行程・コース
この登山記録の行程
【1日目】
一ノ沢登山口(06:30)・・・王滝(大滝)ベンチ[休憩 10分](07:40)・・・常念小屋[休憩 120分](11:00)
【2日目】
常念小屋(04:40)・・・常念岳[休憩 20分](06:00)・・・常念小屋[休憩 100分](07:20)・・・王滝(大滝)ベンチ[休憩 10分](11:30)・・・一ノ沢登山口(12:40)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
特に制覇を目指している訳ではありませんが、今回は百名山17座目となる常念岳。
今回も月(つき)さんとテント泊です。
前回の燕岳と同様に登山口近くの駐車場(トイレなし)に深夜2時半ごろに到着し仮眠。
先着は8台で明け方までには1台増えただけでした。
うまく停めれば20台くらいの広さでしょうか。
5時前に起き、軽い朝食と準備をして6時ごろ出発です。
今回の登山口である一ノ沢登山口までは駐車場から舗装された林道を約20分。
歩き始めると、すぐに別の駐車場が。
どうやら私たちが停めたのは第2?第1?駐車場だったようです。
登山口までの林道脇にも何か所か駐車スペース?があり、停められている方も。
一ノ沢登山口には登山計画書ポスト、トイレなどがあります。また、最寄りの駅までのタクシー料金の案内板があります。ただし、この付近は携帯が通じないので、帰りにタクシーを利用される方は、下山前に常念小屋付近(ドコモは3Gでつながります)で予約しておきましょう。
一ノ沢登山道はその名のとおり、基本的に沢沿いの道です。最初のポイントの王滝ベンチまでは1時間20分程で、沢に近づいたり遠ざかったりを繰り返します。王滝ベンチの手前では、春先の増水のせいか、一部登山道が削られており、6mほどの段差の斜面をよじ登る迂回ルートとなっています。
しばらく歩き、合流する支流の沢を渡れば、すぐに王滝ベンチに到着です。ベンチ自体は登山道に設置してありますが、ベンチすぐ上に沢へ出られるところがありますので、休憩はそこがお勧めです。河原に座って上流側を見てみると、伸びている木の枝が、まるで竜の背中に子供を乗せているように見えます。(「ファルコン」と命名!)
次に目指すは胸突き八丁ですが、途中の笠原までは、しばらく沢の少し上の樹林帯を進みます。一ノ沢登山道は、全般に整備が行き届いているのと、胸突き八丁までは沢と同じ勾配となっているので、とても歩きやすくなっています。北アルプスでは、登山口からいきなり九十九折が続くところも多いのですが、このあたりは南アルプスの登山道に似ていますね。また、沢を上がる雰囲気は北岳の大樺沢のようです。
そんな歩きやすい登山道のおかげか、胸突き八丁までは標準コースタイムより30分も早く着いてしまいました。最初、コースタイムを読み間違えたか、胸突き八丁の標柱(抜けて道端に置いてありました)の位置が違うのかとも思いましたが、どうやら間違いではなかったようです。「いや~テント泊で重い荷物を背負っていながらも、俺達ってスゴイじゃん。成長したのか?」など浮かれていましたが、この浮かれは後々後悔することに。
胸突き八丁から、このコースの核心部に入ります。連続階段(新しく付け替えられていました)と沢の急斜面に付けられた九十九折の道で一気に標高を上げます。九十九折の斜面は日当たりもよく、多くの高山植物で目を楽しませてくれます。ただし、道幅も狭いため、花に見とれていると滑落の危険がありますのでご注意を。
適当に休憩を入れながらも、順調に最後の水場に到着です。なんと胸突き八丁も標準コースタイムどおりで驚きでした。ここが沢を横切る最後のポイントで、これより上には水場がないため、テント泊の人は水を汲んでいます。(小屋では1リットル200円で販売)我々も順調なタイムに気を良くし、しばし休憩ですが、実はここからが地獄の始まりでした。
よくよく考えてみると高山病の一歩手前だったのでしょう。前夜の寝不足と、いつにないハイペース、胸突き八丁からの急激な標高差など。水場の休憩地点から少し登っただけで、急に息が切れ始めます。「あれ、おかしいなぁ。いま休憩したばかりなのに、めちゃくちゃしんどいぞ!」好天と樹林帯の湿度で熱中症になりかけたと思い、ポカリで水分補給をしますが、一向に改善しません。むしろ悪化する感じ。月さんも「顔が真っ赤だよ。大丈夫?」と心配そう。水場から常念小屋のある常念乗越までは、第一ベンチ、第二ベンチ、第三ベンチと設置してあるのですが、「腰を下ろして休むよりも早く着きたい。一旦休むと余計に疲れる」という考えが働き、10歩進んでは「ハーハー、ゼーゼー」。
「もうすぐだ。あと300m。でも、300mって、こんなに遠かったっけ?」などと考えながら一歩一歩進み、ついに視界が開けます。目の前の標柱には「常念乗越」の文字。
やったぁー!やっと着いたぞ!・・・が、小屋の姿が見えましぇん。
「ん?あまりにも辛すぎて幻を見ているか(涙)」と思いつつ更に10mほど進むと小高い丘の向こうから赤い屋根が。「おぉ、幻ではなかった!」ついに常念小屋到着です。
