行程・コース
天候
晴れ、暖か、雲量1以下。無風。
登山口へのアクセス
その他:
行き_
西武池袋駅06:50(特急ラビュー)〜08:14西武秩父駅08:40ごろ(西武観光バス)〜09:00ごろ三峰口駅
帰り_
武州日野駅16:52から普通電車を乗り継いで19:25西武池袋駅
この登山記録の行程
(丸ガッコ内は地理院地図の表記)
09:50~三峰口駅スタート
10:34~(622.6三角点)~10:38
11:31~(P725)を巻く
12:02~(P802)~12:06
12:28~(標高960mあたり)~12:37
12:47~(標高1030m付近)の岩場を巻く
13:02~(P1165)
13:34~(P1307)~13:39
13:58~熊倉山~14:24
14:54~水場
15:16~最初の渡渉場~15:18
15:36~林道に上がる
16:27~武州日野駅フィニッシュ
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
まったく違う山に登る計画をしていたのに、交通機関の三が日の特別ダイヤに気づかず右往左往。初ハイキングは出戻りハイカーの半熟具合を思い知らされて良い勉強になった。
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○ アプローチ
西武秩父駅から西武観光バスで中津川方面に向かい、ひと山やっつけるプランだった。この山域は始発の交通機関の現地到着が遅く下山口の終バスが早い。タイトな時間を切り分けて、ピーク到着時刻に余裕があった場合の2ルート・計画通り・遅れが出たとき、の合計4ルートを想定して家を出た。
ところが三が日は「中津川行きは運休」だそうだ。乗客整理にあたっていた係員さんとやりとりをしたところ、「三峰神社行きに乗って三峰口駅で降り、中津川行きに乗り換えてください」とのこと。この段階で歩き出すのに30分以上遅れがでることが確定し、さきの2ルートはあきらめた。次に、三峰口駅始発の中津川行きバスに乗りこみ念のため帰りのバス時刻を確認すると、なんと14時台だという。「遅れが出たときのルート」でさえ時間内に歩きとおせる確証がなくなりバスを降りた。
一服しながらどうしようか迷う。いつか歩きたい梵天尾根の偵察に、秩父御岳山へ上がって歩けるところまで行ってみようか。いやいや地図もたずで初見のコースはないだろう。あれこれ考えた挙句、駅から登れる聖尾根で熊倉山を目指すことにした。老眼でもはやスマホのこまかな動作ができず、登山届けの変更をしなかった。もうひとつの訳もくわわって慎重に・ゆっくり登った。
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【聖尾根について】
5段階の4、「かなり悪い」に分類します。もし吉備人出版がこのエリアの登山詳細図を出しても、聖尾根は載せないでしょう。肝だめしを楽しいと感じる限られたハイカーしか登りません。
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○ 聖尾根
県道210号からヤブをかきわけいきなり急斜面の登りになる。駅をスタートして1kmちょっとの最初のランドマーク、622.6三角点への登りがすでに悪い、というかルート中で1、2の悪さだ。根っこをつかみ立ち木の根元へ上がる動作を繰り返す苦闘中のハイカーの背後では、ガタンゴトンと駅に出入りする列車や車のエンジン音が聞こえる。町内放送もはっきり聞き取れる。日常生活音に囲まれて、いったい自分はいまなにをしてるんだろうと苦笑いが出てしまう。
622.6三角点を通過後はいっとき平穏に(この尾根上では。相対的表現)なるが、次はP725への登りが待ち構えている。とても有効なロープがあり左(北東面)を巻くようについている。まっすぐ登るハイカーもいるようだ。725の次の小ピークも悪い。遠望して急斜面の右側に弱点があることはわかるが、最後テープに導かれて右(南面)の崖をよじ登るとき空中に身を投げ出すような体勢になる。足元手元はしっかりしているがいちばん高度感があった。
標高1030m付近にはロープのついた岩場があり(写真20)、でもここは登らない。支点になる立ち木の場所から仕方ないにしても、ロープにつかまると振られるような感覚でまったく落ち着かないので。幸い右に巻き道があるからトラバースし、左斜面の傾斜が落ち着いたところを狙い尾根に戻る。P1307へむかうロープ場も悪い。ここのは古く緩んでいる。それを頼りに崖の上を斜上し、やっと危険から開放されて熊倉山に向かうことができる。
もし13時半前に山頂に着くことができれば、蝉笹山に直進して宗屋敷尾根を降ろうかと頭の片隅では考えていた。しかし10時スタートののんびりペースでは到底無理で、山頂で食事をとり長々と一服した。
