実」とは言い難い…。
車中泊や深夜バスはNGという夫とともに向かうには、前泊が必要と考えるとハードルが高くて、これまではついつい、ロープウェーや白駒の池といった広い駐車場の方を選びがちだったのです。

週末の雨予報で、もしかしたら駐車場も大丈夫なのでは?と、思い切って青年小屋に予約の電話を入れたのは、直前の10日(木)でした。 東京在住とお伝えしても断られることはなく、かえって「Go To」の対象外であることに恐縮されてしまうという、なんとも微妙な感じです…。

12日(土)午前6時前の観音平の駐車場は、まだ大分余裕がある状況でした。
3つ並んだユニットトイレは、2年前の記憶よりずっときれいで清掃も行き届いている感じ。
もしかして「感染症対策」が、良い方に作用してのことかしら?などとも思いました。

歩き出しは、ウォーミングアップに丁度よい緩やかな傾斜の土と石との道です。 
少しずつ石の割合が多くなって、所々やや急な場所が出てくるものの、何歩か歩けばまた緩やかな上りの繰り返しで、やがて大きな岩の隙間を通り抜けて歩けば、ほどなく「雲海」到着です。
ここまでコースタイム1時間ほどですが、ハイキング気分で歩けるので、ついペースが上がりがち。
夏場なら熱中症、秋以降は汗冷えなどのリスク…と考えれば、ここは抑えめで歩く方がいいと思います。

雲海から先は、ますます石の大きさも割合も増して、八ヶ岳らしい雰囲気が出てきますが、それもそう長くは続かず、石よりも土の割合が多くなった…?と感じたら、もう押手川の分岐はすぐそこです。
その先は、編笠山への直登のルートと青年小屋への巻き道とに分かれますが、今回は「巻き道」の方へ。
ここは、2年前に初めて夫婦で歩いて、ちょっと「もめた」ルートなので、今回はその検証(?)です。

結論からいうと、やはり、2年前には多少ルートを逸れた瞬間があったようです。
今回は、慎重にテープや矢印を追って歩いたところ、一度として「見失う」ことはなかった。
ただ、自分が方向音痴だと自覚している私は、とにかくいつ何時でも「確認」をしていたいと思い、そういう煩わしさより自分の感覚を信じて進みたい夫との間に不協和音が生じた…ということのようです。
正規ルート以外の踏跡が多いように感じるのは、まあ…いろんな理由が思いつきますが、とにかく「印に忠実に進めば、何の問題も無い」という確信を得て、2年越しのモヤモヤは解消しました。

天気予報の雨マークは午後になってからの筈でしたが、2000m超の登山道には午前8時過ぎからガスがかかり、霧雨から雨といった感じの悩ましい状況の中を青年小屋まで歩くことになりました。
そして、気になっていた水場「乙女の水」へ。
万が一、水が涸れていたら…と、たっぷり(二人で8ℓ)背負って登りましたが、以前ほどではないにせよ、とりあえず水場としては十分な水量がありホッとしました。

その後は、強い風にガスがどんどん流れて、今にも降り出しそうな空模様の中を、権現岳ピストンというのは無謀ですし、西岳への道も何だか恐ろしげだし…ということで、呑兵衛夫婦はさっさと「呑み」の体制に入ります(実際、昼過ぎから本降りの雨となりましたので、結果的にはOKの判断だったようです)。

先ずはビール!のラインナップは、すべて350ml缶(500円)ながら、キリン・ラガー&一番搾り、サッポロ・黒ラベル、アサヒ・スーパードライと、4種類も! さすが、遠い「飲み屋」さんです。 
(山小屋では1種類のみか、せいぜい「キリン?アサヒ?」と聞かれるくらいの経験しかないです)

食事提供はないかと思っていたら、カレー(800円)とラーメン(700円)の札が…!
カレーは、ビーフ、ポーク、トマトベースのチキンカレーの3種類もあるそうです。
有難くいただいてから、お昼寝したり本を読んだりという、何とも贅沢なひとときを過ごし、談話室の炬燵でぬくぬくしながら夕食の準備を待つという、とても幸せな山小屋の週末でした。

翌朝は、小屋の前でほんのひととき富士山のシルエットが見えました。
山頂はガスでしたが、ここまで来て登らないのもどうかと思いますので、山頂経由で下山します。
前回も思いましたが、観音平からの編笠山ピストンを「初級」や「初心者でも日帰りできる」などと書かれている解説は、おおいに疑問です。 確かに鎖などの難所は無く(小さな梯子はあり)、危険箇所もなく、コースタイムだけなら6時間…ということになりますが、押手川から先のどちらのコースも、登り下りとも「初級」としてはキツイだろうと思うのです。

途中、トイレも無いことを含め、予想以上に時間がかかってしまったときや、疲労や怪我(大怪我でなくとも膝痛等)など不測の事態に「初級」で対処しきれるコース状況とはとても思えません。
特に、雨や雨後など、下りで慎重に行動すれば、登りと同等以上の時間がかかっても不思議はないです。
とても良いコースで、とても素敵なお山ですが、気軽に日帰りはお勧めできないな…と、私は思います。 

観音平に戻って着替えなどしていたら、待っていてくれたかのように雨が降ってきました。
最近、こういうギリギリセーフが多いのは、ラッキーなのかな…?
細切れに運を使い果たしてしまわなければいいのだけど…と、ちょっと気弱になりそうな連休前です。

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フォトギャラリー:17枚

一つだけポツンと…。つい足を止めてしまいます。

押手川。ここまでは、確かに「初級」レベルのハイキングコース。この先は、ちょっと段差の大きい石や岩の急登が始まります。

テント場。午前中はひっそり。午後になって2、3張あったようです。

乙女の水、手前。

大きく崩れ、一度は「涸れている」との情報も…。

以前よりは少ない気がしますが、水場としては十分です。冷たくて美味しい水です。

西岳への道。崩落のあとにつけられた道…ちょっと怖いです。

青年小屋の前に「ラブランコ」が。編笠山を背景に写真が撮れるようです。

グッとくる赤提灯です。

夕方になって晴れてきましたが…

もう、飲んでしまっているので、また明日。

お山ではもう、ストーブや炬燵が活躍する季節になりました。燃料費だけでも大変なご負担であろうと想像します。

ほんのひととき美しいシルエットが…(すぐに雲にかき消されました)

岩岩を登り切って、「遠い飲み屋」さんに最後のご挨拶。

晴れていれば、大展望の山頂です。そういう意味では、編笠山未経験の友人知人を誘いたくもなりますが…

雲の隙間に一瞬の展望。左にうっすら富士山です。

山頂から押手川までは、「大石の頭をテンポ良く踏んで」1時間。初心者には無茶、中高年には高リスクと感じます。例えば階段を1段飛ばし、2段飛ばしで延々と1時間下り続ける感じです。

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装備・携行品

シャツ アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア
登山靴 バックパック スタッフバック スパッツ・ゲイター 水筒・テルモス ヘッドランプ
タオル 帽子 グローブ サングラス 着替え
地図 コンパス ノート・筆記用具 腕時計 カメラ 登山計画書(控え)
ナイフ 修理用具 ツエルト 健康保険証 ホイッスル 医療品
虫除け ロールペーパー 非常食 行動食 テーピングテープ トレッキングポール
ストーブ 燃料 ライター カップ クッカー カトラリー
【その他】 携帯トイレ、マスク類、除菌グッズ、インナーシーツ、体温計、モバイルバッテリー

登った山

編笠山

編笠山

2,524m

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