行程・コース
天候
快晴
登山口へのアクセス
バス
その他:
往)JR武蔵五日市駅 7:39発藤倉行きバスにて、小岩バス停下車
復)小伏集落より上野原新井バス停まで歩いて上野原行きバス乗車(小伏から、井戸バス停(井戸線)もしくは新山王橋バス停(飯尾線)に歩く方法もあります。)
この登山記録の行程
小岩バス停(8:20到着/8:26出発)-華水の滝ピストン(往復35分)-小岩バス停(9:00)-(小岩集落探索、八坂神社参拝)-小岩林道入口(9:27)-小岩林道終点(10:44)-浅間尾根道合流(10:55)-浅間嶺休憩所(11:10)-(浅間宮参拝)-浅間嶺(11:23/11:31)-浅間峠下り(11:32)-上川乗、南秋川橋(12:11)-山の神祠(12:44)-浅間峠(13:10/13:18)-栗坂峠分岐(13:29)-馬頭観音(13:42)-林道合流(14:10)-小伏集落三叉路(14:28)-(金比羅神社跡立ち寄り)-八幡神社(14:40))-(車道歩き)-尾続橋(15:12)-(正八幡宮)-新井バス停(15:38)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
檜原村の小岩集落から小岩浅間峠を越えて上川乗、更に笹尾根の栗坂浅間峠を越えて上野原の小伏集落まで歩いてみました。小岩林道は崩落の為通行止めで、復旧には相当な期間を要しそうです。
≫古の峠に時空を超えたロマンを感じるのは歳をとった証拠でしょうか。山頂を目指すでもなく、ただ峠を越えるだけの山歩きも良いもので、今回歩いた二つの浅間峠もそんな風にして一度歩いているのですが、どうしてもまた歩きたくなって檜原村の小岩バス停に降り立ちました。
小岩集落は、人里(ヘんぼり)と並んで檜原村で最も古いと言われる集落で、渡来系の宿辺少将橘高安の居城跡とも伝わる王子ヶ城跡や為定親王の物語などに中世平安の残り香りが漂っています。散歩中のご老人から、昔の学校やバス停の話など、とても興味深いお話を伺う事も出来ました。
小岩林道の入り口には「森林内作業中立入禁止」の張り紙があります。週末で作業をしている様子がありませんでしたのでそのまま進んだのですが、道が完全に崩落した個所があり通行不能です。(今回は崩落個所を高巻いて通過しましたが、正直、危険です)
都森林事務所HP:http://www.forestry-office.metro.tokyo.jp/about/rin_kisei.html
林道終点から雑木の尾根を登って浅間尾根登山道に合流すると、東に向きを変えて浅間峠を目指します。昨年の台風で後壁が破損した浅間宮が修繕されないまま、女仏像が外に放置されていたのは残念です。浅間嶺から峠を南に下れば上川乗で、そのまま南秋川橋を渡ると今度は笹尾根に取付きます。
笹尾根の浅間峠は昨年、上川乗から猪丸まで歩いているのですが、宮内敏雄の「奥多摩」に『浅間峠と栗坂峠は同一であり上川乗と小伏を結んでいる』などとあるのを読んでしまうと放っておく訳にもいかず、再び出向いた次第です。
山と高原地図に実線で記載されている栗坂ノ尾根ですが、守屋さんの登山詳細図では「荒廃中、経験者向き」となっています。実際、栗坂峠の分岐には迷い込み防止の枝が積まれていて、尾根筋の踏み跡も薄いので注意が必要です。何度か地図を確認しながら林道に合流すると、美しい箱庭の様な眺めが眼下に広がって思わず溜息が漏れました。
小伏にはバス停がありませんので、時間を考えてそのまま新井バス停まで歩きました。因みに宮内敏雄の時代にバスなどは走っておらず、紀行には『上野原の宿に入る時分は灯点し頃、駅までは更に黄金波打つ稲穂の裡を一渉りの降りである。』などと記されています。
黄金の稲穂の代わりに、錦色のおっぱい山(要害山)を楽しんで、時空を超えた峠歩きの一日もしっかり締まりました~。
本日の総歩数39,275歩、歩行距離27.6km、消費カロリー2,083kcal、脂肪燃焼量148g也。
【付記】小岩のご老人に伺ったお話を二つ。
(一) 小岩の分校の事、
分校は中学校まであって、ご老人は中学が出来た時の一期生だったそう。それまでは小沢の分校に通っていたそうで、それは大変でしたねぇと申し上げると、「なぁに、藤原から通う子も居ったんだから~」と笑っておられました。
(二) バス停の事、
そういえば昔のバスは小岩止まりだったそうですねと話を向けると、「その前は大沢まで、次に小沢まで来て、その後ようやく小岩まで来るようになったのさ~」と、これも笑って話しておられました。 ・・・お爺さん、どうぞお達者で!
