行程・コース
天候
晴れ、時々、曇り・雨と雹
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
袋田の滝の無料駐車場を利用。24時間開放されていて綺麗なトイレもある。大きい駐車場だが、観光地なのでシーズンは直ぐに一杯になる。第一、第二と2つの無料駐車場がある。
この登山記録の行程
袋田の滝無料駐車場(08:14)・・・登山口(08:23)・・・生瀬富士(09:02)・・・ご当地ジャンダルム(09:13)・・・生瀬富士・・・立神山(09:43)・・・かずま分岐・・・かずま・・・屏風岩(10:10)・・・渡渉ポイント(10:28)・・・民家・車道(10:40)・・・車道・・・山に取付き・・・水根分岐(11:36)・・・奥久慈男体山(12:44)(昼食~13:21)・・・第二展望台(14:56)・・・第一展望台・・・鍋転山(15:06)・・・月居山(15:31)・・・袋田の滝無料駐車場(16:22)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
ご当地富士山、ご当地アルプス、ご当地マッターホルン、などなど。ご当地〇〇は数多いが、今日のターゲットは山屋なら聞くだけで痺れる「ジャンダルム」・・・のご当地版。笑。
そもそも「茨城」&「登山」で検索すると「初心者でも登れる茨城の山」が真っ先にひゅじされる茨城で、「ジャンダルムとはなんて大げさな!」と思われる方も多いかも知れないが、なかなかどうして「篭岩山」や「鍋足山」に代表されるように茨城にも岩稜系の面白い山は沢山ある。
散歩程度に考えていたので、ゆっくり目に出発。
目的は日本三名瀑の一つ「袋田の滝」。駐車場には8時少し前に到着した。いつもであれば観光客で一杯になっている時間帯だが、コロナの影響が大きいのか、駐車場にはかなり余裕があった。
今日の山は「生瀬富士(なませふじ)」。富士と名がついているので、こちらもご当地富士と言える。ただ、茨城の場合、「富士」と名がつく山は20座ほどあるが、その多くは山容が似ているというより、条件が良い日には富士山まで見渡せるというところから名付けられているケースが多いようだ。
生瀬富士を訪れるのは約4年ぶり。記憶があやふやですっかり登山口を忘れてしまっていた。民家の畑をショートカットしてしまい、ごめんなさいだ。
昨日の大雨で荒れているかと心配していたが、登山道は意外にしっかりしていた。
雨に濡れた森はヒンヤリとして気持ちがよい。光が射すと、若葉が際立って輝いて見えた。先週は、雪山を堪能していたが、今日は春の山。瑞々しい若葉に美味しい空気。命溢れる春山も最高だ。
早速、小さな妖精「チゴユリ」が出迎えてくれる。純白の花弁が愛らしく大好きな春の花の一つだ。その後、ニリンソウやイカリソウも姿を現す。彩が着実に増えている。
生瀬富士は標高406m。小さい山なので、初めての方でも簡単に登れるが、大きな岩に設置された鎖をよじ登り山頂にたどり着くと、周囲の山々を見渡せる素晴らしい眺望が待っている低山ながら良い山だ。
コースはそのまま袋田の滝方面へと続いているが、一旦、コースを外れて目的のご当地ジャンダルムを目指す。
山頂の脇にある大きな岩の横をすり抜けるように進むと、ゴジラの背びれのように連れなった岩が見える。200m程あるだろうか。看板が設置されている訳ではないのでないので、樹が視界を遮って気が付かずに通り過ぎてしまうが、なかなかの名所につき、ぜひ立ち寄って欲しいところだ。
背びれの端まで移動して、最後の盛り上がった岩をよじ登る。よじ登ったところに、探していた物が無造作に置かれているのを見つけた。それは、金属でできた天使のプレート。
ジャンダルムに憧れる者なら誰しも知っているジャンダルムの天使。それと全く同じ形をしたプレートが置かれている。以前来た時にはそんなものは無かったと記憶しているので、おそらく、地元の方がここ最近造ったと思われる。
それにしてもよくできている。細部までそっくりに模写している。ただ、「ジャンダルム」の文字横に小さく「茨城の」と書いてあるのがお茶目だ。
茨城のジャンダルムに立ち、周囲を一望する。山々の新緑が海原のように広がっていて素敵だった。遠くには那須連山が聳えていた。
コーヒーを淹れてまったり休憩を取ろうかとも思ったが、時間が早いので先に進むことにした。
コースに復帰して次の立神山(たちがみやま)へ向かう。
真っ赤な山つつじがところどころに自生していた。つつじを見ると5月も近いと感じる。地元のつつじ公園ではGWになるといつも盛大にイベントをしていた想い出があるからだろうか。ふと、新緑に浮き上がるように鮮やかなピンク色の花弁が見えた。遠くからでも一見して分かる「ミツバツツジ」だ。名前の通り3つの葉に特徴があるが、とにかく花が美しい。単純なピンクではなく、透き通るような淡く優しい色合いで、光の加減では薄い紫にも見える。個人的にも大好きな花の一つで、実家の庭にわざわざ苗木を買ってきて植えたこともある。花が咲くと毎年嬉しそうに連絡をよこす両親を思い出す。ミツバツツジには少し早いと思っていたが、今年はやはり季節の移りが一週間ほど早いようだ。
樹々の間から大きな滝が見えてくる。
山の斜面いっぱいに流れ落ちる滝。説明不要の袋田の滝。断崖絶壁を沿うように進むと、袋田の滝を真上から眺めることができる絶景ポイントに到着する。「袋田の滝」展望台から左手側に見える屏風岩と呼ばれる断崖の頂点に立っていることになる。