常念小屋のキャンプ指定地は2か所。一等地は小屋の玄関前を上がったすぐにある1か所。ここにはトイレも設置しあるので1番人気。もう1か所は横通岳方面に50mほどいった所で、槍ヶ岳方面の展望がいい場所となっています。(トイレなし)
この日の天気は晴れでしたが、お昼を過ぎ小屋の屋根越しに見える槍の穂先や常念岳にはガスがかかっています。
無意識のうちに「とりあえず、いい場所を確保しなければ!」と思ったのか、意識が薄れながらも、夢遊病のようにフラフラとテント場へ向かいます。一等地の方には、前日からの宿泊者が二張。まだまだ余裕でチョイスできます。なるべく平らで傾きの緩いところを探していると、ちょうどハイマツの脇に手ごろな広さが。「ここなら風も避けられるしベスポジだ!」すかさず荷物を下ろして「ここ、取~っぴ!」
しばらくすると月さんも到着です。「いい場所とったよぉ~」と真っ赤な顔しながら得意げに月さんを案内。
何もそんなに急がなくてもいいのに、すかさず小屋で手続きです。一人1000円の幕営料を支払います。ご主人に「今日は、ずっとこんな感じですかねぇ?」とガスっている常念岳のことを聴くと「ええ、今日はこのまま晴れ。明日の午前中まではいいよ」と。いやいや、そうじゃなくて常念岳のガスのことを聴きたかったので、「ガスは切れませんかねぇ?」と聴き直します。「う~ん、なんとも言えないけど、午後からはガスる事が多いからねぇ。明日の午前中は切れると思うよ」と。その時点で「よし!今日はヤメ。明日の早朝アタックだ!」。仮に「このあと多分回復するよ」と言われていてもヤメていたでしょう。そのくらい辛かった(*_*)
月さんにもご主人からの情報を報告し、今日はまだ半日ありますが、ここでゆっくりすることになりました。しかし、小屋からテント場まで歩いてくるだけで息が切れている状況では、正直やめて正解でした。
その後はボチボチとテントを設営し、とりあえず寝床は完了。調子は良くありませんでしたが、食欲は旺盛だったので、それほど深刻ではない高山病だったのでしょう。テントに荷物を放り込んで、楽しみにしていた常念小屋名物「ハンバーグカレー」を食べに小屋に向かいます。
ご主人に「昼食できますか?」と聴くと「カレーは残り2食だよ」と言われ間髪入れず注文。
食堂でしばらく待っていると女の子が「お待ちどうさまでした。ちょっと大盛りになっちゃいました」と照れ笑い。見ると確かにご飯の量が多い。きっとカレーのルーの残りが少なかったのではなく、ご飯の残りが少なかったから2食限定だったのでしょう。残りのご飯を全部盛ったようでした(^_^;)
ちなみに常念小屋のビールは生ビールの他はスーパードライの缶ビール1種類。缶チューハイなどはありません。カップワインは売っていました。
お腹もふくれたので、しばしテントの中で小休止。のつもりでしたが、いつの間にか寝ていました。外のガヤガヤで目が覚めます。時間をみると4時。そろそろ夕食の準備です。
本日の夕食は前回の「燕岳餃子鍋大量余り事件」の反省をもとに、湯をかけて戻す親子丼の素とアルファ米という素晴らしく超簡単で美味しいメニュー。あとは小屋で買った缶ビールと持ってきた月さん専用缶チューハイにおつまみ。品数は少なかったけど十分に足りました!(^^)!
薄暗くなっても、結構みなさん夕食を楽しんでいましたが、私たちは疲れ果てて7時に就寝です。
翌朝4時起床。テントの撤収など出発準備をしている人も。
私たちも30分ほどで準備完了。常念岳山頂に向け出発です。
ちょうど、小屋泊の人たちも安曇野側から上がるご来光を見に出てきます。
山頂方面の登山道には、すでにピークを目指す人たちの影が。私たちもガレた斜面を登っていきますが、昨日の軽高山病を引きずっているようで息が切れます。まぁ、乗越から最初のピークまでは、結構勾配もあるんですけどね。(小屋のある常念乗越からは山頂は見えません)
本来、乗越から常念岳山頂までは1時間弱なのですが、前日のダメージの影響で超スローペース。前常念方面への分岐まで1時間もかかってしまいました。
それでも1時間半というスローペースで着いた山頂には絶景が広がっていました。西には前穂から吊り尾根、奥穂、涸沢カール、北穂、槍ヶ岳までバッチリ。南には蝶ヶ岳までの登山道。やっぱり早朝アタックに切り替えて正解でした!(^^)!
頂上のスペースはそんなに広くなく、特に祠が鎮座している最も高い部分は、4~5人程度が限界でしょう。あまり長居もできないので、記念写真を撮って下山です。
小屋に戻り小屋の前のベンチで朝食です。と言っても、これまたフリーズドライの雑炊に湯をかけるだけ。今回は鮭雑炊とたらこ雑炊を持ってきましたが、鮭雑炊はvery good!でした。ただ、量的には足りないので、カップヌードルで補います。
計画では初日に山頂アタックを考えていたため、7時に下山開始の予定でしたが、大幅に遅れて9時に下山開始です。常念岳の山頂から戻る時もそうでしたが、下りに関しては体力を使わないため、かなり楽でした。そんな調子で、帰りは鼻歌気分で下山しました^o^♪
みんなのコメント