行程・コース
天候
晴れ、向きによって風あり。co1500mから残雪、大ダワまでの200mは20cm。大ダワ~雲取山~ブナ坂は圧雪、七ツ石山の巻き道までところどころ残る。
登山口へのアクセス
その他:
行き_
立川に前泊、
立川駅04:47から乗り継いで06:54東日原バス停
帰り_
留浦バス停18:05から乗り継いで20:48新宿駅
この登山記録の行程
(丸ガッコ内は地理院地図の表記、coは標高、窪の名称は吉備人出版の「登山詳細図 奥多摩西編」から)
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07:03~東日原バス停スタート
07:42~八丁橋
08:30~富田新道入口~08:38
08:54~唐松谷・大ダワ林道下降地点
09:08~二軒小屋尾根乗越し~09:24
09:57~崩落地点手前で装備を整える~10:03
10:06~小崩落地点通過~10:12
10:15~大崩落地点通過~10:37
10:48~モミソ窪~11:02
11:31~芋ノ木窪~11:36
11:47~栃ノ木窪
12:23~日向窪(P1465付近)~12:30
13:45~熊穴窪
14:27~大ダワ
14:59~雲取山
15:00~避難小屋~15:12
15:55~ブナ坂~16:02
17:35~村営駐車場~17:40
17:55~鴨沢バス停フィニッシュ(留浦バス停に移動)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
通行止めの廃道、大ダワ林道は歩かないと決めていた。過去の記録を眺めていると、大雲取谷の左岸をゆく道は崩落や消失が激しく危険箇所が多い。行程中の難所は山歩きのアクセントになり・山行を思い出深いものにしたりするだろうが、「危険箇所ばかり」は困る。道中は谷を左の眼下に眺めながら、足首を傾け延々と斜面を歩くようだ。飛ばして歩くのを楽しみにしているハイカー向けでないのもはっきりしている。苦労や困難と歩き終えた満足を天秤にかけたときに釣り合いがとれそうもない。そう考え遠ざけ、結論は出したはずだった。
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ところが相変わらず地図でこのエリアを眺め、その回数は減らずに増える。諦めきれず気になって仕方がない様子だ。ひと晩、気にする理由を自問してみた。
― 何年かして歩けなくなったとき、歩かなかったことを後悔するだろう。
なのだそうだ。
歩かずに後悔するのと、じっさい危険に身をさらして後悔するのなら、前者を選択するほうがぜんぜん賢い。相変わらずだなあと呆れながら、それなら、とケリをつけることにした。時期を待たず、冷え込んで落ち葉が積もる廃径にむかった。
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● この廃道はリアルに危険です。山中に通行止め・通行禁止はたくさんあり、少し山慣れた人なら工夫して通過可能な場所も多いですが、レベルがまったく異なります。通行止めの案内は額面どおり現場での危険度でした。
もうひとつ、過去の記録と較べると今回様子が異なる場所があり、もちろん「ますます悪くなっている」。大雨や冬の凍結で変化するスピードが速いのかもしれません。
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○ 概況
詳細は写真のキャプションに記入した。行程中は左に谷・右に山側がずっと続く。反対の写真があればすべて通過後に振り返って撮影したことになる。
ふだん用いない装備としてモンベルのチェーンスパイクとサレワのアックスを使用した。凍結気味かつ落ち葉の多い斜めになった道は、チェーンスパイクなしで歩けたかどうか。アイスアックスも手がかりのない斜面に打ち込むことでホールドができあがり、ずいぶん役に立ってくれた。いっぽう、ダブル(両手)で持ってるほうがより便利だったなと思う場面があり(笑)、また必要のない場所での収め方がわからず邪魔になった。ザックのショルダーベルト下端にカラビナを1枚付けてきたが、アイスバイルはシャフトの途中にグリップの出っ張りがありカラビナを通らない。ショルダーベルト下端に直に落とし差しにすると、シャフトが短く頭が重たい作りから前に飛び出てしまう。これからも使うなら道具の扱いに慣れなければならないし、両手が自由なほうがやっぱり自分向きかもしれない。
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先行者の記録によれば、二軒小屋尾根乗越しの大ダワ林道スタート地点から30~40分の崩落地手前にはロープがあり、小尾根を高巻く道中も林道に戻る下降経路もテープがあるとのことだった。ところがとおせんぼロープを見かけず、直進して出合った崩落地はなんとか渡れそう。なお進めば規模の大きな崩落地が待ちかまえており、この前後は上手く歩けなかった。
林道は大雲取谷に流れ込む窪を数回渡る。大雲取谷に背を向け窪の上流に向かい、水線が近づいたところで問題なく渡渉し、対岸の径路を折り返すパターンはみなおなじ。上流に向かいながら対岸のルートを探し容易に見つけることが可能だが、P1465付近の日向窪だけはいくら凝視しても道型が見つからない。崩落地手前のロープ見落としといい、きょうは「見えなかった」いちにちなのかもしれなかった。
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(了)
フォトギャラリー:59枚
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東日原行きのバスは車中ひとりきり。
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八丁橋。
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立派に修復された天祖山表参道登山口を通過。
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左手にヤケト尾根下降地点・ツバノ尾根下降地点、右手に大ブナ尾根取付き・赤石尾根取付きと見送り、富田新道下降地点。
6.