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○ 日野コース
登りの聖尾根とは対照的なコースだと思う。まず、歩いていて楽しい。降りはじめは長いトラバース道を九十九に行き、奥多摩の水源林巡視路を思わせる。笹平の雰囲気はとても好み。やがて道標のある「官舎跡」を過ぎると標高740m付近で沢に下りる。昔は橋があったらしい渡渉箇所がいくつかあるが、水量が多くない限り難しくはない。棒ノ嶺の白谷沢より易しいと感じる。道標完備の、危険に身をさらすことなくリラックスして歩けるトレイルだった。埼玉県としては「熊倉山に登るなら日野コースだけにして欲しい」のが本音ではないだろうか。
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● エピローグ
正月に実家を訪ねた。高齢の母親がいるので遠慮すべきところだが、その本人がたっての召集だから仕方ない。係累の集合するなか、一人離れた席をこしらえ距離を置き、集まりを眺めて満足そうにしている。不覚にも、この人を心配させたり悲しませたりするのはよろしくないな、という人としては自然な感情が湧いてきた。土産のなかにシュトーレンがあり、ハイキングにもってきたのもいけなかった。ザックを開けるたびにそのときの気分が蘇る。
難しいところに当たって、全身全霊で乗りこえようとする忘我の感覚はハイキングの醍醐味のひとつだと思っている。その手前でブレーキをかけてしまうような日常のひと場面と思いをひきずり、これからのハイキングをどうすれば良いのだろう。そんなことを考えながら各駅停車に乗った。
(了)
フォトギャラリー:39枚
1.
三峰口駅、標高315m。
2.
秩父漫遊きっぷ。池袋~西武秩父と中津川まで往復のバス代が1590円で済む!はずだったのに。
3.
車道からヤブにとりかかり数分後、振り返って。
4.
登り始め、フツーに急斜面。
5.
いったん斜度が落ち着くが、
6.
622.6三角点への登りのいちばん厳しかった斜面を振り返って。上手く撮れていない。
7.
平穏。天気が良いなあ。
8.
622.6三角点。
9.
道中の風景。
10.
おなじく。
11.
P725に向けていったん鞍部へ下る。
12.
おなじく、通過後に振り返ってだと思う。
13.
P725へ。
14.
おなじく基部。
15.
お助けロープに導かれながら左を巻く。
16.
ここを降りれば「巻き」はほぼ完了。振り返って。
17.
10mくらい進むと祠の跡。
18.
道中の風景。
19.
休憩した標高960m付近。下降のさい進路を誤らぬようとおせんぼロープが張ってあるが、下降するハイカーなんているのだろうか。
20.
標高1030m付近の岩場。昨年いっぺんだけ登ったがそれで十分なので、
21.
右(西面)の巻き道に入る。
22.
P1165付近。
23.
道中。
24.
P1165の次の小ピークからの下降、振り返って。テープに従って真ん中を堂々と降りることができる。
25.
P1307への登り。このロープは緩んでテンションが効かない。最後の悪いところ。
26.
P1307に上がった。
27.
熊倉山頂。
28.
このロープの背後から上がってきた。振り返って。
29.
日野コース降りはじめ。ほとんど奥多摩的トレイル。
30.
道中の奇岩。
31.
道中。
32.
地図によっては「笹平」と入っているあたり。
33.
おなじく、「官舎跡」。
34.
沢沿いに降りる。何度か徒渉する。
35.
36.
この先も沢沿いにコースがあるようだが、ここで林道に上がる。
37.
林道に上がって振り返る。申し訳ありません、次回は必ず。
38.
林道から街並み。
39.
帰途は特急を見送り各駅停車で。そういう気分。
装備・携行品
【その他】 サレワのスピードビートGTX。テスラのタイツにモンベルのロングパンツ。モンベルのメリノウール+マウンテンハードウェアの速乾性長袖シャツの重ね着にモンベルの綿入りアウター、バラクルバ、ペツルのヘルメット、ブラックダイヤモンドのフルフィンガーグローブ。ザックはロウアルパインの25リッターにモンベルのギアホルダーを外付け、ココヘリ発信機・モンベルのチェーンアイゼン・モンベルの雨具上下・ユニクロのライトダウン、薄手フリース、手袋予備・ロールペーパー・ヘッドランプ・スマホ(カメラ+GPS)・バッテリー充電器と予備電池・キャメルバックのハイドレーションに水1.5L・パン・非常食のカロリーメイト、下山後の着替え一式・サンダル。スタート時重量7.0kg。 |
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