行程・コース
天候
初日:雨時々曇りのち晴れ 2日目:晴れのち曇り時々雨
登山口へのアクセス
バス
その他:
マイカー:自宅・・・中央道伊那IC・・・仙流荘(7:00)
林道バス:仙流荘(8:05)・・・南アルプス林道バス・・・北沢峠(9:00)
仙流荘駐車場、梅雨のど真ん中なのか割と空いていました。すでに始発の林道バスに乗った人たちの車なのか、以前から山に入っている人たちの車なのか、30~40台といったところでした。バスの待合所で北沢峠までの往復切符を券売機で買います。北沢峠では切符を販売していないので、あらかじめ往復切符を買っておくことをお勧めします。
この登山記録の行程
1日目
北沢峠(9:30)・・・二合目・・・薮沢・小仙丈ケ岳分岐(11:30)・・・小仙丈ケ岳(12:30)・・・仙丈ケ岳(14:00)食事(14:30)・・・仙丈小屋(15:00)<宿泊>
2日目
仙丈小屋(8:00)・・・仙丈ケ岳(8:30)・・・小仙丈ケ岳(9:30)・・・薮沢・小仙丈ケ岳分岐(10:20)・・・二合目・・・北沢峠(11:30)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
未明の中央高速道路、土砂降りの中を伊那ICにひた走りました。
そう、この日は梅雨ど真ん中の7月5日。シーズン到来のはやる気持ちを抑えて南アルプスに向かいました。
今回は初めて家族4人での山行ということで、かなり以前から計画を立てていました。
これまで、奥さんと小学校6年生になる娘の3人では何度か登っていたのですが、この春めでたく高校に入学したお兄ちゃんがデビューとなり、気合を入れて計画を10本近く考えて検討しました。
当初は、まだ冬の装いが残る北アルプス、唐松岳・五竜岳縦走を計画していましたが、八方尾根の残雪の多さと、牛首の難易度を考え断念。初めての登山で感動よりも先に恐怖心が残ってしまっては元も子もないと、ステージを雪の少ない南アルプスに変更。
「よ~し、こうなったら日本第2位に行っちゃう?」などと盛り上がっていたら、2か月前に娘が腕をポキリッ!
何とか直前でギプスは外れましたが「はたして登山なんかに行けるのだろうか?」。恐る恐る先生に「あのぉ…山登りなんて無理ですよねぇ?」。「うーん…どこの山?」。「おっ!この先生も山やるんだ!山をやる人に悪い人はいない。クライマー同士きっと気持ちはわかってくれる!そしてきっと大丈夫!って言ってくれるはず」と信じて「北岳です!」。元気に答えると「無理かな」の即答 |д゚)
でも、ここで諦めないのが我が家のいいところ?「北岳がダメなら難易度を下げればいいじゃん(^^♪」とポジティブに!結局、落ち着いたのが南アルプスの女王、3,033m仙丈ケ岳でした。
今年の梅雨はエルニーニョなのか何なのか分かりませんが、前半は梅雨前線が南に停滞しカラ梅雨模様。「この調子で前線なんか消えてしまえ!」と祈っていると、山行が近づくにつれて前線が北上開始。「うわぁ前線さんごめんなさい!」。2日前に予想天気図を見ると日本列島の周りには低気圧がうじゃうじゃ!「何じゃこりゃ!おーい、高気圧どこいったー!」($・・)/~~~
しかし、ここでもポジティブに「まぁ、行くだけ行ってヤバいようなら止めよう」と、とりあえず支度をして明け方に自宅を出発!
南アルプス長野側の玄関口、仙流荘に着いたのは6時半。6時発の始発の林道バスに乗ることも考えたのですが、夕方にかけて天候は回復傾向という怪情報もあったので8時発のバスに変更。しかし、仙流荘がある伊那も雨、雨、雨。
その影響なのか、仙流荘の無料駐車場も閑散と。「そりゃ、そーだよなぁ…こんな日に登る人間なんて、根っからの山ヤか物好きだけだよねぇ」などと考えながら身支度を完了。
それでも仙流荘のバス停には年季が入っていそうな男女5人グループが1番乗りでベンチに。そのあとに続いて我が家が腰を下ろします。切符は待合所の券売機で売っています。手回り品がある場合は200円を余分に払いますが、ほとんどが登山客「荷物が無い方がおかしいでしょう」と思いつつ往復切符を購入。8時少し前になるとマイクロバスが到着。我々家族も前のグループに続いて乗車します。ところが意外にたくさんの人が乗車し、席はほぼ埋まり「申し訳ありませんが、手荷物は膝の上に置いてください」のアナウンス。「ん?手回り品200円は何のため?」と少々考えつつもバスは出発。
ところどころ名所を運転手さんが説明をしながら50分で北沢峠に到着です。
北沢峠が長野と山梨の県境で双方から林道バスが通っており、我々は長野側のバス停で降ります。ここで奇跡が!なんと雨が小降りに。さっきまでの豪雨が嘘のように、霧雨っぽくパラパラ降っている程度。
登山口は山梨側のバス停を過ぎたところにあるため、ぞろぞろと砂利道を歩きます。小さな水路に木製の橋が架かっており、「仙丈ケ岳2合目コース入口」と書かれた道標。9時25分いよいよスタートです!