フォトギャラリー:82枚
今日の出発地点は小岩バス停です。村の写真を撮りに来たという初老の男性と二人でバスを降りました。
足慣らしに、最初のお目当ての「華水(はなみず)の滝をピストンします。
沢を渡り、小さな尾根を乗っこして進みます。
歩くこと10分強で滝が見えてきました
こうして滝を眺めるのは久し振りです。水量が少なく迫力に欠けますが、静かでいい場所です。
バス停まで戻って小岩集落に向かいます。小岩は、人里(へんぼり)と共に、檜原で最も古い集落と言われています。
秋川沿いのバス道から一段登ったところに集落が広がっています。
4年前に訪れた時は気ぜわしく通り過ぎてしまった集落を、今日はぐるりと探索してみます。
西の方角に見えるのは浅間尾根の一本松でしょうか。
今回確かめたかった昔の分校のグラウンド。今はコミュニティセンターとして利用されています。
一ヶ所に集められた沢山の石仏。元は何処に据えられていたのでしょうか、、、。
散歩中のお爺さんに昔の分校の話やバス停の話を聞かせて頂きました。
今は畑となり鹿ネットに囲われた王子ヶ城遺跡。昭和35年の発掘調査で、建物の礎石や石矢じり等が発掘されているそうです。
王子ヶ城跡の向かい、石段を上がったところに立派な神殿を構える八坂神社が鎮座しています。
石段の脇から見下ろす王子ヶ城跡。宿辺少将橘高安や為定親王にまつわる説もあって興味が尽きません。
集落の西から小岩林道に入ります。「森林内作業中立入禁止」の札がありましたが、その先で作業をしている気配が無いので、そのまま進みました。
林道入口部が崩落していて、森林内作業とは、去年の台風被害の補修工事の事の様です。
途中3ヶ所で林道が大きく崩落しています。写真の個所は崩壊部の上部を大きく高巻いて何とか通過しましたが、危険です。
作業はしていませんが、上部にも重機が入っています。(どこから運び入れたのでしょうか?)
途中から皆伐地となり、北面に御前山~大岳山の雄大な眺めが広がります。
大岳山。
伐採地が広がる浅間嶺の北面付近。登山道標識は何処にも見当たらず、そのまま林道を進みました。
振り返ると小岩の集落が見下ろせます。北秋川を挟んで湯久保集落にも民家が点在しています。
高度を上げるに従い、御前山の端正な姿が際立ってきます。
御前山と大岳山の2ショット。
馬頭刈尾根。鶴脚山と馬頭刈山が特徴的です。
林道の終点地点から、雑木の尾根に取り付きます。
落ち葉の急登ですが、直ぐ上に稜線が見える程度の距離です。
10分程で、浅間尾根の登山道に合流できました。
今度は三頭山まで視界が開けます。
御前山の肩の先に、鷹ノ巣山から雲取までが並んで見えます。
浅間嶺休憩所直下に小岩林道への道標がありますが、通行止めの注意書きが破けていて、役を為していませんでした。
浅間嶺下の休憩広場。戦国期に有ったという小岩の関の痕跡を探しましたが見当たりませんでした。
小岩浅間の浅間宮。去年の台風で祠の裏壁が破損していたのが気になっていたのですが、、、
修理されていないばかりか、中に安置されていた女仏像が祠の外に置かれていました、、、何とか早く修復して頂くことを祈念するしかありません。
峠を下る前に、浅間嶺展望所に立ち寄って小休止。予定より少し遅れているのでカップヌードルはお預けです。
生憎、富士山は半分雲の中でした。
これから向かう笹尾根、その奥に丹沢、道志の山々。
御前山、大岳山に別れを告げて、、、
上川乗に向けて、峠を下ります。
峠の南側は、ほぼ一貫して杉の植林帯を歩かされます。
