行程・コース
天候
1日目:晴れ、二日目:晴れのち曇り
登山口へのアクセス
タクシー
その他:
(行き)越後湯沢駅からタクシーで和田小屋(約40分 5720円)
(帰り)元橋バス停から越後湯沢駅(590円)
この登山記録の行程
【1日目】
和田小屋(08:16)・・・下ノ芝[休憩 10分](09:08)・・・上ノ芝[休憩 10分](09:57)・・・神楽ヶ峰(10:25)・・・苗場山[休憩 60分](11:35)・・・九合目坪場[休憩 20分](13:15)・・・苗場山(14:10)
【2日目】
苗場山(05:55)・・・九合目半(06:18)・・・フクベノ平(07:52)・・・赤湯温泉山口館[休憩 60分](09:14)・・・林道終点(11:15)・・・元橋(13:12)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
梅雨の合間を狙って苗場山へ。登山道沿いにはイワカガミやチングルマ、サラサドウダン、シラネアオイなどたくさんの花々、山頂に広がる高層湿原にはワタスゲなどが咲いていた。苗場山の山行記録には、よく「舐めていた」とか「思ったよりもきつかった」というコメントが出てくるが、出戻り登山者の感想も同じだ。標高差や歩行距離では測れない手強さが、この山にはあるように思う。ことにその思いを強くしたのは、赤湯を経た下山コースだ。
<新幹線であっという間に登山口へ>
東京駅6時過ぎの新幹線で越後湯沢に出て、タクシーで和田小屋まで行けば、8時半前には歩き始めることができる。交通費を別にすれば、丹沢や奥多摩に行くよりも気軽にアプローチできる。新幹線はやはり早いと改めて思う。
<よく整備された祓川コース>
和田小屋から登る祓川コースは、一番人気があり、要所要所にベンチや木道の階段などよく整備されているが、大きな石がゴロゴロして段差が大きく、ぬかるんでいるところもあるので注意。イワカガミなどの花を愛でながら登っていける。神楽ヶ峰まで登り着くと初めて苗場山が全貌を現し、一旦鞍部まで下り、急登を山頂に向けて登り返す。途中、雷清水の水場があるが、冷たくて美味しい水だ。苗場山はテーブル状の山容なので、どのコースを取っても最後は急斜面だが、登りきると突然有名な高層湿原が広がり、思わず歓声が湧き上がる。それにしても山上の高層湿原とは、やはり不思議に思う。急登を経ているだけに、伸びやかに広がる草地や池塘は、楽園を思わせる。
祓川コースを往復すれば、日帰りも十分可能だろうが、苦労して辿り着いた山頂の高層湿原をゆっくり楽しむ余裕には欠けるだろう。今回は、自然体験交流センター(山頂ヒュッテ)に宿泊(1泊2食付き8800円、事前予約必要)し、散策や朝夕の山上を楽しむことにした。
ブヨなどの虫が多いので、虫よけ対策は抜かりないように。顔を覆う防虫ネットをつけている人も何人か見かけた。出戻り登山者は、虫よけスプレーを一回使ったが、それで十分だった。ただ、ヒュッテのおじさんの話では、「虫はこれから、もっと凄くなる」そうだ。
<手強いが秘湯も楽しめる赤湯コース>
多くの人は祓川コースを往復するようだが、帰りもタクシー利用ではお財布に痛いし、バスが利用でき、秘湯も楽しめそうな赤湯コースを下山ルートに選んだ。これがかなり手強いルートだった。高層湿原から山頂の平坦部のヘリに進むと、いきなり足場の悪い急降下になる。また、道標や鎖なども整備されているが、祓川コースに比べると道も荒れ気味だ。傾斜が緩むと、シラビソ廊下と言われる尾根伝いになるが、振り返ると苗場山がテーブルマウンテンであることがよくわかる。もし、熱帯雨林にこの山があったなら、ロストワールドの舞台となったベネズエラのアウヤンテプイのようになっていたかもしれないと想像した。シラビソのコースは、再び傾斜を増してブナの大木の森になる。下草も繁茂して緑が滴るようだ。大きい石がゴロゴロ、粘土状粘で滑りやすい急斜面なので注意。道はやがて尾根を離れて沢沿いとなる。
傾斜が緩んで沢にかけられた鉄橋を二つ超え、川原を進むと赤湯温泉山口館だ。500円を箱に入れて、川に面した野趣あふれる露天風呂で汗を流す。ここまで簡単にはたどり着けないだけに、源泉掛け流しの温泉は文字通りの秘湯だ。三つある露天風呂はそれぞれ異なる源泉から引いているそうで、二つは男性用(薬師湯、玉子湯)、女性用(青湯)は囲いがされている。夜間は男女のお風呂が切り替わるそうだ。
<登り返し、また登り返し・・・>
赤湯から元橋バス停まではコースタイムで4時間、まだ先は長いが、気分的にはダラダラした林道の下りくらいしかイメージしていなかった。けれども赤湯コースは、ここからもしごかれる。林道に出るには尾根を一つまたがねばならず、未舗装の林道から小日橋(マイカー利用の人はここで終点)を過ぎ、再度登山道を「下る」。と思っていたら、実はそこからさらに急登が待ち受けている。しかも、この急登はトラロープを頼りに土が崩れた箇所をよじ登るところもあり、荒れている。要所に道標もあるのだが、ちょっと初心者にはオススメしにくいと感じた(それまでが整備されたコースだから、初心者なら道を間違えたと思うかもしれない)。ただ、小日橋までマイカーで入る場合は、この限りではないだろう。
二週間、山から遠ざかっていたこともあろうが、久しぶりに筋肉痛だ。苗場山は、山上のたおやかな高層湿原のイメージが強く優しげだが、舐めたらいかんのである。ルート定数52.0。祓川コースは新潟県の評価ではB難度。一方、赤湯コースは鎖場やトラロープ、崩れている箇所やルートファインディングが必要な箇所もあり、C難度か?
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