やっと長沢谷への下降地点に着く。1時間50分は遅いな。冬場はどうも時間がかかる。
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長沢谷を渡る。
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登り返して二軒小屋乗越し。歩き出しから2時間でやっとスタート地点。正面が二軒小屋尾根、左下が大ダワ林道。
いつも湿っている日原林道の水溜りが凍っていたのでチェーンスパイクを履き、テムレスに取り替える。アイスバイルは下ろさず。
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大ダワ林道歩き始め。
左が谷・右が山側がずっと続く。反対の写真があればすべて「振り返って」ということで。
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鹿柵「38・い」。権衛〈ゴンエ〉尾根下降地点。
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のどかに歩ける区間は短い。
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そろそろ崩落地があらわれるはずで、この小尾根を上がったほうが良いのかな、などと思案しながらアイスバイルを下ろす。
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結局は道型を直進し、
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崩落地点に当たる。越えてみてわかったが、こちらは規模の小さいほう。
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ルートはあくまでも記憶による
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通過後。
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2本目、規模の大きいほう。写真の上端か・もしくはさらに上を高巻いたかもしれない。論外に悪い。左下に石組みの残る道型が続く。
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通過後。
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崩落上部。
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下部。
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通過後しばらく道型に下りられず斜面をトラバース。この小尾根でやっと下りる。
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道型に降りるととおせんぼロープ。しかしナゼ通過前=崩落地手前でロープに出会わなかったんだろう。
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27.
モミソ窪を遡り、折り返し地点の間近。こうしてみるとびっくりだが、崩落地にくらべると緊張度は低い。たしか上部をぐるっと巻き、落ち葉のルンゼを水平に横断し、左の道型にたどりついた。
28.
アイスバイルはもっぱらこのように使った。ピックと石突きの2点で斜面にがっちりはまる。チェーンスパイクとともに、ありがたかった装備。
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落ち葉や土の斜面を相手するのは不満だって?
今年の流行語は「親ガチャ」だ。持ち主ガチャってのもあるんだよ。諦めてくれ。
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芋ノ木窪を遡る。上流に向かい水線が近づいたところで渡り、対岸の石組みが残る道に戻る。窪をこえるときはこのパターン。
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渡るとき「渡渉」というほどではない。水筒も小さいのですむ。
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廃道標のある日向窪(P1465付近)。ここは対岸のルートが見えずに20分近くウロウロした。
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適当にトラバースに入るが道型・踏み跡ともにみつからずしばらく苦労した。
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踏み跡かケモノ道か判別つかず。
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帰ってから調べると、道型はもっと標高を上げたところにあるようだ。
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まだ薄い筋を追っている。
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道型に会うために標高を上げることにする。この窪を登った。
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やっと道型に復帰する。日向窪から400m進むのに1時間かけてしまった。
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熊穴窪。遡り・対岸に渡る。こんどは左上に雪の残る石組みが見え、ひと安心。
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石組みの下を通過する。つかんだ石がぼろっと剥がれてヒヤヒヤ。
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熊穴窪にも廃道標。
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co1650m、大ダワまで300m付近。安全地帯に抜けたようだ。
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かわりに雪。先人の足跡をたよりに。
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近づくとケモノの足跡だった。歩行能力はハイカーより全然優れているから、先達にちがいないが。
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まっすぐ大ダワに上がろうとして大ダワ窪を上がる。けっこうな積雪。
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氷は無理だから雪で満足しておくれ。
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狙い通り、道標が見えた。
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ぴったり大ダワに上がる。長かったなあ。
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雲取山頂は富士方向に落日の時間。逆光を避けてこの角度。
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避難小屋でコッペパン。きょうはまともに食べていなかった。
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ブナ坂でも休憩。石尾根下降中から両脚がツリだし、なかなか治らないパターンにはまる。
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17時を過ぎるとスイッチを切ったように真っ暗になった。痛む足をさすったり叩いたりしながら鴨沢に降り、30分早いバスに乗るために留浦バス停へ移動する。新宿駅でシートから立ち上がるときに最後のツリがおき、片脚を引きずりながらターミナル駅構内を歩く惨め。
装備・携行品
【その他】
ラ・スポルティーバのウルトララプターⅡレザー。起毛タイツにモンベルのロングパンツ、モンベルのチェーンスパイク。モンベルのメリノウール厚手(エクスペディション)に綿入りアウター、バラクルバ、ペツルのヘルメット、モンベルの薄手綿入りグローブ→テムレス。サレワのアイスアックス。ザックはロウアルパインの25リッターにモンベルのギアホルダーを外付け、ココヘリ発信機・ヘッドランプ・スマホ(カメラ+GPS)・バッテリー充電器と予備電池・雨具・ユニクロのライトダウン・ロールペーパーなど。キャメルバックのハイドレーションに水1.0Lとテルモスに甘くした紅茶0.7L・コッペパンみっつ・トレイルミックス。スタート時重量8.0kg。 下山後の着替え一式とサンダルは奥多摩駅のコインロッカー。 |
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