南に間近に見えるのは、トヤド浅間と万六の頭でしょうか、、、。
一気に駆け下りて、40分ほどで上川乗集落まで下りて来ました。
檜原村で数少ない信号を左に折れて、南秋川を渡ります。
車道を少し登って、チェーン装着用のスペース脇から峠道に入ります。
とても歩き易く整備された径です。
山の神にご挨拶。
尾根の上部で広葉樹林帯となります。
名残りの紅葉。
2020年の秋も、いよいよ終わりですね。
上川乗から約1時間、早目のペースで笹尾根の浅間峠に到着しました。
二本の大杉と浅間宮(明治26年刻)が、浅間峠のシンボルです。
宮内敏雄の「奥多摩」には、「森鬱な針葉樹の巨幹の基に宮は富士に面して鎮かれてある。」と記されています。実際の宮は東向きで、富士山に面していないのが気になるところです。
峠から、笹尾根を僅かに東に下ります。名残りの紅葉のバックは大岳山です。
冬枯れ越しの富士山。先程より雲が切れて来ました。
本日最大のお目当ての栗坂峠。「奥多摩」には「浅間尾根と栗坂峠は、栗坂浅間峠と呼ぶべき、一つの峠である、」と記されています。
峠道の分岐は、踏み込み防止の木枝が積まれています。
踏み跡の薄い、落ち葉に埋もれたトラバース道を進みます。
尾根の鞍部に小さな馬頭観音と標識があります。ここから谷沿いに下るのが古来の峠道ですが、今は林道となっているので、今回はそのまま栗坂尾根を下りました。
未だ黄葉が残る尾根の南面。その先に見えるのは権現山ですね。
微かに道形を残していますが、殆ど歩かれていないと思われます。
赤やブルーのリボンがありますが、これは作業用で至る所に見えるので、過信は禁物です。
地図を何度も確認しながら、無事林道に合流しました。
林道からの眺め。
左隅の石老山から道志の山並み。とても美しい展望で、思わず溜息が出てしまいました。
最初の民家の庭先でお会いした笑顔が素敵な老夫妻。山の畑で採れたネギは談合坂SAで売るそうです。
登山詳細図に峠三叉路と記された地点を左に下ります。右に下る道は猪丸集落方面に続いています。
小伏集落の道。途中の案内板を見て城山に立ち寄ってみました。
小高い丘は昔の烽火台だったそうで、金比羅神社は平成30年に廃社となったとありました。
城山から見下ろす小伏の集落。
集落を下って、八幡神社に下山のお参り。
八幡社の下で車道に出て、そのまま東に向かいます。
途中、ゴルフ場の前を通るのはご愛敬です。
聖武連の東の山裾の間道を抜けて、尾続橋南詰めにでると、そのまま新井を目指します。
途中の神社へのお参りも忘れずに。(正八幡社)
能岳と八重山。
こちらは虎丸です。
そして、西陽を浴びて輝く錦色の要害山、通称おっぱい山です。
尾続橋から25分で新井バス停に到着。調度10分後にバスが来るタイミングでした。
バス停付近からの要害山。紅葉のおっぱい山を見る事も今日のお目当ての一つでした。
笹尾根の土俵岳と丸山。
最後のお目当ての上野原駅北口の一福食堂。コロナ対策も万全でした。
装備・携行品
シャツ | アンダーウェア | ダウン・化繊綿ウェア | ロングパンツ | 靴下 | レインウェア |
トレランシューズ | バックパック | スタッフバック | 水筒・テルモス | ヘッドランプ | 傘 |
タオル | 帽子 | グローブ | 着替え | 地図 | コンパス |
ノート・筆記用具 | 腕時計 | ナイフ | 健康保険証 | ホイッスル | 医療品 |
虫除け | ロールペーパー | 行動食 | テーピングテープ |
みんなのコメント