最初はお約束通り、うっそうと木々が茂った登山道を登ります。日差しもないため、余計に暗く感じますが、雨でマイナスイオンが大量発生中!空気がおいしい。
ただ、10分登っただけで、なぜか息切れ。「おかしい!伊吹山で今シーズンの足慣らしをしたのに!」などと不摂生な生活を繰り返してきたことなど微塵も思い出しません。ふと後ろを見ると子供たちは元気ですが、奥さんも息が上がっている様子に「俺だけじゃなかった!」と少々ホッ。40分ほどジグザグに登山道を登っていくと、ちょっとした尾根に2合目の表示。ここで、こもれび山荘前の登山口方面からくる道と合流です。今まで周りの景色が望めない森の中を歩いて、少々滅入り気味だった気分も、多少なりとも景色が見える尾根に出てきて、子供たちも元気回復です。
その後、30分ごとに3合目、4合目と進みます。ここまでくると標高もかなり高くなり登山道脇の渓谷には雪渓がチラホラと見えるようになってきました。
そして11時45分、大滝ノ頭に到着です。ここで馬ノ背ヒュッテ方面への分岐となります。事前の情報では薮沢新道と馬ノ背ヒュッテ方面へのトラバース道は、まだ開通していないとのことでしたが、どうやら2、3日前にトラバース道は開通したようです。ただし、薮沢新道は依然として通行止め。当然ここでは小仙丈ケ岳を目指しますが、ここからがかなりの急登!岩がゴロゴロした細い登山道を必死に登ります。気が付くと森林限界が近いのか樹木はハイマツにかわり、娘の背丈ほどまで低くなってきています。
小仙丈ケ岳手前では完全に森林限界を超え、あたりはハイマツとガレ場の岩稜の山に変貌。少々歩きにくいのはあるけど、視界が広がり登っていても変化が感じられ最初ほどの疲れを感じません。13時30分、小仙丈ケ岳に到着です。しかし、周りは真っ白!早々に次ぎに進みますが、ここで本日一番の難所が登場です。岩場を3点支持で下りていきますが、西穂の独標を経験している娘にとっては、大したことない様子。確かにそれほどの高低差もありませんしね。兄ちゃんもさすがに高校生、可愛い妹を心配しつつ妹の後に続きます。
計画では初日に仙丈ケ岳山頂を経由して小屋に入る予定でしたが、今日の天気では景色が望めないこと、何より予定より大幅に遅れているため、山頂の手前でカールをトラバースして小屋に向かうことにしました。14時50分、山頂と小屋との分岐に到着です。
この頃になると天気も急激に悪くなり、ガスと雨で視界は極端に悪くなってきました。「よし、急いで小屋まで行くけど足場に気を付けて」とトラバース開始です。先に私と兄ちゃん、その後に妹と奥さんが続くのですが、自然と足が速くなり、気が付くと私と兄ちゃんが2人を引き離していました。それでもガスの向こうから鐘の音とともに小屋が見えてきたので、「まぁ、じきに追いつくだろう」と考え、先行して小屋に到着です。小屋のテラス下で2人を待っていると娘の笑い声?「いや、何か違うなぁ」と言っていると兄ちゃんが「泣いてる!」と。ガスの向こうから2人が見えて確かに娘が泣いていました。「あれ!どーした?」と聞こうとすると頭の上からダミ声で「どーした、お嬢ちゃん!転んだの?」今日お世話になる仙丈小屋のご主人でした。
奥さんが「違うんです。ガスの向こうに小屋が見えたら、急に安心したのか泣き出しちゃって」と。やっぱり離れちゃったのがマズかったか(^-^;
15時。無事全員到着です。入口のところでご主人が「まだ、後ろにいた?」「うーん、小仙丈の上でカップルがランチしてましたが…」。受付を済ませ、バイト?のお兄さんが小屋の中を案内。屋根裏風の2階に上がり「えぇ、No.3からNo.6でお願いします」と。どうやら1列にズラッと幅約1m間隔で並んで寝るようです。
翌日、朝4時前「今日はよさそうですよぉ~」とご主人の声で目が覚めます。
この日の仙丈ケ岳山頂での日の出は4時25分。小屋から山頂までは30分程度なので、この時間というわけです。2階の相部屋に泊まっていた20数人のほとんどが起きて身支度を整えます。私たちは子供の体力も考えご来光はパス。それでも4時半近くには明るくなってきたため、私と奥さんは毛布をたたみ1階の食堂に降ります。
食堂の窓から外をのぞくと綺麗な雲海が。遠くには微かに槍の穂先が見えます。カメラを片手に小屋の草履で外に出てみました。雨上がりのせいか、思ったほど寒くもなくカール東縁の雲がオレンジ色に染まってきました。もう日の出時刻は過ぎているため、ご来光ではありませんが、それでもきれいな光景に写真をパチリ!お隣の甲斐駒ケ岳は当然ですが、その向こうには八ヶ岳が見えます。
