谷川岳馬蹄形(反時計周り~西黒尾根下降)ワンデイハイク
松ノ木沢ノ頭、白毛門、笠ヶ岳、朝日岳、清水峠、七ツ小屋山、蓬峠、武能岳、茂倉山、一ノ倉岳、オキの耳、トマの耳(谷川岳)、西黒尾根、谷川岳馬蹄形縦走反時計回り( 上信越)
パーティ: 1人 (加藤キーチ(モンターニャ) さん )
松ノ木沢ノ頭、白毛門、笠ヶ岳、朝日岳、清水峠、七ツ小屋山、蓬峠、武能岳、茂倉山、一ノ倉岳、オキの耳、トマの耳(谷川岳)、西黒尾根、谷川岳馬蹄形縦走反時計回り( 上信越)
パーティ: 1人 (加藤キーチ(モンターニャ) さん )
高曇り、ときどき晴れ・ガスの中。微風。
その他:
行き_
土合橋の「天神ロッジ」に前泊
帰り_
土合駅18:16~18:28水上駅18:44~19:48高崎駅19:59(新幹線あさま630号)~20:26大宮駅
土合橋(04:47)・・・松ノ木沢ノ頭(06:12)[休憩 7分]・・・白毛門(06:46)[休憩 2分]・・・笠ヶ岳(07:22)[休憩 7分]・・・朝日岳(08:18)[休憩 5分]・・・ジャンクションピーク(08:37)[休憩 2分]・・・清水峠(09:42)[休憩 48分]・・・七ツ小屋山(11:12)[休憩 5分]・・・分岐・・・蓬ヒュッテ(11:40)[休憩 7分]・・・武能岳(12:17)[休憩 15分]・・・茂倉岳(13:43)[休憩 17分]・・・一ノ倉岳[休憩 2分]・・・オキの耳(14:52)[休憩 2分]・・・トマの耳・・・ガレ沢のコル[休憩 10分]・・・土合口(17:22)
昨年8月のおなじコースは(おそらく)紫外線にやられてダウン、ロープウェイで下りてしまっている。土合スタートの土合ゴールをやっつけるべく歩き直した。台風14号の接近が予想されたが、上越国境は影響が少なさそうなので思い切って出かけた。
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○ 概略
距離23kmに対して登り標高の累積が3100m、登り降りを繰り返すコースは日帰りハイカーがチャレンジできるなかではもっとも厳しいトレイルのひとつではないか。真っ盛りの紅葉と尾根を越えてゆくガスがすばらしい景観を作りだすなか、笹平(最低鞍部)から茂倉岳への400mの登り返しは流す涙も枯れ果てた思いだった。
(参考:昨年08月04日)
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=169615
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○ part1~朝日岳まで
標高690mの土合橋から1720mの白毛門まで上がり、登降を繰り返して1945mの朝日岳まで6.5km・3時間半。馬蹄形を歩く場合はヘッドランプを点けての登りになることも多いだろうが、ロープの張られた岩場も含めて(一般的には)危険や道迷いに注意の箇所はないと思う。
白毛門への登りでばらばらに歩いているハイカー3人に追いつく。頂上で「良いときに来れましたよね」と声をかけられたが、まったく紅葉がすばらしい。雲やガスの動きも彩を添えている。行程中たびたび立ち止まっては情景を楽しんだ。
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○ part2~蓬峠(蓬ヒュッテ)まで
この区間は降り基調の朝日岳~清水峠と、七ツ小屋山をこえる清水峠~蓬峠の前後に分かれる。
前半、清水峠手前の地図上「池ノ窪」あたりが本山行中の最低鞍部になるかと思う。アプリ「geographica」の自動音声が1470mを告げていた。ここまで降りなのに、ササ原をゆくトレイルは幅が狭く足の置き場の自由度が低い。足元も落ちつかない。大腿四頭筋がこわばるクセがついてしまっており、ずいぶん苦労しながら降った。わずかに登り降りして白崩避難小屋のある清水峠、ボイスレコーダーに「非常に疲労して清水峠着」と吹き込んでいる。風の通り道になっているのかやや風が強く、小屋の裏にまわって食事をとり長々と休憩した。
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後半、清水峠を発つと道が三方向に分かれるが、右は清水への下降路(十五里尾根)・左は土合への下降路なので真ん中をまっすぐ登ってゆく。疲れた体に鞭打って七ツ小屋山、ここで全行程のちょうど半分だろうか。
ピークから蓬峠までの降りは傾斜がゆるい。トレイルが幅広く足元も落ち着いており山行中いちばんリラックスして歩けた。白毛門から久しぶりにハイカーをぽつぽつ見かける。蓬ヒュッテは湯沢町HPに営業中とあるが、閉まっていてトイレは利用可能だった。
