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カルデラ湖(大沼・小沼)を眺めながら巡る赤城山

駒ヶ岳、黒檜山( 関東)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 県立赤城公園おのこ駐車場(こちらは大きくトイレあり)、もしくはその50m程手前にある駒ヶ岳登山口駐車場を利用。それぞれ無料。今回は駒ヶ岳登山口駐車場を利用。
カーナビには「赤城公園ビジターセンター」をセット。駐車場はセンター手前のT字路を大沼の方へ折れて数100m程である。緯度経度情報は(36.548165 139.186333)。

この登山記録の行程

駒ヶ岳登山口駐車場(09:10)・・・駒ヶ岳大洞登山口(09:19)・・・駒ヶ岳(10:30)・・・大タルミ(10:41)・・・黒檜山大神(11:29)・・・黒檜山(11:34)(昼食~12:26)・・・黒檜山絶景スポット(12:44)・・・猫岩・・・黒檜山登山口・・・赤城神社(14:17)・・・駒ヶ岳登山口駐車場(14:43)

コース

総距離
約6.4km
累積標高差
上り約668m
下り約665m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

屏風を広げたように左右に大きくすそ野を延ばし、優雅で堂々たる赤城山。大好きな八ヶ岳に似ていると感じるのは自分だけだろうか。見るたびに惚れ直してしまう。
今回は晩秋の赤城をじっくり堪能しようと「赤城山オートキャンプ場」にベースキャンプ張ることにした。本当は、県立赤城公園キャンプ場(無料)がお勧めだが、あいにく今年最後の運営日ということもあってか予約でいっぱいだった。
本と食材を持ち込んで、赤城山の麓で自然に抱かれて、緩やかな時間の流れを楽しむ。
山飯を楽しむなら地産地消ということで、道の駅「ふじみ」で地元の食材を買い込む。目的通り、新鮮な野菜をはじめ地元食材が沢山並んでいた。大きなリンゴ、おこわ飯、生パスタ等を買い込む。
11月も第二週目に入り、紅葉は赤城山の中腹から麓にかけて移動していた。キャンプ場の樹々もちょうど見ごろになっていた。
土曜日は周辺散策をして過ごし、日曜日の早朝にテントを撤収して登山口の駐車場を目指す。どこぞで野宿しても良かったが、久しぶりのオートキャンプ場は実に快適だった。昔は季節を問わず毎週のようにキャンプをしていたものだ。しかし、GOTOキャンペーンで4,000円も出せばビジネスホテルに泊まれるというのに、5,000円以上するキャンプ場に何故泊まる?という話もある。笑。
ザックを背負い9時に駐車場を出発。
入口となる駒ヶ岳大洞登山口は道を挟んで駐車場の反対側にある。
今回のコースは赤城山で最もポピュラーな駒ヶ岳と黒檜山を巡るコース。黒檜山は赤城山の最高峰で1,828m。と言っても大沼で既に1,345mもあるので、全体的には距離も短くお手軽に登れるコースになっている。ちなみに赤城山というと「赤城山も今宵限り・・・」の口上が頭に浮かんでくるようによく知られた名前だが、山あるあるで実は赤城山という名の山は存在しない。黒檜山を筆頭に中央のカルデラを囲むように聳えている1,200mから1,800mの峰々の集合体を総称して赤城山と呼ばれている。名前の由来は諸説あるようだが、神話の時代に日光の戦場ヶ原で赤城山と二荒山(日光男体山)の神が、それぞれ大蛇と大ムカデに姿を変えて戦った伝説があり、負傷し敗れた赤城山が逃げ落ちて、麓の温泉で傷を癒したところ、お湯が血で真っ赤に染まったことから「赤城山」と呼ばれるようになったとか。なかなか面白い伝説だ。同じ百名山の一つ伊吹山にも、伊吹山の神様が喧嘩をして、隣の山の神様の首をはねたところ、それが琵琶湖に落ちて竹生島になったという伝説が残っているが、昔の神様は皆さん血気盛んだったようだ。
さて、駒ヶ岳大洞登山口に入ると、直ぐにつづら折り状の急登が出迎えてくれる。
階段状によく整備されているため足元が不安定な個所はないが、逆に山に慣れた人にとっては少々歩きづらい。大沼周辺では紅葉も終わり山はすっかり丸裸になっているので徐々に高度が上がっていく様子がよく見て取れる。眼下の大沼や覚満淵が美しい。
