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(忌山尾根・キリンボ尾根)鷹ノ巣山(三ノ木戸林道)ワンデイハイク

ヤケト尾根、忌山尾根、巳ノ戸沢、キリンボ尾根、鷹ノ巣山、石尾根、六ツ石山、三ノ木戸林道( 関東)

パーティ: 1人 (加藤キーチ(モンターニャ) さん )

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行程・コース

天候

うす曇り、弱い風あり

登山口へのアクセス

その他
その他: 行き_新宿駅05:16から乗り継いで07:54東日原バス停
帰り_奥多摩駅17:47から乗り継いで19:17新宿駅

この登山記録の行程

(丸ガッコ内は地理院地図の表記、coは標高、地点名称は吉備人出版の「登山詳細図 奥多摩西編」から)
.
08:01~東日原バス停スタート
08:53~ヤケト尾根下降地点~09:05
09:37~(ヤケト尾根co1020m付近)~09:44
10:07~(同、P1247)、休憩~10:19
《忌山尾根の下降》
11:00~(co980)の鞍部~11:04
11:32~巳ノ戸沢に降りる、休憩~11:46
《キリンボ尾根の登り》
12:39~(co1300m)
13:30~鷹ノ巣山、休憩~13:55
14:53~六ツ石山~14:57
15:17~三ノ木戸林道に入る
15:57~車道出合い~16:05
16:54~奥多摩駅フィニッシュ

コース

総距離
約21.6km
累積標高差
上り約2,879m
下り約3,152m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

吉備人出版の登山詳細図に尾根の名称だけ入っている、忌山尾根とキリンボ尾根を繋げて歩いた。というか、この2本は沢からアプローチせず尾根伝いに登降するとほとんど必然的に繋がる。
確認できた記録は20年前、2003年まで遡る。
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○ プランニング
ルート上、「巳の戸沢に降り、登り返せるか」が核心になるのは容易に想像がつく。まず下降する「忌山尾根」で検索をかけるが、尾根を歩いた記録はヒットしない。かわりに沢屋さんによる「忌山の悪場」の通過記録がゾロゾロ出てくる。場所は忌山尾根を真っ直ぐ降ると巳の戸沢左岸の岩崖記号に当たる、その下流付近のようだ。ゴルジュに滝が連続する遡行の核心部、とある。道具モタズでランニングシューズのハイカーがそのような場所に降りたってなんの役にも立たない。じっさいに歩いた場合、忌山尾根の最後は右=上流方向か、左=下流方向に逃げざるを得ないのは地形図から読みとることができ、「上流方向に降りる一択」であることを確認して次に進む。
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さて、登り返すキリンボ尾根。googleはわずかな検索結果を表示し、そのひとつがいつもお世話になる「花のひかり」komadoさんの記録だった。
https://yamaarchive.web.fc2.com/2003.12.28.htm
「ヤケト尾根の巡視路から枝尾根を伝い巳ノ戸谷へ」とあり、忌山尾根を降った、とは残していない。それで検索に引っかからなかったんだな、と納得する。
1.忌山尾根末端の鞍部から右に降る、で間違いないようだがkomadoさんが苦労されているなら簡単ではないだろう。2.キリンボの取り付きは「新雪の影響」を除けばとくに注目すべき記述はない。3.いずれにせよ20年前の記録である。
以上3点を確認してハイキングにのぞんだ。
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○ 忌山尾根を降る
co980mでワイヤーが進路をヒザ下の高さで横切っており(写真18)、跨ぐとすぐ先が小鞍部(写真19)。付近からはワイヤーロープが沢に向かい降りている。ルートの取り方しだいでは傾斜を緩めて下降することも可能なようにみえたが、手っ取り早くワイヤーのお世話になった。直線距離にして残り30mからはフリースタイルの降りになる。渡渉に問題はない。
/巳の戸沢渡渉後、周囲の風景/
https://youtu.be/YpevKpLk7kA
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○ キリンボ尾根を登る
キリンボは切りん坊=怒りん坊・威張りん坊の用法ではなく、『錐ン棒出ッ先ノ尾根』だそうだ。komadoさんの記述にもあるし、先日国会図書館で『奥多摩/宮内』本を確認もした。
崖や岩場、急斜面といった危険箇所はない。ただ延々と続く傾斜のある登りには参った。オフトレイルで足元がしっかりしていないから、「がんばって登る」ことも難しい。ひたすら我慢の登りだった。巳の戸沢co930mから鷹ノ巣山1736mまでの直線距離と、「奥多摩三大急登」稲村岩尾根のco930地点から鷹ノ巣山を比較すると、キリンボのほうが3割短い。おまけに足元は踏まれていない。キリンボ尾根こそ、「奥多摩急登ナンバーワン」とさせていただく。個人の感想です。
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この日、チェーンスパイクは使用しなかった。詳細は写真のキャプションに記入したので参照ください。
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●プロローグ
最後にひとこと。
「頭の体操」的なプランニングの中身を記したのは、当記録者が「花のひかり」のkomadoさんの記録を追いかけている、とカン違いする人がいるようだから。
ハイキングの楽しみの半分はプランニングにある。歩かれていない・自分の力量に合っていそうなルートを探してギリギリで歩ききったときの充実感は「プランニングが上手くいった+現場で上手く歩けた」のだからとても大きい。ギリギリ過ぎる山行を繰り返していると確率の話(=いつか事故を起こす)になってしまうので、限界手前で逃げられる道も冷めた頭で残しておく。
花のひかりのkomadoさん、樵路巡遊のS.Tom.さんの記録には、ルートを探し調べているうちにたどり着くことが多い。駆け出しハイカーが僭越だが、歩き方が似ているのだろう。komadoさんなどは「沢登りは御法度」だそうだから、取り付きが容易ではない尾根を目指すときの経路まで重なってくる。
遊びの楽しみの半分であるプランニングを、他人のアタマにまかせっきりにしても全然楽しくない。先達が記録を残してくださっていることに感謝しつつ、当記録者は満足できる道や尾根を自ら探して歩く。
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なにかこう、頭がパツパツしている(笑
2月1日からサンレモ音楽祭だな。去年の優勝曲が、ふだんは聴かないが今の気分にピッタリだ。音楽祭のレギュレーションは「イタリア語で歌われる未発表新曲」、なるほどジャンルは問わないが、優勝決定後に「こんなのイタリアの歌曲じゃない!」と悲鳴にちかいブーイングが起こったのも納得する。
マネスキン『黙ってよい子に』、音量注意。
https://www.youtube.com/watch?v=Y0uWK1GtN-c
2018年だと、みなさんティーンエイジャーか。上手いので安心して聴ける。
https://youtu.be/y3T56egqXLw
.
(了)