そろそろ朝食が近いため、子供たちも起こして外の絶景を見せますが、睡魔には勝てない様子でボーッ。まだ、ほとんどの人が帰ってきていませんが「ご飯の用意できましたぁ」とご主人。居残っていた我が家が1番乗りです。それでも、食べ終わる頃になると、みなさん続々と帰ってきます。一足先に「ごちそうさまでした」をした我が家は出発の準備です。
6時20分。私たちと同じようにご来光を見に行かなかった男性二人組が山頂に向かいます。私たちも少し遅れて、カールの西側から尾根に上がる登山道へと進みます。ところどころ雪渓が残っていますが、アイゼンを付けるほどではありません。ただ、腐れ雪のため、つま先を蹴り込むとビチャッ!と顔に跳ねます。15分ほど登って尾根に出ると、まだ頂上付近の谷筋に雪渓が残る木曽駒ヶ岳、空木岳が雲海の上にクッキリ!その向こうには木曽駒に半分隠れるように木曽御嶽山の姿。更に少し空いて右側には乗鞍。梅雨のど真ん中、雨に降られながら登ってきた甲斐がありました。ここからは小仙丈ケ岳を超えるまで稜線歩きになります。時折、雪渓を横切りながら徐々に高度を上げ6時50分、ついに仙丈ケ岳登頂です!素晴らしい展望です。みんなで記念撮影。登頂した時は先行していた男性2人組しかいなかったのですが、気が付けば7~8人になっていました。
さて、帰りはカールを反時計回りに下っていきます。一部、稜線をカール側に巻く部分で幅が狭くなるところもありますが、小学校6年生でも問題ありません。所々、コマクサなどの高山植物が群生しており、とても綺麗でした。
再び、小仙丈ケ岳を超えるころになると少しガスが立ち込めてきました。後ろを振り返ると山頂方面はガスの中。ほんのひと時の晴れ間に山頂に立てた幸運に感謝です。
しかし、ここで問題が。またまた下りのひざ痛です!先に痛みだしたのは奥さん。下りのひざ痛は歩き方が原因の可能性が高い。今回は慎重につま先から下りていたようですが、やはり発症。どなたか痛くならない方法があったら教えてください(;_;)
私も4合目あたりから予想はしていましたが、やはり発症!右ひざをかばいながら下ります。この辺りになると天気も本格的に下り坂。2合目を通過するころには時折パラパラ。
痛い膝を引きずりながら頑張って下っていくと、ようやく林道が見えていきました。計画より30分早く山小屋を出たにもかかわらず、1時間遅れの下山です。今後はもっと行程に余裕を見なければ・・・。次の仙流荘方面のバスまで1時間半近くあったので、こもれび山荘に入り山菜うどんを注文。子供たちもちょっぴりお疲れの様子でした。
今回初めて家族全員で、しかも1泊の本格的な登山でした。天気は上々とまではいきませんでしたが、それでも仙丈ケ岳山頂では絶景が望め、まずまずの山行でした。
次回は2週間後に立山を計画しています。兄ちゃんもこれに懲りずに行くかな?
フォトギャラリー:29枚
登山口いよいよ出発です!
いきなりハード
マイナスイオン発生中!
二合目到着!
ちょっと読みにくいですが3合目です
4合目、順調です
うっわ!急!!
おっ!雪渓が残ってる
大滝の頭。トラバース道のテープが外されている
これはしんどい!
娘もグロッキー!
稜線にでて気分が乗ってきた!
小仙丈到着!かなり遅れてる
早くいかなければ天気が・・・
疲れた!でも少し晴れてきた!
おぉ、どんどんガスが上がってくる
今日の登頂は断念!小屋に急ごう
まったり、夕ご飯までのくつろぎタイム
いただきま~す
仙丈小屋です
おはようございます。朝日です!
雲海越しに中央アルプス!
よく晴れ稜線もくっきり!もうすぐ山頂です!
小屋の向こうには甲斐駒ケ岳!
ついに登頂!おめでとう
仙丈ケ岳のカールです。綺麗!
頑張って降りています!
お隣の北岳!ホントは向こうに行くはずだった?
おつかれさまでした
装備・携行品
シャツ | アンダーウェア | ダウン・化繊綿ウェア | ロングパンツ | 靴下 | レインウェア |
登山靴 | バックパック | 水筒・テルモス | ヘッドランプ | タオル | 帽子 |
グローブ | サングラス | 着替え | 地図 | コンパス | ノート・筆記用具 |
腕時計 | カメラ | 登山計画書(控え) | ナイフ | 健康保険証 | 医療品 |
熊鈴・ベアスプレー | 行動食 | 軽アイゼン | トレッキングポール | GPS機器 |
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