特別に鉄パイクで組み合わされた階段ゾーンを抜けると峰へと到着。階段を登り切った瞬間、風景が一変する。山の反対側には、はるか遠くまで見渡せる絶景が広がっていた。しかし、折角の絶景も春の霞のようにぼんやりしていた。天気予報で週末黄砂が飛んでくると言っていたが、その影響かも知れない。
峰との合流地点にはベンチが設置されていて、多くの方が休憩されていた。進行方向の駒ヶ岳の山頂方面には緩やかな斜面が続いている。百名山の深田久弥が、赤城山の山頂は草山だと表現していたが、秋色に染まった黄金の草原が斜面の上の方まで広がっていてその中を登山道が延びている。解放感があって気持ちが道だ。どことなく大台ケ原を思い出す。同じく深田久弥の表現を借りれば、「山には、きびしさをもって我々に対するものと、暖かく我々を包容してくれるものとの二種類がある。赤城山はその後者のよい代表である」とある。目の前に広がる穏やかな風景を見ていると、なるほどと思う。
駒ヶ岳に到着。目の前には黒檜山が聳えている。駒ケ岳は標高1,689m。ひと際大きい黒檜山はどっしりと見えた。登山道は一旦、大きく下がり、黒檜山の斜面へと続いている。大ダルミの部分が草原になっていて、それがまた面白い景観を作り出している。
駒ケ岳の下りから黒檜山への登りへと移る。急登が心地よい。明け方から強い風が吹いていたが、陽射しは温かく登っていると汗が噴き出てくる。
振り返ると、駒ヶ岳の奥に標高1,470mと大沼よりもさらに高いところにある小沼が見えた。赤城山には火山活動によってできた、大沼(覚満淵)、小沼の2つのカルデラ湖が存在する。「おぬま」と「こぬま」と呼びたくなるが、それぞれ「おの」と「この」と読む。
山頂手前の花見ヶ原分岐に絶景ポイントまで60歩との標識があった。60歩とはなかなかユニークな表現だ。休憩がてらに立ち寄ってみる。
分岐点からは5分も歩くとピークの上に出る。立派な鳥居があって山頂かと思ってしまうがその手前にある「黒檜山大神」。ここから山頂まではほぼ水平移動の天空ロード。
黒檜山に到着。山頂はちょっとした広場になっていた。ちょうどよい時間だったのでここでお昼とする。風よけになる場所を探して石を椅子代わりにしてご飯の準備。食材は道の駅で仕入れた地元のウインナーと生パスタ。ウインナーを軽く炒めて、ゆでたパスタにソースとともに絡める。ガーリックの効いたソースが香ばしく食欲倍増。いつもはカップ麺で味気なく終わってしまうが、今日はたっぷり時間を使って「まったり」を楽しむ。山飯の〆に、コーヒーを淹れながら遠くの山々を眺める。幸せなひと時だ。
せっかくなので山頂の先にある黒檜山絶景スポットにも立ち寄ってみる。切り立った場所に立つと、群馬を取り囲む山々が一望できた。残念ながら先ほどと同様、霞が酷くて山の輪郭がはっきりしないが条件が良ければ名だたる山々がずらりと見えることだろう。それでも特徴的なシルエットから幾つか山座が同定できた。
黒檜山大神の手前まで戻り、黒檜山登山口へ向けて下山を開始。
よく整備された駒ケ岳側と異なり、こちらは大きな岩がゴロゴロとした急登を真っすぐに降っていく。足をひねらないように地面から目が離せないが、このルートは眼下の大沼に向かって垂直に降っていくので、降るにつれて大きくなっていく大沼の景観が超お勧めだ。湖面が太陽を反射してキラキラと輝いていた。
降りきると車道に合流。あとは赤城神社に立ち寄りながら湖畔に沿ってゆっくりと戻る。
今回のルートには含めなかったが、赤城山には駒ケ岳や黒檜山以外にも面白いコースが多数存在する。また、季節を変えて訪れたいものだ。

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • どんな気持ちの時も山は温かく迎えてくれますね。

  • 文殊山の山頂から、白山を眺めると、深田久弥もこうやって山への想いを温めていたのかな?って思うね。

登った山

赤城山

赤城山

1,828m

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