続きを読む

フォトギャラリー:72枚

0.
尾根の位置関係をしめす。

1.
東日原バス停。先週のレポートに「水場がない」としたが、消防水利標識の下に蛇口あり。誤発信申し訳ないです。

2.
うす曇りで気温が上がらない。凍結注意の日原林道。

3.
この日は周囲を観察しながらの道中。八丁橋に車は1台もなし。

4.
ヤケト尾根取り付きへの下降地点。装備を整え一服する。

5.
まいど申し訳ありませんっ!

6.

7.
ヤケト尾根を登る道中も分岐する作業道をチェックしながら歩く。co1080m付近。

8.
P1247に着いた。倒木に腰かけてトレイルミックスと一服。

9.
忌山尾根の降りはじめ。

10.
co1150m付近、振り返って。

11.
co1130mで林業の痕跡に出会う。

12.
co1090m、振り返って。

13.
前方進路。

14.
co1080mで作業道を横切る。標高が一致するので、写真7の続きなのかな。komadoさんがたどったのはこの経路だろうか。

15.
傾斜が緩み、細くなってくる。

16.
co1000m。ここで進路を誤り巳ノ戸沢の下流に向かう尾根に引き込まれる。登りなおして、

17.
降った斜面を振り返って。

18.
右下方に巳ノ戸沢を見下ろす。進路を横切る林業ワイヤーを跨いだが、沢への下降路を探しウロつくうちにつまづいたw

19.
前の写真のすぐ先がこの小鞍部。人が尾根を横切って行き来した場所でよく見かける地形だ。両神山の一位ヶタワとか有間山稜の鳥首峠とか。

20.
少しバックすると(写真18と写っている木がおなじ)、ここから巳ノ戸沢に向かいワイヤーが下りている。
傾斜はあったがワイヤーにつかまって降りることにする。
co980。

21.
ワイヤー頼りの下降の一段目を振り返って。

22.
二段目。
この写真を撮るためには左手のグローブの指先を口にくわえて脱がないといけないが(スマホのカメラを起動できない)、「歯」だけであっというまに付け直すことができた。そのための(?)タブが付いている。山道具ってのはいろいろ考えられてるなあ。
ブラックダイヤモンドの「クラッグ」シリーズ。

23.
三段目だったか。ワイヤーを振ったり引っ張ったりして埋もれた部分を掘り返しながら。

24.
沢まで30mというところでワイヤーが途切れる。どうせなら沢まで垂らしていただきたかった。ああでもないこうでもないと降ってゆく。

25.
おそらく渡渉のために、沢に倒木が渡してある。目指していたが、そのルートだと写真31の凍結場所に降りてしまうことが判明。すったもんだしながら下流方向に進路を振っている。

26.
降りきる前に、対岸のキリンボ尾根の末端を観察しておく。途中で眺めたよりも傾斜がゆるやかでホッとする。うっすら白いのが平場らしい。沢から上がる経路も尾根末端(写真右)にまわりこむ経路も見てとれる。
薄い積雪は道型をはっきりさせてくれるのでありがたい。

