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行程・コース

天候

快晴

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 小荒間交差点信号機付近の駐車スペースに駐車。

この登山記録の行程

5:40小荒間交差点-6:40八ヶ岳横断歩道分岐-9:30木戸口公園-12:00三ツ頭分岐-12:10三ッ頭12:20-13:20権現岳13:30-13:40権現小屋-14:00東ギボシ14:10-21:40小荒間交差点

・小泉ルートは、下部にトレースがあったが、三ッ頭分岐までトレースがなく、尾根上部の雪庇と吹き溜まりが醜かった。
・三ッ頭分岐からギボシまでは、トレースがしっかりしていた。
・東ギボシ山頂から権現岳南面の下ノ権現沢(仮)に向けて滑走した。
・下ノ権現沢(仮;権現岳の南面の沢)では、上部はディープパウダースノーでとても快適に滑走することができた。
・中間部は滝が連続的(目立つもので7つ)にあってとても難儀した。
・下部は雪が少なくなり大きな石でボコボコしていてスキーを外して石の段差を降りなければならない箇所が多数ありとても難儀した。
・小さな滝では、スキーを履いたままジャンプしたりして突破した。
・中くらいの滝は、先にスキー、ザック等を滝の下に放り投げてから、雪の上にジャンプして突破した。
・大きな滝では、巨大岩を大きく迂回する必要があり、雪深く藪が濃い急斜面、崖等の障害が多く、かなりの時間と体力を使って突破した。
・特に、連続する巨大岩の迫力に圧倒され、嫌気がさした。
・滑走したコースは、登山道でなく、非常にハードなコース。
・高度なスキー技術、体力、精神力、根性、度胸、判断力等を要する。
・連続する滝では、積雪によっては突破できない可能性がある。
・滑走される際は、ビバークする覚悟、滝を突破できないときは登山道まで登り返す覚悟が必要。
・下山後、甲府の草津温泉(400円)で朝風呂に入りました。

コース

総距離
約13.2km
累積標高差
上り約1,613m
下り約1,612m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

