行程・コース
この登山記録の行程
泡滝ダム(05:02)・・・七ツ滝沢吊橋[休憩 10分](05:40)・・・大鳥小屋(タキタロウ山荘)[休憩 10分](06:45)・・・オツボ峰[休憩 10分](08:27)・・・以東岳[休憩 20分](09:59)・・・東沢出合[休憩 20分](11:47)・・・大鳥小屋(タキタロウ山荘)[休憩 10分](12:23)・・・七ツ滝沢吊橋[休憩 10分](13:30)・・・泡滝ダム(14:48)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
以東岳は水筒いらずの山だという。大鳥池から流れる伏流水が豊富で、登山道にはたくさんの水場がある。これが以東岳の魅力の一つだが、それ以外にもいくつかの魅力がある。
一つは、その重厚な山体である。どっしりした山体は朝日連峰の中でも特に存在感があり、向かいの障子ヶ岳から見るとその重量感が際立つ。
二つ目は大鳥池である。急な山腹をジグザグに折れながら登っていくと、そこに大きな池が広がる。これだけの高度にある池とは思えないスケールに驚く。ここには幻の魚「タキタロウ」が棲むという。
三つ目は花である。大鳥池から急登をしのいで着くオツボ峰から先の稜線には、夏の終わりにタカネマツムシソウやミヤマリンドウが群生し、それは見事な紫を楽しませてくれる。
もう一つ加えれば、登山者が少ないことだ。雄大な景色の中を、静寂な山歩きが楽しめる。
以東岳に最初に登ったのが2010年の8月8日。好天に恵まれて奥深い山歩きを楽しんだが、4万歩をはるかに超える距離の長さに驚いた。今日は二度目の以東岳だが、あいにく天候がすぐれない。
泡滝ダムに着いたのは4時半を少し過ぎたころである。辺りはまだ暗く、歩行もおぼつかない。ヘッドライトの準備に手間取り、出発したのは5時2分だった。ここからはヘッデンの明かりを頼りに、渓流沿いの道を進む。一カ所、道が崩落している箇所があった。明るければ問題はないのだが、暗い時間帯なので慎重に通過した。
傾斜の少ない道を、遊歩道を歩くようにして進むと七ツ滝沢吊橋に着く。5時40分。ここで10分の休憩を取って、ジグザグの急な登りに足を踏み入れる。ブナの大木が茂るこの斜面は、湧き水が豊富だ。水筒いらずの山という呼称は、ここに由来するのだろう。
斜面を登りきって、しばらく緩やかな登山道を行くと、大鳥小屋に突き当たる。小屋の向こうには大鳥池が広がっている。時刻はまだ6時45分である。ここでも休憩を入れ、池を回ってオツボ峰に至る急登に取り付いた。ここの登りがもっともきついが、後ろに大鳥池を見ながら、しばらくの間、ブナの森を喘いでいくと、視界が開ける。
ここからは雄大な風景を目にしながら、爽快な広い稜線歩きが始まる。急な登りもあるが、視界が開けているためか、それほど大変さを感じない。
オツボ峰には8時27分に到着し、ここで休みを入れる。残念なことに、稜線付近にはガスが流れていて、以東岳を見ることはできない。タカネマツムシソウやオヤマリンドウに慰められながら稜線に向かい、切り立った岩場を抜けて大鳥池を眼下に収めると、以東岳の山頂は近い。山頂には9時59分に着く。ここから以東小屋に下って休憩を取った。
以東小屋からは、大鳥池に向かって急な下りが連続する。膝に負担がかかる下りだ。笹原を抜け、矮小林に入って、さらに下りに下ると東沢出合に着く。ここは大鳥池の上部に当り、河原に石が敷き詰められている感じだ。ここから湖岸を縫って大鳥山荘に着く。意外に長い道のりで、時計を見ると12時23分になっていた。10分程度休憩をして、ここから泡滝ダムへ下りる。
七ツ滝沢吊橋を13時30分に通過し、長い長い道を歩いて14時48分に泡滝ダムに着く。以東岳ははるかに遠い山だと実感した瞬間である。
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