行程・コース
天候
晴れたり曇ったり
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
駐車場には20台ほど駐車できますが、紅葉シーズンは平日でも5時半には満車となります。下っところにも50台ほど駐車できますが、この日はそれでも足りずに路肩に止めている車もありました。
この登山記録の行程
松川温泉(6:20)・・・水場・(7:33)【休憩5分】・・源太ヶ岳山頂(8:27)・・・縦走路出合(9:00)・・・大深山荘(9:15)【休憩5分】・・・縦走路出合(9:40)・・・大深岳(9:45)・・・小畚岳(10:41)【休憩15分】・・・三ツ石山(12:10)【休憩35分】・・・三石山荘(13:10)・・・松川温泉(14:24)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
ここ数年で、紅葉の山としてすっかり有名になった三ツ石山は、今が紅葉の盛りである。錦織りなす中を、大深山から小畚岳、三ツ石山へと続く稜線を歩いた。
この山々の紅葉は、色のバランスが素晴らしく、笹やハイマツ、シャクナゲの緑を下地に、ミネカエデのオレンジや赤がパッチワークのように織り込まれている。錦絵のような味わいは、日本一と称される栗駒山の紅葉とはまた違った趣がある。
天 気は晴れたり曇ったりで、常に青空の下を歩くわけではなかったが、日が射して輝くし瞬間が何度も訪れ、その度に息を飲むような感動を味わった。
いつものように夜中に家を出て、東北自動車道を北上する。
古川周辺は霧が多く、そこを過ぎるとすっきりした夜景に変わる。今日は中秋の名月である。パーキングエリアで空を見上げると、すでに沈んだ後なのか、月は見えなかったが、雲は少ないようだ。
松川温泉の駐車場には5時半ごろに到着した。平日にもかかわらず、駐車場はすでに満車状態だ。一台だけ止められるスペースがあったので、ここに車を入れて、出発の準備を整えた。軽く昼食を摂り、6時20分に出発する。
青空が広がっている。今日は、絶好の日和になりそうだ。
松川温泉を抜け、変電施設の脇を通ってブナの森に入る。湿った登山道には木道が敷かれている。木道はだいぶ古くなって、凹凸もなくなり、滑りやすくなっていた。登山道には導水管が敷かれている。これは温泉に水を引くためのものだろうか。
ブナの森は静かで、奥深く、ここもまた素晴らしい場所である。ミズナラやダケカンバ、アオモリトドマツも混じり、一部紅葉しているものもある。道は平坦に近く、時々、登りも現れるが、息が上がることもない。
いつの間にか、緩い上りが始まり、やがて傾斜を増してくると、右手が開けてきた。岩手山が見えている。裾野には雲海が広がっていた。ここからはもうひと登りで水場に着く。大きなダケカンバの先に水場があった。ここで最初の休みを取る。
水場からは急な登りになる。周囲は細いダケカンバに変わり、樹間から左手に源太ヶ岳が姿を現す。岩の多い道をしばらく登り、粘土質の道に変わってまた登ると、視界が開けてきた。大深山荘への分岐点を左に進むと、源太ヶ岳へのトラバースが始まる。左手に岩手山を見ながら、山腹をジグザグに登っていく。振り返ると、大深山荘周辺の湿原が見える。その背後に見えるのは八幡平だろうか。
ようやく肩に乗り上げると、絶景が広がった。右に岩手山、正面には三ツ石山から大深山へ続く稜線が見えている。残念ながら、稜線の多くはガスに覆われている。時折、ガスが薄くなる。その奥に見えるのは、秋田駒ヶ岳だろうか。ガスが取れるのを待ったが、その気配がないため、先に進んだ。少し歩くと、源太ヶ岳山頂がある。ここが山頂だったのだ。
山頂から大深岳に向かう。八幡平方面には青空が広がり、アオモリトドマツの森に点在する赤やオレンジが一際鮮やかだ。大深山荘への分岐点(縦走路出合)は、まっすぐには進まず、右に折れて大深山荘に立ち寄った。往復50分程度、余計にかかるが、いつか松川温泉から八幡平へ縦走したいと思っているので、その予習である。
大深山荘から先の池塘を見て引き返し、分岐点(縦走路出合)から大深岳に進んで展望のない山頂を踏んだ。その先は小畚岳への下になるが、ここの紅葉は実に見事である。小畚岳の山腹には錦の絨毯が広がり、右手には岩手山、源太ヶ岳が姿を見せていた。ここは今日の見所の一つだ。
鞍部はミネカエデの赤とオレンジで、鮮やかな色彩の洪水になっていた。この色のトンネルを進んで、急な登山道をじっくりと登っていく。今日の山行では、源太ヶ岳への登り、そして小畚岳への登りがきついのだが、あとは稜線歩きなので、歩行距離の割には負担は少ないようだ。景色が素晴らしいので、疲れを感じないのかもしれない。
小畚岳山頂からは三ツ石山へ、なだらかな稜線が続いていた。
この景色がも素晴らしい!山頂には十数人の登山者が休んでいたが、どの顔も満足感で一杯のようだった。
さあ、いよいよ三ツ石山への稜線歩きである。ここから先は、錦秋に包まれて歩く絶景のルートである。どの景色を切り取ってもベストショットになる!そんな中を歩く至福の時間がしばらく続いた。右手には乳頭山、秋田駒ヶ岳が顔を見せている。
三ツ石山山頂にはたくさんの人が、思い思いに休んでいる。その数は100人になるだろうか。
空いた場所を見つけ、ここで昼食を摂る。三ツ石山山頂部の周囲は、錦に染められていて、その豪華な景色を堪能しながら、おにぎりを頬張る。岩手山は雲に隠れ始めていたが、それを差し引いても素晴らしい眺めである。
三ツ石山から三石山荘への下りは、岩がゴロゴロして歩きにくく、多少の渋滞が生じていた。途中で、小団体を追い越すと、あとは一気呵成に小屋に下る。小屋にもたくさんの人がいたが、ここは素通りして松川温泉に向かった。振り返ると、池塘の向こうに三ツ石山が見えている。
登山口が近づくと、急な階段が出てくる。三百段あまりの急な階段を、慎重に下って登山口に降り立った。
発電施設のものだろうか、水蒸気が盛んに湧き立っていた。