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○ part3~谷川岳まで
いよいよ今日の本番がやってきた。ヤマケイオンラインにたくさん投稿したからか(?)、贈ってもらったアミノバイタルをすすり気合を入れなおす。
武能岳への登りはなんとかやりすごした。谷にむかいザレた斜面などがあらわれるから注意を怠れない。山頂はガスっており展望がきかない。去年、ここから茂倉~谷川のジェットコースターみたいな稜線を眺めて戦意喪失した記憶があるから、「見えないほうが良いこともある」。武能から笹平(鞍部1594m)への降りはなかなか剣呑、せっかく稼いだ標高を失うのを恨めしく思いながら降った。
茂倉岳への登りにかかる。登りながら上を眺めると「紀美子平からの前穂高岳」に似て頭上はるか上にピークが見えるが、これは山頂ではない。茂倉のピークは「その奥の奥」みたいなところにあるのだ。上げた片脚の膝頭にヒジを置いて息を整えるポーズを10回くらいとっただろうか。
やがて機械音が聞こえてくる。こんなところでドローンをいじる人がいるのか不審に思ったが、トレイルのササを刈る草刈機の音だとわかる。すれ違うとき、機械を止めた人に頭を下げてお礼をいう。ひと言も発することなく素っ気ない方だったが、ほんとうにありがたいことだと思う。手入れをしてもらえなければハイカーは歩けない。
今回はササ原に悩まされることもなく、刈ったばかりのササの葉で滑ることもなく(茂倉への登りのわずかな区間を除いて)歩けたが、したがってトレイルの状況はそのとき次第のはずだ。朝にササ原が濃いなかを歩くとなれば朝露で濡れる。快晴でも雨具やスパッツを着用すべきなのかもしれない。
笹平から45分ほどかけて茂倉岳着。やがて上がってきたお二人は吾策新道から万太郎山~谷川岳~茂倉岳と歩いてきたそうだ。マスカットを頂戴して生き返ったような気分になった。
茂倉~一ノ倉岳はわずかな距離、降って登り返し谷川岳を目指す。オキの耳が近づくにつれ岩がちになる。危険箇所はないが疲労困憊しているから脚運びにじゅうぶん気をつけた。
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○ part4~西黒尾根を下降
時間が時間だからか・ロープウェイが運休しているからか、谷川岳は静かなものだった。西黒尾根を下降しはじめたのが15時11分、宿に預けた荷物を受け取って土合橋バス停17時05分発の上毛高原行き終バスに間に合わせるつもりだった。しかしすぐにあきらめる。岩場の続く西黒尾根を「よし。今年はロープウェイの世話にならずに周回できるぞ」という慢心と「バスに間に合わせなきゃ」の焦りを抱えて降りればロクなことにはならない。脚さばきでとんとん降りられる尾根ではないし、そんな体力も残っていない。事故を起こさないよう心がけ一服休憩を2回とりながら慎重に歩いた。
登山口まであと数分という場所でトレイルをターンすると、登山道わきの手を伸ばせば触れるところにカモシカがいたのに驚いた。やがて樹間から車道が見える。
どうだ、歩ききったぞ。今シーズンは思いどおりにならない山行が多かったけれど、まだまだやれるじゃないか。
の得意や満足と、
茂倉の登りのザマを思い出すんだな。ほとんど人事不省で這い上がっていたじゃないか。
の反省の声を聞きながら、まあまあ、喫緊の課題はどこでビールを飲むかでしょ。脳内会話をしているうちに、車道まであと数歩のところで右足首を強くひねった。むかむかと腹がたち、
「しゃきっとしろ、この馬鹿野郎!」
大声で自分を怒鳴りつけてハイキングを終えた。きっとカモシカにも聞こえたことだろう。
(了)
【その他】 ラ・スポルティーバのアキラ(おろしたて)。テスラのタイツにモンベルのショートパンツ。マウンテンハードウェアの速乾性長袖シャツ、ペツルのヘルメット、ブラックダイヤモンドのハーフフィンガーグローブ。ザックはロウアルパインの25リッターにモンベルのギアホルダーを外付け、モンベルの雨具上下・ウインドブレーカー・ロールペーパー・ヘッドランプ・スマホ(カメラ+GPS)・バッテリー充電器と予備電池・地図、キャメルバックのハイドレーション+モンベルのフレックスウォーターパックに水3L(残量400cc)、コンビニおにぎりとカロリーメイト。スタート時重量6.5kg。 |
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