27.
ピッタリ目標地点に降りた。倒木と岩の組み合わせで渡るのは問題なし。

28.
上流方向。

29.
あらためてキリンボを見上げる。うん、これなら取り付ける。

30.
小滝が凍りつつある。

31.
写真25のあたりで進路変更したのはコレが原因。

32.
キリンボの平場に上がってみる。埋もれたビールケース?と、

33.
錆びた缶。
さて、登りにかかる。平場から上流に向かう薄い踏み跡をたどり、尾根末端にアプローチする。

34.
手を使い下部の急斜面を登りきったところ。振り返って。

35.
そのとき前方進路はひどく平和な風景。だがダマされてはいけない。

36..

37.
ものすごい量の残置ワイヤー、co1000m。

38.

39.
うっすら道の型を感じるところも。co1100。

40.
co1150。

41.
1200。写真だと切迫感がないが、バランスをとるために手を前や横につきながらの登りが続く。

42.
1250。進路右から上がってくる尾根と合流すれば傾斜がゆるむはずで、ゼーハーいいながらの登り。

43.
co1300で合流し「少しのあいだ」フツーの傾斜になる。ここまで取り付きから小一時間かけており、まだ先は長い。泣きながら帰りたくなるレベル★★★★★。

44.
co1350、残雪が混じりだす。左に白いラインで道のようなものが見え、

45.
右には、よりハッキリした道型。

46.
尾根上の交差点、co1380m。
「花のひかり」のkomadoさんの記述による巳の戸林道だろうか。とすれば、左は鞘口ノクビレ、右は巳ノ戸ノ大クビレ=鷹ノ巣避難小屋先の鞍部に至る昭和の登山道&水源林巡視路。
調べると、2008年の記録で「大崩落箇所多く通行できない」とある。

47.
この季節のハイキングは道型が視認しやすくなる、ザレた斜面が凍ってザレにくくなる、このふたつはメリット。

48.
ふたたび傾斜が増し、手をつく場面の多い登りが続く。co1420。
あんまり年寄りをいじめるもんじゃないんだがなあ。

49.
あれが鷹ノ巣山ですか?ダマしてたら怒りまっせ。
まだ標高差250mを残すco1470。

50.

51.
稲村岩尾根への最後の登り、足元も悪くヒジョーにしんどかった。co1600。

52.
やっと稲村岩尾根(左)と合流する。co1700。
サインはこの赤テと、

53.
柱だけの標識跡。

54.
踏み跡をたどったら通行止めロープを潜らず、達成感がいまひとつの鷹ノ巣山到着。山名標も裏返しだし。

55.
13時半、無人の山頂。風の少ない北東斜面に移動しコッペパンとテルモスの甘くした紅茶でお昼ご飯。

56.
腰を上げる。「大股で歩く」をテーマにして奥多摩駅まで歩くことにした。

57.
将門馬場。

58.
六つ石山の上で赤いヘリが長くホバリングしていたが、

59.
たどりついても何ら痕跡なし。

60.
お疲れさまでした。

61.
歩いたことのない三ノ木戸林道を行くことにする。

62.
分岐で林業の作業道に入ってしまい道迷い。戻ってみればハッキリ通せん棒を置いてくれてるぢゃないか。
「いや、だってきょうは何百本って倒木や枝を跨いだし、、、」

63.

64.
モノレールのサビ具合からしてほとんど使用されていないと推測。転落防止柵になっている。

65.
とつぜんあらわれる御殿のような建物。地元出身の議員さんの別荘だそうだ。

66.
その横でモノレール終点。

67.

68.

69.
帰ってきた。

70.
ホリデー快速が出発して行く音を聞きながら、みすず堂さんで酒を仕入れる。

71.
きょうはヤマメの燻製のご褒美つき。なにかにつけてご褒美だ。あんた自分に甘すぎやしないか?

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装備・携行品

【その他】 ラ・スポルティーバのウルトララプターⅡレザー。起毛タイツにモンベルのロングパンツ。モンベルのメリノウール厚手(エクスペディション)、綿入りアウター、ペツルのヘルメット、ブラックダイヤモンドのフルフィンガーグローブ。ザックはロウアルパインの25リッターにモンベルのギアホルダーを外付け、ココヘリ発信機・ヘッドランプ・チェーンスパイク(使用せず)・スマホ(カメラ+GPS)・バッテリー充電器と予備電池・雨具・ロールペーパー・替え手袋・ユニクロのライトダウン・バラクルバなど。キャメルバックのハイドレーションに水1.2L(下山後残量0.7)・テルモスに紅茶0.7L・コッペパンふたつ・トレイルミックス・非常食。スタート時重量7.0kg。
下山後の着替え一式とサンダルは奥多摩駅のコインロッカー。

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