昨晩の豪雨が周囲の山々から集まってきているのか、これまで見たことがない程の水量となり勢いよく流れ落ちているのが見えた。迫力満点でこれ以上ない特等席だ。
屏風岩から断崖沿いに下っていくと、袋田の滝の上の部分に到着する。ちょうど川が合流するポイントで、対岸には小さな家が見える。本来であれば、ここが渡渉ポイントになっていて、浅瀬から顔を出した岩を伝いながら渡ることになるが、目の前には茶色い濁流が渦を巻くように勢いよく流れている。幅は50m程。波にのまれ、「袋田の滝」の滝つぼに向かって流れ落ちていく映像が脳裏に浮かんだ。もちろん渡れるわけがない。前回来た時も、今よりも水量は圧倒的に少なかったが、結局渡ることはできなかった。本当に渡れる日はあるのだろうか。
前回は来た道を折り返したが、今日は気ままな散歩なのでそのまま川の上流へと向いう回路を探す。
小さい尾根を越えると、民家の脇に出た。登山道はまだ延びていたが、ショートカットしたせいか、畑の脇に出てしまった。「ごめんなさい」と言いながら畑をなるべく踏まないように慎重に進む。道に出たところで地図を確認していると、袋田の駅から歩いてきたという登山者に出会った。登山口を探しているというので、もう一度、畑に戻って自分が出てきたポイントを説明してあげた。ごめんなさいを言いつつも3回も畑を行き来してしまった。
地図で、月居山へ向かうルートを確認し、車道を進む。
のどかな田園風景を眺めているうちに、ふと足を延ばしたくなってきた。時間はまだ早い。「よし、(奥久慈)男体山に行こう」。
思いついたら行動は早い。適当な場所から山に踏み込み、尾根を目指して登っていく。真っすぐ尾根伝いに進めば月居山から奥久慈男体山への縦走路にぶつかるはず。
藪をくぐり斜面をよじ登り進んでいくと、林道に合流した。なんだ、林道があったのか。林道から登山道にかわり、延びる道を進んでいく。林業用の登山道だろうか。しっかりした道だった。
もう少しでピークにたどり着くと言う時に、突然、周囲が暗くなった。天気予報では夕方から曇りマークとなっていたが、日中は晴れマークだったはず。不思議に思い空を見上げるとパラパラと音を立てながら白いものが降ってきた。よく見ると小さな雹。数分前までは快晴だったのに急変する天候。おそらく上空の気圧配置は相当不安定に違いない。
縦走路に合流。看板が設置されているので迷う心配はない。雹は激しく降った後、10分ほどで収まったため、予定通り男体山行きを決行する。
月居山から奥久慈男体山への縦走路は、程よいアップダウンでとても歩きやすい。そのためトレイルランナーも登山者以上に多く人気の場所になっている。
それにしても新緑が眩しい。足を延ばして正解だった。ミツバツツジやニリンソウも沢山咲いていた。
男体山の頂に到着。
いつ来ても、男体山からの眺めは最高だ。
時間は12時を少し過ぎたところ。お腹が空いたので、早速、お湯を沸かしてスープを作る。今日は温かいものを飲みながらゆっくりしようと決めていた。持ってきたサンドイッチを頬張りながら、クリーミーなスープを頂く。もうそれだけで贅沢な気分だ。
更に食後のコーヒーでまったり。極楽だ。
お腹も満たされたので、今度は折り返して月居山へと向かう。
奥久慈の登山道はよく整備されているが、コースが幾つも絡み合っているのでミスルートには注意が必要だ。自分自身、馴れているはずなのに、今回も間違えてしまった。確か、前回も同じ場所で間違えたような気がする。
最初に縦走路と合流した地点まで戻ってきた。
あとは鍋転山を通り月居山を経由してゴールの駐車場に向かうだけだが、その途中には第一、第二と呼ばれる2つの展望台が絶景ポイントとして待っている。展望台と言っても櫓ではなく、せり出した岩の自然の展望台。上に立つと、足元がスース―するが、そのスリル感もまたスパイスになって良い。遠くの風景を眺めながら、もう残りの行程も見えてきたため、水をセーブする必要もなくなったので、ぐびぐびと一気飲みをする。気持ちがいい。
鍋転山を越えて、月居山へ。
時間帯的だろうか、月居山の山頂はひっそりと静まり返っていた。眺望がないので、代わりに城跡の石碑を写真に収め、早々に下山モードに入る。
月居山を降るとT字路に出る。
左へと進むと袋田の駅方面で、途中の分岐を右に折れると出発地点の駐車場へと最短で戻ることができる。一方、右へ進むと、もう一度、山を登って袋田の滝を眺めつつ駐車場へと戻る遠回りコース。
さて、と。悩んだ時には「キツイ方を選ぶ!」。
急な階段をどんどん登っていく。そういえば、このコースは歩いたことがなかった。階段も直ぐに終わるかと思いきや、これが山頂から反対側の斜面まで延々と続いた。ピークは先ほどの月居山と同じで思ったほどの眺望はなかったが、降っていくと袋田の滝の遊歩道に合流する。遊歩道へは何度も来たことがあったが、袋田の滝を横から眺めることができるので、隠れた名所になっている。
今日は、ジャンダルムの天使から始まり、袋田の滝をぐるりと周遊しながらいろいろな角度で眺めることができた。また、男体山までの縦走路は新緑にあふれていて、フレッシュな気分になれた満足な一日だった。
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