備忘録です。
八ヶ岳の滑走ルートの開拓の一環として、権現岳の南面にある下ノ権現沢(仮)を滑走してきた。
1月に編笠山の山頂から見た、権現岳とギボシの間に真っ白な斜面に魅了されて、下ノ権現沢(仮)を滑走することにした。
下ノ権現沢(仮)について、いろいろ調べたが、ネットで検索すると、権現岳の東面にある上ノ権現沢の氷瀑の記事や、新潟県糸魚川市の権現岳の山スキーの記事、富士見高原スキー場から編笠山を経由して権現岳に登った記事ばかりで、八ヶ岳権現岳で山スキーした記録は全く見つからなかった。
そうなると、頼りになるのは地形図のみ。
どういうルートで滑走するか、地形図と睨めっこした。
下ノ権現沢(仮)では、沢が寄り集まる喉部付近で、連続する滝や、大きな崖が多数存在し、落差が20m程度の滝があることが予想できた。
滝の迂回ルートはいくつか考えておいた。
下ノ権現沢(仮)を滑走するには、小泉登山口から登山道に沿って権現岳・ギボシに登り、権現岳・ギボシから下ノ権現沢(仮)を滑走して、下ノ権現沢(仮)の最上部の砂防ダムの横にある作業道から小泉登山口まで滑走又はツボ足で下山するのがベターと思い、そのようなルートで実行することにした。
下ノ権現沢(仮)を滑走する時期に関しては、できるだけ積雪が多いタイミングがいいと思い、積雪がピークになりやすい2月下旬の降雪直後の晴れた日とすることにした。
その点では、今回の2月21日は、下ノ権現沢(仮)を滑走するタイミングにふさわしい日であった。
2月21日は少々気温が高めの予報で雪崩の心配があったが、権現岳は標高が高いく、雪の結合性も良好であったので、問題はなかった。
実際に、登りでは登山道に沿って権現岳・ギボシに登った。
三ッ頭の手前の小泉コースの尾根部で、雪庇と吹き溜まりによる大きなデコボコ帯で難儀した以外は問題なく登れた。
小泉コースのトレースは最初の部分にあるだけで、三ッ頭分岐までほとんどラッセルしたが、大したことはなかった。
三ッ頭分岐からギボシまでは、天女山コースからの登ってきた人たちのトレースでしっかりしたもので、シールで登るよりも、ツボ足(アイゼンなし)の方が楽だったので、三ッ頭からギボシまでツボ足で移動した。
滑走は、当初の計画では権現岳の岩場の下の権現小屋の上あたりのポイントとしていたが、実際に行ってみると、ギボシ山頂よりも低いところからスタートしても格好よくない思い、ギボシ山頂から滑走することにした。
ギボシ山頂付近はナイフリッジなので、スキーをブーツに装着できるかどうか心配したが、全然問題はなかった。
また、ギボシ山頂にできた雪庇も気になったが、横に延びる雪庇ではなく上に延びるような感じだったので、最初の出だしだけジャンプしてスタートすれば問題ないものであった。
ギボシ山頂の直下は傾斜が40~50°くらいで、その下の方には藪と崖があるので、ギボシ山頂から権現岳方面に斜めに滑走する必要があった。
実際に滑走すると、傾斜がキツイのでスラフが大量に発生した。
ギボシ山頂から下ノ権現沢(仮)に入り、広々とした斜面の滑走はディープパウダーで最高であった。
下ノ権現沢(仮)を進むと、狭い沢となり、巨大岩が目立つようになってきた。
巨大岩が連続するようになってきてから、滝が出てきた。
だいたいの滝は雪が埋まっていて、スキーを履いたまま滑って通過したり、ジャンプして通過した。
ただし、大きな滝が3か所ありました。
落差が5m前後の滝では、滝下にスキー、ザックなどを放り投げて、雪の上にダイビングしてクリアした。
落差が20m前後の滝では、迂回するしかなかった。
しかし、迂回するにしても、左右両側に巨大岩があり、簡単にクリアできるものではなかった。
一旦、巨大岩のないところまで登り返し、深雪の急斜面を濃い藪をかき分けて尾根部まで登り迂回ルートを探した。
巨大岩があったり、崖があったりするなど、簡単には迂回ルートは見つからなかった。
結局、ある程度の藪が生えている崖を、藪につかまりながら少しづつ降りて、最終的にジャンプして、迂回に成功した。
迂回ルートを探す過程で、かなり時間と体力を消費した。
連続する滝ゾーンは明るいうちにクリアできた。
滝ゾーンで暗くなっていたら、ビバークするつもりでいた。
あとは広い沢を滑って降りるだけと思ったら、積雪が少なくなってきて、沢石のデコボコがもろに出てきた。
落差のあるところでスキーを外して降りなければならないところがいくつもあった。
スキーを外したり付けたりしているうちに、ビンディングの隙間に雪が凍り付き、何度もブーツに装着できない状態になった。
ビンディングに凍り付いた雪をマイナスドライバーで穿り出して対処した。
下ノ権現沢(仮)の下部は、広い沢とはいえ、かなりの時間がかかってしまった。
沢石の難所をクリアしているうちに、最上部の砂防ダムが見えてきて、あとは楽に下山できると思った。
砂防ダムの左上には作業道があり、雪のなくなるところまで滑走した。
雪が頻繁に切れてきたところから駐車ポイントまで、ツボ足で歩いた。
下山は遅い時間となってしまったが、途中、休み休み、小腹を満たしながら下山していたので、体力的にはそれほど疲労は感じなかった。
また、通信状態(ソフトバンク)は良好だったので、家族に冗談を交えながら写メールを送ることができ、心細いということはなかった。
今回は、下山が遅くなっただけで、トラブルがなかったので、自分自身、それほど悪い結果ではないと思っている。
前例のない(見当たらない)ルートを開拓できて、満足感が大きい。
本記事を読んで、下ノ権現沢(仮)を滑走したいと思う人はほとんどいないと思うが、もし滑走してみようという人は、くれぐれも天候、積雪、自身のスキルなどに十分に注意して楽しんでください。

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装備・携行品

シャツ アンダーウェア ロングパンツ 靴下 バックパック ヘッドランプ
タオル 帽子 グローブ サングラス 腕時計 カメラ
健康保険証 行動食 GPS機器 アウターウェア オーバーパンツ バラクラバ
アイゼン
【その他】 スキー ビンディング クランポン シール 兼用靴 ウィペット

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登った山

権現岳

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2,715m

三ツ頭

三ツ頭

2,580m

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